黄金の暴君×永遠の二番手=星の皇帝(僕) 作:パンダコパンダ
そろそろ書き溜めが無くなる。やばい。
『年末。12月27日の中山。声は出せませんが、我々一人一人の声援が必ず届きます。拍手の一つ一つが背中を押します。我々の熱が、新たなスターホースを生み出します。
2020年の総決算。有馬記念。出走表をご覧ください』
| 枠 | 馬 | 馬名 | 展開予想 | 人気 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 1 | バビット | ◀︎◁◁◁ | 12 |
| 1 | 2 | ブラストワンピース | ◁◀︎◀︎◁ | 11 |
| 2 | 3 | サートゥルナーリア | ◁◀︎◀︎◁ | 4 |
| 2 | 4 | ラヴズオンリーユー | ◁◀︎◀︎◁ | 8 |
| 3 | 5 | ワールドプレミア | ◁◁◀︎◁ | 7 |
| 3 | 6 | キセキ | ◀︎◁◁◁ | 10 |
| 4 | 7 | ラッキーライラック | ◁◀︎◁◁ | 6 |
| 4 | 8 | ペルシアンナイト | ◁◀︎◀︎◁ | 14 |
| 5 | 9 | クロノジェネシス | ◁◀︎◁◁ | 2 |
| 5 | 10 | カレンブーケドール | ◁◀︎◀︎◁ | 5 |
| 6 | 11 | モズベッロ | ◁◁◁◁ | 16 |
| 6 | 12 | オーソリティ | ◁◀︎◀︎◁ | 9 |
| 7 | 13 | フィエールマン | ◁◀︎◀︎◁ | 3 |
| 7 | 14 | サラキア | ◁◀︎◀︎◁ | 13 |
| 8 | 15 | ズヴィズダツァーリ | ◁◀︎◁◀︎ | 1 |
| 8 | 16 | ユーキャンスマイル | ◁◀︎◀︎◁ | 15 |
『注目はもちろん! と2年続けてきましたから、ご覧の皆様はわかると思いますが、なんといってもズヴィズダツァーリ。春の天皇賞後、怪我が発見され、宝塚記念や凱旋門賞などのレースを回避しましたが、競馬史に残る三冠馬4頭のジャパンカップを制し、2年連続グランプリホースを目指して出走します。
このレースを制せば、永遠なる皇帝を超え、アーモンドアイと同じG1の冠を八つ被ることになります。そして、デビューから続く連勝記録は12に。何をとっても前人未到です。
対抗は、秋の天皇賞を2着。その前走宝塚記念では1着のクロノジェネシス。同じ19年組ですからね。19年牡馬といえばズヴィズダツァーリ。同年牝馬といえばクロノジェネシス。女がその底力を見せるのか、男が全てをねじ伏せるのか。
同じ同期馬で言えば、クロノジェネシスなどに後塵に拝しているカレンブーケドール。ズヴィズダツァーリで言えばサートゥルナーリアも要注意。本命はズヴィズダツァーリと言って良いですが、対抗乱立です』
「行けるか?」
先生の言葉に、僕は大丈夫だよ? と軽く返す。
いつも通り緊張はしていない。返馬で体をちゃんとほぐしてるから、輪乗りに混じる必要もない。
調子も悪くない。少なくともジャパンカップの時よりも問題ないはず。
内ラチ沿いに体力を抑えながら走って、向正面に入る下り坂で一気に前へ飛び出す。ジャパンカップのハイペースでもしっかり勝てたんだ。大丈夫。
「よし、枠入りだ。堂々と行こう」
そうだね。先生。
いつも通りの会話。いつも通りの枠入り。今日は奇数枠の一番最後なので、順番的に言うと一番真ん中。
お姉さんに引っ張られ、外から2番目のゲートに入る。
「よろしくね。ツァーリ」
『疲れた一年。変わった一年を吹き飛ばす最高の戦いを。夢を賭け、夢を駆けるレースを。第65回有馬記念。全頭揃い……。
スタートです』
目の前の鬱陶しさが解放されて僕たちは走り出す。
『さあ真っ先に飛び出したの1枠1番バビットと6番のキセキ。ブラストワンピースとオーソリティ。フィエールマンも前の方。全体的には飛び出したキセキが馬群を引っ張っています。すでに2馬身ほど離れて1番のバビット。
フィエールマンはここにいます。逃げ集団から1馬身。カレンブーケドールはその半馬身ほど離れております。ペルシアンナイトとラヴズオンリーユーが横並び。半馬身後ろにラッキーライラックとサートゥルナーリア。クロノジェネシスとサラキアが並んで正面スタンド。まばらな拍手を受けていきます。』
ペースは速い。去年の勝負と同じ感じ。
先頭がだいぶ飛ばしているように感じる。いつものパターンならキセキが飛ばして大逃げ決め込む感じかな?
『後方集団。モズベッロとユーキャンスマイルは後ろからの競馬。そして殿。ポツンと一頭走っていますは15番。投票一位。人気も1番のズヴィズダツァーリ。堂々と1回目のゴール板を通過し、第1コーナー。向正面に向かっていきます』
今日の僕のターゲットは、クロノジェネシスとサートゥルナーリア。
両馬とも基本的には中団グループとして足を溜める戦法をよく使うが、サートゥルナーリアは先行よりのため、どちらか自分に近い方を目安にする。と決めている。
実際のところは、向正面に入って上がっていき、後ろから来た僕にペースを乱されて行く馬が多いだろうから、そこに対応できそうな馬が、その二頭だという話らしい。
第二コーナーの下り坂を利用して、ハイペースだが少しだけ速度を上げる。
多分だが、前回の有馬でも最後届いたし最後の短いけど角度のある坂もある。バテたやつを外から抜くだけの簡単なお仕事。
『さあズヴィズダツァーリがゆっくりだが上がって行く。つられるようにラッキーライラックとラヴズオンリーユーも上がっているようだが、二頭はこの上がりに着いて行って良いのか?』
うん。大丈夫、大丈夫。
コースは違うけど、いつもの戦いでハイペースも勝ってる。
「行けるよ」
うん。先生の考えも一緒。
去年の有馬で勝ってるし、ジャパンカップでももちろん勝ってる。速いペースでも追い込みで勝てるなら、いつも通りの戦いでいい。
『内回り第3コーナー回りましてフィエールマンが3番手まで上がってきている。大逃げを決めているキセキだが大丈夫か? 上がってくるぞ? さあ直線!!』
向正面から第4コーナーの入り口までは全くの平坦。そして、4コーナーの終わりから降り、このコースで1番低いところに着くと、約300メートルの短い直線の間登り続ける。
4コーナーに移る直前。僕は先生の指示で、ロスにはなるが外側、先頭から6番手ほどでコーナーを曲がる。大回りになる分スピードは落とさなくて良い。
チラッと周りを確認すれば、9番のクロノジェネシスが最内で隙間を狙っていた。そしてその真後ろにサートゥルナーリア。
フィエールマンは少し外側なので、役者は全員前に固まった。
20年 ユメヲカケル 有馬記念
追いかけろ
嘲笑を払い除け 遥か先を 追いかけろ
『直線は300! 300しかないが外側から星帝! 内側には女帝のクロノが来ているが!』
鞭が入る。足を動かす。それの繰り返し。
芝の状態が良い外側。他の馬に邪魔されないコースを突き進む僕。
横側に広い視界には、クロノとナーリアが居るが、ナーリアの方が体勢は有利。そして、そのナーリアとは、半馬身ほど僕と差があるかな?
うん。流して勝てる。ナーリアは、いつもここで伸びない。
『ナーリア! ナーリアが伸びるぞ!!』
離されてしまった 18馬身という壁
だが 何度敗れてもその馬は 決して俯かない
僕は、体のルールを忘れていた。
顔を上げ走るサートゥルナーリアの末脚が、僕より少し前に来た時、踏み込んだ足にパワーが乗っていなかった。
なんで? そう思っても一度流して抜けた力は、すぐには戻らない。
『並んだ! 並んだ! ナーリア優勢! ナーリア優勢!』
幕が開いた あとは 戦うだけ
茨の中でも 道があるから歩み続ける
『ナーリア! ナーリアだ! 星帝を倒したのは、苦渋を舐め続けた同期のライバル!
サートゥルナーリア1着ゥ ウッ!!
ついに苦渋が、美酒へと変わった!!』
有馬記念
一度も諦めなかった馬が、世代の壁を越える。
僕は初めて、ゴール板を先頭で通過できなかった。
勝ってきたという実績と、勝てるという慢心が、僕を二着に押し留めた。
全力で伸ばした頭も、少しだけ届かなかった。
ゆっくりとスピードを下げて完全に止まるいつもの僕のいつもの動作。
だが、目の前にあったのは、皐月賞の誓いを裏切った事実。
何も考えられない。目の前が真っ白になる。
なぜ負けたのか。理由はわかってるが認められない。
「ツァーリ……。すまない」
どよめくスタンド。僕の首に顔を埋めて謝る先生。ウイニングランを終わらせて計測所へと向かうサートゥルナーリア。そしてその鞍上で喜びを爆発させるジョッキー。
負けた? 僕が?
ふざけるな。
全く動かなくなった僕を心配そうに見つめるお姉さん。
引いてターフから離れるように僕を動かそうとする先生。そんな二人に反応できないほど、僕の思考は一つに染まった。
ふざけるな。という言葉が脳を食い散らかす。
僕にくれた愛情を裏切り、二着という負けを届ける屈辱。
結局僕が動き始めたのは、サートゥルナーリアがターフから去った10分ほど後だったらしいが、正直よく覚えていない。自分に対する怒りで、何も考えていなかったから。
| 着 | 枠 | 番 | 馬名 | タイム | 人気 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | サートゥルナーリア | 2:29:9 | 4 |
| 2 | 8 | 15 | ズヴィズダツァーリ | 2:29:9 | 1 |
| 3 | 5 | 9 | クロノジェネシス | 2:30:1 | 2 |
| 4 | 7 | 14 | サラキア | 2:30:1 | 13 |
| 5 | 7 | 13 | フィエールマン | 2:30:5 | 3 |
一つ目の負け。敗因は油断と慢心。
サートゥルナーリアは、5度目の正直を勝利で飾る。
出走成績 12戦11勝 獲得賞金総額15億3000万
18/09/22/土 新馬戦 2000メートル
1番人気 1着 2:01:8 700万
18/11/17日 東スポ2歳s 1800メート
1番人気 1着 1:45:2 3,300万
18/12/28/金 ホープフルs 2000メートル
1番人気 1着 2:01:2 7,000万
2着 アドマイヤジャスタ 2:01:6 2馬身差
19/04/14/日 皐月賞 2000メートル
3番人気 1着 1:57:9 11,000万
2着 サートゥルナーリア 1:58:5 3½馬身差
19/05/26/日 東京優駿(日本ダービー) 2400メートル
1番人気 1着 2:22:5 20,000万
2着 ロジャーバローズ 2:22:5 アタマ差
19/09/22/日 神戸新聞杯(G2) 2400メートル
1番人気 1着 2:24:5 5,300万
2着 サートゥルナーリア 2:26:3 大差(約11馬身差)
19/10/20/日 菊花賞 3000メートル
1番人気 1着 2:58:9(WR) 12,000万
2着 ワールドプレミア 3:03:0 大差(約30馬身差)
19/12/22/日 有馬記念 2500メートル
1番人気 1着 2:30:1 30000万
2着 サートゥルナーリア 2:30:5 2馬身差
20/03/22/日 阪神大賞典(G2) 3000メートル
1番人気 1着 3:00:1 6700万
2着 ユーキャンスマイル 3:02:0 大差(約12馬身差)
20/05/03/日 天皇賞(春) 3200メートル
1番人気 1着 3:16:4 15000万
2着 フィエールマン 3:16:5 1/2馬身差
裂蹄
20/11/29/日 ジャパンカップ 2400メートル
1番人気 1着 2:22:9 30000万
2着 コントレイル 2:23:1 1馬身差
20/12/22/日 有馬記念 2500メートル
1番人気 2着 2:29:9 12000万 ハナ差
1着 サートゥルナーリア 2:29:9
次走 未定
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