トータルイクリプスサンダーボルト 外伝   作:マブラマ

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Dangerous Tonight

私の名前は坂崎都

荒れ狂う世間の波の中を何とか乗り切ろうと足掻く日本帝国軍の武闘派衛士だ。

私は学生の時は最強の女と呼ばれていた

「坂崎ぃ、テメエを殺したらあたしが帝都最強だ」

「ゴットゥーザ様は極真空手の黒帯初段なんだぞ!」

「お前等か、ウチの女子生徒を襲ったのは…」

全国の札付きワルが連日、私に喧嘩を売ってきた

「隙あり!」

バキ

どんな攻撃を喰らっても私は倒れない

「それで終わりか?先に手出ししたのはお前だぞ」

「う、嘘だろ……おい」

だが、私の首の強さは次元が違う。どんなパンチでも耐えきって見せた

私が暴力を振るう相手は…

「関係ない人間を何で巻き込むんだああ!!」

ブン

「ぐはぁああ!!」

弱い者を傷付けた阿保共だけ

「ゴットゥーザ様ッ!!?ダメだ…完全に気絶してる」

「傷付けたウチの女子生徒に土下座して来い…慰謝料持ってな」

強く生まれたなら弱き者を守れ

天国のお婆さんにそう教わったからな。

私は生来曲がった事が大嫌いだった

「はいストップー。通行料払ってね。通行料」

「五摂家の人間は色々優遇されてるだろ?あ?」

「崇宰家の一員である私を貴方達に金銭を差し出すとでも思ってるのですか?」

だが世の中には反吐が出るほどひん曲がった馬鹿共が溢れてる

「おい、貴様等。死にたくなかったらこの子に土下座して走って消えろ」

「馬鹿登場ー。俺等道の治安守ってるんだから通行料は当然だよな?」

「勿論、お前もちゃんと払うんだぜ衛士サマよ!」

言ってることが醜悪過ぎたので奴等の顔面目掛けて殴った

「ボケがああああああ!!」

ボグッ

「グエエエエ!」

この様子だと頬骨は割れてるだろう。

「ぐげぇえ…」

「顔面の骨が……」

「大丈夫か?怪我はないか」

「あ、ありがとうございます」

私が助けたのは五摂家の一つである崇宰家次期当主の崇宰恭子だ。

助けたのはいいが…。

「アイツだ!」

毎回やり過ぎて警察の世話になるんだがな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな訳で正規衛士になった私は23歳になって…中隊長だ

東欧州社会主義同盟総帥、ベアトリクス・ブレーメが支配している国家。北朝鮮

私と鈴乃は平壌基地で業務を励んでいた

まあ、これはこれでいい経験なのだが

この女は東欧州社会主義同盟戦術機大隊『ヴェアヴォルフ』に属するカタリーナ・ディーゲルマン中尉だ。

「どう?少しは慣れてきたかしら?」

「ああ、何とか慣れたよ」

ここに来てから、対人戦のイロハを教えて貰ってる

「坂崎大尉、私達の任務は多くの人の命を背負ってるのよ。それを忘れないでね」

「分かってるよ」

これは大袈裟ではない。

指揮系統失うと衛士達だけでなく北朝鮮国民の人が危険に晒してしまうからな。

カタリーナは理解しがたい事を言い放った

「ブレーメ総帥から直々の命を受けてね。ドックァのところに行きなさいってね」

何を言い出すかと思えばあの男のところに行けと?

「ドックァ中佐は安全部の留置所にいる筈だろ?留置所に行って面会に行けと?ふざけるのも大概にしろ」

「その事だけど、彼は弁護士を使って釈放したわ」

おいおい、とんでもない事を言い出したぞ

彼が釈放したなら、これは放っては置けないな

「奴は今何処にいるんだ?」

「国家保衛省本部の参謀執務室にいるわ。案内するわね」

私はカタリーナに連れていく形で国家保衛省本部に向かおうとするが…鈴乃に止められる

「都、何処に行くの?」

「少し用事があってな。国家保衛省本部に行く」

鈴乃は納得いかない様子だった

「何で…貴女は何も悪くないでしょ!?」

「そうは言っても…」

華太が話を介入する

「俺も行く。ドックァが仕掛けた罠があるかもしれねえだろ」

「……私も、都の事が心配だから行くわ」

カタリーナは苦笑いした

「まぁ、いいわよ?行きたいなら行けば」

という事でカタリーナと同伴する形で私と鈴乃、華太の4人でドックァがいると思われるところに向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

国家保衛省本部

参謀執務室

 

一方その頃、ドックァ中佐は執務室で書類を目を通し判子を押す作業をしていた

「国連軍の撤退作戦か……」

国連軍の朝鮮半島撤退作戦立案書を目通しする

「フン、腰抜けが……」

その書類を破る

「南朝鮮はこの撤退作戦は賛同するだろうが我々は反対だ、全く…失望したよ国連軍は」

次の書類を破ろうとしたその時、扉からノック音が響いた

「ア・ドックァ中佐、ディーゲルマン中尉です。宜しいでしょうか?」

カタリーナが参謀執務室の前で問いかける

「……入って構わんぞ」

ドックァ中佐がそう告げると私と鈴乃、華太、カタリーナが中に入る

ドックァ中佐は手のひらを頬に付け机に肘をつきつつ不満そうな表情でそっけない態度を取る

「坂崎都、大倉鈴乃。そして小峠華太…満足に挨拶も出来んか…まあいい……」

何が『まあいい』だ。貴様の所為で数多の日本人衛士が戦場でないところで死んでるんだぞ

それを分からないのか?将校だろ。

「一体何を企んでるのですか!?」

私がそう言うとドックァ中佐はニヤリと笑みを浮かべる

「企む?」

軽薄な笑みを浮かびドックァ中佐は私達に対し悪気はないと惚ける

「私が!?何を?本当に日本帝国軍として闘気がある強い女だな。君達の向こうでの仕事は終わったという事だ」

とドックァ中佐は椅子から立ち上がる

「見ろ、あそこだ」

ドックァ中佐はテレビの画面に映ってる映像を指で指す

「これは…」

「あの人は…」

「まさか……」

「………」

何とウルスラ革命で『勝利の女神』と拝められてたカティア・ヴァルトハイムと瓜二つの女性の姿があり、韓国の首都ソウル龍山区にある在韓米軍が駐留している龍山基地の格納庫の中でチマチョゴリ着用しつつその目は真剣な眼差しであり世界中に向けて演説していた

《人類の本当の敵はBETAです!朝鮮民族同士で争うなんて間違っています!私は訴えかけます!東西ドイツは共に戦ったように…南と北を手を合わせればBETAは倒せます!》

「……だそうだ、実に滑稽だと思わないか?」

確かカティアは公式での記録だと………。

「彼女は、カティア・ヴァルトハイムはこの世にはいない筈……君はそう思ってるだろう」

「……(何が言いたいんだ?此奴は)」

「ベアトリクス様は彼女が掲げた理想を利用してるのだ。朝鮮が南北分断し仮に生きても再び彼女の言葉により朝鮮は南北統一するだろう。と…そう東欧州社会主義同盟を設立し東西ドイツは互いの関係を強化していくのと同じようにな」

次の瞬間、閃光が光った

その爆発は龍山基地にいるカティアと名乗る女性やその警備員、在韓米軍兵士達まで巻き込まれる

韓国のテレビ局のアナウンサーが慌てた様子で実況する

《爆発が起こりました!今、在韓米軍が駐留してる龍山基地の格納庫が爆発起こりました!》

あの爆発は恐らく韓国に潜入した元山派の工作員が仕掛けたんだろう。それ以外考えられない

「おやおや…これはこれは、『カティア』はテロリストによって死んだな、これは」

私はドックァ中佐に殴りかかろうとしようとした次の瞬間、華太は怒り爆発し咄嗟に懐から拳銃を握り構えドックァ中佐に銃口を向ける

「お前ッ!!また人を殺す為にやって来たのか!!」

「ほぅ…まだそんな事を言っているのか」

「!」

「そんな甘っちょろい奴は俺を撃てるものか!あのカティアみたいに無様な死を遂げたいのか!?」

華太は動きが止まり躊躇う

醜悪な態度を取るドックァ中佐は私達の前にとんでもない事を言いだす

「『要塞級殺し』と呼ばれたテオドール・エーベルバッハは義妹の死によって狂いテロリストに堕ちた。当時は碌なもんじゃないとは思ったが……指導する人間がいないと思いあがる一方だ」

華太は歯を食いしばりつつそのままの態勢で拳銃を握り構える

「お、思い上がり……だと……」

ドックァ中佐は鼻で笑い華太を軽蔑する

「…………人殺しが偉そうに……!俺達を侮辱して……そんなに日本が大嫌いなら日本の地に入るな!!!!」

華太は声を荒げドックァ中佐に向け怒りをぶつける

「……君が今更足掻いた所でどうにもならん、どうせ仕組まれていた事なのだ………最初からな…」

「何の事だ……何を言ってる……」

ドックァ中佐は画面を切り替わり衛星カメラでの映像を見つつ私達にその映像を見せつける

その映像に映っていたのは柳京ホテルと万寿台議事堂、平壌基地が映っていた。

各所にドックァ中佐の部下と思われる兵士や元山派の兵士達はプラスチック爆弾を仕掛けていた

「な、何をしようとしている?」

「見れば分かる」

次の瞬間、爆発が起きた

柳京ホテルは不発だった為爆発に免れたが万寿台議事堂、平壌基地は爆発したものの建物自体は頑丈の為一部損傷し抑えた

映像はここで途切れる

「……という訳だ……面白いショーだろう」

此奴は愛国心が全くないのか?国の恥晒しだぞ。

ドックァ中佐は机の引き出しを密かに開け拳銃を出そうと試みつつ目線を上に上げる

「掃除も大変だ」

華太は疑心暗鬼でドックァ中佐を睨み拳銃は離さず握り締めながら構え銃口を向けている

ドックァ中佐は薄ら笑みを浮かびつつ淡々と話す

「…大体、君達がBETAと戦いに挑んだのは何故だと思う……ボーニング社の上層部もそれは承知の上だとしたら…」

そして机の引き出しにしまってる拳銃を手に取る

「日本帝国軍の衛士である君達には理解出来んのかもしれないが、いい加減そんな奴等にも目を覚まして貰わねばな……」

「な、何を言っている?」

「仮にBETAの脅威が去ったとしても平和の世なんてものは何も生みだしはしない…腐って行く一方だ。今回の一件もそんな腐った連中が仕組んだ事だ」

この言葉を聞いた華太は当然納得いく訳がなかった。

「だからと言って……それがテメエのやった事を正当化するとでも言いたいのか!」

「大義を成す為には多少の犠牲はな……エーリヒ・シュミットやハインツ・アクスマンみたいに……」

ドックァは拳銃を握り華太に向け発砲する

「致し方あるまい!」

華太はそれを回避しつつ拳銃を握りながら発砲し部屋の壁際に移動する

ドックァ中佐は机の裏に隠れ華太を発砲しようと試みるが、カタリーナは両手を広げそれを阻止する

「貴重な戦力を削るつもりか!?」

「!(カタリーナ…)」

「早く行って!」

その隙に私達は参謀執務室から出て逃げ走った。。

「ちっ……どういうつもりだ!?ディーゲルマン中尉!」

「私はブレーメ総帥に仕える衛士だ。貴様みたいな日本人狩りの命令など聞かない」

「………コケにして、今に見ていろ。必ず地獄へ送ってやる!」

ドックァ中佐は私達を粛正すべく早速行動を移し参謀執務室から出ていこうとしたその時、机に置いてある電話が鳴り響く

そして受話器を取った

「何だ?」

《中佐、大変です!労働党本部が平壌派の連中に制圧されて…襲撃に遭いました!我々元山派はベアトリクスに屈服します!死にたくないんですよ!!》

と泣きながら怯える兵士はドックァ中佐に訴える。

権力を強めるベアトリクス率いる東欧州社会主義同盟に潰されない為にここまで奔走してきたドックァ中佐だったが、彼にとって予想外の事が起き運は尽きてしまった。

《それと、中佐の支援を打ち切るスポンサーが次々と現れています》

「何だとっ!!坂崎大尉達に逃げられただけでなく、私のコネクションを捻り潰されたと言うのかっ!!そんな報告はもう聞きたくない!!すぐに取り抑えろ!」

ドックァ中佐は焦っていた

まさか自分のコネクションがベアトリクスによって捻り潰されたとは思いもしなかっただろう

無線を使い戦術機揚陸艦『李紅光』艦長として赴任してる副官のノクスと連絡取り命を下す

「ノクスか、いるなら応答しろ」

《中佐。何かあったのですか?》

「此方の状況は?」

《中佐、日本海軍の戦艦『大和』が此方に向かっています》

ドックァ中佐は舌打ちしつつ不平不満を感じこう言い放つ

「ちっ…まあいい……彼奴はここで潰しておかねば……後で厄介だ」

《では》

「迎撃するぞ!出せるだけ戦術機を発進させろ。私も『成桂』で出るっ!」

《―――は!》

この様子を見たカタリーナは不敵な笑みを浮かべ嘲る

「随分と大変な目に遭われてますね。中佐」

「……君と付き合ってる暇はない。帰れ」

ドックァ中佐はカタリーナに対しこう吐き捨て、去っていった

「ブレーメ総帥の思想と理想を反したら死にますよ?ア・ドックァ中佐」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃私達も国家保衛省本部の建物の中の廊下へ走りただ走る

しかし、ドックァの部下らしき兵士達に見つけられ銃撃戦繰り広げる

兵士達はアサルトライフルを握り構えつつしゃがみ込み私達に向け発砲するが3人共全員はそれを回避し壁際に隠れる

「クソ!前に出れねえ」

手持ちの武器は拳銃だけ

弾は……10発の弾丸だけ

そして悩んだ結果がこの答えだった

「鈴乃、華太。彼奴等は銃を持っている。真正面から行っても死ぬだけだ」

「?」

「何をするつもりだ?」

「訓練学校で総合戦闘技術評価演習でやった事を思い出せ」

鈴乃は察した

「……」

敵兵士は2、3人……いやもっとだな

今、身を潜めている壁際から身を出せば銃撃される

「時間勝負だ。一気に攻めるぞ」

次の瞬間、私が前へ出てアサルトライフルを握り構えてる兵士に銃口を向けた

その速射はまさに閃光!兵士3人は銃撃され倒れた

「おお…!」

華太はこれを見て圧巻した。

しかし兵士達は増え、私達に襲い掛かる

「いたぞ!こっちだ!」

私は鈴乃達に咆哮する

「今だ!」

次の瞬間、華太は鈴乃と共に駆け走る

「うおおおおおお」

「!」

兵士達は華太の頭を狙い撃とうとするが…無論、そんな事はさせない

「余所見をするな」

パァン

「ぐえぇ」

兵士の一人は鈴乃を襲い掛かりつつレイプしようと目論む

「この女だけ貰っていくぜ!」

「え…?」

華太は集中力を高め奴に弾丸を放つ

「鈴乃に触るんじゃねえ!外道が!」

パァン

「かは!」

その隙に階段で下に降り1階に辿り着きまた走る

走る

走る

走る

走り続ける

只管と走り続ける!

出入り口付近で私達は立ち止まる

そこにいたのは軍用ジープに乗ってる城戸と浅倉だった

「坂崎大尉、早く乗りや!」

「城戸か。有難い!」

軍用ジープに乗り込んだその時、元山派と思われるチボラシュカ1機が接近してきた

「チボラシュカ…やと」

もう手詰まりだ……と思ったが撃震1機が超反応でチボラシュカの背後に突撃砲の銃口を突き付け38mm弾を放った。

「撃震!?まさか…」

《坂崎大尉、無事ですか!?》

その撃震に乗ってるのは北岡―――華太の舎弟に当たる男だ。

「北岡、何でここにいんだ?」

《小峠の兄貴、時間がありません。すぐに基地に戻って…》

そう言いかけようとしたその時、工藤中佐から交信が来た

《北岡!牡丹峰へ向かえ!元山派がクーデターやりやがった》

《工藤中佐、どういうことです!?》

《いいからさっさと行け!》

《りょ、了解しました》

工藤中佐は慌てつつ交信を終了させた

《…坂崎大尉、早く基地に戻って戦術機を!》

「分かった。北岡死ぬなよ」

《任せてください!》

私達は城戸と浅倉が乗る軍用ジープに乗り平壌基地に戻って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《今回の任務はBETA戦闘ではなく我が国の最愛の最高指導者ベアトリクス同志の暗殺計画を目論んでいると情報が入った。首謀者は既に承知している。直ちに阻止せよ!我が軍門に入り親愛なる指導者の為に!》

CPはそう言った。

今回の任務はBETA駆逐任務ではなくベアトリクスの暗殺を阻止しろと上層部から命を下った。

「ヴェアヴォルフ了解」

二コラは紅いアリゲートルの管制ユニットの中で操縦桿を握りモニターで状況確認する

平壌基地のヴェアヴォルフ専用格納庫から次々と戦術機が出撃し目標の朝鮮武装警察軍牡丹峰基地へと向かった。

朝鮮武装警察軍も黙ってはいられず基地の防衛の為に出撃させ応戦

二コラも北朝鮮の戦術機を落とす事は容易かった

「目標を補足した。我が大隊は逆賊元山派の連中を粛正する!牡丹峰を制圧せよ!繰り返す、牡丹峰を制圧せよ!」

《了解!》

二コラが乗るアリゲートルは大隊衛士達を率いり前へと進む

ロザリンデは二コラを護衛する為に背後に回る

《大隊長、敵機接近!数は、中隊規模!12機です!》

「アリゲートルか……いや違う。デッドコピー機だ!」

アリゲートルのデッドコピー機、『成桂』

中隊規模で二コラ率いる大隊に近づく

突撃砲に装填してる120mm弾を連射

『成桂』は5機撃破

「全機、攻撃開始せよ!」

また1機

1機

1機

1機

二コラは残り3機になるまで追い詰める

ここで工藤中佐率いる連隊が到着

《姉ちゃん!援護するぜ》

「感謝する。そんな旧式の機体で大丈夫なのか?」

《おう、撃震乗りを侮っちゃあならねえ!どんな機体乗ろうが衛士が未熟だったら意味ねえんだ》

工藤中佐の言葉を聞いて二コラは何も言えなかった

「……」

ニコラは牡丹峰付近でドックァの部下と思われる別の戦術機小隊を発見し躊躇わず120mm弾を発射

工藤中佐も負けてはいない

「旧式乗りにしてはなかなかやるじゃないか」

《お前さんもな。良い腕だと思うぜ》

二コラはその隙に牡丹峰基地へと向かうが、出てくるタイミングが良すぎるかドックァが乗る『成桂』が現れた

《退きたまえ。ミヒャルケ少佐―――私の邪魔をするつもりか?》

「ア・ドックァ!ブレーメ総帥を裏切り、剰え部下を利用して拉致して慰み者をしようと目論んだ事を申し訳ないと思わないのか?」

二コラはドックァに問いかける

当然、彼の返答は醜悪な理論を翳した言葉だった

《これは朝鮮の為だ。彼女を…ブレーメ総帥を生贄にすれば朝鮮民族は自ら国を運営し社会貢献するのだよ。貴様等外部の人間が支配し国の政治に任せられない朝鮮民族にとっては屈辱の極みだ!貴様らいなくとも朝鮮半島は未来永劫輝き繁栄し続けるのだ。申し訳ないだと?何を言うんだ君は。ミヒャルケ少佐、君は間違っている。BETAを滅ぼす為に手段は選ばないのだろ?だったら彼女だけでなく北朝鮮国民を生贄に捧げれば勝利を掴めることは出来る。簡単な事だ。人類の敵になればいいだけだ》

自分語りでこうベラベラと喋るドックァだったが、何を言ってるのか二コラだけでなく他の衛士達には理解出来なかった

「それで自分はのうのうと生き延びて隠居すると?自分勝手な奴だな。アクスマンと変わらないよ」

《何とでも言え。私はそう判断したのだ》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

万寿台議事堂

執務室

 

「平壌市民を避難指定場所に避難させろ、競技場、地下鉄…何処だっていい!それから中央テレビに連絡!私達の恐ろしさを見せつけろ」

《りょ、了解です》

無線機で朝鮮人民軍司令本部に連絡したベアトリクスは焦りに焦り、疎開の下準備を行っていた

「私が築いた戦闘国家をあんな薄汚く欲望塗れの男に潰される訳にはいかない、迎撃しろ!私も出る!」

《え?総帥自ら!?》

「そうだ、ファルクラムで出る!貴様は引き続き各部隊の援護を頼む」

《―――は!》

司令本部長が通信を切ろうとしたその時、安州要塞陣地から救援要請が来た

《総帥、安州要塞陣地から救援要請が来ました。如何なさいますか?》

突然の出来事だった。

本来なら放置するのだが、ベアトリクスは意外な返答をした

「こんな時にか……分かったわ。すぐに向かうと伝えろ」

《は―――では司令官に伝えておきます》

無線機を切りベアトリクスは更衣室に向かい地下格納庫で秘密裏に保管されてるファルクラムの管制ユニットに乗り出撃する

「そんなに捻り潰されたいなら捻り潰してやるわ。東欧州社会主義同盟総帥、ベアトリクス・ブレーメがね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、安州要塞陣地は再びの危機に見舞われていた。

重光線級が再び出現したのだ。それも数は倍。とてもではないが持ち堪えられるとは思えなかった。

 

 

「重光線級だと!?第1006戦術機連隊はどうした!?」

「そ、それが……! 何度も呼び掛けていますが応答ありません!」

「………こんな時に」

安州要塞陣地を預かる司令官は先ほど平壌でクーデターが発生したという情報を得ていた。

相手は元山派であり、私達は目を付けられていた事を思えば既に拘束されていると思い込み判断すべきだった。

だが、だからと言って戦局が好転するわけではない。このままでは安州要塞陣地が突破されるのも時間の問題であった。

「やむを得ん。南朝鮮軍の要請をしろ!」

「依然として釜山港に停泊したままです……」

「くっ……!」

そしてそれはこの安州要塞陣地の状況を見ても同じだった。南側の韓国軍に動きはなく、確実に見捨てていると言われてもおかしくはない行動だった。そして、それが分かるからこそ要塞司令は怒りを露わにした。

「今までは日本帝国軍の戦術機部隊と共同戦線を展開したがもう長くは持たん。ここで要塞級が出現し光線級を出したら終わりだぞ!」

司令官がそう嘆いた次の瞬間!

「っ!後方よりアリゲートルを編成した戦術機部隊とアンノウン接近!これは……!」

オペレーターは冷静に要塞司令官に現状報告

「あの紋章は…シュタージ……ブレーメ総帥閣下の専用機と思われます!」

「総帥閣下の!?一体何をしに……!いや、もし救援に来たとしたら……」

要塞司令官は突然の事態に驚くがこの状況でなら確実に救援だと考えたが相手はベアトリクス専用ファルクラムとアリゲートルを編成した戦術機部隊である。素直に受け入れる事は出来なかった。しかし、劣勢であることに変わりはない。

「ぐぬぬ…ブレーメ総帥閣下に甘やかされるとは…閣下に申し訳ない」

受け入れる事を決めた瞬間だった。ベアトリクスが乗る紅いファルクラムは電光石火のスピードで接近してくる光線級と重光線級の群れを後ろに着いて来てるアリゲートル36機を前へ行かせ砲撃を行った

《待たせたわね。援護するわよ。さあ、同志達、狩りの時間よ》

衛士達は「了解!」と一言を添えた。

要塞司令官は覚悟を決めた。このままではこの陣地を守り切る事は出来ない。であれば放棄して撤退するしかない。

「総帥閣下が要塞陣地を死守してくれている事は有難いが、いつ持つか分からん。閣下はお忙しい――すぐに帰る筈だ」

《私の部下達をここに配置する。司令官は平壌市民の避難をさせるように》

「は―!直ちに」

ベアトリクスは連れて来た衛士達をここに配置し、速攻に平壌へ戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、私達は既に平壌基地に戻り早急に衛士強化装備を着替え機体に乗り込もうとしたが

「な…!?」

目の前に見た光景は、撃震が……使えなくなるほど粉々に爆破された形跡があった。

恐らくドックァが工作員に指示して使えなくさせたのだろう

これでは出撃出来ない……!

鈴乃も驚きを隠せなかった

「どういう事なの…これは!?」

もう詰んだ。と思いきや奥の方へ見ると、そこには中隊規模の数を揃えているアリゲートルがあった。

これは賭けだ。乗るしかない。

「鈴乃、華太。アレに乗るぞ」

「え?」

「アリゲートルにか?正気で言ってるのか」

華太は反論しようとするが鈴乃に制止される

「……都、私達の機体が使えない今、乗るしかないわね。少し抵抗あるけど我儘言ってる場合じゃないわ」

「うむ、早速乗り込むぞ!」

半ば機体を強奪だが、基地内は混乱状態。

乗り込んでも、問題ない筈だ。

3人はそれぞれの機体に乗り込み、起動させ手持ちの武器を持たずのまま出撃した

この朝鮮革命はいよいよ最終局面へと迎える事になる




序盤に出てきたゴットゥーザ様ですが、モデルは名前言わなくてももうお分かりになってる人はいる筈です。
次回、北朝鮮の派遣任務最終回です
お楽しみに!
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