時空を操るもの   作:旭姫

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入学編 第十四話

生徒会室で達也が摩利達と話した日から日付の空いた2日後、達也の元に壬生紗耶香から例の組織作りの件について話がしたいという連絡を入れてきた

 

達也は今後の対応の為にも乗っておくことにした

 

会合の集合場所は前回同様カフェテリア

 

達也がつくと、席から手を振って場所を示してくれた

 

「さて、俺も忙しいので手短に行きましょうか。組織を作ってどうするつもりですか?」

 

「部活連でも生徒会でもない独立した機関を設置するわ。そして、私達はその機関から意識を変えて行くつもりです。」

 

「なるほど…具体的には?」

 

「学校に待遇改善の要求をします」

 

「ほう…なんのですか?」

 

「部活動予算について」

 

「(随分と踏み込んだな。)先日も言いましたが、部活動予算はその部活の実績に基づいています。それでも改善を要求しますか?」

 

「ええ。私達の決意は変わらないわ。」

 

「そうですか。ここまでですね。貴方と私では主義主張が違いすぎる。大方色仕掛けで釣ろうと思っていたようですが、私をあまり舐めないでいただきたい」

 

「ま、待って!どうしてそんなに割り切れるの?」

 

「私…いや俺は深雪に誘われたから入っただけで、この学校に思い入れは無い。…話すだけ無駄でしたね。では、失礼します」

 

――――――――――――――――――――

 

翌日、放課後に入ったタイミングで達也は鋼と話していた

 

すると、突然放送が鳴り響いた

 

『皆さん!!』

 

「音量の調節をミスったのかな?」

 

「どうして達也はそう呑気なんだい?」

 

「俺はもう風紀委員じゃないからな。気にする必要も無くなった。ただ、相手は犯罪者だからな、何か困りごとがあれば連絡してくるといい。」

 

「じゃあその時は頼むよ。」

 

『僕達は、学校内の差別撤廃を求める有志同盟です。僕達は学校に待遇改善の要求をします。これはこの要求をする為の必要な行動なのです!』

 

鋼は既に呼び出しに応じて、部屋を出ている

 

それから数分後、達也の元に案の定鋼からの連絡が入った

 

「何だ?」

 

『ごめん達也。お願いがあるんだ。」

 

「内容次第だが」

 

『彼らの言い分はわかるけど、あのままでは彼らはただの犯罪者となる。だから放送室を開けたいんだよ。』

 

「彼らを外に出せばいいのか?それとも鍵を開ければいいのか?」

 

『穏便に済む方で頼む。』

 

「じゃあ今から鍵を開ける。合図をしたら飛び込め」

 

『わかった。』

 

達也は座席の情報端末を起動してキーボードを叩いた

 

「よし、あと10秒で開く。」

 

『了解!』

 

「よし、開いた!」

 

ここまでの所要時間は2分にも満たなかった

 

それから達也は鋼経由でこの件を生徒会が解決する事、この件から討論会を実施する事を聞かされた

 

――――――――――――――――――――――

 

討論会が2日後に決まったその日、達也は自分の作業室で電話をしていた

 

相手は風間晴信、達也の上官の少佐であり、所属する独立魔装大隊の隊長である男だ。

 

『こんなタイミングに連絡とは、どのような用件かな?大尉』

 

「今から2日後。いや、もう翌日か。俺の予想では〈ブランシュ東日本支部〉が第一高校に攻めてきます。それを殲滅してから、本部を叩こうと思っているのです。」

 

『それで、貴官は何を望むんだ?』

 

「援軍。それから後始末をお願いしたいのです。」

 

『少し待て』

 

それから5分後に風間は戻ってきた

 

『許可が出た。当日、タイミングを見計らって柳と藤林を送る。殲滅後に連絡を入れろ。』

 

「ありがとうございます。」

 

『気にするな。それと、上からの要望だが、東日本支部リーダー司一の生け捕りを命じる。それ以外は殺しても構わん。』

 

「かしこまりました。」

 

『じゃあ当日はそれで。また今度会おう。』

 

「はっ!」

 

達也の当日のプランが決まった

 

―――――――――――――――――――――

 

翌日、放課後の時間を使って討論会が行われることになった

 

有志同盟側は4人、対する生徒会側は生徒会長七草真由美1人

 

本来なら4人の方に分があるが、相手は十師族七草の長女であり、生徒会長として学校を動かしてきた張本人

 

そして有志同盟が〈エガリテ〉のメンバーであることは調べがついているので、それとなく警戒を促しているし、たった2日では真由美を言い負かす程の答弁など考えることは不可能だろう。

 

‘言葉で勝てないのなら武力で’という考えは昔から同じ

 

彼らが仕掛けるとすれば、真由美が同盟を言い負かし、討論会が終了したタイミング。

 

そして、講堂にほとんどの生徒が集まるとなれば、攻めるのには好都合である

 

そんなわけで達也の姿は講堂……ではなく、図書館の中にあった

 

講堂の中には深雪と泉美を待機させており、内容を代わりに聞くというのを建前にして何か起こった際には対処してもらうよう頼んだからである。

 

泉美には『分解』と『再生』は達也の許可があるまで使わないように言い聞かせているので、勘繰られる必要はない。

 

達也は『時空神の眼』で外の状況を確認しながら待っていた

 

既に、応援に駆け付けた独立魔装大隊のメンバーは第一高校の管理システム外に待機してもらっていて、いつでも準備可能な状態になっていた

 

それから30分後、学校裏手にある駐車場からロケットランチャーが火を噴いた

 

ロケットランチャーから発射されたミサイルが校舎に激突し、爆風で校舎の窓ガラスが割れた

 

すると、講堂内でも同盟メンバーが動き始めて、それを風紀委員が取り押さえているところが見えたので、達也は深雪に連絡を入れた

 

「深雪、聞こえるか?」

 

『達也さん!』

 

「奴らが動き出した。深雪は泉美と作戦通りに行動してくれ。それと、近くにいるであろう渡辺委員長に司甲の捕縛をするよう伝言を頼む。」

 

『司甲だと!?』

 

「ああ、聞こえていたんですね、渡辺委員長。そうです。司甲が、今回の襲撃の仲介役です。情報を持っている渡辺委員長には話しますが、司甲の義理の兄が〈ブランシュ東日本支部〉のリーダーです。第一高校内の〈エガリテ〉の増加は彼が原因とみて間違いないでしょう。」

 

『わかった。司甲の捕縛の指示は出そう。ところで、達也君。君はどこにいるんだ?』

 

「俺は図書館にいますよ。俺には差別だとかそういうしょうもない事には興味ありませんから。それに、今回の討論会もどうせ結末は見えていましたし。」

 

『しょうもないって…まあいい。達也君、襲撃の鎮圧に協力してほしい。』

 

「了解です。まぁ、言われなくてもやる予定ですけどね。」

 

『では、また後で会おう』

 

「ええ。」




今回はここまでです。

次回で入学編完結したいなと思ってます

では、また次回
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