時空を操るもの   作:旭姫

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九校戦編 第二十五話

 

新人戦ミラージ・バットのワン・ツーフィニッシュを支えた達也は、その日の夜に呼び出しを受けた

 

そんなわけで、達也の姿は一高が九校戦期間中に借り受けている会議室にあった

 

「まずはお疲れさまでした。女子の上位独占が多く、総合優勝に限りなく近付いたでしょう。」

 

「選手たちが頑張ってくれたおかげです。私は何もやってません。」

 

「貴方もその要因を担っています。そしてここからが重要ですが、現在新人戦の一高は一位。2位の三高との差はおよそ30P」

 

「いきなり呼び出されたと思えば、報告ですか?私は忙しいのですが。」

 

「我々は新人戦も優勝しようと考えています。現在の点差から考えると新人戦の優勝を目指すには最後に残ったモノリス・コードで2位以上を取る必要があります。」

 

「なるほど…それで、私を呼んだ理由は?」

 

「司馬達也君。モノリス・コードに出ていただけませんか?」

 

真由美の結論は達也にモノリスに出てもらうことだった

 

もちろん、予想通りに。

 

「出る出ないに関係なくいくつか質問します。」

 

「どうぞ。」

 

「では率直に伺いましょう。なぜ私なんですか?」

 

「ええと…それは…」

 

「お前が適任だと思ったんだ。モノリス・コードはあくまでも実戦向けの競技だ。それにそもそもモノリス・コードに代理を用意していなかったことも理由の一つだ。」

 

「代理を用意していないんだとしても、()()()()されている選手を選べばいいじゃないですか。私は()()()()()です。」

 

「達也君…では逆に聞くが君以外に一条将輝を相手に()()()人はいるか?」

 

「さぁ?そんなことはどうでもいいですし、興味もないです。そしてもう一つ、私はエンジニアに限って特別に参加すると約束しましたよね?ただでさえどうでもいい学生のお遊びに付き合うつもりはなかったところをお情けで引き受けたというのに。」

 

「そ、それは…」

 

()()()()、司馬!」

 

会議室に流れた重苦しい空気を変えたのは、目を閉じ、座りながら話を聴き込んでいた克人であった

 

「どんな理由であれ九校戦に参加しているのならば、チームリーダーである七草の指示を仰ぐ義務がある。お前の言い分は間違っていない。だが、代表メンバーである以上、その責務を全うしてもらう。チームリーダーである七草が間違っているならば、俺や渡辺で対処するが、この件に関しては誰も反対しなかった。だからお前にはモノリス・コードに代理出場する()()()()()。」

 

克人の発言の後、達也は少しの間不気味な笑いを続けた

 

「ククク…ハハハハハ……。甘えるな、だと?あまり図に乗るなよ、十文字!」

 

突如会議室を異質な重圧が包み込んだ。

 

「では逆に聞くが、貴様ら十師族は自分達で結んだ契約すら自分の都合で破棄するのか?」

 

「どういう意味だ…」

 

「俺は七草真由美とエンジニアでのみ参加するという契約を結んだ。しかし、それは今貴様らの発言により破棄されたも同然だ。まったく…いつから貴様らは自分が偉いと()()()()()()んだか…」

 

「それは俺達に対する侮辱か?」

 

「侮辱…?ハハ…俺がそんな()()がやるようなことをするとでも?十文字。」

 

「一年のくせに生意気だぞ!」

 

「十文字にすら勝てない雑魚が粋がるなよ。それ以上生意気なら…殺すぞ。」

 

達也は殺気を少しだけ開放し、その反応を見て落胆すると、呆れたようにため息をついて、後ろを振り返った

 

「…何処へ行くつもりだ。」

 

「部屋に戻る。貴様らのようなエリート気取りの()()には興味がないのでな。」

 

扉を開けて外に出ようとすると、透明な壁のようなものが建てられた

 

「なんの真似だ?こんなしょぼい壁なんて建てて」

 

「まだ返事を聞いていない。そして、我々に対して謝罪してもらう」

 

「断る。」

 

達也が右手を手刀の形にして克人の建てた壁を()()()()()

 

「馬鹿な…『ファランクス』を何もまとっていない手刀で破壊した…」

 

「これでは【首都防衛の要】の名が廃るぞ、未熟者。」

 

達也が最後に克人を馬鹿にして部屋をあとにすると、達也のはなっていた殺気が収まった

 

「何だったんだ…今のは」

 

「わからない、だが司馬が何かをしたのは事実だな。」

 

「司馬達也…何者なんだ…」

 

達也のいなくなった会議室では、達也の威圧・重圧にほとんど動けない状態(一部の人間は気を失っていた)から開放されてはいたが、未だに祝勝ムードは戻って来なかった

 

そして達也と第一高校の人間との友好度はさらに低くなった





お久しぶりです

少し今後の構成を考える為に休載していましたが、少しずつ復活していこうと思います

しばらくは、この作品とpixivにて登校中の『銀の太陽』のみやって、キリのいいタイミングで一度他の物も触れたりしていこうと思います

では、また次回
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