時空を操るもの   作:旭姫

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今回七草香澄は本戦ミラージ・バットと新人戦クラウド・ボールに出場します

言い忘れて申し訳ありません

決勝の深雪VS愛梨VS香澄をお楽しみに


九校戦編 第九話

達也と深雪が選手団としての懇親会の参加を蹴ったことに真由美は呆れていた

 

達也は面子的にはいなくてもそこまで問題ないが、深雪に関しては1年生のエースなので挨拶周りに連れていこうと思っていた

 

達也達は九島烈といるのだが、そんなことを知る由もない真由美は妹であり、総合3位で九校戦入りを果たした香澄を連れて挨拶周りへと向かった

 

 

そしてもう1人達也がいないことで不思議に思っている選手がいた

 

それが――

 

「あの、一色愛梨さんですよね!」

 

「よかったらお話を…」

 

「誰よ貴方たち、名家?それとも大会での優勝経験がおありなのかしら?」

 

「え、その…」

 

「話しても無駄ね。行きましょ。」

 

興味をなくしたかのようにその場を離れる赤い三高の制服を着た三人組の1人、一色愛梨

 

「にしてもいないわね…どこにいるのかしら?」

 

「愛梨よ、誰を探しておるのじゃ?」

 

「栞と沓子は知らないと思うんだけど、私には幼馴染みがいるのよ。父が彼の父親と同期でその関係でよく会ってたの。」

 

「へぇ~そんな人がいたのね。それで、名前は?」

 

「司馬達也って名前よ。世間的には無名の家なんだけどね。」

 

「つまり、その司馬達也という男が愛梨の好きな人というわけか。」

 

「そ、そんなんじゃないわよ!!」///

 

「図星ね。愛梨は一途なのね。」

 

「ち、違うわよ…。私と達也はそういう関係じゃ…」///

 

「名前で呼ぶほどには親しいということか。」

 

「私と達也は幼馴染みなんだから、名前で呼んだっていいじゃない!」///

 

「……」

 

「なんでなにも言わないの!」///

 

「ぷっ、アハハ。はぁ…さて、愛梨を弄るのはこのくらいにして、その司馬達也なる男はどういう人間なんじゃ?ここで探すということはそれなりに実力を持っているようだろうし。」

 

「達也は賢くて強くて、CADの調整も出来るのよ。私の普段使いのCADも達也が定期的に調整してくれるのよ。だからもしかしたら選手かエンジニアとして来ていると思ったんだけど…」

 

「なるほど。選手ならともかくエンジニアならば愛梨が認める実力に警戒するべきですね。」

 

「達也には私も勝ったことがないのよね…。知識面でも模擬戦でも。もしかしたらこの会場にいるメンバー全員で攻めても負けるかもしれないわ。」

 

「そんなに!?…それは恐ろしいですね。」

 

『それでは、この九校戦をご支援したくださっている、かつて世界最強とも称され第一線を退いた後も日本魔法師界の為にご尽力くださいました、【老師】こと九島閣下よりお言葉を頂戴いたします。』

 

3人の会話は司会のこのアナウンスにより途切れることになった

 

3人もそうだが、会場内で話をしていた今年の代表選手団は全員話を止めて体を舞台の方へと向けた

 

【老師】こと九島烈は九島家前当主で国防軍の退役少将

 

かつて起こった第三次世界大戦にて世界から【最巧】と謳われ、大戦後は日本魔法師界を引っ張ってきた日本魔法師界の第一人者

 

現在も十師族をまとめる立場にあり、この場にいる全員が無視することが許されない程の大物

 

さらに言えば現在の魔法師界の先頭を行く四葉真夜や七草弘一、今は亡き四葉深夜の魔法の先生でもある

 

そんな誰もが無視できない大物なご老人は出てこなかった。

 

出てきたのはご老人ではなく()()()()()()()()()()()()()()だった

 

会場が驚いてざわめき出した

 

「なるほど…閣下も人が悪いですね…。」

 

「ん?どうしたんだ、愛梨。」

 

「沓子と栞は気付いてないみたいね。あの女の人の後ろを見てみなさい。」

 

2人は愛梨の言葉にしたがい女性の後ろを見た

 

そして2人して驚きで固まった

 

「あれはよく達也が私にしてきた悪戯の1つよ。まさか閣下の受け売りだったとはね。」

 

「ど、どういうことじゃ!?なぜ()()()()()()()()()()()んじゃ!?」

 

「閣下はこの会場に微弱な、それこそ意識しないと気付かないレベルで『精神干渉魔法』を放って前にいる女性に意識を向けさせるのよ。そしてその魔法を切った時まるで瞬間移動でもしたかのように突然閣下が現れるように認識させる。それがこの流れの全貌よ。おそらくこれに気付いてるのは殆どいないわ。実戦経験のある一条君でも気付けるかわからないわ。」

 

愛梨は2人に小声で解説すると、烈に目を向けた

 

すると、烈はその視線に気付いて微笑み返した

 

その目はまるでいたずらが成功した子供のようだった

 

そして烈が女性に声をかけると、女性が捌けて烈にスポットライトが当たる

 

そこで殆どの生徒は初めて烈の居場所に気づく。

 

愛梨は達也に食らってなかったら自分も同じような反応をしてるだろうと思いながらも、ここにはいない1人の男(達也)を少しだけ恨むと同時に彼に感謝した

 

「魔法を学ぶ諸君。私が九島烈だ。今の余興は魔法というよりは手品のようなものだったのだが、それに気付いたものは見たところ4()()()()だった。特にその中でもこの手品のタネにまで辿り着いたものは1人だけだ。」

 

この発言により栞と沓子は説明してみせた愛梨以外に気付いた人間がいないことを知り、さらに驚いた。

 

なにせ、タネを聞いてみれば、多くの人が気付いてもおかしくないほど単純なものだったからだ。

 

「つまり、私がテロリストでこの瞬間に大量殺戮や毒殺、爆弾テロを敢行しようとした場合、それに対応できたのは辛うじて4人だけだったと言うわけだ。」

 

「今のは意識さえすれば()()()対処することができるほどに小規模な魔法だった。しかし君達はそんな小さな魔法すらも検知しなおかつ対処することができなかった。確かに魔法力を鍛え、大きな魔法を使いこなすのもいいだろう。しかし、これだけは忘れないでほしい。」

 

『使い方を間違えた大魔法は工夫を凝らした小魔法に劣る。』

 

「私は君達の“()()”を楽しみにしている。」

 

九島烈の話でどれほどの人間がその真意を理解できただろうか。

 

九島烈はあえて小規模な魔法で実演までして言葉の通りに実行してみせたのだ。

 

あの精神干渉魔法も普通なら生徒達には効かないレベルに小さな魔法だ。

 

しかし、それでも彼らはそれに掛かってしまった。

 

つまり、九島烈の工夫に生徒達は劣ってしまったのだ。

 

この中には自分達こそが優秀だと考えている魔法力至上主義の人間も多い。

 

そんな中で自分達よりも強い人間によってその主義を破壊されてしまった

 

真意を理解したものはこれに気付いて心を入れ替えるだろう。

 

入れ替えず、主義を改めない人間はその程度の人間であったと世間的に決められるだけ

 

【老師】と呼ばれる人間のスピーチは良くも悪くもこの生徒達に根強い影響を与えていったのだった。





九島烈のスピーチでした

今回、アンケートの設定通りに一色愛梨を登場させました

吉祥寺真紅郎はもう少し先の登場になりそうです

また達也達は前回で出したように懇親会に参加していませんので、一条将輝が深雪に一目惚れするのもまだ先になりそうです(最初から四葉と出しているので果たして将輝が深雪に惚れるのかというのも怪しいですが)

次回は懇親会を抜け出し、仕事のモードの達也です

では、また次回
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