to the beginning   作:ヘルメス・トリスメギスタス

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 「……ん」

深い闇から目を覚ます。

「知らない天井だ……」

俺はベッドで横になっていた。

右腕を動かそうとして、無いことに気付く。

そうだ。武蔵に切り落とされたんだった。

左手にぬくもりを感じる。

そちらに目をやると、文香が俺の手を握りつつ寝ていた。

その時、文香が目を覚ました。

「あ……」

「おはよう文香」

「レイジさん!」

文香が俺に抱きついてきた。

「レイジさん。目覚めなかったらどうしようかと……!」

文香は泣きながら俺に話す。

「心配かけてごめん文香」

「私、ありすちゃん達を呼んできますね!」

そう言って病室を出る文香。

数分後父さん達が病室にやって来た。

「兄さん! 目を覚ましたんですね!」

「みんな心配かけてごめん」

「いいんです。兄さんが生きているのなら」

その時、脇山さんが前に進み出て来た。

「橘殿! すみませんでした!」

そしてその場で土下座した。

「脇山さん。顔を上げて」

「しかし、珠美が頼んだせいで右腕を」

「失ったものは仕方ないし。相手の方が腕が上だった。

それだけのことさ。だから、顔を上げて」

「橘殿……」

「兄さん。それでこれからどうするんです?」

「特製の義手をつけるさ」

「義手?」

俺は蔵から義手を取り出す。

「『銀色の腕(アガートラム)』。円卓の騎士べディヴィエールがつけていた義手だ。これを……」

俺は失くした右腕に取り付ける。すると俺の肉体と一体化した。

「ふむ……」

俺はアガートラムを動かす。

「うん。当面はリハビリが必要だな」

「リハビリですか?」

「うん。今の状態では戦闘は無理かな。慣らさないと」

「レイジ。事務所には状態を伝えて休みにしてある。

じっくり慣らしなさい」

「ありがとう父さん」

俺はリハビリに励むことになった。

 

 一ヶ月後、リハビリも終わり、俺は仕事に復帰した。

「みんなおはよう」

「おはよう…って本当に義手になってる!」

「おはようございますプロデューサー。千枝心配してたんですよ」

「はは。ごめん。リハビリしててさ」

「兄さん。これでKalafina再始動ですね」

「ああ。曲も作ってきたぞ」

「マジ!? 早く聞かせてくれよ!」

「それじゃ流すぞ」

今回持って来た曲はこれ

 

・Magia

 

「前より難易度が上がってる気がするぜ」

「でもいい曲ですね。千枝歌ってみたいです」

「兄さんが休んでいる間もレッスンは欠かしていません。歌いきってみせます」

「うん。これなら俺も安心して歌えるな」

「兄さんがこの曲歌うんですか?」

「あー、違う違う。武内さんからラブライカとコラボで歌うのを頼まれたのさ」

ちょうどそこにラブライカの二人がやってきた。

「おはようございます橘さん」

「おはようございます。橘さん。腕は大丈夫ですか?」

「二人共おはよう。アーニャさん、腕は問題ないよ」

「良かったです。それで曲なんですが……」

「出来てるから流すよ」

今回持って来た曲はこれ。

 

・ACUTE

 

「何だかドロドロとした歌詞ですね」

「愛と憎しみを感じます」

「まあ、そういう曲だからね。それじゃ練習しようか」

仕事復帰の初仕事だ。気合い入れないとな。

 

 ライブ当日。前回よりも多くの人が集まっていた。

「兄さん前より多いですね」

「まあ、Kalafinaにラブライカwith雷電Pだからな。こうなるよな」

「そういえば武蔵との戦いの動画が流れてるの知ってます?」

「そうなの?」

「ええ。みんながCGと思っているようですが、

兄さんの右手を見たらばれるでしょうね」

「まあ、仕方ないかな。ありす達準備はOK?」

「はい。大丈夫です。兄さんの方は?」

「問題なし。それじゃ始めようか」

俺達は久しぶりにライブを行った。

 

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