時空を操るもの   作:旭姫

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入学編 第十一話

「ーー以上が事の顛末です。」

 

達也は武道棟での小競り合いの報告の為、部活連の本部に来ていた

 

本部には摩利のほかに真由美や、部活連の会頭がいた

 

今回の件については、達也と真由美の仲が険悪なので摩利が対応していた

 

「ご苦労だった。にしても剣術部員相手にこれほど圧倒するとは、やはり正式採用されないか?」

 

「遠慮しておきます。」

 

「冗談だったんだが、まあいい。それで、桐原の容態はどうだ?」

 

「鎖骨が折れていましたので、保健委員に引き渡しました。」

 

「じゃあ達也君。この際はどうするべきか、君の考えを聞かせてくれ。」

 

「今回、魔法を使ったのは桐原先輩のみです。そして、桐原先輩は非を認めています。なので今回は剣道部と剣術部の()()()()()として喧嘩両成敗、というのはいかがでしょう?」

 

「うむ。いいだろう。という事で、十文字。我々風紀委員は今回の件を懲罰委員に送ることはない。」

 

「寛大な処置に感謝する。司馬、魔法を使ったのは桐原だけでいいんだな?」

 

「(十文字克人…まるで巌のようだな…。)…ええ、その通りです。」

 

「わかった、話は以上だ。それと、お前の事は聞いている。他言はしない事と仕事の強制をしない事は約束しよう。」

 

「!?(また七草か。だが、これはこれで好都合。広めないのならそれでいい。)わかりました。」

 

「今日は帰って構わない。」

 

「はい。では失礼します。」

 

達也が部屋に出てから、摩利が口を開けた

 

「どうだ、十文字。」

 

「渡辺のいう通り、確かに実力があるように見える。」

 

「面白いだろ?」

 

「ああ、是非とも戦ってみたい。」

 

「それはやめてくれ、学校が壊れる。」

 

「そのようだな。…ところで七草、お前は、いや()()()()()()()()()()()()んだ?」

 

「!?わ、私は知らないわよ!!」

 

「じゃあどうして自分から地雷を踏み抜くようなことを?」

 

「…父が彼に興味を持っていたのよ。まさか社長だとは思わずに…これで懲りてくれるといいんだけど…」

 

「俺は七草家が破滅しない事願うばかりだ。」

 

「まぁ、真由美がそこまで気に病む必要はないぞ。」

 

「だけど…。」

 

「なんかあったら相談には乗る。だから少しは落ち着け。さっきも達也君相手に怯えすぎだ。」

 

「だ、だって…。」

 

「泣くな七草。それに渡辺もあまり言い過ぎるものじゃないぞ。」

 

「わ、わかっている。」

 

「なら、俺は仕事に戻る。鍵は任せた」

 

十文字克人が部屋から出ると自然に話は終わっていた

 

―――――――――――――――――――――

 

その様子を『時空神の眼』で見ていた達也は、話が終わったのを確認して認識阻害を保ったままその場を離れた

 

下駄箱付近で認識阻害を解除した達也はそのまま下駄箱に向かった

 

すると―

 

「ねぇ達也くん。話は終わったの?」

 

「待っていてくれたのか?」

 

いつものメンバーに+αしたメンバーが下駄箱で待っていた

 

「はい。達也兄様と帰ろうと待っていたらレオ君達と会いまして、」

 

「達也を待つって言うから一緒に待ってたんだ。」

 

泉美の説明をレオが補足したことで達也も状況がよくわかった

 

だが、1つだけわからないことがあった。

 

「ところで、そちらの2人は何方かな?」

 

「あ、達也さん。この2人は1-Aの北山雫さんと光井ほのかさんです。光井さんは私の代わりに生徒会役員になった方で北山さんは光井さんのご友人だそうです。」

 

「(北山雫…潮さんの言っていた同い年の愛娘とは彼女の事だったのか。)そうだったのか。はじめまして俺は司馬達也だ。よろしく」

 

「私は北山雫。よろしく」

 

「み、みちゅいほのかでしゅ!!!」

 

北山雫は落ち着いていたが、どうやら光井ほのかは緊張しやすい人間らしい

 

「あ、す、すみません。改めて光井ほのかです。よろしくお願いします」

 

どうやら達也が来るまでに全員で自己紹介を済ませていたらしく、すでに仲の良い雰囲気だった

 

「ところで、待ってくれたお礼だ。1000円迄なら奢るぞ」

 

「え!?いいの!?」

 

「まじ!?ダンケ、達也。」

 

達也のご飯の誘いにエリカとレオがすぐに乗った

 

「じゃあ、僕もご馳走になるよ。」

 

「私も行く!」

 

鋼とエイミイも便乗した

 

彼等には遠慮と言う言葉が無かった…

 

「え、で、でも…会ったばかりですし…」

 

「大丈夫よ。達也さんが良いと言っているのです。受け入れてください」

 

「いや、深雪…。強制しているわけではないんだが…」

 

「いえ、達也さんのご厚意を受け入れないのは万死に値します!」

 

「そんなにか…まぁ、とりあえずアイネブリーゼでいいか。」

 

それからは毎日抗争に襲われていた

 

一科生同士の喧嘩からの騙し討ち、隙をついた不意打ち、果てには二科生からも攻撃を受けていた

 

そして、達也を襲った二科生は共通して赤と白のトリコロールのリストバンドをつけていた

 

特に本格的に対策しようと思い始めたきっかけは最終日、並木道を通っていた時のこと

 

突然、地面に魔法式が現れたのだ

 

「道を陥没させる魔法…厄介な」

 

達也は腕をクロスして〈ジャミング波〉を放って魔法を掻き消した

 

やがて、魔法が破綻した事に気付いた犯人が飛び出して、魔法を発動する

 

魔法式が身体にロードされる

 

「『自己加速術式』…それにトリコロール。泳がせるか。」

 

達也はその男を捉える事はせず、そのまま見逃した

 

 





今回はここまでです。

次回はこの続きです。

では、また次回
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