1998年9月16日
佐渡基地 某演習場
今回はダブルスでの模擬戦闘を行われる
対戦相手は都と駒木ペア対鈴乃と俺のペアだ
鈴乃と一緒に戦えるなんて少し、いや抱きしめたくなるほど嬉しいぜ
光栄だね、実に光栄だ。
だが、都が訓練始まる前に「聞いておきたい話があるからよく聞くように」と真顔で言い放ち、その場にいる4人は静聴する
「昨日、本土の岩国基地で謎の戦術機が墜落したと情報が入った。我が軍ではなく欺衛軍でもない海外の何処かで作られたか詳細不明の戦術機だ」
詳細不明の戦術機……この言葉に俺は何か引っかかった
「朝鮮半島南部は重武装を用いた戦術機、北部は一つ目の戦術機、そして岩国基地は恐らくだが地上戦を特化した戦術機だ」
南部と北部は、韓国と北朝鮮だ
俺とダリル以外に転生した奴がいる……誰なんだ?
俺はその”戦術機”の事が気になるから挙手した
「坂崎大尉、その謎の戦術機は…」
「ああ、帝国軍上層部も映像で何度も見た、無論欺衛軍の連中もだ。規格外の性能と未知の武装を搭載した謎の戦術機…この3機の事を”FG”、”PZ”、”A”だ」
フルアーマーガンダムとサイコ・ザクの事を言ってるのだろう
あとの1機、”A”ってなんだ?
A……アクアジム、な訳ないよな。
アンクシャ…違う
アビスガンダム?そんな訳がない
アルトロンガンダム……いやあり得ないな
アルヴァトーレ…んな訳あるか!
アリオスガンダム、アルケーガンダム……ないな、絶対にない!
GN粒子散布してみろ、戦術機のデータリンクがイカれちまうぞ
アカツキガンダム……違うな
ガンダムアシュタロン?絶対にない!
何なんだ、一体?
「幸い、”A”は帝国軍が管理することになった。国連の香月夕呼博士により国連軍に引き渡されそうになったがそれは上層部によって阻止した。これが現時点で判明した情報だ」
だろうな、でもどうやって阻止出来たんだ?
ダリルからは色々と話聞いたが、この香月夕呼って女はかなりの曲者で変わってるマッドサイエンティストの女性だ
あの女の事だ、ボロ雑巾になるまで乱暴に使い続けるだろう
用済みとなったら海に捨てる
洒落になってないぜ
「話はそれだけだ。さて、貴様等準備は出来てるだろうな?」
勿論だぜ!
「良かったな豊臣、大倉大尉とペア組めて嘸嬉しいだろ?」
都は誇らしげな笑みを浮かべて俺にこう言い放つ
鈴乃は俺の方に振り向き、その手を握った
「今日は宜しくお願いね」
「お、おう!絶対勝ち取ろうぜ」
99式衛士強化装備……現段階で試験的に着用してる強化装備だ
所謂試験用パイロットスーツだ
強化装備を身に纏ってる女性を見るのは慣れてきた
最初は鼻血を出してまで目を逸らすほどだったが、恭子と佳織、そして学徒兵のを沢山見てきたから慣れてしまった。
恥を捨ててまで戦場に駆ける……これが衛士なのか?
「では各員、機体に搭乗せよ!」
都の号令で、俺含め4人はそれぞれの機体に乗り込み訓練開始するまで待機する
審判は……おいおい、冗談だろ。村田がやるのかよ
彼奴は確か駒木と同じ時期に入った新兵だよな
新兵に審判やらせるか?逆だろ逆
都は村田に対しては一衛士として見てるだろうが駒木はどうだ?
A中隊にいるとはいえ、普通ではないような気がする
野心…いや自分の葛藤か
《緊張してるな?駒木》
《そ、そんなことありません!》
いやいや、緊張してるだろ?
顔が堅いぜ?
《初めてだからな、無理ないさ》
村田は訓練開始の合図を送る
「それでは始めてください!」
俺は撃震の管制ユニットにテープで張り付けてあるカセットレコーダーのスイッチを入れた。
すると、ハイテンポのトランペットソロから始まる、ジャズが流れた。
同時に跳躍ユニットを噴出し最大全速で都機に突っ込みつつ突撃砲を握り構えペイント弾を放つ
「どうだ?良い曲だろ、鈴…いや大倉大尉」
《ふふ、余裕持ってるな?脱落されないよう心掛けなさい》
「注文承りました~♪」
俺はそんな調子付いたような返事をして通信を切りフットペダルを踏み真っすぐ飛んでいく
《駒木、行くぞ!》
《了解です!》
駒木機も動き出す
突撃砲で俺が乗る撃震を照準に合わせペイント弾で狙い撃つ
だが、俺は躱す
「ほぅ、的確に射撃するとは…新兵とは思えない動きだ」
ジグザグ飛行で駒木機を目掛けてペイント弾で放つ
乱れ撃ちだ
《!》
左肩部に命中
「頂き!」
次は頭部に命中
実戦だったら困るだろうな…まぁ管制ユニットは後で撃ち抜かせて貰うぜ
駒木機も反撃に出る
《このぉぉっ!》
ペイント弾を放ち俺の機体に当てようと試みるが
フン、小心者のじゃじゃ馬娘め!
動きが速くて綿飴みたいに軽い!
俺は突撃砲を握り構えつつバレルロールで駒木機に向けペイント弾を放つ
《バレルロールで射撃…!?》
「油断禁物!大人しく脱落しやがれ!」
駒木機の管制ユニットに当てた
これで駒木は脱落だ
しかし……
鈴乃機が都機に押されてる
都機は鈴乃機に向けペイント弾を放った
躱し切れず、右脚部に当たってしまった
《くっ……!》
都機は鈴乃機に突撃砲の銃身を突きつける
そして当てる!
管制ユニットに……こんなあっさりと
《1対1となったな……》
「漸くってか?」
都と一騎打ち
今度こそ勝って見せるぜ!
俺は都機に向け突撃砲を握り構えペイント弾を放つ
連射、ひたすら連射
しかし都機はそれを躱す
躱す
躱す
躱し続ける
「!」
《どうした?貴様の実力はこの程度ではないだろ?》
挑発か
ダメだ、冷静になるんだ
冷静にだ
照準を合わせ都機の管制ユニットに向け連射
とにかく撃ちまくるが躱される
そして突撃砲を背部兵装担架に収納しナイフを握り構え接近戦に持ち掛け切りかかる
都機の頭部に直に当てた
「メインカメラが壊れたら、困るだろ」
《……この調子者が!》
「終わりだ……今度こそ勝った!」
都機の管制ユニットに当てた……が同時に俺の機体の管制ユニットにペイント弾が直撃
相討ち……引き分けか……。
「両者引き分けです!」
村田の合図で模擬戦は終了
双方とも、機体から降りて握手する
「ここまで上達したとは……豊臣、衛士の顔になったな」
都は小さな笑みを浮かべる
「え?そんなことないですよ」
と俺は焦りながら言い放った
「坂崎大尉と互角に並べるなんて、どんな魔法使ったの?」
鈴乃はクスっと笑みを浮かべつつ俺を揶揄う
「そんなんじゃねぇよ、俺は実力でやり合ったまでだ」
駒木は「そうなんですか」と一言を添え眼鏡をクイっと上げつつ真顔になる
「豊臣、後で私の部屋に来てくれ」
都からの誘いが来た
部屋って……まさかな
「ああ、分かった」
3時間後、俺は強化装備を脱ぎ野戦服に着替え都の部屋に向かい、廊下を歩いていた
廊下を歩くうちに都の部屋の扉の前に辿り着きノック3回しドアノブを捻り扉を開けるとベッドの上に座って寛いでる都の姿があった
「来たな、私の隣に座って構わないよ」
俺はベッドの腕に座ってる都の隣に寄り添いつつ座る
え!?
何で強化装備のままなんだよ!
積極的に、誘ってるのか?
「どうした?こんなの日常茶飯事だろ。恥を捨ててまで戦場を駆ける身分だ」
いやいやいやいやそういう意味じゃなくて、何で強化装備のままで部屋で寛いでるんだ!?
「……お前も既に慣れてる筈だ」
「まぁ確かにそうだけどよ……」
理解できないが都なりの接し方だろう
「今回の模擬戦だが、私と互角に渡り合えるほど上達したとはな。感心したぞ」
優しい笑みを浮かびつつ俺の頭を撫でる
その後、一旦立ち上がり妖艶な笑みを浮かびつつ部屋の扉の鍵を閉める
「この時間帯なら鈴乃や他の衛士達がここに来ることはない。佐渡島での戦闘シミュレーションや講義を行ってる」
大事な講義を放り捨ててまでこんな事していいのかよ……。
「で、俺に何をするつもりだ?」
都は妖艶な笑みを浮かんだまま俺に近づきベッドに押し倒した
「どうしたんだ?みや…いえ坂崎大尉らしくないぜ」
と苦笑いしつつ都の顔をじっと見る
「衛士も休息が必要だ、息抜きぐらいして構わないだろ?」
都はその手で強化装備の被膜を破ろうとするが俺は止める
「待ってくれ!俺の想い…」
「ん?構わないぞ」
今日は積極的だな、どうしたんだ?
深く考えない方が良いな
「俺は都の事が好きだ!でもそれは中隊の長として敬愛してる…」
「中隊の長としてではなく1人の女性として意識し私の事を好意抱いてる。そうだな?」
全部お見通しって訳かよ
「ああ、そうだ」
俺は即答し、都の顔を見つつ頬をそっと優しく触る
「都……」
「……いつでも良いぞ、準備は出来ている」
互いに目を瞑り唇を重ね舌を入れながら絡める
「ん…ぁ…ちゅ…」
「…はぁ……都…」
「ん、下の名前…呼んで、いいか」
俺は頷く
都は妖艶な笑みを浮かびつつ頬を赤らめる
「悠一……」
再度唇を重ね舌で絡める
激しく抱き締め合いながら腰に手を回す
「優しく、してくれ…」
俺は頷き強化装備の被膜を乳房が見えないように破る
「!」
肌が露出され都は体をくねくねと捻りつつ乳房が見えそうになると手で覆い隠す
俺はその手を払い除けようとする
「だ、だめ……」
「何でだ?こっちから誘って来たんだろ」
「……続きは家で…いや誰にもいないところ。シェルターや格納庫は?あそこなら夜は誰もいない。皆が寝静まってから……」
そういうと都は妖艶な笑みを浮かびつつ左腕で強化装備が破れ胸元が露出してるところを左腕で覆い隠しつつ右腕を上げ俺の頬を優しく触れ額にキスする
「あ、あぁ……都、俺のモノになってくれないか?幸せにさせてやる」
「いつかお前と一緒に過ごせる日が来るといいな」
都と一緒に暮らして、将来的には結婚しようと俺は考えてた
恭子の事を身を引いてまでだ
よくよく考えれば俺は欺衛軍には向いていない
向いてないんだ……けどよ。ほっとけない
ほっといたら半グレ集団の誰かが恭子を襲うか分からない
それでも俺は都の事が好きで結婚したい……と決意したがそれは後に叶わない事になるとは俺はまだ知らずにいた
1998年9月17日
夜が明け朝を迎えた
俺はあれから夜更かししてまで都と激しい行為をし昇天させた後は都はぐったりと憔悴し寝込んでしまった
この時点で強化装備は胸元だけでなく腕、脚、尻、そして女性にとって大事な部分が露になっておりほぼ裸の状態だ。
白い液体が管制ユニットの操縦席にべたりと付いてる
俺は、やってしまったのか……都と
誰もいない格納庫で戦術機の管制ユニットの中で激しく、もっと激しく絡み合った。
鈴乃には言えねぇよな……。
「都と一つになっちまった……」
とポツリと呟く
都が目覚め、頬を赤らめながら照れ妖艶な笑みで俺の顔を見てこう言い放つ
「とよ、いや悠一……」
「都……俺の想い伝わったか」
都は妖艶な笑みのまま俺の顔を豊満な胸で埋めさせる
温かい……やっぱり俺は都の事が好きなんだ
「伝わったよ、うん、伝わったさ……」
俺の想いが伝わった
そうか、やったんだ。
都の心を鷲掴みしたんだ……
「今日は休むか?司令官に適当な理由で言い包めるよ」
休むって………業務はどうするんだよ。
「甘えてもいいんだ、昨日言った筈だが衛士は休息が必要な時もある。無理に励まなくていい」
「休み過ぎると体が鈍っちまうぜ?」
「ん?」
「それに、都が弱ってる姿なんて見たくないんだ」
まだアンタを超えたって訳じゃない
互角に渡り合えるほど強くなった
「ありがとう、悠一。私は嬉しいよ」
管制ユニットに放置してる誰かのジャケットを手に取りそれを羽織りジッパーで上まで閉める
「流石に脚は隠せないな……」
都はそう言って苦笑いする
「鈴乃の事が気にかけてるだろ?彼奴の行動パターンなら把握してるつもりだ。また不仲になるのは御免被るからな」
都は鈴乃の事を気にかけてるんだな
当然だ、都と鈴乃は衛士だ。
理解してるつもりだ
「元の持ち主には私が勝手に借用して着用したと言い包めるよ」
都は優しい笑みを浮かびながら胸元を強調しつつ腕組みをした
「あ、管制ユニットの中の掃除はしとけよ。整備兵に変な目で見られるからな」
そうだな……。
「都、俺はアンタに対する想いをぶつけてよかった。都はどう思ってるんだ?」
「ん、私も悠一の事が好きだ」
相思相愛
俺と都は運命共同体になったかもしれない
いやなったかもな
そう思っていた
佐渡島にBETAが襲来するまで