達也が風紀委員室には入って最初に思ったことはやはり、汚いの一言に尽きるだろう
「委員長?これはどういうことですか?」
「いや、すまないな。風紀委員は男所帯でな。片付けができてないんだ。」
「はぁ、片付けるので手伝ってください。それに、魔工士達と過ごす身としてはこの状況は耐えられません。」
「アレだけの対人スキルがありながら、FLTの社長とはね。なかなか君も大変だな。学生でありながら軍人として活動している者を知っているが、君の多忙さはそれ以上なんじゃないか?」
「そうですね。あの日からFLTだけは守り抜くと決めましたから。」
「そういえば、答えなくてもいいんだが、どうしてその年齢で社長なんてやっているんだ?」
「……すみません。さすがにそれは言えません。」
「すまん。変なことを聞いたな。」
「いえ。正体を知ってしまったからにはその質問をされる可能性はわかっていましたから。それと、昼にも言いましたが、絶対に他言無用ですからね?もし他言した場合は、こちらとしても消さなくてはならなくなるので」
「消すって大袈裟な…いや、すまん。だから睨まないでくれ。(これは本気で殺しに来るだろうな。真由美が変な地雷を踏まなければいいんだが)」
「ところで、委員長。どうして片付けずに机の上に座っているんですか?」
「わ、私は片付けが苦手なんだよ…」
「委員長って彼氏か許嫁がいますよね?」
「ど、どうしてそれを!?」
「お昼の時にお弁当を持ってきていた様ですし、その指についた傷も大切な人の為に頑張って作ったのではないかと思いまして」
「観察眼は超一流といったところか。それよりも、それがなんだというんだ?」
「片付けできない女は捨てられますよ?」
「シュウはそんなことしない!!」
「冗談ですよ。ですが、男目線で言えば片付けは出来た方が得ですよ。」
「そ、そうなのか…。」
その後は、摩利と片付けを続けていき、ついに片付けが終わった
「さて、一応片付けは終わりましたね。」
「そうだな。暇な時だけでいいから非常勤の風紀委員になってもらいたいくらいだ。」
「暇だったらですけどね。」
話をしていると、風紀委員室の扉が開いた
「おい、沢木。ここって風紀委員室だよな?」
「にわかには信じられませんが、確かに風紀委員室です」
「へぇ〜。あ、姐さん!もしかして姐さんが片付け…痛っ!」
「いつも姐さんと呼ぶなと言っているだろう!」
「ぽんぽん叩かねぇでくださいよ、姐s…委員長。」
大きな音はノートを丸めた摩利によるものだった
「ったく、片付けは私も手伝ったが、やってくれたのは、こいつだ。」
摩利が達也の方にノートを指を指すように向けると、2人の口から驚きの声が上がる
「例の一年坊主か。」
「期待できますね。」
どうやら先日の事件を知っていた様だが、この2人は先ほどの服部とは違って好印象だったようだ。
達也はそのことに驚いていた
「驚いただろう。うちは実力主義の人間が多いし、真由美も十文字も差別意識の少ない人を呼んでくれるからな。君も受け入れられるはずだ。まぁ、教職員枠は別だが。」
「そうだったんですね。臨時で入ることになりました、1-Bの司馬達也です。」
「3-Cの辰巳鋼太郎だ。腕があるやつは大歓迎だぜ。臨時とは言えよろしくな。」
「2-Dの沢木碧だ。」
達也は辰巳、沢木と握手を交わした
その時沢木に強く握られた
「くれぐれも、下の名前で呼ばないでくれよ。」
「了解しました。」
達也はその手を振りほどいた
その様子を辰巳が面白げに見ていた
「ほぅ…握力100㎏近くある沢木の腕を振りほどくか。なかなかやるな。」
「ここだけの話だが、彼はさっき非公式に服部を破っている」
摩利の話を聞いた2人は目に見えるように驚いた
「あの、入学以来負けなしの服部をですか?」
「ああ。彼は魔法無しで勝っていたぞ」
「素晴らしい。臨時であるのがとても惜しいですね」
「だろう。というわけで正式決定してみないか?」
「さっきも言ったはずですが、忙しいので正式決定は無理ですね。申し訳ありません」
「まぁ、なんにせよ、実力があるなら文句はない。構内でもなんかあればなんでも聞いてくれ。」
「それは、ありがとうございます。」
「さて、来週から君にも働いてもらうからな。頼りにしてるぞ、達也君。」
「1週間ですが、よろしくお願いします。」
達也は風紀委員のメンバー達との出会いに悪い気がしなかった。
その後、生徒会室を閉めるという話をしに来た真由美が同じように片付いた風紀委員室に違和感を覚えたり、深雪が達也を迎えに行った時に摩利との仲がよかったことに変に勘違いし、風紀委員室を氷が包み込んだりといったハプニングが起こったこともあったが、最終的には何事もなく、達也達は帰宅した
帰宅した後は深雪と泉美と穂波のCADを調整してその日を終えた
次回から達也の風紀委員活動、アレが出ますね。
では、また次回