パクパクですわ ~メジロマックイーンお嬢さまのグルメレポート~ 作:ウヅキ
32.キーマカレーですわ
普通のカレーは美味しいですが何度も食べて味に飽きた時はキーマカレーを食べますわ。
シナモンやナツメグを加えた特製スパイスをふんだんに使ったカレーの匂いは最強ですわ。
飴色になるまで炒め続けたタマネギの甘みが香辛料の辛みとマッチしてたまりませんわ。
月桂樹の葉を入れたから爽やかな香りが上品に仕上がりましたわ。
実は代わりにみかんの葉を入れると少し違った爽やかなカレーになりますわ。
隠し味にはトマトを丸ごと入れておくと酸味が加わってより深い味になりますわ。
完全に水分が飛ぶまで炒めて出来上がったキーマカレーを白米の上にたっぷりと乗せて完成ですわ。
丹念にバターで炒めた牛と豚の合い挽きミンチは濃厚かつ噛めば噛むほどに肉汁が溢れますわ。
薫り高いスパイスの香りが鼻から抜けて至福の時ですわ。
ただ辛いだけでなくタマネギの甘みとトマトの酸味が高度なバランスを保って互いの味を高めてくれましたわ。
インド料理と日本のお米のコンビネーションは世界一ですわ。
33.ティラミスですわ
旬の栗を使ったスイーツは美味しいけど食べ過ぎて口直しするにはティラミスを選びますわ。
ココアパウダーを全身に浴びた褐色の体はさしずめ黒毛のウマのように美しく均衡の取れた芸術ですわ。
芸術を崩すのは心苦しいですが食べなければ魅力の全てが分からないのでさっそくフォークを一刺しして口に運びますわ。
口の中に苦味と甘みが一体となって駆け抜けましたわ。
クッキー生地にたっぷりと沁み込ませたコーヒーとココアの苦味とホイップ&カスタードのダブルクリームの甘みが見事に融合してますわ。
おまけに一番上に振りまいた砕いたコーヒー豆の苦味が全体を引き締めて大人の味に仕立て上げてくれましたわ。
苦いけど甘くて美味しいスイーツという相反する魅力がティラミスにはありますわ。
パクパクパクパクですわ。
苦い分だけカロリーがゼロなら文句無しですけど早々上手くいきませんわ。
ティラミスは世の中の苦さを教えてくれる大人のスイーツですわ。
34.シュトーレンですわ
そろそろクリスマスを意識する時期ですからシュトーレンを食べますわ。
ざっくり言うとドイツでクリスマスの時期に食べる菓子パンですわ。
中にレーズンやオレンジのドライフルーツとクルミやアーモンドを入れて焼き上げるパンですわ。
その上からパンが見えなくなるぐらいに白い粉砂糖をどっさりかけた姿はまるで雪に包まれた小高い丘のようですわ。
本当は分厚く切って食べたいですがこのパンは真ん中から薄く切って食べるのが作法ですわ。
ずしりとした生地の素朴さとドライフルーツの甘みと酸味がたっぷりの砂糖とマッチして美味しいですわ。
おまけにナッツ類の食感で一口一口変化があってとても心地良いですわ。
残念ですが今日の分はもうおしまいですわ。
このシュトーレンはクリスマスまでの一か月間に少しずつ食べるパンですわ。
日が経つごとに中のドライフルーツの旨みが生地に染みてより美味しくなる素晴らしいパンですわ。
こんな美味しいパンを一ヵ月も味わって食べられるなんてドイツは幸福な国ですわ。
あぁでも毎日少ししか食べられないんだからやっぱり悲しい国ですわ。
もっとパクパクしたいですわ。
でも明日まで我慢ですわ。
お久しぶりです作者の卯月です。
突然ですが本話をもって『パクパクですわ ~メジロマックイーンお嬢さまのグルメレポート~』は一旦終了させていただきます。
理由は『東人剣遊奇譚』の第五章の筆が乗り始めてこちらを書く余裕が無くなったからです。また機会があれば再開するかもしれませんのでその時はよろしくお願いします。それではまた