達也達がいなくなった校舎内では摩利が森崎の治療と残っていた1-Aの聞き取りを部下に命じていた。
その一方で
「行ってしまったか…ん?真由美?どうしたんだ!?」
「司馬達也…まさかあのFLT社の社長だったなんて」
「社長なだけだろう?なんか不味いのか?」
「摩利、不味いなんてものじゃないわよ。FLTは今一番のCAD製作会社で、日本魔法師界の殆どがFLT社製のCADを使用している」
「まぁそれは知っているが。」
「今FLT社が正式契約しているのは四葉家と国防軍のとある旅団のみ。それ以外は社長の一言ですぐに契約破棄させられることもある。」
「な、なんだと!?何者なんだ?」
「FLT社長が持つ権限は政財界にも及ぶ…こんなことなら父の言うことを聞かなければよかったわ。」
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昨日
七草邸の書斎にて
「司馬達也と司馬泉美か。少し気になるな。接触できないか?」
「どこに気になる点が?」
「気になるのは司馬達也の方だが、香澄を負かして総合2位で筆記のあのテストで平均98点と言う頭の良さが気になる。是非ともうちに来てもらいたいくらいだ。」
「そ、そうですか。」
「どうにか自然に接触できないか。」
「わ、わかりました。でも、それなら香澄ちゃんの方がいいんじゃないですか?同学年ですし」
「香澄がこう言う交渉ごとを素直にできると思うか?…わかったら話は以上だ。下がりなさい」
「はい。」
真由美が消えた書斎では、七草弘一が端末に向かっていた
「司馬泉美…まさかな…。」
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一方の達也の方は
エイミイ「にしてもさっきの達也君凄かったね。」
達也「すまないな。見ていて気持ちのいいものじゃなかっただろう。」
美月「いえ、にしても社員を大切にしているんですね。」
達也「まぁ父から受け継いだ大切な家族みたいな人だからな。それは大切になるさ。それと、さっきのやつは内緒にしていてほしい。」
エリカ「勿論。」
達也「だが、さすがにやりすぎだったかな?」
泉美「いえ、そんなことはありませんよ、達也兄様。とてもかっこよかったです!」
達也「ありがとう、泉美。」
達也は泉美に感謝をしつつ、頭を撫でた
その時深雪が羨ましそうな視線を達也に向けていたのは誰も知ることはなかったが
そんなわけで、仲良く話しつつ帰宅した達也はすぐに準備してFLTへと向かった
「しゃ、社長!!どうしたのですか?」
達也「すぐに臨時会議を開く。幹部達を集めろ。」
「はっ!」
FLTには3つの部署がある。
販売等を担当する第一課、お客様トラブルや外からの交渉事等の事務を担当する第二課、新作CADや新技術の開発に取り組む第三課
それぞれに課長がいて、その上に本部長がいる
本部長は社長の代わりに表に出て新商品等の発表を行う対外担当と技術者を含む社員達の取り纏めを行う対内担当の計2名いて、その上に社長が位置している
そして、この会社の重役、つまり会議に参加できるのは課長3名、本部長2名、社長と社長秘書の計7人
そんなこんなで集められた重役達はどんな話をするのか不思議だった
達也がこうして何もない時期に呼び出すのは、〈ループ・キャスト〉システムの発表を決定したとき以来だからだ。
「社長。本日はどのような用件ですか?」
達也「森崎家を警備担当契約を解約する」
森崎家をクビにする。
それはつまり、FLTの警備を担う部門を失くすことを意味する
「なっ!?それは本当ですか?」
達也「森崎家の御曹司が彼処まで選民思想に呑まれているとは思わなかった。とりあえず、正式決定の前に翌日、直接話を聞きたいので森崎さんを呼ぼう」
「御曹司というと森崎駿殿か。たしか社長と同じ学校に入学したと聞いていますが、」
「第一高校には一科生と二科生の間で差別意識が生まれていると聞いています。まさか、そういうことですか?」
達也「わが社には、第一高校で二科生と呼ばれる魔法師の技術者が多い。関係ないものなら咎めれば良いが、森崎家は別だ。」
「確かに、差別発言をするものが護衛をしても不信感しか生まれない…」
達也「その通り。よって私個人ではクビにしたいところだが、まずは森崎さんを召集。ここで話を聞こう。全ての決定はその後だ。」
「「「「はい!」」」」
「さて、森崎家の話はおいておいて。社長、学校はどうでしたか?深雪嬢以外のご友人はできましたか?」
達也「あぁ出来たよ。」
「なんだと!?あの唐変木で鈍感な社長にご友人だと!?探せ、感謝状を贈らなければ!!」
達也「ちょっ、ちょっと待て!!さすがにそれは相手方が困るだろうが。それに、俺に友人が出来たのがそんなにおかしいのか?」
「おかしいのではありません。成長したことに喜んでいるんです。」
「そうですよ!社長はなかなか休まずに会社を大きくすることだけをしてきたんですから」
「少しは息抜きは必要です。」
「だから高校入学を進めたんです。」
達也「しかし…」
「深雪嬢や泉美ちゃんと通うのも立派な息抜きです。」
「我々の事は良いので、3年間学校を楽しんできてください。」
達也「…わかった。」
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翌日、達也の姿は学校に無かった
その代わりに、達也は車に乗ってFLTへと向かっていた
「社長、お待ちしておりました。」
達也「森崎は来ているか?」
「ええ。応接室にて子息の駿殿とお待ちしております。」
達也「会議室に呼び出せ。臨時会議を始める。」
「はっ!」
それから社長室で少し時間を潰していると、準備が出来たと合図が来たので、会議室に向かった
達也が穂波を後ろに控えさせ席に座ると、会議が始まった
達也「さて、森崎殿。本日は呼び掛けに応じてくれて感謝する。」
「お久し振りです、椎原社長。貴方の就任以来ですね。」
達也「ああ、そうだな。それで、昨日の件は聞いているな?なにか申し開きはあるか?」
「我が家の愚息が申し訳ないことをいたしました。まさか駿が選民思想を持っていたとは、一門の恥。本当ならば破門にしていましたが、あれでも森崎家の嫡子。現在は監視下の元、一週間の謹慎を命じております。」
達也「流石に息子を破門といわれたらこっちに流れ弾が来そうだったが、一週間の謹慎処分か…。ならば、息子が一人前の護衛となるよう教育せよ。」
「はっ!お任せください。」
達也「うむ。ならば、森崎家との警備担当契約は継続。但し、森崎家への3ヶ月の減給を言い渡す。但し、子息の態度が直らなかったらまた話は変わるからな、注意するように。」
「寛大なご処置、ありがとうございます。」
達也「話は以上。あとは、森崎家でのやることをやりなさい。」
「はっ!では、失礼いたします」
森崎(父親の方)は達也に一礼すると会議室から出ていった
達也「ふぅ…これで良いんだろう?」
「ええ。流石に森崎家をクビにするのはまだ早いと思います。」
「ご子息殿の態度が直らなかったら、またその時判断すれば良いのです。」
達也「そうだな。では、これを持って臨時会議を終了とする。各自、持ち場へと戻りなさい」
「「「「はい!」」」」
というわけで、森崎君はギリギリセーフでした
次回、生徒会室訪問です。