「竹櫛司令官と一ノ傘副司令官の艦隊が統合したんですから、艦隊の名前も新しくするべきだと思うんです」
叢雲と一ノ傘を執務室にわざわざ呼びつけた電は得意顔で人差し指を立てた。この艦隊に加わってからというもの、実にイキイキとしている。提督と副提督、それに人員が倍増して心労も倍増した叢雲の業務を中断させる程だ。楽しそうでなによりであると、呆れを通り越して共に喜びたい。
しかし当艦隊は私のものである。
「私が熟考に熟考を重ね名づけた艦隊名を変えろと?」
「【叢雲艦隊】が熟考された結果だとは思えません」
「そうよ変えましょう。私が今までどれだけ恥ずかしい思いをしてきたか」
「大規模演習の時の旗艦が叢雲だったのだから妥当だろう。それに今までずっと【叢雲艦隊】で通してきたではないか。今更だ」
「変更手続きが面倒臭過ぎるからよ。電がやってくれるのなら是非お願いしたいわ」
「はい、お任せください!」
どんと胸を張る電。そこに割り込むように一ノ傘が、かつてブラック鎮守府を束ねていたとは思えない弱々しい挙手をした。
「じゃ、じゃあ電、前にワタシんとこで使っとった艦隊名とか――」
「却下です」
この場に存在を許しているだけでも有り難く思え、と言わんばかりの切り捨て方である。
「実はもう新しい名前を考えてありまして、響に掛け軸を作ってもらいました。では発表します……、ジャン! これなのです!」
【 隊 艦 櫛 竹 】
竹櫛艦隊。電が誇らしげに掲げた掛け軸には、へったくそな字でそう書かれている。「櫛」は書き慣れない字だからか他の文字より一回り大きい。字の上にはやはり「すぱしーば」と小さくある。ふりがなだろうか。それとも響的には「第六駆逐隊」も「竹櫛艦隊」も「すぱしーば」と読めるのだろうか。流行りのキラキラネームというやつだろうか。
待てよ、これはもしかすると電のボケではないか? 先に【叢雲艦隊】のネーミングを安直だとディスっておいて、それからの【竹櫛艦隊】という安直極まるネーミング。この後「アンタも名前そのまんま持ってきとるやん!」という一ノ傘のツッコミが入ることで一連のネタが完成するのではないか。ダチョウとおでんのような黄金比を形成するのではないか。一ノ傘と電は腐っても元・提督とその右腕だった。私と叢雲がそうであるように、二人にも阿吽の呼吸があるに違いない。だとすると私がここで口を挟むのは野暮というものだろう。電が掛け軸を作ってまで布告したボケだ、発言権は一ノ傘に譲ってやろう。
「ね、ねえ電? ワタシは? 一ノ傘さんの名前は入れてくれんの? お姉さんちょっと寂しいなー……なんちゃって」
なんちゃってと言ってしまった。
「じゃあ第二艦隊を組む時は【一ノ傘艦隊】にしときます」
冷た過ぎて見ているだけで眼球が霜焼けしてしまいそうだ。どれだけの罪を犯せば電からこれほど冷たくあしらわれるんだ。ほら見ろ、叢雲も少し引いている。
「掛け軸まで作っているところを悪いが【竹櫛艦隊】は却下だ」
「そんなっ!? 何故にです!?」
ボケではなく本気だったのか。
「【叢雲艦隊】と大差ないではないか。それに自分の名前が艦隊名に入るのは少々恥ずかしい」
「ふざけるな」と叢雲に足を蹴られた。
「せっかく一ノ傘副司令官の艦隊とウチを合わせて随分な戦力になったのよ。もっとこう、誰に聞かれても恥ずかしくないようなしっかりした名前にしないと」
「ですから、ほら」
ズイと掛け軸を突き出す電。私は喜ぶべきなのだろうか。こうも推されると悪い気はしなくなる。【竹櫛艦隊】が戦果を上げれば私の名は後々に残るであろう。勇敢なる【竹櫛艦隊】は叢雲を先頭に荒れた海を突き進み、襲いかかる深海棲艦をちぎっては投げちぎっては投げ、ついには奴らの正体を人類が暴くより早く絶滅させてしまうのだ。長かった戦争は終わり、英雄となった私達二人はその後、潮騒の届かぬ場所でゆっくりと余生を過ごすのだ――。
「だから却下。ぜんぜん締まらないでしょそれだと」
「失礼なことを言うな。私の名を出せば戦意も高揚するだろう」
「げんなりするわよ。名前で言えば山城の次に縁起が悪いわ」
山城の次……この私が鉄と不幸の化合物で建造された山城の次……。
「そこまで言う叢雲さんはじゃあ、どんな名前がいいです?」
「私? ……はほら、艦隊の名前を決める権限なんてないし」
「もしかして変えたくなかったりします? 【叢雲艦隊】」
「そんなわけないでしょう! 一刻も早く変えたかったところよ! ただ、その……私の立案なんてあんまり意味ないし、こういう事はせっかく人数も増えたことだし、コンペみたいなのを開いて案を出すとか」
「もしかして命名センスに自信ないんですね?」
「あ、あるわよっ! 艦隊名のひとつやふたつ考えて――」
「考えて? あるんですねやっぱり。【叢雲艦隊】から変えたい名前を温めてないわけがないですもんね。では叢雲さん、とっておきの発表をどうぞ!」
「~~――くぁwせdrftgyふじこlp!!」
◆――――◆
【天照大艦隊】。
由来は文字を見たまま天照大御神。日本最古の引きこもりとしても有名な太陽神である。その引きこもり事件、天岩戸隠れの元凶である弟の建速須佐之男命は、八岐大蛇がドロップした天叢雲剣を天照大御神に献上したという。ざっくり言えばアマテラスが装備している剣がムラクモノツルギ、ということになる。
天照大御神の剣――この艦隊の剣であろうと叢雲は自身の名前をかけて命名したのだろう。
「好評じゃあないか」
「う、うるさいっ」
新艦隊名決定の通知を張り出した掲示板の前に集まった者達の反応は上々だった。叢雲の真意を汲み取れた者は少ないようだが、旧一ノ傘艦隊を含め、天照大艦隊としてまとまってくれるのであれば、「あれなんて読むの?」といった声が聞こえてきても構いはしない。
「てんてり? てん……天日干しで照り焼きの艦隊?」
「【アマテラスダイカンタイ】っと。これでいいかい」
「うおーカッケェー! 神サマの名前だぜ、負ける気がしねぇな!」
「神様!? いつも助けてくれてる幸運の女神ですか!?」
「てゆーか前まで【叢雲艦隊】だったんだ。知らなかった―」
「えっ!? それでよく今まで無事だったね、竹櫛司令官の艦隊」
「ちょっと大げさな感じはするけど、いいんじゃない?」
「これくらいハッタリ利かせたほうが戦いでアツくなれるんだよ」
「日本神話の……なるほど、そういう意味ですか。つまり【叢雲艦隊】から意味は大して変わってませんね」
「新しい艦隊……これで一航戦と五航戦のみんなが少しでも仲良くなれば……」
「テリヤキバーガー食べたくなってキマシタ」
「いい名だ。この名に恥じぬ戦いをしなければな」
「クマー」
「にゃー」
「不幸だわ……」
「そ、そんな……【竹櫛艦隊】だったはずでは……電、私が作った掛け軸は……」
「えっとですね……、だ、大丈夫ですよ捨ててはいませんから! ちゃんと飾りますから!」
「Ураааааааааааааа!!」
「ちょっ、どこ行くんですかひびきーっ!」
◆――――◆
一ノ傘の艦隊と我が艦隊が合体したことを上層部にしつこくグチグチと言われることがなくなった程度には、天照大艦隊の滑り出しは良好と言えた。
技工を凝らして(叢雲の)安全確保に努める我が旧艦隊と、火力に任せて敵艦隊を蹴散らしながら進撃する旧一ノ傘艦隊、互いが互いの欠点を補い合える編成を行えるようになったのだ。人員が増えたことにより遠征任務も多くこなすことができ(これは遠征そのものの負担を考えると儲けは少ないが)、支援艦隊の編成にも悩まされることはなくなった。
艦娘の顔合わせについては問題無く――といえば私はホラ吹きのレッテルを貼られることになるが、一ノ傘の艦隊とは鎮守府が近かったこともあり、よく演習や合同作戦を行っていたし、電をはじめとして陸上で顔を合わせる機会があった者も多く、派閥争いのような不毛な問題は……今更である。問題のひとつやふたつ増えたところでへこたれる私ではない。
帆船の時代ではないが、我が天照大艦隊はまさに順風満帆と言えよう。
「……なに浮かれた顔してんのよ」
[叢雲;Lv.101 → 103]
覇気のない声である。艦隊の名付け親がそんなことでどうする、と叢雲の顔を見ると、目の下にはどよんと隈ができ、頬もげっそりしているではないか。山城がネウロイとやらと戦ったとかなんとかの報告書を持ってきた時の数倍は酷い。美しい顔が台無しだ。誰だ私の叢雲をこんな風にしたのは。やはり山城か。奴の不幸は天照大御神の威光ですら明るく照らし出せないというのか。
「なんとかしてよ、隣の部屋」
「一ノ傘か。そういえば最近姿を見ないな」
「そりゃそうよ、引きこもってるんだもの。あの人がぜんぜん働かないせいで仕事が減らないわ。陸の仕事だけで練度が上がったくらいよ、信じられる?」
艦隊の規模が大きくなれば当然、やるべき事も単純に二倍とは言わずとも増える。しかし副提督という便利な肩書の奴がいるのだからむしろ今までより楽になるだろう、と考えていた。そうでもないらしい。私の叢雲をコキ使う奴は許さん。
第二執務室は仕事を行うに相応しい場所ではなかった。奴には奴が寝る部屋を別に用意したはずなのだが、第二執務室は一ノ傘の私物で溢れている。いや埋もれていると言い換えよう。机の周囲には大量の銃火器が置いてあったり立てかけてあったりなかったりしている。ライフルやハンドガン、スコープ、なんだかよく分からないパーツや何故か大量のガスボンベが無造作に置かれている。全部エアガン関係だろうか。しかし奴は拳銃を支給されたと言っていた。パソコンの前に無骨な拳銃とBB弾ではない金属製の弾が転がっている。卒倒したくなる安全意識だ。
他によく目につくものはニヤリと笑ったダンボールの空箱である。これが全ての元凶だろう。Amazonと引きこもりを接触させてはならない。その他、人をダメにすると言われるソファ、変えの軍服、雑誌、文庫本、一応まとめて置いてある化粧品、梱包材として使われるプチプチ、扇風機、不細工なぬいぐるみ、秘書艦の机、【隊艦櫛竹(ばーしぱす)】掛け軸、空のペットボトル、ビールの空き缶、出し忘れたらしいゴミ袋などなど。
部屋を汚すことは百歩譲ろう。一ノ傘副提督がこの部屋をどう使おうと私が口を出すことではない。やるべきことさえやってくれるのならば私は文句を言うまい。
「ちょっと! ノックもなしに入ってくるなんて失礼じゃない!」
[雷;Lv.122]
一ノ傘は雷に膝枕されていた。すぐそこに人をダメにするソファがあるというのに、一ノ傘は雷の太もも枕に頭を乗せて、刈り取られた雑草のように転がっていた。そんな奴の頭を雷は優しく撫でている。
「竹櫛司令官はエチケットがなってないわ。ほぼ女所帯なのにそんなことじゃダメじゃない」
「貴様らにだけは言われたくない」
「んん……おー竹櫛やん。恥ずいけん部屋見らんでー」
「現在進行形で生き恥を晒している奴の台詞とは思えん。さっさと起きろ馬鹿者が。今何時だと思っている」
「いかずちー、いま何時―?」
「1750よ副司令官。今日の夕食はカレーだって」
「そっかー。そうらしいよーたけぐしー」
「ここで特別昇進したいか? 引きこもりが特進できるかは知らんが」
「なんてこと言うの!!」
「いいんよ雷、ありがとうね。ワタシが死んで深海棲艦になったら……電はちゃんと沈めてくれるかね」
「やめてよ、やめてよそんなこと言うの! あなたには……私がいるじゃない……!」
雷は一ノ傘の頭を抱えて泣き出してしまった。数日前まで物置だった私の執務室の隣室で繰り広げられる少女と干物のロマンス。付き合っていられないので部屋を後にした。
◆――――◆
つかつかと凛々しく廊下を歩く電の背中に声をかけた。振り向いた電はこれ見よがしに左手で髪をかき上げた。見せつけてくるのは勿論、海に出ることが多くとも全く傷んでいない清流の如き髪ではなく、薬指に嵌めた一個七百円の指輪である(本人は全く気にしていないが、一ノ傘とのケッコンカッコカリを解消してしまったため、我が艦隊における最高練度の座は雷に譲り渡している)。
「お早うございます、竹櫛司令官。今日も良い天気ですね」
「ひとつ頼みがあるのだが」
「ああ、ええ、なんなりとおっしゃって下さい」
「一ノ傘と仲直りしてくれ」
太陽のようだった笑顔が、スーパーノヴァを起こして残ったガスの臭いをかいだような表情になってしまった。私の知る電がどんどん俗物になっていく。先ほど「今日も良い天気」と言ったが、窓の外は折り畳み傘では頼りないくらいの雨である。
「一ノ傘副司令官のことは雷に任せてあるのです。雷ならきっと上手くやってくれます」
「上手くやれていないからこうして頼んでいるのだ。雷は人をダメな方向にしか導いてはくれないぞ」
「影のあだ名が「ダメ人間製造機」ですからね。もしわたしがいなかったら旧一ノ傘艦隊は、仮に初期の資材不足をなんとか凌いだとしても雷に骨抜きにされて滅んでたと思います。最古参の吹雪がとろけましたし」
「私の艦隊を滅ぼす気か。一ノ傘と雷が働かないせいで天照大艦隊は早くも存続の危機だ。一ノ傘の秘書艦をやれとは言わん。だがせめて奴の労働意欲を復活させるために仲直りだけはしてくれと頼んでいるんだ。電、これは真面目な話で、この艦隊の司令官の命令と考えろ。働かざるもの何とやらレベルでは済まないんだぞ。最悪、旧一ノ傘艦隊の人員を全員路頭に迷わせることになりかねん」
なにより叢雲が過労で倒れかねない、と言うほど私は空気を読めない男ではない。今ここで叢雲の名を出せば電が反発することは必至である。上層部から金をふんだくるために磨いた処世術を今活用せずいつ活用するのか。
しかし電は「大変みたいですものね、叢雲さん」とぽつりと言った。知っていたなら手伝えよ。
「本っ当に、仲直りするだけでいいです?」
「うむ。それだけでいい」
「……竹櫛司令官の命令なら仕方がないのです。じゃあ、ついて来てくれますか」
◆――――◆
電の姿を見るなり、一ノ傘は雷枕から飛び起きた。ダメ人間製造機の魔の手から一瞬で開放してしまうとは、私の最初の秘書艦は流石である。
「ひ、久しぶり、やね。 ……えっと、本日はお日柄もよく」
「外は雨です。土砂降りの音が聞こえませんか」
「(おい電、もう少し優しくだな)」
「(分かってます)」
「電! 今までどこ行ってたのよ! 一ノ傘副司令官がずっと寂しがってたんだからね!」
「わたしは雷のようにメンタルは強くはないのです。だから今日、一ノ傘副司令官には約束をしてもらいに来ました」
「する! なんでも約束するけん今までどおり話ししようよ! もう身体触ったり――」
「ギャー! 言うな! 竹櫛司令官の前では黙りやがってください! わたしまで同類扱いされたら本当に絶交しますからね!」
「あんなのちょっとしたスキンシップじゃない」
「R指定のスキンシップなんて許さないのです!」
「ちょっと蕩けるくらいが人間、一番心を開けるのよ」
「姉妹艦にそんな汚れた倫理観を語られたくないのです! 暁と響にしゃべったらぶっ飛ばすからね!」
「でも暁は一人前のレディになりたがってるのよ。そろそろ機会があってもいいんじゃない」
「大人の階段と汚れたエレベータを一緒にすんな! お子様ランチの旗をピンクチラシにしてしまうようなおバカはここで一度死ぬのです!」
殴りかかる電と受けて立つ雷。ドタバタ騒々しく暴れるせいで、なんだなんだと第二執務室の外に人だかりができる。この雷電キャットファイトは暫くの間、鎮守府内での語り草となってしまった。
◆――――◆
第二執務室の扉をノックすると、「どうぞクマー」と間の抜けた声が返ってきた。奴はここに入るのを嫌がっていなかったか?
部屋の中はそれなりに片付いている。捨てるべきものを捨てて整理するものは整理した、というだけで執務室とは思えぬ物の溢れ様ではあるが、ダメ人間と球磨がきちんと机に向かっているだけ上等である。
「球磨が秘書艦とは珍しいな。どういう風の吹き回しだ」
「ここは天国クマ。見るクマよコレ、APS-3だクマ! まさかの精密射撃銃クマ。そこにあるのはM14-EBRで、一ノ傘副提督のコレクションは半端ないクマ」
「ありがとう球磨ちゃん。でも遊ぶのは働いてからにしようねー」
「サーイェッサー」
どの口が言うか、とは言うまい。一ノ傘が給料分しっかり働いていれば問題は最初の部分だけは解決するのだ。私がここに来たのは次なる問題を解決するためである。
「一ノ傘、この明日からの遠征計画だが」
「単冠湾あたりでレ級がおるって目撃情報があったんよ。新米の見間違いやとは思うけど本当やったら危ないやん? そんで可能性のあるルート探しと、ついでに一、二匹撃破」
「ふざけるな艦娘を過労死させる気か貴様。単冠湾は択捉島にあるんだぞ、レ級をマグロか何かと勘違いしていないだろうな。艦娘は蟹工船じゃあない。それに装備にドラム缶が入っていたぞ。輸送任務の装備表フォーマットを使い回していないだろうな」
「入れ物がないと途中で物資が尽きるやん」
元ブラック鎮守府の長は私とは根本的に考えが違っていた。試しに資材確保のための遠征計画を任せてみたらコレである。輸送任務でチマチマ資材を運ぶよりも戦果を上げて得られる報奨金のほうが物資その他に自由に変換できて効率が良く軍上層部のウケも良い、と。おかげで前線に送り出す部隊よりも強力な部隊をはるか遠いオホーツク海に送り出すことになってしまう。
「レ級は存在が確認され次第、可能な限り交戦を避けるのが我が艦隊の方針だ」
「提督は心配性クマ。一ノ傘副提督の艦隊が来たんだから戦力は十分クマ。もうレ級に怯えながらのクルージングとはおさらばクマ」
「たっのもしい♪ この作戦が成功するかどうかは補給班の腕にかかっとるからね、頑張ってよ球磨ちゃん」
「は?」
「秘書艦をやっているのに知らなかったのか。お前もドラム缶ガン積み要員としてレ級狩りに加わるんだぞ」
「聞いてないクマ! とゆーかクマはまだレ級と交戦したこと一度もないクマよ!? なのにドラム缶ガン積みって、対空機銃もなしにどう生き残ればいいクマ!?」
「だいじょーぶちゃんと考えとるって。戦い慣れとる蒼龍飛龍も一緒やし、二人が戦場かき回しとるうちにこっそりMVP取ってくればいいやん」
「ドラム缶でどーやって攻撃しろっつークマー!」
三日後、ボロボロになりながらも球磨はMVPと原形をとどめないほど破損したドラム缶を持って帰投したものの、ドック前で力尽きて倒れ、一週間の絶対安静となった。
[球磨;Lv.63 → 72]