時空を操るもの   作:旭姫

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入学編 第十話

達也は校内から出て鋼と別れると、早速抗争が聞こえた

 

「ちょっ、やめっ、」

 

「おい!彼女は俺達が見付けたんだ!!」

 

「違うわよ!私達が見つけたのよ!」

 

どうやら非魔法使用部活達が新入生の取り合いをしているようだ

 

その輪を観察していると、どうやら輪の中心にいたのはエリカだった

 

やがて、彼らの動きが過激になってきたのか、エリカの服がはだけかけていた

 

さすがにそれ以上は少し危険と判断して介入することにした

 

達也はエリカを囲う上級生達の地面に干渉して、よろけさせるくらいの一時的な揺れを作り出した

 

「走れ!」

 

「えっ!?」

 

達也はエリカの手を掴むと、声をかけて走った

 

やがて、校舎の裏手に来ると、達也は足を止めた

 

「大丈夫か…。」

 

「見るな!!」

 

達也はすぐに後ろを向く

 

どうやら、エリカの服がはだけていたままだったようだ

 

「…見た?」

 

「す、すまない」

 

「馬鹿!」

 

エリカが達也の脛を蹴る

 

しけし、達也の脛は木刀で叩かれても痛くないほどに固くなっており、達也はエリカの足の心配をしていた

 

「悪いと思っているなら付き合いなさいよ」

 

「?」

 

「部活回るのよ。それに、風紀委員は良い壁になるしね。」

 

「俺は番犬か?」

 

「言葉の綾よ。」

 

それからは、達也はエリカについて巡回をしていた

 

道中ではレオ達の部活の話になり、美月が美術部に、レオが山岳部に入部したそうだ。

 

見た目と一致してて面白かったとはエリカの感想だ。

 

そんなわけで、エリカにとっての本命である剣道場へとたどり着いた

 

今の時間は剣道部のデモンストレーションだ。

 

したからは「面!」や「胴!」といった声がよく聞こえてくる

 

「ふ~ん。魔法科高校にも剣道部はあるのね」

 

「普通じゃないのか?」

 

「……意外ね。」

 

「なんだよ」

 

「達也君にも知らないことがあるんだね。」

 

「俺が知ったかぶりに見えたか?」

 

「違う違う。達也くんってなんでも知ってるイメージだったから。」

 

「俺でも知らないことは多いよ。それより、どうして剣道部があるのがそんなに意外なんだ?」

 

「魔法科高校ともなるとみんな剣道から剣術に流れちゃうのよ」

 

「なるほどな。てっきり剣道も剣術も同じだと思っていたよ。」

 

「もしかして、達也くんって武器術に魔法を併用するのは当たり前だと思ってない?ついでに言えば闘気とかプラーナだとかで体術を補填するのは当たり前って」

 

「そうじゃないのか?体を動かしているのは筋肉だけじゃないんだから。」

 

「達也くんには当たり前かもしれないけど、選手にとっては当たり前じゃないんだよ」

 

「そうか。ところで、そろそろおとなしく見学しないか?」

 

「あ、あはは…」

 

エリカも静かになって2人で演目を見ていた

 

「なんかつまらないわね。」

 

「見栄を意識した演習だろ。何を求めているんだ」

 

「だって試合じゃなくて殺陣だから、予定どおりの1本って感じがして」

 

「演舞なんだから仕方無いだろ。」

 

達也とエリカは近くで見るために一階に下りた

 

達也達が一階に下りた時に、突如悲鳴が鳴り響いた

 

どうやら剣道部と剣術部が小競り合いを起こしていたようだ。

 

達也はすぐに胸元のレコーダーのスイッチを押してしばらく見守ることにした

 

「ちょっと桐原君!剣術部の時間はまだ先じゃない!なんて事をするのよ!」

 

「心外だな壬生。お前の実力じゃこいつらは相手にならないだろ?一回面したくらいで泡を吹くようなやつだからな。だから、特別に俺が相手をしてやるよ」

 

「魔法に頼る剣術部の桐原君が純粋に剣の腕を極めた私に勝てるとでも?」

 

「大きく出たな壬生。いいぜ、見せてやるよ。肉体の限界を超えた剣術の戦い方をな!」

 

エリカはこの2人を見て不機嫌そうだった顔色を明るくした

 

「これは良い組み合わせだね!」

 

「知っているのか」

 

「剣道部の方は壬生紗耶香、2年前の全国中学生剣道大会の準優勝者で、【剣道小町】と呼ばれていたわ」

 

「優勝者じゃないのか?」

 

「優勝者はルックスが…」

 

「なるほどな」

 

「で、剣術部の方が桐原武明、2年前の中学生剣術大会東日本部門での優勝者」

 

「なるほどな。」

 

最初に面を仕掛けた桐原だが、それはブラフだと見てわかった

 

しばらくすると、2人が相互に振りかぶる

 

結果、桐原の竹刀は壬生の腕に、壬生の竹刀は桐原の鎖骨部分に当たった

 

「勝負ありだな。」

 

「すごい…私の知ってる壬生紗耶香の実力じゃない」

 

「それだけ努力を重ねたと言うことだな。」

 

「真剣なら致命傷よ!」

 

()()()()、か。は、ははは…」

 

桐原が薄気味悪い笑い声を出す

 

「残念ながら真剣なら俺の身体は斬れてないぜ。壬生、お前は真剣がご所望か?なら見せてやるよ。これが真剣ってやつだ!」

 

桐原がCADを操作する

 

すると、桐原の竹刀からガラスを引っ掻いたような音が鳴り響く

 

(あれは、振動系近接戦闘用魔法『高周波ブレード』)

 

達也は壬生と桐原の間に入り腕をクロスさせた

 

すると、達也の腕から乗り物酔いにも近いような気持ち悪い感覚が流れ出る

 

それと同時に、桐原の魔法が()()()()()()

 

「なっ!?魔法が」

 

達也はすぐに桐原の竹刀を蹴り飛ばすと、桐原を床に叩きつけた

 

そのまま鎖骨を折って取り押さえる

 

「風紀委員の司馬です。桐原先輩には魔法の不適正使用で御同行願います」

 

「なっ!?」

 

「どういうことだ!壬生も同罪だろ」

 

「私は魔法の不適正使用といったんですが、貴方の耳にはそう聞こえませんでしたか?それか壬生先輩がなにか魔法でも使いましたか?」

 

「ちっ!ふざけんな!」

 

剣術部の男が達也に殴りかかる

 

が、達也はそれを受け止めて、その腕だけで男を投げた

 

「逮捕者数名ですので、応援を要請します。全員気絶させますので担架を」

 

「一年の癖に舐めるな!!」

 

達也の物言いに逆上した剣術部員達が全員達也へと攻撃を始めた

 

達也はそれを躱したり、受け止めたりしながらいなしつつ、魔法を使用しようとCADを操作するものを見付けては腕をクロスさせて魔法を掻き消す

 

「はぁ…はぁ…ちょこまかと」

 

達也はしばらくいなしていたが息を切らしていない

 

一方の剣術部員達は息が上がってきてしまっている

 

「もう終わりか?俺も飽きたしそろそろ担架を持った応援が来ることだろう。だからすぐに終わらせてやる」

 

達也が指を弾くと剣術部員達が押し潰されるようにうつ伏せに倒れた

 

「どうだ?重力を加えるだけで人は立っていられなくなるんだ」

 

「き、貴様…」

 

達也はその場で濃密な殺気を浴びせた

 

その殺気に耐えきれずに剣術部員達が気絶していく

 

しかし、観客達には何が起こったのか理解できていない

 

達也の異能『時空間操作』をもってすれば剣術部員だけに殺気を浴びせることなど容易い

 

そんなわけで担架を持った応援が駆けつける頃には剣術部員は全滅だった

 

その様子を怪しげに見守る1人の男がいた





今回はここまでです

次回は達也が十文字克人と初対面します

では、また次回
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