皆さん気になる摩利のミラージ代打の決定シーンはこの回で発表いたします
まぁ、深雪なんですけど
順番前後しちゃったのでここで発表します
申し訳ございませんでした
お昼を食べ、深雪の番に向けて控室に向かうと、控室の前で出待ちにあった
「はじめまして。俺は第三高校一年の一条将輝だ。」
「同じく第三高校一年の吉祥寺真紅郎です。」
「第一高校一年の司馬達也だ。さて、いくら【
「それは失礼。だけど、こちらとしても君に用があるんだ。」
「ほぅ…。プリンスと天才技術者からの用事とは光栄だな。場所とタイミングさえ良ければの話だが。深雪、こいつらの話は長いだろうから先に控室の方まで行っててくれ。」
「はい、了解しました。」
深雪が控室に向かうと、それを無意識的に一条将輝が目で追っていた
どうやら深雪に惚れているらしい
「プリンス、お前も試合じゃないのか?」
「確かに試合はあるが、まだ先だ。それに見た感じ俺とまともに戦えそうな奴はいないから多少の問題はない。」
「司馬達也…界隈では聞かない名前です。まさに能ある鷹は爪を隠す状態といったところでしょうか。」
「弱冠十三歳にして〈
「そんなことはない!あまり十師族を舐めたような発言をしないでもらえるか?」
「断る。俺は十師族が嫌いなんだ。…四葉を除いてな。」
「何故四葉を好意的に見る。あの家は【
「果たして本当にそうだろうか?四葉ほどまともな家はないと思うが?」
「どういう意味だ?」
「まず貴様ら十師族の態度が気に入らない。国を守るための十師族とかほざきながら、内心では自分達が国を動かしていると錯覚し、横暴な態度ばっかり取る。その癖、自分達が何かダメージを受けると、自身を正当化して相手を一方的に悪と決めつけて弾圧する。」
「そんなことはしていない!!」
「貴様はしていないのかもしれないが、他がいるだろう?特に有名な奴が。」
心当たりがあるのか、将輝は黙り込んでしまった
おそらく頭に浮かんでいる人物は達也の想像する人物と一緒だろう
「もう少し詳しく話してやろう。例えば俺とお前が戦うとしよう。傍から見れば一般の男と十師族直系の男。周りは十師族だからとお前が勝つと思い込む。これでもし、俺が勝ったら?師族たちはどう出る?」
達也の問に一条将輝は答えられなかった
おそらく内心ではそんなことはあるはずがないとでも思っていそうだが…
「まずは自分達の面子を考えるだろうな。「一般の家の者に我ら十師族が負けるはずがない」とね。そうして勝った俺を十師族に婿入りさせてこうしたトラブルを無かったことにする。俺が師族に婿入りすれば最終的に師族と見られ、最初から師族同士の戦いだったかのようにする。もしくは、観客がこれを期に師族の力に疑問を持つ可能性がある。だから俺を無力化して「たまたま師族が手を抜いてあげた結果負けてしまった。本当なら彼は一条将輝の足元にも及ばない」こうしてしまえば、一般の家のことも考えていて優しいとアピールできる。違うか?」
「試合は全てフェアだ。勝てば勝ちだし、負けたら負けだ。そこに家柄など関係ない。」
「それがお前の感想でいいのか?」
「ああ。俺は家柄で判断などしない。実力があるならそれを認め、お互いに高め合うように努力する。」
「なるほど。ならば最初の言葉は訂正しよう。貴様は好ましい部類だ。後は実際に戦って俺が勝ったとき、一条家の御当主がどういう行動をするか。まぁ俺は九校戦に選手として出場しないし、貴様と戦うこともないだろうがな。」
「あれだけの調整技術がありながら、選手として出ない?どうしてだ」
「俺は一高の男子達とは馬が合わなくてな。まぁあの幼稚な精神に付き合うつもりはないし、関わろうとも思ってないんだけどな。その結果、選手として出ることを取りやめた。もしかしたら状況が状況なら一条、お前とモノリス・コードで戦っていたかもな。」
「ならばその時を楽しみにしてるさ。俺はお前のような凄腕のエンジニアであろうとも油断はしないし、手加減なんて以ての外だ。全力でぶつかって、最後には俺が勝つ。」
「その言葉、期待しているぞ。」
達也はそういうと深雪の待つ控室へと向かった
「深雪に気があるなら
「なっ!?お、お前!!」///
最後に将輝の耳元で爆弾を投下するのを忘れずに
――――――――――――――――――――――――
「先程の一条さんとどういう話をしていたのですか?」
「ちょっとした世間話さ。まぁ敵情視察だろうな。」
「そうですか。ところで達也さん。この服似合ってますか?」
そう言って立ち上がるとその場で一回転して達也に服の全体を見せつけた
「巫女服か…よく似合っているな。まるで本物の巫女さんのようだ。」
「そうですか?そう言って頂いてとても嬉しいです!」///
「アイス・ピラーズ・ブレイクは深雪の為の競技と言っても過言ではない。ここでその圧倒的な力を見せつけて、ミラージ・バットも大丈夫だと示してやれ。」
深雪は本来、新人戦のミラージ・バットに出場することが決まっていたが、摩利の事故があった為に繰り上がりで本戦に出場することとなったのだ。
ミラージに補欠を設けていなかったことと、摩利の事故があまりにも予想外だったから仕方なくということになった
ちなみに、この発表により、十師族の“2強”である“四葉”と“七草”が出場するので、どっちが勝つかという内容で観客達が盛り上がっていたのはまた別の話である。
なお、本戦に移動してもエンジニアは達也が担当することになっているので、深雪は喜んで本戦移動を受け入れた。
達也の仕事が増えるのには変わりないが…
「深雪」
「何でしょうか?」
「最高のショーを見せてくれ。」
「はい!お任せください!」
優勝候補とされている四葉深雪の試合には多くの観客が押し寄せ、満員状態だった
あの秘密主義を徹底する四葉が唯一公開した後継者である深雪を一目見てみたいと言う客が押し寄せた結果だった。
そして深雪が会場に現れると騒がしかった会場が一瞬にして静まり返った
深雪の巫女服に見惚れていたというのもあれば、深雪の出すその空気間に圧倒された人が入り混じっていた
ちなみに、一条将輝は前者である。
「うわぁ〜、えげつないわね…。」
「その存在感がな。四葉という名前もあって、完全に空気を自分のものとしたか。」
「とんでもないですね。流石は四葉家次期当主…。」
試合が始まると、深雪が速攻でCADを操作する
魔法陣がコート全体にかけられた。
その効果範囲は
自身の氷柱を含むフィールドを凍らせ、相手の氷柱を含むフィールドを熱で温める
「これは…!?」
「振動系系統魔法『
「これが高校生だというのかっ!?」
振動系系統魔法『氷炎地獄』
対象エリアを二分割し、片方の運動エネルギーを減速させてもう片方のエリアにその余剰エネルギーを逃がす魔法である
そして隣接するエリアに灼熱と極寒を同時に発生させる
この様子から氷と炎が共存した地獄のような光景であったことから氷炎地獄、インフェルノと名付けたという説もある
この魔法はとても難易度の高い魔法であり、魔法師の国際ライセンスA級の試験にたまに出てくる魔法で、この魔法がうまく使えず多くの受験者が涙すると言われている
そんな高等魔法を十師族とはいえただの高校一年生の女子生徒が使っているのだ
恐怖以外何者でもない。
空気感・フィールド・全てを自分のものとした深雪は『氷炎地獄』の出力を上げて、一瞬で氷柱を破壊した
「やはり、高校生レベルでは深雪の相手になるようなやつはいないようだな。」
達也の呟きは会場の歓声によって誰にも聞かれることはなかった
今回は達也と将輝の会合と深雪の予選を行いました
本当ならクラウド・ボールの方にも行きたかったのですか、達也のキャラ上、将輝との会合が長くなってしまい、結局次回に回すことにしました
次回は、クラウド・ボールの決勝と行ければ新人戦3日目に行こうと思います
ではまた次回