仄暗い深海からのヴィランコレクション 作:ターンアウトエンド
なので今回短くなりました。
人ならざる美しさと言うのか。
妖刀が人のカタチに成ったような、
そんな只者では無い空気を纏っている。
確かに、スペックだけなら戦艦水鬼に匹敵するのだからなぁ。
今は艤装は展開していない。
というか、あるのか?艤装。
「はい、
彼女が薄く笑うと、
背面、腰の中程から、結晶が形成されるようにナニかが生まれる。そしてそれは花開く様に一気に広がり、見覚えのある形状にまとまっていく。
体感で十秒はいかない位かね?
意外と遅いな。
「いえ、これは最初だけになります」
ほーん?次からはもっと早いと?
「はい、このように」
と彼女が呟くと、艤装が黒い煙のように消え、再度展開された。
え、じゃあ今さっきのは艤装をつくったんか?
「そうなります」
ほーん?よう分からん機能だなぁ。
ん?私喋ってないけど通じてる?
「はい、私たち眷属は主様の思念を受け取れますので、お口になさらずとも会話ならば」
出来ると。
ほーん?便利だなぁ。でもそういえば、
まぁそもそも元となる私の個性自体よう分からんからしゃぁないか。
彼女、『欧州水姫』が生まれたのは、つい昨日の出来事だ。
検査入院から退院したのが先週の末の出来事で。
数日は学校からも、休んで構わないと言う旨を伝えられていたため、急にできた休日を満喫していたわけだが。
ふと、私の個性が気になってしまい、その場でできるチェックをしていたところ、
「ぁァ」
と言う呻き声のような悲鳴のような、そんな声と共に、“眷属の
最初はびっくりしたね。
私は
と真剣に
個性が囁きかけてくると言うか、インストールした知識を参照している様な、そんな方法で、この眷属のたねの扱い方を学んだ。
アバウト?じゃぁお前らが教えろよ。
シラナイモーンじゃねぇよだったら黙ってろ。
個性のスキル拡張が起きたのはその時点で察したけど、
『勘』も含めて使用者に優しくない仕様である。
新しく獲たスキルは、名付けるなら【生命の海】かな。
能力は眷属作成。
今までも浮遊要塞は作れたけど、それはこの能力の一端が漏れ出たようなモノらしい。
個性が成長(?)した結果として、ハッキリと能力として目覚めたと。
で、件の“眷属のたね”は、上位の力を持つ眷属を精製するメインパーツで、それを核にして方向性のある外郭を精製していく流れになるわけだ。
用はキャラ付けだな。
その結果として、
それで、何故、欧州水姫を造ったか、なんだが。
…造ったでいいよな?ウン
まず、メインの理由から言おう。
趣味だっ!!
いやぁ、セクシー系のお姉さんって良いよね?
洋モ、外国の人ってセクシーだからキャラとしてもお気に入りだったんだよ。
あぁそうだよ趣味だよ性癖で悪いか(゚Д゚)ゴルァ!!
お、そうか良かったよ連装砲君、君とはいい酒が飲めそうだ。
で、なんで欧州水姫を造ったか、次の理由ね?
活動できる大人が欲しかったんよ。
私は、世間知らずだった。
ヴィランがここまで簡単に一般人を害するなんて、知識としては知っていても、実感として理解できていなかった。
表にはでなくても、まだ頭の中では私は大丈夫、私の家族も大丈夫、なんてぇ甘い考えだったんだ。
本当に、襲われたのが私で良かったよ。
冷や水を浴びせられたと言うか。
バイクの免許取り立てで無謀な運転をして、それを数年後思い出して『あの頃事故ってたら死んでたわぁ』って思う感じだ。
ん?わからない?
そうか…
まぁとにかく、世間の常識と言うか、もっと『外』に対するアプローチをしていく必要性を感じたんだ。
そんなとき、子供の肉体は枷になる。
まず目立つ。
次に嘗められる。
そして相手にされない。
アングラな場所だけとは限らないが、限らないからこそ人垣に溶け込める大人である必要性があるんだ。
あとは私自身を認識されない為だな。
ヴィラン組織に私と言う存在を、個性の詳細はともかく大枠でも認識されてしまったら、父や母、弟に迷惑が掛かるかもしれない。
無論そうなっても護りきる気持ちはあるが、そうならないように立ち回るのが戦略である。
現状、私は考えられる上で最上位の戦略的優位性を持っている。
ヒーローの今後と、ヴィランの首魁たるオールフォーワンの動向を大まかとは言え識っているという事。しかも此方は認識されていない、と言う好条件。
無論、油断する気は無い。
炎のヴィランもそうだが、無人島消滅事件は恐らく確実にオールフォーワンの耳に入るだろう。
最悪、そこから辿られる可能性もある。
なので現在、浮遊要塞を小型化したものを、私の家や生活行動圏にばらまいているのだ。
何かしら不審な動きをするものがいれば、直ぐ様対応できるようにはしている。
まぁ、十分とは言えないと思うが。
だからまず、認識されないためには関係性の無さそうな人物を見繕わなきゃいけない。
しかしそう簡単には見つからん。
なら造ろう!
と、思っていたんだが、つい先日までは小さいもの位しか造れなかった。
まぁそれでも大分助かってはいるけどね。
なので姫、鬼クラスが造れるようになったのは僥倖だ。
問題は
幸い、今現在の
材料の
まぁ、欧州水姫を造った理由は、その他にもスペックやバックグラウンド等、いくつか有るのだが基本的には外見の大人っぽさがメインである。
まっさかー、趣味だけで私が選択するとでも?
…浮遊要塞よ、チョットOHANASHI、しようか?
「主様、私はどうしたら良いでしょうか?」
欧州水姫が首を少し傾けて尋ねてくる。
うーん、改めて考えても、私の個性すごいなぁ。
こんなのも造れるんか…自我持ってるっぽいよな?
現に今も『なぜ主様は指示を出してくれないのかなぁ?』とか、『何か不快にさせるようなことを言っただろうか?』といった不安そうな感情が流れ込んでくる。
不安、と言うことは。
好き嫌いの概念を認識し、それが動作の判断基準になっていること、期待と想定と言う、自我を持つもの同士の認識、相手の気持ちになって考えると言うことができる証左でもある。
つまり、個性が造った『自己認識が出来る生命体』だ。
連装砲君や浮遊要塞なんかは自我と言うよりも『AI』に近い行動理念だったんだがなぁ。
此方に反逆する可能性も有るか?
成る程、私の勘は、それは絶対に無いとしている。
こういうの、理由がありそうだよなぁ。
よーし、じゃあとりあえず、名前から決めようか。
「っ、はい!」
すっげー嬉しそう。
尻尾があったらすごい勢いで振ってそうな程、全身で『ホント!?やった!』を表現してる。
美人にこれやられて嬉しくないわけ無いやろー?
ちなみに名前は決まってるんだけどねー。
君は、今日から“ネル”だ。
「ネル」
そ。
宜しく、ネル。
「はい、主様に頂いたネルの名に恥じぬよう命を懸けて、仕えたく!」
堅いなぁ。まぁそれもいいキャラ出してるけどねぇ。
お国柄かな?
もしそうならジョンブル魂を警戒すべきかな?
名前の由来はさもありなん、
中身のロイヤル感は控え目かな。姿勢や仕草は上品なんだけども、私と言う主に対してだけなのか、元よりこういう性格になったのかは分からん。
ただ、原料となる
社会に潜むならば、この系統の娘を随時増やしていった方が良さそうだね。
うん、名前も決めたし、次にやらなきゃいかんことをすんべか。な?
「はい!」
じゃ、
「はい!…はい?」
次回、主人公の強さが明らかに!
・・・なるかなぁ?
次回は金曜になります。