知恵の女神の祝福   作:小鳥遊 渉

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歓迎会のお話
最近忙しくて全然更新できないけどマイペースにやってきます



33話

で、航平は何に感動してるんだろう?

今の会話も端々しか聞こえてなかっただろうし

というか少し離れたところにいたから聞こえてたかどうかも定かじゃないし・・・

 

 

「航平どうしたんだ?」

「おお・・・・・・おおお・・・・・・!」

 

とうとう壊れた?

今までにも兆候はあったからおかしくはないけど・・・

航平の視線が向いてる先は・・・・・そういうことか・・・・・心配して損した

心配してないけど

「なぁ航平大丈夫か?何があったんだ?」

慶司には何が起こっているのかもわからないらしい

それはそうか、今日が初対面だもんな

航平の視線を見ると確定的に明らかなんだが・・・・・・

言わぬが花かな、ラフレシアかもしれないけど

「こ、こんな素晴らしい方がいたなんて・・・・・・!」

「は?」

あ、やっぱりか

航平胸と顔しかみてないからなー

髪型も意中の人に似てるしこれは予測可能だったかも

航平は僕を避けてリンディさんに詰め寄った

 

 

そっから先は興味がなかったので慶司達と共に歓迎会を始めることにした

きっとクロノが防波堤になってくれるだろう

「ねぇ伊織くん、アレほっといていいの?」

「いいんじゃないかな、愛の形はそれぞれでしょう」

ホントそれぞれだよね、僕なら浮気なんてもってのほかだけど

とかなんとか考えてるうちにみんなの中でも航平は放置して歓迎会を始めることに決まったらしい

「なぁ伊織、航平の分はどうする?」

「んー・・・・・・いらないだろ、航平がこっちに戻ってくるようなら

そのときにまた改めて頼めばいいし」

「それもそうか、じゃあ航平には悪いがこっちはこっちで始めさせてもらおう」

リンディさんも僕達がくるまで結構堪能したようだし

クロノはちょっとかわいそうだが、まぁつれてこられたのが運の尽きだね

 

 

ナンパしてる航平を尻目に、僕らは少し離れたところに席を陣取り

桃子さんに注文をした

注文品自体はケーキセットや軽食セットなど

夕食に影響がないようなものをおまかせでチョイスしてもらった

桃子さんや美由希さんが注文品を色々運んできてくれて準備が整い

なぜか僕が乾杯の音頭をとることに成った

「みんな準備はいい?じゃあグラスを持って

慶司とテスタロッサ姉妹の歓迎を祝して・・・かんぱーい!」

 

「「「「「「かんぱ~い!」」」」」」

 

声と共に紅茶やコーヒー、ジュースの入ったグラスが耳障りのいい音を立てる

飲物は僕と慶司がアイスコーヒー、アリサとすずかがアイスティー

なのはちゃんとアリシア、フェイトがジュースのようだった

飲み物に触れるのもそこそこに談笑がはじまった

席順的には僕から見て右に慶司左にすずか、右前にフェイト正面になのはちゃん

左前にアリサ、左のお誕生日席にアリシアと並んで座っていた

 

 

ふと気になってなのはちゃんの肩越しに航平の様子を確認すると

まだリンディさんをナンパしているようだった

「・・・お兄ちゃんとなのはちゃん何見つめ合ってるの?」

すずかにツッコまれてしまった

「なのはちゃんを見てたわけじゃないよ、航平まだナンパしてるなって

あ、クロノが痺れ切らして急所に・・・急所・・・・・・ぉぉぉぉ・・・・・」

なんか嫌な思い出が・・・これトラウマぁぁぁ・・・・・・

航平が急所を蹴られてるのを見るとなんかフラッシュバックが・・・

うぁこれ前世の・・・うぅ・・・・・・

思わず頭を抱えてテーブルに突っ伏した

なんか震えが止まらないんだけど・・・

「お兄ちゃん!大丈夫!?」

すずかの問いかけに答えられるわけもなく意識が薄れていく

あの空間以来忘れていたこの痛み・・・幻痛だと思うんだけど

体はリアルな痛みを訴えてきてる

他のみんなも何事かと僕に詰め寄ってきてるみたいだった

見ることはできないから気配だけで感じるしかないんだけど

誰が誰なんてのはわからない、そんな余裕もない

あ、なんか意識薄れてきたかも・・・

そんな感覚と共に気を失った

 

 

夢、夢をみた・・・・・・

なぜか直感的にこれは夢だと思った

目の前には曾孫がいる、きょとんとした顔を此方へ向けている

傍には孫夫婦が悲しげに俯いて泣いている

僕――私――は寝ている、寝っ転がっている

これは・・・・・・僕――私――が死んだ時の光景かな・・・

前世は幸せだった、嫁ももらって息子や孫、曾孫まで見れたのだから

ただ・・・心残りとしては発売間近だったあのゲームができなかったことかな

思えば前世の人生はゲームと共にあった

では今世は?ゲームをあんまりやってない・・・

そういえば若い頃やったヴァルキリープロファイルとかいうの面白かったなぁ・・・

魔法の詠唱もかっこいいの多かったしシステムもよかった

今世も面白いゲームないか探してみようかな・・・

 

 

急激に意識が覚醒していく

この感覚は前にもあったことがある・・・と、思う

おそらく僕は仰向けで倒れてるのかな

テーブルに突っ伏したときはうつ伏せだったはずなんだけどなぁ

「お兄ちゃん大丈夫!?」

意識を取り戻すと目の前にすずかの泣き顔があった

「伊織くんここ?ここが痛いの?」

なのはちゃんそこダメ、ダメだって桃子さんがこっちをニヤニヤしながら見てるから!

くそう、だれがなのはちゃんにこんなことを・・・

あ、アリシアが視界の端のほうで怪しい笑みを浮かべてる

 

 お ま え の し わ ざ か

 

「くぉらアリシア!純真ななのはちゃんに何を教えてるんだ!」

体は起こさず声だけでアリシアを威圧する

「伊織くん!大丈夫!?あと私は呼び捨てにして!」

なんか聞こえたような呼び捨て?ああそういやなのはちゃんだけ敬称つけてたっけ

それはいいや、とりあえず立ち上がってぇぇ・・・ととっ・・・

立ち上がったと共に少しよろける

平衡感覚はまだ戻ってないみたいだ

「あ、お兄ちゃんすぐ立ち上がっちゃだめだよ、まだ寝てないと」

「あんたねぇ、倒れたのにすぐ起き上がるなんてなに考えてんのよ・・・」

すずかとアリサが苦言を吐く

倒れた人にその苦言は痛いと思うの

股間の幻痛はもう収まってるみたいで

今はなんともない、というかなんかなのはに擦られてた?

アリシアにあとでその件は追求するとして

なんか店の奥が騒がしいような・・・・・・

「ねぇすずか、なんか店の奥が騒がしいけど、僕が倒れた以外になんかあったの?」

「なのはちゃんがお兄ちゃんのあんなところを擦るから恭也さんが・・・ね・・・・・・」

OK、現状把握。僕は逃げる

「わかった、僕は逃げるね。みんな悪いけど僕はこれで・・・

代金は置いておくからゆっくりしてってね

あ、なのは明日リンディさんの依頼果たすから連絡するね」

言うが早いか僕は自身の持てる最高速で翠屋を出ていった

後に残ったのは翠屋のドアベルが鳴らす音と呆然とした友人たちの顔だけだった




トラウマ再び
男なら見てるだけでトラウマ化しそう

そんなわけでまた次回
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