トータルイクリプスサンダーボルト 外伝   作:マブラマ

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ラインメイタル

1998年9月18日

佐渡基地 格納庫

 

佐渡基地に新たな装備品が届き、基地にいる整備兵や衛士はこの支援重火器を見て驚愕していた

「あれは…」

「西ドイツの戦術機武装だよな、何で佐渡基地に」

そう西ドイツの兵器メーカーの雄・ラインメイタル社によって実用化された戦術機用の支援重火器、ラインメイタル Mk-57中隊支援砲だ。

ドイツのMG3汎用機関銃をイメージしてデザインされた戦術機用の支援重火器。内陸部への侵攻時、BETA群に突入する戦術機部隊を支援するために開発された。

本来なら戦術機が携行する大口径支援砲は欧州各国軍の標準採用している装備である

散弾・多目的運搬砲弾も使用可能な57mm砲弾を最大120発/分で射撃可能な本砲は、要撃級、戦車級BETAの制圧に極めて有効であり、97年配備開始以降、打撃支援、砲撃支援用の兵装として定着し、日本帝国を始めとする数十ヶ国が導入を検討している……。

「届いたか」

都がそう言いつつ誇らしげな笑みを浮かべる

届いたってこの武装か?

「昨日、司令官に直談判してこの中隊支援砲を試験的に導入することが決定した」

しかし、すげぇ武装だな、戦車級何体駆逐出来るんだ?

「昨年は我が日本帝国軍に導入を検討していたのだが、まさかこんなに早く届くとはな…」

こんなに早く届いた?

どういう事だよ

「本来なら来年8月に届く予定だったが、裏で何かしらの事情があるんだろう」

「送り主は誰です?」

「西ドイツの将校ではないことは確かだ」

「西ドイツではなかったら……まさか!?」

1つ心当たりがある

こんなに早く届けるのは話が出来過ぎてる

政治的な事情がある筈だ

日本も……東欧州もだ。

「……送り主の名は、東欧州社会主義同盟総帥ベアトリクス・ブレーメだ」

何だと……?

俺は絶句した

何故東側であるベアトリクスが西側の戦術機武装を入手し日本の佐渡基地に送ったか

あり得ない…しかしこれは現実だ。

恐らく西側の連中を半ば脅して入手し佐渡基地に送ったのだろう

何て女だ……。

試されてるのか?

「試されてるだろうな……」

俺と都の会話に鈴乃が割り込む

「坂崎大尉、何があったのですか?」

「大倉大尉か、例の武装届いたのだが異常に届けるのが早過ぎた」

「話が出来過ぎてますよ、送り主は誰ですか?」

「ベアトリクス・ブレーメ総帥だ、何故西側である日本に中隊支援砲を送ったのか分からん」

だろうな……行動が読めないぜ

「佐渡基地に他国のスパイが紛れ込んでるというのは」

「この佐渡基地に忍び込んで何のメリットがある?佐渡島にポツンと佇んでる佐渡基地に何の情報を引き出そうとしてるか……ところで大倉大尉、ニュースは見たか?」

「夜のニュースですか?」

ん?

「カムチャッカ半島南部で東欧州社会主義同盟の連中が半ば強制的に租借したらしい」

租借?おい、それって占領してるんじゃないか。

「租借と言ってますけどこれは完全に占領してますね」

「そうとしか考えられん。でなければこの中隊支援砲を送る理由はなかっただろう」

これを撃震に装備させるのか……。

ダリル・ローレンツじゃあるまいし、スナイパーは俺には合わないんだよな。

「これは私が使う」

都は真顔で言い放つ

マジかよ、おい……。

「本気で言ってるのか?」

「私は本気だ、使える武器は存分に使わせて貰う」

本気で使うんだな………。

「大倉大尉のも用意しているぞ」

「え?」

鈴乃は少し驚愕した

そりゃそうだろう、欧州の戦術機武装が日本に届いたわけだからな

「私の、ですか?」

「嫌なら豊臣少尉が使わせる」

「あ、俺スナイパーとかは合わない性質でして…」

そう、俺はスナイパーには向いていない

ダリルと同じ土俵立つと意味するからだ

「駒木少尉に使って貰いましょう」

「駒木か、彼奴にはまだ早過ぎる。が試験的に使わせるのも丁度良い機会だな」

駒木がスナイパーとしての素質持ってるかはまだ未確定だ。

本人次第だな

「私がどうかしたのですか?」

駒木が俺の背後から都に話しかけてきた

「ああ、今日届いたんだ。欧州のな」

「……欧州?」

「駒木、扱えるか?」

駒木は考え込む

やはり無理に使わさなくてもいいんじゃないか?

「私にですか?ですがこの武装は確か帝国軍に導入を検討しているはずですよね?」

「佐渡基地に送られたかは別として、模擬戦で此奴を使うぞ」

模擬戦でか?試し撃ちするのも良い機会かもな

「但し、いつもの演習場ではない。佐渡海峡に向いてる防護壁だ」

防護壁……ああ、あのでっかい壁の事か。

となると……。

「その前にだ、駒木疲れてるだろ?」

都は駒木に問いかけ疲労が溜まっていると確認する

「いえ、私は」

都は駒木を抱き締め耳元に近づける

「中隊長!?」

「海に行かないか?」

「へ?」

海?海水浴場か。

子供の時以来だな

「えぇ!?」

「そう照れるな、偶には息抜きが必要だ。そうと決まれば今日は早退するぞ」

おいおい、早退って……明日にしようぜ

今日は業務だ

「早退ですか、承服出来ません」

だろうな、当然だが

表情が硬いぞ、駒木。

「駒木の言う通りだな、明日に行こうぜ」

「……駒木、あとで中隊長執務室に来るように」

「え?了解しました」

佐渡島にある海水浴場は外海府海岸だな。

景色は綺麗だろうな……偶には息抜きしようぜ駒木

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

都に呼び出された駒木は中隊長執務室へ入室した

「ここに呼んだ理由は分かるな?」

都はジト目で駒木をじっと見る

「分かりません」

駒木は困惑し真顔で言いつつソファーにかけて座る

「服選ぶ時、迷ったりしたりするだろ?」

「え?まぁ…そうですね」

「佐渡基地の整備兵に頼んで水着を調達したぞ」

何と事前に整備兵に頼んで水着を購入したと都は得意げな顔をしながら言った

「水着……ですか」

何故水着を……?

私を海に連れて行くつもりですか?

と駒木は心の中で呟いた

都はクローゼットを開け、そこに色んな種類の水着をテーブルの上に置いた

「何ですか?これは」

「何って、水着だろ」

駒木が一番注目したのは、黒のスリングショットだ

「中隊長、これは流石に……恥ずかしくて着れません」

駒木は眼鏡をクイっと上げつつ頬を赤らめ照れる

他にスクール水着、ニット調オフショルビキニ、タンキニ、ホルターネックフロント等が揃えていた

「さぁ、好きなの選べ」

駒木は悩む

「あ、序でに早乙女も誘うか」

駒木は緑色の水着を選んだ

「これにします」

「ん?そう来たか。では私はこれを着るぞ」

都は黒の水着を手に取った

「そうですか」

と駒木は無関心で発言する

都は駒木を少し揶揄い始めた

「駒木、ここに来てから佐渡島は慣れたか?」

「はい、ここにいる人達は皆親切で優しい人ばかりですね」

「で、我が中隊にいる草野少尉と僚機になれて心の底から嬉しい気持ちになって高揚感溢れてる…と」

「ち、違います!草野少尉はただ1人の衛士として接してるだけなので」

駒木は頬を赤らめ恥ずかしさを隠さず正直に言った

「ほぅ、それはどうかな?本当は『草野きゅん大好き♡もう抱きしめたいくらい大好き♡』だろ?」

都は悪戯っぽい笑みを浮かび駒木を揶揄う

「坂崎中隊長!いい加減にしてください」

「駒木は嘘吐くの下手だな。顔に書いているぞ?」

コンコンと扉がノックする音が聞こえ、誰かが「失礼します」と言ってから中隊長執務室に入る

草野だ

「坂崎中隊長、次の模擬戦闘についてですが…」

都と駒木は草野に対し睨み付けこう言い放つ

「「今は取り込み中だ(です)!!」」

「は、はい!失礼しました!!」

草野は少し怖気付き中隊長執務室から走り去っていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は鈴乃がいる部屋におり、2人きりで明日の予定を決め水着を選ばせられた

何で俺が鈴乃の水着を選ぶんだよ

普通、女性同士が決めるもんだろ?

鈴乃が着そうな水着か……。

「どの水着を着ればいいか迷ってて…どれにするか」

1人で決めろよ!

だが、これは鈴乃が自分で買った水着だ

こんな大量に……夏はもう終わってるぞ

「これにすればいいんじゃないか?」

俺はシンプルな白い水着を選んだが、鈴乃は不服そうに不満な感情だ

「貴方ね……まぁ着れない事はないけど」

「どんなのがいいんだ?」

普通、店とか行ってゆっくりと選ぶのだがこの状況下だ。

水着を売ってる店は少なくなってきている

あれだけ荒らされたらな……海水浴場なんて行かないだろ

「そうね、魅力を引き出せるのが良いわね」

「魅力を引き出せるって……」

「全く豊臣は女心が分かってないわね……」

はいはい、俺は女心なんてわかりませんよ

……いや、分かってるつもりだ

「黒のセクシーな水着着ればいいんじゃないか?」

そういうと鈴乃は黒の水着を手に取った

「……このスケベ」

鈴乃は頬を赤らめ目線を逸らした

「誰がスケベだ!」

「本当は私をこれ着させてエッチな事考えてるでしょ?」

いやいや、そんな事は……しないとは言い切れないか

「ふふ、まぁ良いわ。これにするわ」

鈴乃はクスっと笑みを浮かべる

「何年ぶりだろう?高校の時以来ね」

高校……となるとまだ訓練生の頃か?

「そうだったんだな、鈴乃。でもよ、今でも可愛いと思うぜ」

俺は鈴乃に向けそう言うと、鈴乃は頬を赤らめ笑みを浮かびながら照れた

「私が、可愛いだなんて……都には敵わないよ」

「互角だな」

「……豊臣、そういう時は「お前が一番可愛いぜ」と言えばいいのよ」

成る程……心掛けておくか

しかし、本当に鈴乃は可愛くて美人だ。

都と互角に渡り合えるほど美しい

「なぁに?そんなに私を見つめて……もしかして、惚れたの?」

「まぁな……あ、そうだ!ジャズの名盤教えてやっからよ。良ければ聴くか?」

「はいはい誤魔化さないの、私分かってるから…」

何だ分かってたのか

今の俺の心境だと鈴乃に甘えたい

と言うか、甘える事自体が俺らしくねぇな……。

今日の業務は無事終えたことで明日に備え基地で寝る事にした

佐渡島だからBETAは来ないと言ったら楽観的な衛士と思われるからな

備えあれば患いなしだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1998年9月19日

城が浜海水浴場

 

「それ!」

バシャッと海水が跳ねる。

「わっ!やったなー!鈴乃」

 

俺達は海水浴に来ていた。

空は雲ひとつない快晴。その下には青々とした海

波のさざめきが人々の声でかき消される。

夏はとっくに終わってるのだが、色々忙しくてのんびりしていられなかっただろう

都達にとっては遅めの夏休みだ

「賑やかだな……」

「ねぇ、この後どうしよっか」

鈴乃は満面の笑みを浮かべ俺に問いかける

この後やりたい事、ビーチバレー、スイカ割り、砂遊び……数え上げたらキリがない。

時間は有限だ。遊べる事は今のうちに遊んでおきたい。

それにしてもナイスプロポーションだ

都は黒で攻めてきたか……で、鈴乃は黒のセクシー水着だ

「ああ、そうだな……」

「時間は沢山あるんだから今日はいっぱい楽しも?」

「そうだぞ、こんなの滅多にない機会だからな。な、駒木」

「はい……」

駒木は緑色のホルターネックフロント水着だ

早乙女も来てたのか

ハッ、何だその水着は……競技水着かよ

色は青、平凡なセンスだ

正直ガッカリだぜ

そう思いつつ俺は鈴乃につんと軽くおでこを突かれる。

「豊臣、思い出を沢山作ろう」

鈴乃がそう微笑みかけてくる。つられて俺も笑顔になる

こんな時間がいつまでも続けばいいのにな……。

そんな俺の思いは泡のように消え去り、遊び疲れた頃には夕日が見え始めていた。

「鈴乃」

そう呼びかけられた。なんだろうと振り返ると。

「それ!」

バシャッと海水が跳ねる。鈴乃は顔が海水で濡れ、髪からは水滴が滴り落ちる。

「わっ!やったなー!」

すかさず反撃。

「きゃっ」

都も負けずに反撃してくる。終わらない攻防が続く。

痺れを切らし都を捕まえようとする。

逃げる都。砂浜を子どものように走り回る。

そうして暫く走っていたら都が砂に足を取られた。

すかさず抱え起こそうとする。

だけど都はそのまま砂浜に体重をのせ、鈴乃の身体ごと地中に引きずり込む。

ぎゅっと抱き締められる。

「やっと捕まえたぞ」

「もう、逃げてたのは都でしょ」

俺は草野、村田と共に2人の様子をただ傍観し驚愕した

駒木もその様子を見て呆れ顔になる

「はぁ…」

お互い息は切れ切れだ。

周りの音なんて聞こえない。他の人の姿も目に入らない。

ただお互いの息遣いだけが聴こえる。

「……ねぇ、都」

沈黙に耐えかねたのか鈴乃が口を開く。

「?」

「今日は楽しかった?私はすっごく楽しかった。都と一日中遊べるなんて滅多にないから」

「私も凄く楽しかった。これも鈴乃のおかげだよ」

顔が綻ぶ。

「……良かった。都には今日だけでも使命?みたいなのを忘れて楽しんでほしかったから……」

あとと言葉を濁す。

「あと?」

「……あと、今日はその、駒木や早乙女ではなく私の事だけ考えてほしかった……っていうか」

鈴乃の声が消え入りそうだ。

おいおい、どうなってんだ?こりゃ

「鈴乃……」

愛おしさで胸が熱くなる。心臓が酷く痛い。

都の顔が赤く感じられるのは夕日のせいなのか。なら鈴乃もきっとそうだ。

「……そろそろ帰ろ」

ハッとなる。なんだか変な雰囲気になってしまった。

「そ、そうだな……」

「着替える前にシャワー浴びなきゃだね、いこ」

手を引かれる。2人は手を繋いだままシャワー室に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕日が沈み、空が真っ黒になり俺は都と鈴乃に呼び出され3人で会話した

しかも水着姿のままだ

シャワー浴びて着替えたんじゃなかったのかよ?

替えの水着か……。

「今日は楽しかったか?」

「おう、そうだな……2人の水着姿見れて感服したぜ」

俺は正直な気持ちで2人に言った

「お前、そういう目で私と鈴乃を…」

「違う!ただ俺は美しすぎて見惚れてしまっただけだ!」

こればかりは本当だ

嘘じゃない

2人は突然俺の腕を掴み互いの胸で挟んだ

「そんな変態衛士はお仕置きしなければならないな……鈴乃」

「ええ、そうね。お仕置きって具体的に何するの?」

冗談じゃないぜ、2人で俺をサンドイッチにする気か!?

そう慌てて思いつつ俺の耳元に2人の口元に近づき囁き始めた

「今夜は寝かさないぞ」

「覚悟は出来てるわね?貴様のその性根を腐った気持ちを私達が正してあげる」

耳元でそう囁かれ俺は期待と不安で頭がいっぱいになる。

何するつもりだ?

おい、何だその妖艶な笑みは?

まさか……。

「私と都、どっちが好きなの?」

どっちが好きって……。

「俺は2人の事好きだぜ」

俺はこう言ったが都は不服そうな顔をする

「そういう意味ではなく、ほら将来結婚し一生添い遂げる相手は誰なんだ?」

そっちか!

「どっちが好きなの?」

「私と鈴乃…どっちが好きで結婚したいんだ?」

えええええええっ!!!?

待て待て待て、今結婚って言ってなかったか?

俺の聞き間違いだろうか

いや聞き間違ってねぇ

確かに結婚って聞いたぞ

落ち着け、落ち着くんだ

俺は本来なら欺衛軍の衛士だ。こういう時はどう対処する?

恭子みたいに話を聞き流して適当に返答するか

斑鳩少佐みたいに口説いてどちらかを選んで結婚前提に付き合うか

ダメだ!どれも実行できない

覚悟を決めろ俺、ハッキリと答えるんだ

「分かった!お前ら2人を養ってやるよ。一夫多妻になるが日本では一夫多妻婚は認められてない」

「一夫多妻制か……」

「婚姻出来ないが、事実婚状態で2人と付き合う事は可能だ」

俺が言ってることは滅茶苦茶だが、こう言うしかない

「確かに……って納得すると思ったのか?」

そうだよな……都が怒るのも無理はない

「頼むから1人だけ選んでくれ」

「豊臣は都の事が好きなの?」

鈴乃、お前……俺の気持ち分かっていたのか

「私は貴方の事は一親友として受け入れる。だから本当の事を言って…私、怒らないわ」

そうだよな……俺は都の事が好きだ

伝えないと

「俺はお前の事が好きだ!」

俺が本当に好きな相手は……?

「都、俺と……付き合ってくれないか!」

「……」

「ダメか……?」

都は穏やかな笑みを浮かべ俺の顔を見て目線を逸らさず話した

「ダメじゃないさ、豊臣…いや悠一。私はお前が好きだ」

都は突如俺を抱き締めた

「まさかここまで進展したなんて…」

鈴乃も驚愕していた

「悪いな鈴乃、悠一は私が貰った」

モノじゃねぇんだぞ

「私は諦めないから、奪い返してやる」

「ほぅ、やれるものならやってみろ」

「望むところよ」

都と鈴乃は互いにバチバチと睨み合いする

これが女の嫉妬かよ………。

恭子は怒らせたら鬼みたいな形相で怖いが、都と鈴乃ももっと怖いよ

……怒らせないよう気を付けないと

「明日、模擬戦闘やるぞ!勝った方が悠一と付き合い負けた方は潔く諦める…どうだ?良い提案だろ」

結局そうなっちまうのかよ

と思いつつ俺は密かに闘争心を燃やしていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

久しぶりに家に戻った俺と都、鈴乃は疲労感ある事からゆっくりと寛いだ

ホント、久々だな。この家に帰ってきたのは

ふと気づいたことがある

万が一、佐渡島にBETA襲来したら軍属ではない民間人の避難要請は出す筈だ

「都、少し気になった事あるが」

「何だ?悠一、今日は疲れた。明日に備えて早めに寝るよ」

「手短に話す、佐渡島にBETAが来たら民間人の避難要請は出すのか?」

都は面倒くさそうな表情するが、佐渡島の住民の事を考えると放っておけない

「出すだろうな、だが全員それを受け入れるとは限らない」

「何でだよ!」

「生まれ育った場所に離れたくない、亡くなった両親や親族の元に離れるのは嫌だからここに残ってBETAに喰われた方がマシだとそう考える人間が殆どだろう」

何だと……?

確かに生まれ育った故郷に離れたくない気持ちは分からないまでもないが、このままBETAの餌にされたいって訳かよ!

冗談で言えることではない

俺は都の背後から抱き着き甘えた

「俺はお前の事が好きだ、どんな事あろうとな…」

「ありがとう……」

と優しい笑みを浮かべた

「すまねぇ、今日は遅いから…俺も早めに寝るか」

「夜更かししてるお前が早寝とは珍しいな」

時には早めになる事あるんだぜ?

「あ!」

「どうした?」

「鈴乃に明日の模擬戦の作戦を一緒に練るのをすっかり忘れちまった」

「ふふ、勝敗はついたな?」

まだやってないのに付いてねぇよ

負けられないな

ああ、そうだ。戦術機の操縦をコツコツと上達してダリルを見返してやる!

「都は早く寝た方が良いぜ」

「じゃおやすみなさい」

「おう、おやすみ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1998年9月20日

佐渡基地 某演習場

「司令官の許可申請が却下され、防護壁での演習は無理となった」

都は衛士強化装備を身に纏い、真顔で表情変えずに言い放った

そりゃそうだろうな

確か橘司令官だっけ?易々と首は頷けないぜ

「よって、A中隊とB中隊で模擬戦を行う。5対5での編成だ」

5対5か……A中隊は都、駒木、草野、村田、早乙女

B中隊は鈴乃と俺……あとの3人は誰なんだ?

「人数編成なら心配ないわ、豊臣少尉」

鈴乃は笑みを崩さず余裕を持っていた

「ん?」

「ふふ♪」

やけに嬉しそうだな

何か嬉しい事でもあったのか?

鈴乃の隣には3人の男性の姿があった

三つ子か?

同じ顔してる……前髪を切り揃えた髪型が特徴だ

「(あの3人…B中隊の衛士か)」

鈴乃は俺の顔を見て笑みを崩さず嬉しそうにこう言い放つ

「この3人は頼りがいがあるわ、期待しても構わない」

成る程、補充兵か。

大丈夫か?この3人

よく見れば此奴等、鬼滅の刃に出てくるサイコロステーキ先輩にそっくりじゃねぇか!

サイコロステーキ先輩が何でここにいるんだよ!!

しかも3人だ

「大倉中隊長、A中隊の村田と早乙女は余裕で倒せますよ」

「そうだ、特に来たばかりの駒木はあの2人より弱いから楽勝です!」

「坂崎中隊長を倒して俺は出世します!」

余裕たっぷりの台詞を吐いてるな

此奴等、都の操縦テクニックを甘く見ている

村田や早乙女は確かにまだ来たばかりだが弱いと思うが草野と駒木は実戦経験あるから弱いとは言い切れない

全滅するな、これは

「異論はないな?」

都は真顔でこの場にいる皆に問いかける

だが、何も問わない

この3人の事はサイコロステーキ衛士A、B、Cと呼称するか

サイコロAは俺の顔をじっと見て余裕ある表情で言い放つ

「豊臣悠一少尉、今回はお前の出番はないぜ」

舐めてるのか!?

絶対痛い目に遭うな……。

「では各員、戦術機に搭乗せよ!」

都の合図でA中隊、B中隊はそれぞれの機体に乗り込み準備に取り掛かった。

網膜センサー起動、跳躍ユニット良好、各武装弾薬異常なし!

《豊臣、相手は坂崎大尉と草野少尉、駒木少尉だ。村田と早乙女はともかく駒木だけは気をつけろ》

鈴乃は秘匿回線でモニター越しに交信する

「注意を払います、大倉大尉」

《秘匿回線だぞ、鈴乃って呼んで構わないのよ》

そりゃそうだが、まぁなんだ。

それにしても鈴乃も余裕たっぷりの表情だ

《そろそろ始まるから秘匿回線は切るわ》

と鈴乃は秘匿回線を切りオープン回線に切り替えた

《大倉大尉、村田と早乙女は我々にお任せください》

《豊臣、駒木はお前に任せるよ》

《俺は出世する為に衛士を務めてるんだぜ、すぐ終わらせてやりますよ》

あの三兄弟……!

絶対に痛い目に遭うな、これは

《頼もしいな3人共、では私は坂崎大尉を。豊臣は駒木を。脱落されないよう精々気をつけろよ?》

鈴乃のその表情は真剣な表情であり歴戦の衛士みたいに余裕を持ってる

《作戦を開始してください》

帝国軍女性CPの合図で模擬戦は始まった

都機はその場で動かずラインメイタル Mk-57中隊支援砲を構える

駒木機も都機と同様、ラインメイタル Mk-57中隊支援砲を構える

草野機、村田機、早乙女機は跳躍ユニットを噴出しつつ飛行し真っすぐに突撃砲を構え発砲

《散開!》

B中隊5機散開

サイコロAは右手に長刀を構え早乙女機を余裕で脚部に切り込む

サイコロBは左手に長刀を握り構え早乙女機に向け胴体を切り込み早乙女機は脱落させた

《やられちゃった…》

こんなあっさりと……。

村田機はサイコロCが乗る撃震に向け突撃砲を構え発砲するが躱されサイコロCは両手に長刀を握り構えており村田機に切り込み脱落させた

《申し訳ありません、中隊長…》

《坂崎中隊長!2人が》

《案ずるな、まだ敗北という訳ではない!草野》

《了解です》

草野機はサイコロAに向け突撃砲を構え発砲するが、躱される

《!》

《引っ込んでな!》

サイコロCが両手に持つ長刀で草野機を脱落させた

おいおい、油断し過ぎだろ……。

俺は前に出て最大全速で駒木機に向け突撃砲を構え発砲

しかし駒木機はそれを躱しつつラインメイタル Mk-57中隊支援砲を構え発砲

《駒木!前へ出過ぎだ!》

「飛んで火に入る虫とはこういう事だな!大人しく落ちろ!」

俺は駒木機に向け突撃砲を構え発砲する

また躱された

サイコロCが駒木機に突っ込み両手に持つ長刀で駒木機を脱落させた

《ハッ、ざまぁないぜ》

とサイコロCは余裕持った表情で言うが都機はその隙にラインメイタル Mk-57中隊支援砲を構え発砲

《が!》

サイコロCは脱落した

《A中隊を舐めるな!》

次はサイコロA、Bを脱落させ、俺に銃口を向け狙ってきやがった

「くっ……都相手では勝てないか」

《近づいてこい!豊臣、貴様だけを射抜くぞ!》

「やれるものならやってみやがれ!」

俺は最大全速でジグザグ飛行しつつ突撃砲を構え発砲

《弾を無駄に使うな!此方が不利になるぞ》

鈴乃はこう警告するが、耳傾けはしなかった

俺の速さでその中隊支援砲をぶっ放す事出来るかな?

鈴乃機が都機に目掛け突撃砲を構え発砲

しかし躱される……と思わせて俺は都機の背後から突撃砲の銃口に向け発砲

「頂き!」

《ぐっ!》

右肩に当たった!

都機は鈴乃機の管制ユニットを直撃し脱落させた

中隊支援砲を放棄し突撃砲を構え発砲するが俺はそれを躱し突っ込んで都機の管制ユニットに銃口を突きつける

「その距離じゃこのくらいの動きが限界だな!」

《貴様……!》

「今度こそ終わりだ……」

都機に管制ユニットに突撃砲の銃口を突きつけ訓練弾を放とうとするが

「!」

残弾0

《弾使い過ぎだ》

都機は俺の機体の管制ユニットに目掛け蹴りを入れ突撃砲の銃口から訓練弾を放ち直撃した

「そんな……」

《作戦終了、A中隊残存1、B中隊残存0、結果に伴いこの模擬戦闘はA中隊の勝利です》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

模擬戦闘を終えた後、いつもの如く強化装備を脱ぎ野戦服に着替え食堂に行き厨房にいるコックから配給する食事を手に取りテーブルに座り食べていた

先に座って食事を取っている都と鈴乃は俺に話しかけニコニコと笑みを浮かべていた

「あと少しで倒せてたな」

「何がです?」

「惚けるな、私を倒したかったんだろ?」

あぁ、そういう事か

「大倉大尉、約束通り豊臣少尉から身を引いて貰おうか」

鈴乃は悔しそうだったが笑みを崩さずこう言った。

「……承服しました、坂崎大尉」

その笑顔の裏は殺気だ

殺気が感じる……。

「素直で宜しい」

都もやっと幸せな生活を築く一歩近づいてきた

このまま欺衛軍辞めて都と一緒にどこかで過ごそうか……。

「豊臣少尉」

「?」

都は頬を赤らめ「今日の夜は頼む」とサインを送る

これってまさかお誘いか!?

俺は「OK」とサインを送った

鈴乃はサインの意味が何となく分かってる

「ふふ♪羽目を外さないようにね?」

な!?

「な、何を言ってるんだ…」

都は焦りつつ慌てた途端、駒木と草野が座り食事を取り始めた

「何です?3人揃って」

「3人共お疲れ様です」

俺は駒木を少し揶揄った

「駒木」

「何ですか?豊臣少尉」

「お前さ、ここ来てから5日だよな」

「ええ、そうですね。それが何か?」

白々しいな……カマかけるか

「駒木は草野の事どう思ってるんだ?」

俺がそう言うと駒木が突如頬を赤らめ照れ始めた

「な、ななななな…いきなり何を言ってるんですか!私は一衛士として草野少尉と接してるだけです!」

明らかに動揺してるじゃねぇか

本心は隠せてないようだな

「成る程な、で?草野、一応聞くが駒木の事好きか?」

「え?」

「駒木の事好意を寄せてるのか?」

「自分は駒木少尉の事は一衛士として接してるだけであります」

お前も動揺してるじゃねぇか!

相思相愛……かな?

「もういっその事付き合え、良いカップルになるぜ」

駒木と草野は一気に距離を縮みつつ頬を赤らめ照れる

「駒木さん」

「はい!な、なななな何でしょうか?草野…」

2人揃って分かりやすい表情だな

「駒木、草野。あとで図書室に来てくれないか?少し確かめたい事がある」

「あ、はい。了解です少尉」

「了解しました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

佐渡基地の図書室。初めてこの基地に来て鈴乃に案内されたときにはあまり気に留めなかったが結構な量の書物があった。

何人か机で勉強している人や書籍を閲覧している人もいる。

駒木も含めて

「珍しいですね、豊臣少尉が読書するなんて印象ががらりと変わりました」

「俺だって本くらい読むぜ」

「駒木さん、目的の本がありましたよ」

ん?何の本だ?

草野が手に持ってる本を覗くと…ドイツ民主共和国写真集という中々分厚い本だ

東ドイツか……草野も意外とこういうのを読むんだな

ドイツ民主共和国、通称東ドイツ。国として名は残っているが今やその国土はBETAの支配下にあり、現在ドイツ人の難民はアイルランドに流れ込んでいる

だが、東ドイツには正直俺は歴史の本を読んだ限りシュタージファイルの事やベアトリクスがいたシュタージの武装警察軍の悪行などで個人的にはあまり好印象な国ではない。

「草野少尉、それって…」

「やっぱり変ですよね?東ドイツの本を借りるのって……」

モノ好きには持ってこいの写真集だ

「良かったらこの後ちょっとだけお時間を頂けませんか?」

「ええ、いいわよ」

草野はそう言いながら駒木に誘い本を机に置き椅子に座りページを開く

俺も便乗して座り込んだ

その中身を見ると建物の写真、風景写真、そして有名なブランデンブルク門 の写真。様々な写真が掲載されていた

この女、何処かで見たような気が……。

「好きなのか?東ドイツが」

草野は首を横に振った。どうやら好きではないらしい。ではなぜ本を借りたり、その写真集の本を見るのか謎である。

「嫌いという訳じゃないんですけど……その好きというのもまたちょっと違うのかなって……」

探求心か

まぁ、草野が生まれる前の出来事だからな

「……俺は東ドイツの事はそこまで詳しくはないが、第666戦術機中隊の事は流石に知っている」

「第666戦術機中隊……東ドイツ最強の戦術機部隊ですね」

そうだ、思い出したぞ

あの金髪ロングヘアーの女性は俺が読んだ本に出てきた人物だ

「別名、黒の宣告。東ドイツの光線級吶喊を主な任務とした部隊。当時の中隊指揮官はアイリスディーナ・ベルンハルト大尉」

アイリスディーナ・ベルンハルト

そう言えば鈴乃の講義に出てきたな……。

「そうですよ、シュヴァルツェスマーケンの名前は私も教科書で見たので知っています。ポーランド撤退戦や欧州での一大反抗作戦、海王星作戦でも大活躍した聞いています」

ポーランド撤退戦は確か……当時ポーランド軍衛士だった女性シルヴィア・クシャシンスカがガンダウ基地での出来事で東ドイツに流れ着いたっけな……。

当時親友だったイレナ・マリノフスキーは不特定多数の兵士に強姦された挙句に精神崩壊し拳銃自殺

もう一人の親友のカーヤ・ザヨンツはイレナとシルヴィアを裏切り強姦を仕向け最終的にBETAに喰われてミートソースになったとか……。

「本当に英雄的な部隊なんですよね。第666戦術機中隊は」

イゾルデ、ヤンカ、フレデリカ、イングヒルトもいた。

特にイングヒルトに関しては任務の途中、重金属雲の影響で通信障害が起こり突如行方を晦ましていたが、ヴェアヴォルフ大隊副官だったニコラによって救出しそのままシュタージに入省した

まさかヴェアヴォルフに入ったなんて……ダリルはこの事知ってるだろうか?

知る訳がねぇ

本来ならアイリスディーナ・ベルンハルトはもう既に存在しない

彼女の死によって革命に生き残った衛士達がそれを受け継ぎ東西ドイツ統一の道へ歩んでいる……筈だった

この世界は俺とダリルが知ってる世界線ではない

シュタージによる監視社会から東ドイツを革命軍としてフランツ・ハイム少将を筆頭に一緒に戦って打倒シュタージを果たし、恐怖政治から救ったなんて事は一切記述してない

この世界はベアトリクスが革命に勝利した世界線

666は解散せずまだ存続している

……となると、ファムとアネットも生きてるって訳だ

俺は一度ジャズコンサートで会って少しだけ話したことがある

欺衛軍と東欧州の合同模擬戦もだ

ベアトリクスが生きてるって事はアイリスディーナも生きてる可能性は高い

彼女はベアトリクスの親友だ

死なせてはいけないから肩書を与えてアイルランドにいる

「アイリスディーナ・ベルンハルト……確か革命終結した後は総書記として臨時政府の長を務めている、そうよね?草野」

「はい、長を務めているより幽閉状態ですけどね」

幽閉か

彼女がアイルランドから出ると厄介な事になるからだろうな

「このままの状態っていう訳にはいかないわね…草野」

「ええ」

草野は1冊の本を机から取り出してきた。どうやらその本も東ドイツ関連の本のようだ。

「ん?何だ」

「この写真見てください、黒髪ロングヘアーで妖艶に美しい棘がある笑みを浮かんでる女性です」

草野が指した写真は……若き頃のベアトリクスが写ってる写真だ

確かに棘がある笑みで妖艶で美しい女性だ

俺は絶句した

「これがベアトリクスの若き頃の姿か……」

一度会ってみたいぜ

アイリスディーナも含めてな

「草野はベアトリクスみたいな感じの女性が好みなのか?」

「違いますよ!自分は駒木少尉みたいな誠実な女性が好みです!」

言ってくれるじゃないか

駒木はそれを聞いて頬を赤らめる

「何を、言ってるのよ…そんな、私照れるじゃない…」

駒木、お前草野に惚れてるんだな

分かりやすいぜ

「アイリスディーナ・ベルンハルトは必ず表舞台に出てくる」

「ん?何故そう言い切れるのですか?豊臣少尉」

駒木はこう問いかけるが俺の答えは決まってる

「彼女は戻って来る。それだけだ」

確証はないが、こう言うしかない

「あとはお二人仲良くな」

と俺はそう言って、図書室から退室しようとしたが、ふと気になった事を思い出した

「駒木、テオドール・エーベルバッハって衛士は知ってるか?」

「テオドール……第666戦術機中隊にいた衛士の一人ですね。それがどうかしたのですか?」

彼奴は確か本に出てきた主人公だ

義理の両親を亡くし義理の妹であるリィズを処刑した衛士……反体制派の頭領だったズーズィって女が仕組んだことであり何より「義兄を義妹を処刑させれば私達に味方が付きシュタージは必要ないと声を大きく上げることが出来る」「裏切り者のリィズ・ホーエンシュタインを義理の兄であるテオドール・エーベルバッハが手を下せばシュタージ打倒の道は一歩近づき我々の信頼を得ることが出来る」「ホーエンシュタインを処刑しなければ信用しない」と言葉を並べ無理矢理シュタージを打倒し民主主義を一気に急速化して自らも政治家の一人になり社会主義国家としての東ドイツは終わりを迎えた

そしてアイルランドに臨時政府を樹立し東欧州社会主義同盟という組織を作り国連軍にペコペコ頭を下げてる無様な無能で自分達は何もせず積極的に活動しない集団となった

本来なら東欧州社会主義同盟は社会主義という名前だけ残してその実態は欧州連合軍と国連軍の下僕で言いなりになっている無能な組織だ

だが、この世界線は違う

俺は確信していた

「ああ、彼奴は義理の両親や義理の妹まで失った悲劇の主人公だ。そして何よりも……」

テオドールが何をしようがしまいがどの道テロリストになるのは避けられない

「テロリストに成り下がった臆病で醜く卑劣で馬鹿な男だ」

「テロリスト……ですか」

「噂レベルの話だ、テオドールの事を学ぼうとするな。馬鹿になるぜ」

「……」

駒木は何か言いたそうにしている

何だ?

「……彼の戦術は優秀だったと資料に記述しています。確かにテオドール・エーベルバッハという衛士は可哀想な境遇だったのですが、何もそこまで批判しなくても……豊臣少尉、彼を恨み誹謗中傷してまで批判するのはご遠慮願いませんか?」

やば、言い過ぎちまったか

駒木は怒ってる

謝っておくか

「悪い、言い過ぎたよ」

「分かれば良いです」

危ねぇ……

「ですが、公式には行方不明となってると記述していますね」

「駒木さんは物知りなんですね」

「え?」

「駒木さんって熱心に勉強するんだな。と思いました」

成る程な、勉強熱心か……元の世界にいた時は勉強せず禄に授業聞いてなかったからな。

「んじゃ、俺は行くよ。あとはお二人仲良くな」

と言って俺は図書室から退室した。




登場人物紹介

サイコロステーキ衛士三兄弟
階級:少尉(3人全員)
所属:日本帝国軍佐渡基地司令部第三戦術予備部隊B中隊
前髪を切り揃えた髪型が特徴。本名不明。
空気読まず余裕たっぷりの台詞を吐く性格でありA中隊の長である都の事を心の底から「楽に倒せそうな弱隊長」と思い込み見下していたが、5対5での模擬戦で案の定3人全員、都に敗れている。
安全に出世して金を手に入れたいと目論んでいる
所謂噛ませ犬である。
Aは右手に長刀を構える戦闘スタイルでBは左手に長刀を握り構える戦闘スタイル。
Cは両手に長刀を握り構える戦闘スタイルである。
元ネタは鬼滅の刃のサイコロステーキ先輩

次回のお楽しみに
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