to the beginning 作:ヘルメス・トリスメギスタス
「はあ・・・はあ・・・」
今、ありす達三人は基礎レッスンを受けている。
何をするにも体力は重要だからな。
「はい。それじゃ一時休憩にしましょうか」
ルーキートレーナーさんが休憩を入れるとありす達はへたり込む。
「ほい。みんなスポーツドリンク」
「ありがとうございます。兄さん」
ありす達は礼を言うと、スポーツドリンクを飲みだす。
「しっかしサッカーの練習と同じ位きついな」
「まあ、アイドルは歌って踊るからな。体力勝負な所はあるな」
「でもこれで基礎レッスンですよね。本番になったらもっときついんですか?」
千枝が質問してくる。
「ええ。さらに練習がきつくなります。ですから今のうちに体力をつける必要がありますね」
ルーキートレーナーさんが答えた。
「うへえ。アイドルなめてたわ」
晴が答える。
「サッカーと同じで、基礎が大切だからな。頑張ってくれ」
休憩時間を終えて、再び基礎レッスンが開始された。
「はい。それじゃ今日はここまでです」
ルーキートレーナーさんがそう告げると三人共座り込んだ。
「三人共お疲れ様」
「ふう、きっちい」
「疲れました、兄さん」
「くたくたです」
「それじゃみんな着替えて来てね。送るから」
皆が了解の返事をすると、俺は一度俺に与えられた部屋へ向かった。
武内さんにニュージェネレーション用の曲を頼まれたので、その音源を持って行くのだ。
俺が更衣室に向かうと、部屋の前で三人が待っていた。
「皆お疲れ。ちょっと武内さんの部屋に寄ってから帰るから」
俺はそう言って三人を連れて、武内さんの部屋に向かった。
「武内さん頼まれた楽曲を持って来ました」
俺が武内さんの部屋に入ると、数人の女の子がいた。
「橘さんありがとうございます」
「とりあえず聴いてみて下さい」
俺が今回持って来た曲は、
・虹色のフリューゲル
音楽が流れる。
人に曲を聞かせる時は毎回緊張するな。
武内さんは曲を聞き終えると良い曲ですと答えた。
俺がホッとすると女の子達が集まって来た。
「うわあ・・・これがニュージェネレーションの新曲ですか?」
島村さんが聞いてくる。
「そうだよ。島村さん」
「今までに聞いたことない音楽だよね。橘さんは何者?」
渋谷さんが聞いてくる。
「橘さんは雷電Pの名前で活動されている仮面ユーチューバーです。
現在は346プロ専属で曲を作ってもらうことになりました」
武内さんの言葉に皆が驚く。
「ええ! 橘さんが雷電P!? あの有名な!?」
本田さんが大声を出す。
「有名かどうかはわかりませんが雷電Pです」
「ねえ。橘さんってもしかして橘レイジさん?」
双葉さんが聞いてくる。
「はい、そうですが・・・」
「双葉さんは知っているんですか?」
武内さんが双葉さんに聞く。
「表に出て来ないけど、世界一の投資家で万能の天才だよ。資産が何千兆円で、
今はニューヨークの中心に世界一の高さのビルを建築中のはずだよ」
「アレは部下がぶち上げた構想だ。俺はあまり関与していないよ」
全く・・・部下達は俺を金融面での支配者にしようとするからな。
「でも、お金出してるのは橘さんでしょ?」
「それはまあ・・・」
「ところで万能の天才って?」
渋谷さんが双葉さんに尋ねる。
「言葉通りだよ。剣、槍、弓どれも一流。学業も高校時代全国一位。
芸術面でも数々のコンクールを受賞と完璧超人なわけ」
「兄さん、何で言ってくれなかったんですか?」
「聞かれなかったからね。わざわざ話す必要もないし」
「強いて言えば女性が苦手なのが橘さんの弱点かな。
だから浮いた話も聞かないし」
「杏、橘さんについて詳しいね」
「実家と関りがあったからね。その関係で詳しいんだ。
346プロにも多額の出資をしているよ」
「それは・・・いつもありがとうございます」
「頭を上げて下さい武内さん。武内さんが先輩何ですから」
「はあ・・・凄い人にゃ」
「あのちょっといいですか?」
「何かな多田さん?」
「何か一曲歌ってもらえますか? ギターがあるんで」
「いいよ。それじゃあ一曲歌います『閃光』」
「~~♪」
俺はギターを奏でつつ歌う。
歌い終わると拍手が起こった。
「クラーッスナ・・・あー・・・凄いです」
『ありがとうアーニャさん』
『ロシア語が喋れるんですか!』
『まあね』
「ロシア語が喋れるんですか!?」
新田さんが聞いてくる。
「英語、ロシア語、フランス語、中国語色々と喋れるよ」
「それは・・・凄いですね」
「さてと、そろそろお暇しようかな。ありす達を送らなきゃいけないし」
「もうこんな時間ですか・・・ありがとうございました橘さん」
「気にしないで下さい。武内さん。それじゃあ」
俺達は家路に着いた。