◆―【藁】―◆
アンタは他の連中にないものを持っている。
あれは激戦を終えて母港に帰る途中でした。もう立っているものやっとといった様子の仲間に肩を貸している時に、耳元でぽそりと褒めてもらったことがありました。お父さんの艦隊が壊滅し、僕が失跡する前のことです。
今になって僕は思います。誰も持っていないものを自分だけが持っている、それはとっても孤独で寂しいことのようです。
「僕は、一人じゃない」
そう書いた手記の切れ端をヘンゼルとグレーテルのように歩いた道に遺しながら、僕はヤーナム島の中心部、廃病院を目指しました。
ふと振り返ると、落としていった手記の切れ端は獣の血に溶けて消えていました。それもまたヘンゼルとグレーテルのように。
島に持ち込んだ物資は上陸から数十メートルも進まないうちに底を突き、しかし幸い生き残るために必要な獣狩りの道具や、流した分を補う輸血液はいくらでも手に入りました。
かつて僕らに迫るほど高い水準にあったであろう文明を築き上げた島の住民が生活していた街の影を、鋸、鉈、そして砲弾代わりの水銀で切り開きながら駆け抜けました。
赤い月を背にした廃病院の外観を見る頃には、僕は血に酔ってしまっていたのだと思います。本来の目的を記していた手記は既にページがすべて失われ、月を見ているだけで発狂して脳が破裂しそうになるのを抑えるために飲んだ鎮静剤の副作用のせいで何も考えられません。ですがそれでも、廃病院から漂ってくる濃厚な血の匂いに惹かれて暗い内部に足を踏み入れました。
「あら、あなた――素敵な髪飾りね」
ヤーナム島で初めて出会った『まともな』人間、澄んだ声を持つその若く美しい女性は、ヒールで獣の頭を踏み潰したとは思えない綺麗な姿をしていました。
◆――――◆
「そしてコレがその髪飾り。ほら、どう? ちょっと触ってみない?」
【斑鳩:Lv.150+1 → 152+1】
思い思いのお酒を持って僕を囲んでいた本隊のおよそ百人がサーッと引いていきました。武勇伝で釣る作戦は失敗のようです。庭付き一戸建てサイズの巨獣の内蔵を素手で抉った話には目を輝かせて食い付いたくせして、ちょっと愁いを帯びただけの髪飾りは避けるなんて酷いじゃありませんか僕も含めて。
「んなモンより早く続きを話せヨー」
ジョッキを片手に顔を赤くした金剛さんが言うのを皮切りに、僕をせっつくシュプレヒコールが360°全方位隙間なく、不満の投石の如くぶつけられました。お酒が入っていなかったらイジメと呼ばれる吊し上げ行為ですよコレ。天照大艦隊のモラル教育はどうなっているんだと問い詰める先の叢雲さんまで「イイところで話を切ってんじゃないわよー!」この有様です。
「ちゃんと話すからシャラーップ!」もちろん僕もけっこう飲んでいます。「でもラスボス戦の前にキーアイテムの説明が必要でしょう?」
「なんのためにブラッディ・メアリーとホルモンを用意したと思ってんですかぁ」
【睦月:Lv.69 → 70】
「斑鳩さんが獣を狩る話を聞きたいにゃ~」
「でもラスボスは獣じゃあなかったんだよ睦月ちゃん。ヤーナム島が悪夢の地と化したのには理由があって、病院だって廃れてからもずっと『医療』を続けてたんだ。つまり、そう――すべては不幸だったんだ。ひとつの文明が滅ぶ程の不幸、それはどんなものだと思う?」
僕が懐から取り出した、まるで西洋の古代王の墓から盗んできたような豪奢な杯に皆の視線が釘付けになります。手付かずの赤ワインを用意していたのはこの時のためです。黄金の杯に満たされる赤い液体――僕の話をここまで聞いた皆の頭には、島に眠る人々を冒涜する聖杯の儀式が浮かび上がっていることでしょう。ですから敢えて僕は何も語りません。
「さあ。天照隊には悪夢を喉に流す勇気のある艦娘がいるかな」
食堂から言葉が奪われ、誰もが好奇心と恐怖心の間を彷徨っています。
「そこの正規空母たちはどう? このワインは僕の奢りだよ」
僕と同じ正規空母、かつ悪名高い赤城たちの心臓を鷲掴むことでさらに場を支配してしまいます。この中では飛び抜けて高い練度も印象操作に利用させてもらっていますからね、誰一人として僕が見てきた悪夢から逃げ出すことは叶いません。カレンダーズ全員を怖がらせ半泣きにさせてしまったのは心が痛むものの、あの暗殺者・球磨さんまでもビビらせているのは痛快でもあります。
「え、ええ……勿論いただきます。格調高くも危険な儀式は一航戦にこそ相応しいですからね。――さあ加賀さん。一航戦の誇りを示してください」
【赤城:Lv.98 → 99】
「押し付けられる意味が分かりません。それに私はワインよりも日本酒派ですから。――瑞鶴。あなたが飲みなさい。改二になる設計図が貰えない悲しみを聖杯で紛らわすといいわ」
【加賀:Lv.97 → 99】
「今からでもヤーナム島に泊地を敷設しに行って死ねばいいのに。――ようし、五航戦のカッコイイところを皆に見せつけてあげてよ、翔鶴姉」
【瑞鶴:Lv.80 → 99】
「……そうね。最近ちょっと正規空母としての在り方を見つめ直さないとマズい気がしてたから……」
【翔鶴:Lv.81 → 99】
おずおず僕の前に座ったチャレンジャーは奇しくも、と言う程でもありませんが僕と同じく銀髪の翔鶴です。今の僕は睦月ちゃんをリスペクトした軽く短いヘアスタイルですから、目の前の翔鶴はなんだか鏡に映った過去の自分のようです。被害を図らずも積極的かつ必然的に担当しそうな雰囲気までダブりますねえ。
賭け事の一騎討ちめいた空気になり、僕らを囲む誰もが固唾を呑んで怖いもの見たさに何かを期待しています。
「緊張しないでいい。簡単なことだよ」と声に重みを持たせて緊張させに行きます。「僕にできたんだから翔鶴にだって、難しいことじゃあない」
「え、ええ」
「今から暴くのは医療の根源。それは神秘のようでもあり、あるいは神秘を盗んだ罪と罰の始まりでもあった――さあ。まずは髪飾りで夢の徴を」
「え? 嫌よ。それは嫌」
もし世界が核戦争で崩壊して男全員がモヒカン肩パッドになっても愛せるか、と質問した時の模範回答のようなキッパリとした拒絶です。今この時まで食堂内に注意深く構築していったオカルト的な空間が、翔鶴の極めて冷静なお断りの言葉によりあっさり砕け散ってしまいました。台無しです。周囲のおよそ百人も、冷めたホルモンを口に運びはじめました。
それほどまでに愁いの髪飾りを拒否するか。そんなに運のパラメータが大切か。
「ちょっとだけ。ちょっと装備するだけでいいから」
「それが嫌なの。近づけないで」
「五航戦が臆したの? 神秘に触れるカッコイイところを皆に見せつけなくてもいいの?」
「何航戦とか、そういうのは別にいいわ」
「イヤーッ!」翔鶴の頭に髪飾りパンチ! こうなったら実力行使です!
「イヤーッ!」しかし翔鶴の正規空母反射神経は僕の手を弾きます。
そして食堂は髪飾りを押し付けたい僕が誰彼かまわず頭を狙い、他の皆は食べ物飲み物をひっくり返しながら逃げ惑う、さながら火炎放射器を携えた狩人が獣を追いかけ回すヤーナム島の街道めいた様相を呈することと相成りました。
「もうホント一瞬でもいいから! 誰でもいいから!」
「こっちくんなクマー!」
「お前らのせいだぞ馬鹿空母! 何とかしろ!」
「知るかボケ! ウチに言うなや!」
「撤収―! カレンダーズ撤収―!」
「僕は一人じゃない……僕ハ一人ジャナイ……!」
「ねえ、なんか斑鳩がオーバーソウルしてるんだけど」
「カレンダーズに見捨てられたら、まあ気持ちは分からんでもない」
「やむを得ないネ。霧島! 斑鳩にメガネパンぐほぉっ!? おぇぇ……」
「お姉さまも大概だけど霧島の酔った時の手の早さもひどくない?」
「うわぁこっち来た! こっち来た!」
「アレも正規空母だ、食い物で釣って――ダメだ無駄に常識人でいやがる!」
「いやああああ少し触られた! 運が下がるぅー!」
「衛生兵―!」
「メディーック!」
「えーせーへー!」
「遊んでんじゃないわよ! 全員、寮に避難して鍵を掛けなさい! 早く!」
ほとんど食堂から逃げられてしまった頃、隅っこで一人ぽつんとしている戦艦を見つけました。しかも幸運なことに、愁いの髪飾りが誰よりも似合いそうな負のオーラを頭の艦橋から電波塔のように発しています。この人に渡さず誰に渡せと言うのでしょうか。
「ハァ……はぁ……。さ、さあ。この髪飾りを付けて聖杯の儀式を――」
「ザッケンナコラー!!」
フコウ・ヤクザクランの山城が僕にどれだけ強く椅子を振り下ろしたかは、木製でありながらも乱闘騒ぎに耐えてきた歴史ある椅子が修理できないほどバラバラに壊れたと言えば伝わるかと思います。
◆――――◆
一週間後、机に突っ伏した僕にファブリーズの霧が噴き掛けられました(ヤーナム島で使っていた血と水銀で霧を作るロスマリヌスではありません。そのへんのスーパーで普通に買えるやつです)。頭をもたげると鼻の中を強烈に消臭・除菌されました。
「斑鳩から、不幸の臭いがするー」プシュッ。プシュッ。
「……傘姫提督って知らないんだっけ? こんなこと自分で言いたくないけど、僕という斑鳩型航空母艦一番艦は慎重に扱われるべき要注意艦娘なんだよ。あんまり雑に扱うと鎮守府を焦土にしちゃうかも分からないんだよ。それもアニメみたいに無防備な提督を殺し損ねるようなヘマはしない練度だよ」
「猫吊さん、そうなの?」と提督が聞くと、執務室でただ一人真面目に働いていた猫吊さんは頭を振りました。
「大丈夫だって」プシュッ。プシュッ。
「大丈夫じゃないからやめろって言ってるの!」
提督と猫吊さんの攻撃的なお茶目も、この一週間は五割増しでキツい気がしました。自分でファブリーズしておきながら「うっ……ごめん斑鳩。本当にごめん、ね? ちょっと、その、お風呂休憩とか、したほうがいい、かも。悪ふざけでした。ごめんなさい」と提督が素直に頭を下げるほど不気味です。
念入りに消臭・除菌された体をシャワーでさらに念入りに洗い直し、服も替えたのですが、鼻の奥までファブリーズの霧が染み付いてしまったせいで何もかもがファブリーズの臭いしかしません。少し寒空の下に出てみましたが潮風すらもファブリーズです。こういう時は昼食に何をチョイスするのが正解なんでしょうか。
「ゲームでよくわらしべイベントってあるじゃない。わらしべ長者みたいにアイテム交換を繰り返して、最後にはレアアイテムが手に入るっていう」
執務室に戻った僕を待っていたのはガスマスクを着用した提督と猫吊さんと白猫でしたが、ツッコミを入れる気にもなれません。
「そのイベントがバグで進行しなくなっちゃったらさあ、提督ならどうする? アイテム捨てちゃう?」
「ゲームはゲーム、現実は現実、だよ」
ガスマスクを被ったオカッパもやしにくぐもった声で諭されました。ショックです。
「にはは。心配無用、だよ斑鳩。球磨ちゃんから始めて、ヤーナム島攻略まで、頑張ったご褒美は、私が、ちゃあんと用意してる、から。はいプレゼント。わらしべイベント達成おめでとう。遠慮せず受け取って、ね」
一般的な鎮守府ではプレゼントをコンビニ袋に入れて渡す人間が見られるでしょうか? 僕は見ています。今、目の前にいます。
そしてコンビニから品物を持ち帰った後の袋はゴミであり、ゴミ袋の中身は当然ゴミです。
「ゴミとは失礼な!」
提督はプリプリ怒りました。ガスマスク着用なので表情は分かりませんが。
「斑鳩ってさ。艦娘なのに泳げないこと、コンプレックスになってる、よね。だからほら、ことわざ。溺れる者は藁をも掴む」
ゴミの正体は束ねられてすらいない藁でした。麦わら帽子などの形に加工されているでもない、昔は日用品の素材としてありふれていたけれど(その昔が何年前なのかも分からずに言っています。とりあえず頭に思い描いているのは江戸時代です)今の時代では逆に珍しくなった、面白味も何もない藁です。枯れた草です。ゴミです。この北鎮守府だと弓道場の巻藁前で採取できます。提督は忙しい身でありながらも巻藁の周辺を掃除してくれたようで、上司に掃除をさせてしまって頭が上がらない僕としては一刻も早くゴミ箱に投げ入れなければ気が気でありません。
「いやいや斑鳩。まさか、床から拾ったものをプレゼントするなんて、そんな酷いことはしないよ。ちゃんと綺麗なやつを、選んで引っこ抜いてきたから」
「巻藁から引っこ抜いたの!? 何してくれてんの!?」
「ずっと心配、だったんだ。斑鳩が出撃する度に、溺れないかって。でも肌身離さず持ってたら、安心だよね。藁。いつでも掴めるからね。藁。転ばぬ先の藁」
「へー……。提督はつまり、僕が目の前で溺れてたら浮き輪じゃなくて藁を投げるんだー。ガスマスク付けたまま僕が沈んでいくのを見守るだけなんだー。そうなんだー。へー……。ちょっと信頼関係にヒビが入ったかなー……」
「わらしべイベントを完了、したのに不満なの?」
「せがむつもりはないけど、大和のおかげで有り余ってる温泉チケットとまとまった休暇を貰えたら信頼関係のヒビを補修する気分になるかも」
「二泊三日。ネオサイタマで味わうオスモウ・コロシアムの迫力重点アトモスフィア体験ツアー。どうかな?」
「ヤーナム島でさんざん血を浴びてきた僕に、今度は重金属酸性雨を浴びてこいと?」
「あっ! ごめんごめん、忘れてた。はいこれ、斑鳩のガスマスク」
「もうそれでいいや……じゃあ提督にはこれをどうぞ。愁いの髪飾り」
「NO」
どんなに運のパラメータが下がってもゴミ箱には捨てられない、他所様から受け取った物はきちんと大切にする自分の真面目な性格が今だけは恨めしく思えます。
じゃあ一週間前の山城への仕打ちはどういうことかと聞かれても答えられません。現実世界も艦これもセーブ&ロード不可ですからね、たまには取り返しのつかない間違いだってしますよ。
提督から貰ったゴミは例外的に捨てるとして「ひどい!」僕のわらしべイベントは実質、山城に頭を下げながら扶桑探しに協力するよう約束する――ふりをして山城が下手に機密に近づかないよう手を回す、という新しいイベントを発生させるただの通過点に過ぎませんでした。
「茶番劇はさておき。斑鳩くん。ヤーナム島の調査報告書、まだかな?」
困難なイベントが次々と襲い来る中を、果たして僕は傘姫提督と二人三脚でこれからもやっていけるのでしょうか。
「『無理そうだから海鳥のいる呉に移れないかなぁ』なんて、考えないで、ね?」
これからも羊の皮を被ったエイリアンに心をズカズカ侵略されるんだと思うと……なんだかもう逆に頑張ろうという気になってこようというものです。僕が頑張らないといけないんです。決して共依存とやらではないですよ。この一ノ傘姫乃なる人物(?)を野放しにするなんて想像するだけでも胃が痛む所業ですから。本隊の提督方々に引き取って貰えるのならば喜んで差し出します。でもそれができないから執務室にファブリーズの匂いが充満するような羽目になるんです。
そんなわけで提督と猫吊さんと白猫のガスマスクを引っ剥がして、窓を大きく開いて室内に冷たくも新鮮な空気を迎え入れ、今日もまた海を少しばかり平和にするための通常業務が始まります。
お わ り
◆―【『叢雲の薬指』用語集(仮) Ver.20160131】―◆
●―【 あ】―●
『青い炎』
この世界には深海の闇ですら消せない炎が存在する。
『アサシンブレード』
球磨が左腕の袖の下に隠している飛び出しナイフ。家具職人のオーバーテクノロジーを借りて開発された、球磨をいよいよ近接戦に特化させる武器。ゆくゆくは様々なギミックが追加される予定で、特に半袖の季節になっても装備が苦でない機構の追加が待たれる。
『明日はきっと晴れる』
時雨が不運にも発見してしまった天気の法則より、危機を仲間に知らせるための暗号。
あるいは木曾・長月という仲間を得た幸運。
『天照大艦隊』
竹櫛の艦隊に一ノ傘の艦隊が転がり込んで統合・編制された二倍艦隊。竹櫛が提督で一ノ傘が副提督という系統をとっているが、そのあたりは良く言えば二人が臨機応変に動いている。さらに北鎮守府の姉妹艦隊も組織に含めることもある。
艦隊名を考案したのは叢雲。神道的趣旨によるが宗教的意味合いはない。
『斑鳩』
いかるが。洞観者の一人。斑鳩型航空母艦一番艦とされている謎の多い空母。
外見は空母ヲ級に酷似しており、美容室で睦月を真似たヘアスタイルに整えるまでは仲間からも不気味がられていた。制服も白を基調とした道衣袴を普段から着用しているため天照隊で「白いヲ級」と言えば斑鳩のことだと一目で分かる。
大和と並んでも見劣りしない戦闘力からは単純な練度の高さのみならず空母として極めて優れた性能を見ることができる。さらに表立っては使わないが、傘姫提督が無意味に製作した甲標的や小口径主砲、さらに青い炎の力を使えば戦艦クラスの大口径砲までも装備・運用できる異常なまでの汎用性を持つ。故に彼女は常に深海棲艦疑惑をかけられ、しかし泳げないため深海に棲むどころか母港で足を滑らせるだけでも溺死する可能性がある。
心に波風を立てることで左目から青い炎を発し力を行使でき、同時に思考が外見にそぐうものへと変化してゆく。書類仕事にも長けているからといって彼女を酷使すべきではないだろう。自身の炎に心を焼かれた彼女が深海へ堕ちようとしても、泳げないがために、海上でポツンと佇む他にないのはあまりに可哀想である。
『居酒屋鳳翔』
午後九時頃から南鎮守府の食堂が様変わりした宴会場、そこに現れる居酒屋。鳳翔が自主的に開く店であり、彼女が出撃した日や遠征に出ている日などが休業日である。そして彼女もまた空母寮の一員であることを忘れてはならない。
『一ノ傘鉄子』
天照大艦隊、本隊の副提督。
竹櫛と付き合いの長い同期の女性。初期艦は吹雪。迷った時は取り敢えず装備できるだけの砲を積ませる大艦巨砲主義者。役割論者ではない。
博多弁+北九州弁+鹿児島弁+αで喋る。雷電姉妹にR指定接触を取り、あんな風にした。
現在の北鎮守府に配属された当初は提督としての素質がないように思われ、竹櫛の元から派遣された電の助けを借りるなど苦労と失敗を重ねてきた。しかし夷川の艦隊壊滅に関わってからは一変してブラック提督としての才能を開花させ、工業地帯を草むしり程度の気軽さで防衛しつつ様々な作戦に加わった。潜水艦には逃げられ、ほぼ唯一の航空戦力だった蒼龍と飛龍が頻繁に寝込むようになっても火力さえあればなんとかなる、そんな運営方針は電の謀反によりあっさり崩れた。竹櫛の元に戻った電に艦隊ごと南鎮守府に引っ越した一ノ傘は副提督という中途半端な地位に就くこととなった。責任を竹櫛に押し付け自由にやろうと目論むも再び立ちはだかる夷川、さらに北鎮守府の後釜として唐突に現れた従姉妹の一ノ傘姫乃にペースを崩され、今では雷に慰められたり慰めたりしながら地味な陰謀を巡らせている。
非常に多趣味で特にエアガンを多く集め、南鎮守府に移ってからは球磨と共にサバイバルゲームに参加するようになった。他、執務室を散らかすなどの性質がある。
『一ノ傘姫乃』
天照大艦隊、分隊の提督。
一ノ傘鉄子と区別するため「傘姫」と呼ばれる。初期艦は偽葛城(斑鳩)。迷った時は取り敢えず斑鳩一人にすべて任せる少数精鋭主義者。
一ノ傘鉄子とは同い年の従姉妹で線の細いオカッパ頭の女性。言葉を頻繁に区切る話し方は聞き取りにくい時もあり、逆に彼女からは読心術で見透かされるためコミュニケーションは一方的になりがち。軍人でも関係者でもなかった彼女がある日いきなり北鎮守府や超高練度の深海棲艦になりかけた空母を預かるという経歴を疑わない人間は存在せず、疑いの眼差しはすべて親族の鉄子の方へと逸らしている。
得体が知れず付け入る隙もないように思われることもあれば、ちょっとした仕事を一人で片付けられずに倒れて斑鳩に看病されることもある、謎多き人物(或いはエイリアン)。
『丑の刻摩天楼』
竹櫛が自慢気に所持していた普通の工業刀。翔鶴の安っぽいコンパウンドボウと打ち合った際に刀身が半分になり、夷川家とのいざこざでゲームキューブと打ち合い刀身を完全に失ってしまった。現在は第一執務室の装飾品となっている。
『夷川海花』
斑鳩の本名。夷川の娘で海鳥の姉。失踪する以前の姿はもう失われているものの、新しい仲間たちの中で前向きに苦労している。
『夷川海鳥』
雲龍型航空母艦三番艦・葛城の本名。夷川の娘で海花の妹。失踪した海花を捜索していた夷川の艦隊が壊滅した中で一人だけ奇跡的に生き残った。呉の艦隊に救出され、そのまま仲間に加わり今に至る。
『夷川海司』
何故この男の遺伝子から海花と海鳥のような出来た娘が作られたのか誰もが首を傾げる、高い地位だけは持っていたクズ提督の権化。ゲームキューブを装備した霧島の情け容赦無い右ストレートにより顔面を平らに均された今となっては元の提督業はおろか、このクズにできる事は何一つ無い。
●―【 か 】―●
『海軍精神注入棒』
売店のお姉さんが仕入れた木刀に「棒入注神精軍海」と自分で書付けたもの。南鎮守府の売店にて一本千円で販売中。
『傘姫』
一ノ傘姫乃のこと。竹櫛や鉄子が昔からこう呼んでいた。紛らわしいが天照隊では「一ノ傘提督」と言えば鉄子を指し、「傘姫提督」と言えば姫乃を指す。
『カレンダーズ』
睦月型駆逐艦のこと。結束の固さが強さに繋がっている好例である。
『カロリーメイト(ようかん味)』
恋はダイナマイ。
菓子を装った恐るべき惚れ薬で、薬指に指輪をはめた艦娘であっても艦隊を捨てて目の前の偽愛を選んでしまう。一見しただけでは普通のカロリーメイトと変わらないため極めて高い技術力を持つ者が製造したと推察される。金剛・球磨・叢雲・電・雷・吹雪の六人でひっそりと調査中。ハロウィンの時に金剛が空母に強奪された分は球磨がこっそり奪い返して事なきを得た。
『北鎮守府』
天照大艦隊・分隊の母港。
南鎮守府からは海路で一時間前後、陸路で三時間の距離にある。
工業地帯に近く防衛の要所であるはずだが一ノ傘の艦隊全員が南鎮守府に移ってしまい、後釜として来た夷川はクズで即リタイア、さらにその後釜はド素人の傘姫と深海棲艦になりかけた正規空母の二人だけ、おまけに大和ら戦艦数人の砲撃で焦土にされかけるなど、あまり大切に扱われない。
現在は一ノ傘が提督として指揮を執っていた頃の半分ほどの設備しか電気が通っていない。
『キャットタグ』
ハングド・キャットの猫が首輪に付けている小さなタグ。ラバウルだろうと単冠湾だろうと洞観者がいるところで見かけることができる――かもしれない。
『ゲームキューブ』
霧島の拳のリーチと重量を底上げする強力な鈍器。さらに金剛型姉妹がスマブラDXで遊ぶこともできる。
『結婚(ガチ)』
竹櫛の最終目標。叢雲と共に艦隊を辞めて人生を共にする、というもの。時が経つにつれて艦隊を抜け出せない環境が整えられていくため、今のところ達成の目処は立っていない。
『撃沈王』
日本最強の戦艦・大和の称号。よく「日本で最も数多く撃沈しダメコンで生き延びるか救助された艦娘」と誤解されるため、軍は大和がいかに数多くの敵を沈めてきたかをアピールするのに忙しい。
『航空戦艦理論』
航空戦艦がそう言うのだから、それで間違いないのである。
『極楽師匠』
一ノ傘のブラック艦隊から脱柵した潜水艦たちに生きる術と戦う技術を教えたとされる人物。正体不明。
『ごんごう』
金剛がLv.999のイージス艦に急成長して変貌した姿。メガネパンチで元に戻る。
『金剛大三角』
夏の星空に極端に大きく描かれる模様。見渡せる範囲で可能な限り離れた明るい星三つを結べば、天文学的確率でそれは金剛大三角かもしれない。
●―【 さ 】―●
『試飛会』
試飛会(しっぴかい)とは日向が制作したラジコン飛行機のテスト飛行を行う会である。
戦艦から航空戦艦へと進化した日向は己の刃を研ぐべく航空機の研究に明け暮れ、定期的に切れ味を試すべくラジコンを製作しては戦艦寮上空を飛行させたり墜落させたりした。
日々を深海棲艦との戦いに費やす艦娘にそのような暇があるのかと問うならば普通は無いと答え、日向は普通という枠を何食わぬ顔で切り捨てた。故に航空戦艦になってから随分と久しいものの練度に僅かの上昇も見られず、ラジコン飛行機の製作技術ばかりが無駄に上昇していった。勿論、この技術が深海棲艦に対する抑止力となった例は一度として無い(一度だけ、深海棲艦になりかけた艦娘を止めたことならあった)。本末転倒も甚だしかった。
「艦娘としてあんたそれでいいの!?」と叢雲に激怒されることは度々あり、日向も猫の額くらいは気にしている。ところで猫の額とは面積の狭さを例える言葉であり思慮の大小を表すのには使えないのではと日向は疑問に思い、つまり全く気にしていないと同義とも言えた。これぞ鋼のメンタルの成せる業である。
日向が製作するラジコンはいかなる機種であれ、全体をヘチマのような緑色に塗装され、両翼と胴体には赤いマル模様が入れられる。機体下部には固定翼機や回転翼機、アダムスキー型未確認飛行機だろうと何だろうと例外無く水上に浮かぶためのフロートが無理やり取り付けられ、つまりは瑞雲化改修が行われた。
制作する飛行機の機種はいつも自由自在だった。F-22ラプター、F-35ライトニングⅡ、A-10サンダーボルトⅡ、Ka-50ホーカム、V-22オスプレイ、サボイアS.21、SH-60K、テポドン2号、コンコルド、気球船、果てはハインケル・レルヒェのような珍機体(特に航空戦艦が運用できそうなもの多)などがプロペラ駆動のラジコン飛行機となった。
半強制的に観覧に招待された最上が見守る中、日向のラジコンは戦艦寮前の空を優雅に飛行した。あるいは制御不能に陥った機体が爆発しない巡航ミサイルとして最上の頭や山城の部屋、葛城(現・斑鳩)の意識、金剛の後頭部、北鎮守府の執務室を狙ったりもした。それら経験はすべて日向の糧となり、最上の精神的重石となった。
『姉妹艦隊』
天照大艦隊の本隊と分隊は書類上では別々の艦隊と扱われており、人員や物資などを密接に融通し合うことから、その関係を姉妹艦隊と表現されることがある。
『射撃試験・演習場』
南鎮守府の工廠から海に向かって約2kmも伸びる防音設備。兵装のテストはしたいが近隣の住民には迷惑をかけられず、かつ自分たちも静かな生活を送りたい、そんな願いを竹櫛が珍しく補助金を取ってきて実現させた。外から見るとベルリンの壁の如く強固に見えるが、間抜けな陸軍人の侵入を許すほど防衛面では障害となり、また悪天候時に大きく歪むことから不安の声は上がっていたが最近になって対空機銃で容易く天井板が吹き飛ぶことが時津風によって確認された。
『振動魚雷(ローテク)』
潜水艦たちが極楽師匠の教えと霧の艦隊に関する資料を参考に開発した失敗作。
まず敵との距離を300mまで詰めた者が小口径砲で無線測定弾を撃ち込み、敵の固有振動数を測定する。次に得られたデータをパソコンから振動魚雷にインプットして魚雷をトルピードランチャーに装填、敵の位置を再度よく確認して発射する。
すべてがイムヤの計算通りに進んでいれば不沈要塞めいた大和でさえ轟沈することすら叶わず海面上で肉片と化すはずだった。
『総旗艦』
艦隊全体の面倒を見る秘書艦、阿呆たちのまとめ役。
まだ葛城と名乗っていた頃の斑鳩が叢雲をヨイショするための肩書きとして使ったのが始まりで、それが定着した。竹櫛の右腕である叢雲、一ノ傘には電、傘姫には斑鳩と、天照大艦隊には三人の総旗艦が存在する。ただし電と斑鳩は総旗艦と呼ばれるのはあまり好きではない。
●―【 た 】―●
『竹櫛』
天照大艦隊、本隊の提督。
一ノ傘鉄子と付き合いの長い同期の男性。傘姫のことも昔から知っていた。初期艦は電。迷った時は取り敢えず空母数名と古鷹ちゃんに出撃準備をさせ、とにかく空母を働かせた後で手堅く素早く作戦を進める面白味のない機動作戦主義者。
北鎮守府に配属されてからは球磨、叢雲を迎えて堅実に滑り出したかと一息ついたところで、同期で近所の一ノ傘が資金燃料弾薬諸々を枯渇させていた。見捨てるわけにもいかず当時は僅かに仕事慣れしはじめていた電を派遣し、この事が後に想像もしないような影響を及ぼす。
弓道警察としては口煩い方ではないものの、さすがにアニメ中盤から後半にかけてのあり得なさに対しては多量の唾を飛ばした。
『タマ』
球磨型軽巡洋艦二番艦の多摩だと主張し、猫ではないとかたくなに言い張る、一応は人の形をした猫。タマネギやチョコレートなど人間と同じものを食べても問題無い。酒のツマミの中にこっそりキャットフードを混ぜると匂いでバレて引っ掻かれる。
『洞観者』
嘘を見破った艦娘。何の前触れもきっかけも無く世界が異常であることに気付く例が多い。
目覚めた時に現れる猫の呼び掛けに応じることになり、各地に散らばる数少ない洞観者で成すべきことを成すために行動する。
真実と嘘の境界に立っているため艦娘としての性質は極めて曖昧なものとなり、異常な力を得た者もいれば、逆に海面に立つことすらままならなくなった者もいる。また騙されようとしない艦娘に対して妖精は無反応となり、それは轟沈の瀬戸際であっても変わらない。
洞観者は不要な混乱を招かないよう普通の艦娘には何も語らず、ハングド・キャットからの指示を待つばかりである。
『時津風隊』
時津風を旗艦とする練習部隊。やる気と面倒見だけは十分な時津風のふわっとした方針が要因となり解散した。
『特殊深棲監視艦隊』
傘姫や斑鳩の艦隊が天照隊に吸収される前の名称。
『トルピードランチャー』
誰がどう見ても四連装ロケットランチャーなのだが、装填するのはロケット弾ではなく専用に開発された魚雷。陸上の敵(味方)を始末するべく分隊の潜水艦が開発した。
魚雷らしからぬ速度で海面上を飛び、また水中での使用も可能と潜水艦の攻撃力を格段に向上させる兵器である。もちろん使用すれば隠密性はほぼ失われる。
●―【 な 】―●
『偽葛城』
斑鳩のこと。なぜか彼女が自身のことを「葛城」だと思い込んでいたことより。
『猫吊さん』
分隊の優秀な秘書。気配りができてお茶目な面もある妖怪。
『猫爪』
ネコノツメ。
長月のために武蔵と大和が開発した刀。バスタードソードみたいな日本刀、というコンセプトを掲げて開発を進めるうちに攻撃力(重量)を欲張り過ぎたため、出来上がったものは漫画「BLEACH」の主人公が持っていた巨大な出刃包丁のような斬魄刀、それに可能な限り刀装具を用意した風である。海での使用を想定しているため防食に特化しており、機密とされている材質は鉄かどうかも怪しい。
プロジェクトでは三本が制作されて、有効な兵器と確認されればさらに量産して一本三百万円で全国の艦隊に向けて販売される予定だった。しかしネコノツメの重量たるや大和や青い炎の力を使った斑鳩が気張ってなんとか持ち上げられるくらいで、刀としてまともに扱える人物は今のところ長月ただ一人しか確認されていない。
●―【 は 】―●
『売店のアルバイト』
艦娘を辞めた磯風は直後に傘姫に拾われ、南鎮守府の売店でアルバイトをしている。叢雲と同室で以前と変わらず駆逐艦たちと生活を共にしていても磯風の雇用主はあくまで傘姫なので、竹櫛の提案・要望はだいたい無視する。
『抜猫』
①猫爪(ネコノツメ)を鞘から抜くこと。「長月の-術は魔法だと思うんだがな。いやホントに」
②鎮守府の全機能が猫によって停止すること。また、その猫。
③猫を駆除? 貴様如きが?
『ハングド・キャット』
THE HANGED CAT
洞観者の洞観者による世界のための秘密結社。伝書猫で情報交換を行い、指導者である武蔵の命令に従って活動している。
または秘密結社の本拠地であり財源でもある喫茶店。とても賢い猫たちを利用した猫喫茶のつもりで武蔵は店を開いたものの、客は手伝いで働いている艦娘(洞観者)や本格カレーを目当てに来店する。武蔵が最も力を入れているコーヒーは「極めて不味い」と撃沈王のお墨付き。実際不味い。
『ファランクス』
正式には『夕張砲改』という名称で登録されている産廃兵器。
10cm連装高角を妖精さんが魔改修したもの。(命が擦り減る程の)気合と根性を動力源として無敵の防空能力を得られる。現在は三機が南鎮守府の工廠に鍵付きで保管されており、その鍵は鎮守府正面海域の海底のどこかにある。
『扶桑皇国』
運が悪いと迷い込むことがある鏡写しのような世界、そこには扶桑皇国という日本に類似した国があり、空を飛ぶ怪物と空を飛ぶ艦娘のような少女たちとの戦があると言われている。
山城はその国に姉がいるかもしれないと見当を付けており、いつネウロイと遭遇してもいいように常に三式弾を数発隠し持ち歩いている。
『FLS』
フソウ・ロスト・ショック。
『古鷹ちゃん』
天使。
『古鷹のサーチライト』
ヤコブのはしご、天使の階段、薄明光線などとも呼ばれる、雲の隙間から柱状に降り注ぐ太陽光のこと。
『分隊』
北鎮守府を拠点とし、傘姫の指揮の下で活動する艦隊のこと。
軍隊編成単位としての意味はない。天照大艦隊(本隊)に色々と融通して貰っているため、本隊から別れた組織感をそのまま名前にした。
以前の艦隊名は「特殊深棲監視艦隊」で現在も新しくきちんとした名前があるのだが、長いので誰も使わないし覚えてもいない。
『非人道的タブレット』
出撃中あるいは交戦中の艦娘に事務仕事をさせるための堅牢かつ非情なタブレット。傘姫・斑鳩の艦隊が天照大艦隊と姉妹艦隊になったことにより人員に余裕ができて使われなくなった。
『羊の皮を被ったエイリアン』
傘姫のこと。
容姿だけは迷える子羊のような導いてあげたくなる雰囲気を気前よく撒き散らしているためタチが悪い。
『本隊』
南鎮守府を拠点とする艦隊のこと。正確には傘姫や斑鳩たちの世話を焼く天照大艦隊を指す。
●―【 ま 】―●
『「慢心、ダメ、ゼッタイ!」ポスター』
各鎮守府に月一で送られてくるポスター。何らかの写真や誰かの手描き絵に標語を配置したデザインとなっている。小中学生の勉学の一環で作成されたような見栄えのしないデザインが逆に緊張を削ぐと全鎮守府から苦情が集まっているはずなのだが、軍は頑なに作者を伏せたポスターを送り続けている。
『南鎮守府』
天照大艦隊・本隊の母港。何といっても外観の特徴は水平線に向かって2kmも細長く伸びた射撃試験・演習場である。よく視察を受け入れ、何の面白味もない防音壁を見せてガッカリされるのは毎度のことである。
居住地に近いこと、より重要度の高い防衛拠点である北鎮守府が近隣にあることから竹櫛の艦隊を一ノ傘の艦隊に統合させる計画は何度も検討され、しかし逆に一ノ傘の艦隊が南鎮守府に押し掛けてしまった。人口密度が非常に高い。
『叢雲艦隊』
天照大艦隊が結成される前の竹櫛が管理していた艦隊。深い意味は勿論無い。
『メガネパンチ』
霧島が放つ必殺のフィスト。
震えるぞハート! 燃え尽きるほどヒート! 刻むぞ血液のビート!
さらにメガネパンチはまさかのラッシュ技である。日本の厳しい気候にも負けない建材としての瓦を容易く砕くパンチが瞬間的に何十と繰り出されるため、霧島を怒らせることはあまり賢明とは言えない。
●―【 や 】―●
『ヤーナム島』
噂には存在する、かつて人が外界と遜色のない文明を築き上げていた島。血塗れになりながらも血に渇いて死ぬ覚悟があるのなら、その島を探す価値はあるかもしれない。
『闇プリン』
南鎮守府では争いの元となるプリンの所持・持込を禁止されている。しかしプリンのない生活などカラメルのないプリンも同然であり、艦娘たちは密かに楽しんでいる。
闇プリンの相場は寮によって大きく異なる。
『妖怪扶桑姉さま隠し』
いくら探せども姉の姿が見えない山城が創りだした幻影。あながち間違いではない。
『妖精さん』
南鎮守府の妖精全員が稀に軍人魂を失ったような何かに入れ替わることがある。もしアバウトな彼ら(彼女ら?)と上手く付き合うことができたなら、改修・開発で大きすぎる効果を得て大きすぎる代償を払うことができるだろう。
●―【 ら 】―●
『リアルナイファー・クマさん』
南鎮守府から比較的近いサバイバルゲームフィールドで、球磨は尊敬と畏怖と下心の念を込めてそう呼ばれる。「クマ」は偽名だと思われている。
球磨が本当に弾幕を回避していることをペイントボールで証明したためゾンビ疑惑は晴らすことができたものの、次はあまりに強過ぎるためゲームバランスを崩壊させると不満の声が上がった。貴重な女性ゲーマー(一ノ傘も含む)を失いたくないフィールドスタッフは装備のランクダウンという形で調整を重ね、ついには「クマさんだけはナイフアタックとフリーズコールのみ」までランクを下げることになった。勿論それでは球磨が何をしに来ているのか分からなくなり、また何十万もかけて整えた装備が少女とゴムナイフにやられる男共も面白くなく、球磨一人+物好き数人 vs 他全員というイベント戦が開かれることもある。
ちなみに球磨が本気を出す時の銃は東京マルイのハイサイクル電動ガンと電動マシンガンの両手持ち。
●―【 わ 】―●
『ワレアオバ・トリガー作戦』
敵艦隊が展開している海域――MAPのスタートマスとボスマスを繋いで自滅に追い込む、傘姫が指示し斑鳩がやってのけた裏技。
日が沈む直前にワレアオバ・トリガーを準備し、夜になって発動すれば、後は遠くから戦果を確認するだけでよい。出撃するのは高速艦たった一人でよく、必要な装備は副砲と非人道的タブレットのみ、ひたすら逃げ回るだけなので消耗は燃料と僅かな弾薬だけと、まさに裏技と呼ぶに相応しい作戦。
欠点はワレアオバ・トリガーの準備に失敗すると敵部隊に囲まれて撤退ができなくなること。また傘姫と斑鳩は怒られるだけで済んだが最悪の場合アカウントを停止される。