進撃世界に人類最強として生まれたけどエレンがうるさい 作:ちゃっぱ
俺の部屋は元々母さんが使っていた場所を綺麗にして、ケニーが両隣にいた男どもを追い出し空き家にしてから壁ごと吹き飛ばして一つの大きな部屋にしたものだった。
なんというかケニーが適当に家具などを見繕い、適当にぶっ飛ばしたせいで三つ余った扉を一つにして修繕し一軒家を俺に与えてきたのだ。
曰く「俺にはここは狭すぎんだよ。ドチビには広すぎるかもだけどな」と自分のためだけに住めるようにしたと思わせてきたのには今更ながら苦笑する。
だって家具とか服とか、普通に俺が使えるモノばかりだ。
あと地下街でも違和感なく周囲に変だと思われない程度の中古のものを選んだのには笑った。どれだけ俺を気にしてくれたのか。素直じゃないのもほどほどにしろ。
でもほんと、ケニーには頭が上がらない。
いや、実際にちゃんと再会したら「何で俺から離れた」って足蹴にしてぶっ飛ばす気満々だけどな。そこはまあいいんだ。どうでも。
最近ここらの近所でホラー現象が出ているらしい。
そのせいで俺は気楽に紅茶も飲めやしない。
「最近この辺で幽霊が出るって噂になってるぞ」
「それリヴァイさんのせいですよね。俺が見えてるの貴方だけですし」
「俺のせいかよ……」
呆れたような顔で俺を見てくるエレンに足蹴りを飛ばす。しかし彼もいろいろと修羅場を潜り抜けたからか未来の俺から学んだのか、すぐさま避けてきた。
それに苛立ち交じりに舌打ちを鳴らす。
「俺は記憶を消すつもりはない。だからもう来なくてもいいんじゃないか?」
「いいえ、諦めるつもりはありませんよ」
「……というか、記憶を消すかどうか巨人の能力でわからねえのか?」
俺の言葉にエレンは一瞬視線をうろつかせる。
その意味することは何なのか分からず、じっと奴を観察していた。
そうするとエレンは仕方がないと観念したかのように俺を見て乾いた笑みを浮かべてくるのだ。
「……前世と言う名の、俺の人生全てが漫画になった未知の記憶だからでしょうかね。始祖ユミルとはまた別の知識だからか……リヴァイさんだけ、ちょっと斜め上にぶっ飛んでるんですよね」
「はぁ?」
つまり、俺の前世の記憶のせいで始祖ユミルの力は使えないということか。
いやそれは以前俺を壁まで追い詰めたあの悔しい事件から思い知ったことだ。でもそれが未来で大きく影響を与えている可能性が出てきた。
つまりエレンは、俺の動きが未知数なんだ。
他の人たちは未来を読める。無垢の巨人すら動かす力がある。
でも俺という存在は前世の知識があるせいか動かせないと……。
それに何故か恐怖を覚えるが────エレンが俺を冷めた目で見てくるのですぐに殺意へ切り替わった。
「人類最強とか名乗ったせいでユミルの民からどっかへ飛んだんですか兵長。人類じゃなくなっちゃったんですか? もうちょっとちゃんとした人間として……人として生きてくださいよ」
「いや俺を巨人以上の化け物として扱うんじゃねえよ馬鹿野郎」
ふざけたことを言うエレンを容赦なく足蹴りにした。
今度は避けることなくちゃんと当たり、盛大な音を立ててエレンが寝転がった。
……もしかしてこういう音も幽霊騒動の原因になっているのか?
いやでもエレンの出す音は全部俺しか聞こえないかもしれない。
というかエレンって俺以外は触れるのか?
食事をした姿を見たことはないし、気が付いたら俺の背後にいるけれど俺以外に影響を与える者はあるのだろうか。
そこらへんもちょっと調べた方が良いかもしれないな。
まあ今日の分の掃除が終わってないからそれをしてからだけど。
「エレン、掃除をするから手伝え」
「いや俺実体じゃないんで手伝えませんよ。一人でやってください」
「あぁ? チッ、使えねえな……」
まあいいかと俺は思考を切り替えた。
とにかく掃除だ。地下街が汚いから病気にでもなるんだろう。清潔第一。衛生管理をきちんとすれば病気にはならないはずだ。
エレンはともかく、今は俺一人で生きなきゃいけないのだから。
「ところでリヴァイさん、そろそろ記憶を消したいとか思いません?」
「思わねえよクソが。掃除中に俺の真横に立つんじゃねえ埃が舞うだろうが!!!」
「いやだから俺、実体ねえって言ってるだろ! 俺は埃を舞うような体してません!!」
「存在が埃みたいに鬱陶しいんだよ外出てろ!!」
「存在が埃!?」
地下街編を多めに書いてもいいでしょうか?
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いいぞ、いっぱい書いてくれー!
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調査兵団からが本番だろ早くしろよ