時空を操るもの   作:旭姫

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入学式 第七話

教室に戻ると、早速鋼が聞いてきた

 

「なんの話をしていたの?」

 

「簡単にいえば、一昨日の話を聞かれた。それで、風紀委員の手伝いをしてくれないかと。」

 

「へぇ〜。あ、そういえば、僕教職員枠で風紀委員入りが決まったから」

 

「助っ人期間だけだけど、よろしくな。」

 

「よろしく。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

放課後、達也は改めて生徒会室にいた

 

今回は深雪だけで、泉美にはエリカ達と先に帰るように伝えた

 

達也「司馬です。ただ今参りました。」

 

生徒会室に入ると、昼に見た人に加えて知らない男子生徒が1人いた

 

摩利「お、よく来たな。四葉も入ってくれるのか?」

 

深雪「いえ、私は達也さんの付き添いです。」

 

達也「それで、例の件はどうでした?」

 

摩利「もちろん成功した。というわけで、一時的にだがよろしくな。」

 

「ちょっと、待ってください!」

 

摩利「なんだ、服部刑部少丞半蔵副会長?」

 

「フルネームは止めてください!!」

 

摩利「じゃあ、服部半蔵」

 

「それは昔の人間です。今は服部刑部で届け出を出してます!」

 

摩利「刑部はお前の家の官職だろ?」

 

「そんなことはいいんです。それよりも、自分は司馬達也を助っ人とはいえ風紀委員入りさせるのは反対です」

 

摩利「これは決定事項だ。今更お前1人で却下させることはできない。」

 

「ですが、彼は一科生でありながら、〝ウィード〟と仲良くしていました。これは〝ブルーム〟としての誇りを感じられません。」

 

摩利「ほぅ、私の前で禁止用語の使用とは言い度胸だな」

 

「学校の1/3を摘出するするおつもりですか?それに、彼は一昨日のあの現場にいたのでしょう?」

 

摩利「彼はあの現場を止めに入ったんだ。」

 

「ですが、彼は一科生ではなく二科生を擁護したそうですね?」

 

摩利「あれは完全に一科生が悪い。それに終わった話だ。また、彼は事情があって風紀委員入りすることは出来ない。そこで、力を借りたい私達が期間限定で風紀委員入りをお願いしたんだ。」

 

「その事情とはなんですか?」

 

摩利「教えられないな。守秘義務に値する」

 

「生徒会役員である俺にも言えないことですか?」

 

摩利「そうだ。それでさっき真由美がやらかしたところだ。」

 

達也「全く、往生際の悪い方ですね。」

 

「貴様!」

 

達也「現生徒会長七草真由美は第一高校の差別撤廃のために動いている。これは結構有名な話です。しかし、副会長が差別を助長する人では差別撤廃なんて夢のまた夢ですね。」

 

「なんだと!?」

 

達也「俺としては是非とも生徒会副会長を辞めたらどうですか?それなら今のまま二科生を見下して優越感に浸れますよ」

 

「やはり俺は認めません。一科生は一科生と切磋琢磨していくべきです。二科生と過ごす向上心の無いやつはいりません」

 

達也「服部副会長。一科生と二科生の違いはなんですか?」

 

「魔法力だ。」

 

達也「ですね。ですが、それだけです。例えばこれが剣術になれば一体何人の生徒が一科生に残れるでしょうか?」

 

「どういう意味だ?」

 

達也「一科生は満遍なく魔法が使えるよく言えばオールラウンダー、悪く言えば普通の魔法師。一方の二科生は1つのことに特化した魔法師です。そして、どんなに魔法が使えたところで、魔法が使えない状況で頼りになるのは自分自身の力です。つまり、魔法は万能ではございません。……そうですね、服部副会長。俺と模擬戦をしませんか?」

 

「いいだろう。」

 

達也「というわけで、模擬戦の申請をお願いします」

 

摩利「わかった。場所は第三演習室だ。30分後に執り行う」

 

――――――――――――――――――――――

 

30分後

 

「貴様、舐めてるのか?どうしてCADを持っていない」

 

達也「必要ないからです。」

 

「貴様!!ふざけるな!!」

 

達也「ふざけてませんよ。ただ、魔法こそ絶対と考えてる人の鼻っ柱をおるには最高のカードでしょう?」

 

摩利「さて、ルールを説明するぞ。

直接攻撃、間接攻撃に問わず相手に死をもたらす術式は禁止。回復不能な障碍を与える術式も禁止。相手の肉体を直接損壊する術式も禁止する。ただし、捻挫以上の負傷を与えない直接攻撃は許可する。

武器の使用は禁止。素手による攻撃は許可する。蹴り技を使う場合には学校指定のソフトシューズに履き替えること。

勝敗は一方が負けを認めるか、審判が続行不可能と判断した場合に決する。フライングは反則だ。

このルールに従わない場合は私が強制的に止めるから覚悟しておけ」

 

達也と服部刑部は5メートル程離れて立つ

 

達也と服部の顔には余裕が見える。

 

不思議に思った真由美は横にいる深雪に聞いてみた

 

真由美「はんぞーくんは校内で5本の指にはいる実力者。入学してから負け無しだけど、どうして司馬君は余裕そうな顔をしているの?」

 

深雪「達也さんは勝ちます。私でも達也さんに勝てる確率は3割行くか行かないかぐらいです。おそらくこの部屋にいる全員でかかっても達也さんが勝つでしょうね。」

 

真由美「それは言いすぎじゃない?」

 

深雪はその言葉に答えずに達也のことをみていた。その目は達也の勝利を疑っていなかった。

 

摩利「はじめ!!」

 

最初に仕掛けたのは服部だった。

 

達也の足元に魔法式がロードされる

 

基礎単一系移動魔法

 

達也はそれを1歩後ろに下がるだけで躱した

 

驚愕がこの部屋を覆い尽くした

 

達也「言ったでしょ。“魔法は絶対ではない”と。では、次はこちらから」

 

達也は言い終わると同時に高速で動き回った

 

服部は達也を目で追えず魔法を変えた

 

複数現れたドライアイスの弾丸が達也を襲う

 

収束・発散・移動系系統魔法『ドライ・ブリザード』

 

だが、達也はそれを全て躱した

 

服部はもう一度CADを操作した

 

今度は達也を電撃が襲う

 

振動・放出系系統魔法『這い寄る雷蛇(スリザリン・サンダース)

 

『ドライ・ブリザード』の副次効果で発生する霧雨を利用して雷撃を与えるコンビネーション魔法

 

達也は今度は手を翳すと、達也の手から想子の奔流が飛ばされた

 

すると、服部の発動していた魔法が全て破壊された

 

達也はそのまま服部の前に現れて腹を殴ると、そのままの勢いで回し蹴りを食らわせた。

 

服部はそのまま壁にぶつかり、気を失って倒れた

 

摩利「…勝者、司馬達也!!」

 

達也はたいして表情を変えずに深雪の元へと向かう

 

摩利「待て!今の動きは自己加速術式を使っていたのか?」

 

達也「使っていないのは貴方もわかっていたでしょう?あれは正真正銘身体的な技術です。」

 

深雪「私も証言します。達也さんは忍術使い・九重八雲先生の教えを受けています」

 

摩利「九重八雲って【今果心】のことか?」

 

達也「ええ。あの九重八雲です。」

 

摩利「そうか。ならあの高速移動技術は納得がいく。」

 

真由美「ねぇ、さっきはんぞーくんの魔法を消した魔法は『術式解体(グラム・デモリッション)』よね?」

 

摩利「グラム、なんだっけ?」

 

真由美「『術式解体』よ。想子の奔流をイデアを経由せずに直接魔法式に当てることで魔法式を破綻させる対抗魔法。一回打つのに通常の魔法師が持つ想子の何10倍の量の想子を必要とするから使い手は少ないわ。射程がそこまで広くないという欠点以外に欠点がない、現最強の対抗魔法よ。」

 

本当は『術式解体』ではなく、分解魔法の『術式解散(グラム・ディスパーション)』なのだが、なまじ知識のある真由美の勘違いは達也にとって好都合だった。

 

達也「ええ。よくご存じで。今回は『術式解体』以外に魔法は使っていません。」

 

「なるほど…“魔法は絶対ではない”か。どうやら向上心がないのは俺の方だったようだ。」

 

真由美「はんぞーくん、大丈夫?」

 

「あ!はい!司馬、申し訳なかった。」

 

達也「いえ。俺の方こそ生意気な感じで申し訳ありませんでした。」

 

「渡辺委員長。司馬達也の臨時風紀委員入りを認めます。」

 

摩利「うむ。」

 

「司馬。次は魔法ありで戦ってくれ。」

 

達也「はい。」

 

「では、しつれいします。」

 

服部が部屋から出ていった

 

摩利「じゃあ、風紀委員室に向かおうか。」

 

 





というわけで、達也と服部の模擬戦でした。

服部は原作でも森崎と違って意識が変わっているので、今回もそうさせていただきました。

次回から活動が始まります。

あ、そういえば深雪は達也と同じく一週間の臨時生徒会役員とするつもりです。

では、また次回
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