知恵の女神の祝福   作:小鳥遊 渉

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伊織のシスコン度の片鱗がわかるお話
なんか長くなってしまったので話としては分けますが
前編ということにします

伊織が原型留めてないんだが・・・
でも面白いからいいかなって思う


8話

「伊織お兄ちゃん、少し相談事があるんだけどいいかな?」

「うん、すずかどうしたの?」

それは夏の蒸し暑い夜に訪れた

晩御飯を食べ終わってリビングでまったりしてるとすずかが相談事があるという

僕はテレビに向いていた体をすずかの方に向きなおし話を聞く体制にした

・・・思えばこのときから嫌な予感はしていた

僕の中のすずかの兄としての直感が警鐘を鳴らしていた

 

「あのね伊織お兄ちゃん・・・私今日同じクラスの子に告白されて・・・」

「・・・告白?」

「うん、それでどうしようかなって・・・」

「よし今すぐその子の家を教えなさい、ちょっと出かけてくる」

「お兄ちゃん?相談事きいてくれるんじゃなかったの?」

まずい怒ってる・・・なんで?

「いやでも・・・ほら、すずか困ってるからさ・・・ちょっと行って自我崩壊させようかと・・・」

「私困ってるなんて言ってないよ!」

いやすずか明らかに相談してきた時困ってたよね

「困ってないって、まさか・・・」

「元々断るつもりだよ!私には伊織お兄ちゃんがいるもん」

すずかさん?どうして頬を赤く染めてるんですか?

「ああ、そっちか・・・よかった・・・ん?でもそれなら何で相談なんて・・・」

「終業式の日、式が終わった後に校舎裏に一緒についてきて隠れて見ててほしいの」

そうか、そのときに精神的に殺ればいいんだね!

「お兄ちゃん大体考えてること漏れてるからね、殺っちゃだめだよ?」

「そ、そんなことしないよ!だってほらすずかのクラスメイトだからね!」

「ホントかなぁ・・・今お兄ちゃんの目危なかったよ?眼が爛々としてた・・・」

すずかは鋭いなぁ、でもその子がすずかに手を出そうとしたら・・・

ああダメだ、すずかの事になったら沸点低いなぁ僕

「でも危なくなったら念話で伝えるから、そのときはお兄ちゃん助けてね」

「うん、勿論だよ!かわいいすずかのために全力で助けるよ!」

間髪入れずに即答していた、だがまさか告白してきたのがあの子だったとは・・・

 

すずかが念話といってるけれど魔法が使えるなんてことはない

ただ家族と認識してからROのギルドみたいなものだと認識したらしく

ROシステムの『ギルドチャット』を念話みたいに使えるようになっただけだ

ちなみに距離に制限なんてなかったりするから、魔法より若干使い勝手がいい

でも家族全員に聞こえちゃうから夕飯のときに大体それで話のネタにされちゃうんだけど・・・

 

それから数日経って終業式の日の朝になった

「お兄ちゃんおふぁよ~」

僕が偶々ノエルと一緒に朝食を作っていると

すずかが寝ぼけて目を擦りながらリビングに現れた

・・・なんかいつもより可愛くみえるような気がする

これが寝起き少女の魅力か、悪くない!早起きは三文の徳とかいうけど

絶対三文ごときじゃないよ!こんなすずかが見れるならいつも早起きしようかな

「あ、そうだ・・・お兄ちゃん今日はよろしくね」

「うん、終業式が終わったら校舎裏の茂みで隠れていればいいんだよね?」

「そうそう、お願いね。私こんなこと初めてだからうまく断れるかわからないし・・・」

へぇ・・・すずか‘男子’から告白されるの初めてなんだ

でもそれはそれですずかがモテてないみたいでムカつくな・・・

 

そうこうしてるうちに朝食の準備が終わり忍姉が降りてきた

すっごい眠そうで目にクマができていた、また徹夜したのかなぁ

「おはよぅー・・・伊織、すずか2人とも今日は終業式でしょー?

こんなのんびりしてていいのー?」

「のんびり?時間はいつもどおりのはずだけど・・・」

そういって僕は時計を見た、いつもどお・・・りじゃない!

いつもより10分ほど遅い時刻だ、この時間だとサクっと朝食を食べないと

学校行きのバスに乗り遅れる、そうしたら徒歩で向かうしかなくなる

・・・まぁ徒歩で向かっても僕とすずかなら間に合うんだけど朝から疲れたくないし・・・

「すずか、はやく顔洗って・・・きてるね、忍姉も席についてご飯たべよ!」

いつのまにかすずかが身支度を整えて席についている

女の子の身支度は誰かが時間掛かるっていってなかったっけ?すごい早いんだけど

とか思ってたらすずかの後ろでファリンがいい仕事しましたみたいな顔をしている

ファリンが手伝ったなら納得かな、普段はドジっこだけどこういうことは早いし

 

「いただきまーす」

みんなの声が綺麗に唱和する

僕は言うが早いか朝食を掻っ込む

すずかもそれなりに優雅に食べているがいつもより食べるのが早い

「そうだ伊織、今日昼間作ってほしいものがあるから学校から帰ったら私の部屋にきてね」

忍姉が朝食に手をつける前に僕に話しかけた

しかし僕の手は止まらない、そのかわり返事をする

「また作るの?いいけどかわりに・・・いつものね」

「はいはい、伊織はどうしてこうなっちゃのかしらねぇ・・・」

「桃子さんと知り合ったからとしかいいようがないかなぁ・・・」

「ということは必然だったってことかしら、最初はあんなだったのに分からないものね」

忍姉がしみじみ語る、僕だってこんなことになるなんて最初は思って無かったよ

なんてったって精神年齢だけならおじいちゃんだったはずなんだし

もう歳相応か少し早熟ってくらいになっちゃったけどさ

「ごちそうさま~」

忍姉と話をしていたら食べ終わったのがすずかと同じ時間になったみたいだ

 

さて帰ってきたら忍姉との用事もあるけどまずはすずかの方を片付けなきゃ

僕の妹に手を出すなんて思い知らせてあげなきゃね

そう思いつつ鞄をつかみ玄関の方へ歩いていく

「いってきまーす!」

僕とすずかは家族のみんなに聞こえるように大きな声で挨拶してから

最寄のバス停まで急いで向かった

 

 

 




作中の念話については家族限定の無差別広域念話とおもってもらえれば
(この場合の家族は忍・すずか・ノエル・ファリン・伊織・恭也が該当します)

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