to the beginning 作:ヘルメス・トリスメギスタス
「998・・・999・・・」
一心不乱に剣を振るう。
「1000!」
朝練終了。
俺は毎日鍛錬を欠かさない。
冬木等の名前がないためFate時空ではないようだが、
他のヤバい世界の可能性もある。
故に鍛錬は欠かさない。
鍛錬を終えスポーツドリンクを飲んでいると、
父から声がかかった。
「レイジ、重要な話がある」
そう言ってリビングに来るように促す。
「それで父さん。重要な話って?」
「父さんが女性と付き合っているのは知っているな?」
「ああ」
俺の家は父子家庭だ。
母が幼い頃死んだ後、男手一つで俺を育ててくれた。
「実はな・・・父さん再婚することになったんだ」
「父さん、おめでとう」
俺は素直に祝福する。
俺も二十歳だ。父さんにはこれからの人生、好きに生きてほしい。
「ああ、ありがとう。それと相手の方には、連れ子がいる。十二歳の女の子だ」
「はあ・・・」
連れ子がいるのか・・・コミュニケーション取れるかな・・・。
「来週の日曜日にあちらが引っ越してくる。準備を頼む」
「わかったよ父さん」
そして日曜日、新たに母となる女性と妹が越してきた。
「レイジ、紹介しようこちらの女性がレオンさん。女の子がありすちゃんだ」
「レイジさんこれからよろしくお願いします」
レオンさんはふんわりおっとりした感じの女性だった。
こんな美人よく捕まえられたなと思う。
「ありすです。でも、ありすと呼ばないでください」
・・・んん? これはどう呼べと?。
「こら、ありす。レイジさん達が困っているでしょう」
「嫌なものは嫌なんです。それなら旧姓の藤原で呼んで下さい」
こりゃあ気難しい子だな。
「えと、とりあえず食事にしませんか? 腕によりをかけて俺が作ったんで」
「そうだな。レイジの料理は絶品だぞ」
その後、俺達は料理を食べ始めた。
二人共おいしいと褒めてくれ、俺はホッとした。
夜になり俺は生配信を開始した。
「どうも雷電Pです。早速ですが報告があります」
俺は父親の再婚と妹が出来たことを告げた。
リスナーさんの質問にいくつか答えた後、俺は曲を歌い始めた。
その時、歌っている途中でドアをノックする音が聞こえた。
それもかなりの勢いでドンドンと叩く。
「兄さん! ちょっといいですか!」
ちょっ! これ放送事故!
「リスナーのみなさん、ちょっとお待ちを」
俺は映像を切り、ドアに向かう。
「藤原さんどうし・・・」
「兄さん! 兄さんがやっぱり雷電Pだったんですね!」
しまった! 仮面外し忘れた!
「ちょっと待って! 配信切るから!」
俺は急いでリスナーに説明し、配信を打ち切った。
「はあ~・・・」
「それで兄さんが雷電Pなんですよね?」
「うん、そう。藤原さんは雷電Pを知ってるの?」
「大ファンです! 歌を聞きながら眠る位に!」
うわ。物凄く食いついてきた。
「ああ、ありがとう。俺なんかで幻滅したかな?」
「いえ! むしろ予想以上にカッコイイです!」
なんか俺に対する評価高いな。
「あの、一曲歌ってもらえませんか?」
「いいよ。それじゃあ一曲『サウダージ』」
「~~♪」
ギターを奏でつつ、曲を歌う。
その間藤原さんは眼を輝かせていた。
「・・・こんなところかな」
「ふわー・・・いい曲です」
「藤原さんは歌に興味があるのかな?」
「ありすでいいですよ兄さん。歌には興味があります。
将来は歌に携わる仕事がしたいです」
「アイドルに興味はないかな?」
「アイドル・・・ですか?」
「ああ。今俺は346プロでプロデューサーをしてるんだけど、
担当アイドルが決まってなくてさ。ありすが良かったらだけどどうかな?」
「そうですね・・・兄さんならいいですよ」
「ありがとう。そうなると父さん達にも話さないとな」
「そうですね。話に行きましょうか」
俺達は揃って一階へ降りていった。