黄金の暴君×永遠の二番手=星の皇帝(僕) 作:パンダコパンダ
追記、ごめんなさい。ブライアンって副会長だったんですね。
菊花賞の後、有馬記念を制した僕はテイエムオペラオー先輩に次ぐ年間無敗のウマ娘となった。その際メイショウドトウ先輩を引きずりながらやってきた件の先輩と初めて対面した。
サートゥルナーリアが所属するリギルに属しているらしいテイエムオペラオー先輩だが、とりあえずとにかくしんどい。気がつけばメイショウドトウ先輩が放つ、「救いはないのですかぁ?」という言葉に、ノータイムで頷いてしまうくらいに精神がやられていたと思う。
まあ、年間無敗を達成したことで、いろんな先輩と会うことになった。リギルに所属する先輩たちはほとんど顔を合わせたんじゃないだろうか。スペシャルウィーク先輩の友人であるセイウンスカイ先輩とはまったりお昼寝するときもあるし。あれだ、BNWの3人とはまだ顔を合わせてないね。
「で? なぜ僕を生徒会室に?」
そんな中、僕はシャドーロールの怪物と呼ばれる先輩ウマ娘。ナリタブライアン先輩に呼び出され、生徒会室のソファーに座らされていた。
「有名な御三方に囲まれると、僕としては気後れするというか……」
「たわけ。三冠戦後に全勝宣言までしておいて……」
やれやれと言った表情をするエアグルーヴ先輩。苦笑いを浮かべるシンボリルドルフ先輩。そして、無表情のまま突っ立っているナリタブライアン先輩。
「一応三冠は取りましたけど、僕の方が実績じゃ格下なわけで……。んで? 毎回こう言って始まってる気はしますが、本日の御用件は? 本題を始めませんか?」
「そうだな。単刀直入に言おう。春シニアの三戦後、海外遠征に行くという話は変わりないか?」
あー。そういえばだいぶ前に言っていたような気がする。けど、海外遠征の話ちゃんとしてないんだよね。沖野トレーナーに。スピカの面々はかなりの成績を残しているが、海外に対して何かできているわけじゃない。
スペシャルウィーク先輩はジャパンカップの人だし。
「一応計画ですね。出走するレースの選定中。っていうのが正しいです」
出たいレースは色々ある。
イギリスのキングジョージⅥ世&クイーンエリザベスステークス。
フランスの凱旋門賞。有馬に出れなくなるけど、香港の香港ヴァーズ。
UAEのドバイターフにオーストラリアのメルボルンカップ。
これを来年と再来年で完成させたい。まだ、この体で飛行機に乗ったことがないからどうなるかはわからないけど、耳がいい分少し不安ではある。
「そうか。まず一つ目の話だが、チームスピカには海外遠征の経験がほぼ皆無だ。少なくとも、今の沖野トレーナーにそう言った経験は無いと言っていい。失礼な言い方だがな」
「はあ」
「ただ、我々が所属しているリギルでは海外遠征の経験がある。良ければ、君の海外遠征を援助したい。と言うわけだ」
あー。なるほど。引き抜き?
「安心しろ。これはあくまでも提案であって強制ではない。そして貴様をリギルに引き抜くわけでもない」
「ああ、グルーヴの言う通りだ。ただトレセン学園に所属するウマ娘の中で、海外遠征を行えるほど実績を積んだウマ娘が少ないのも事実だ。だからこそ、チームの垣根なく学園のものとして援助をしたいと考えている」
まあ、もっともらしい理由だね。
時としてかなりの権力をこの学園の生徒会は握ってるのだ。全ウマ娘のために。と言っておけば丸い。
ただ、ここで素直に頷かないのがこの僕!
大魔神に散々やられたからな……。ここで僕はこう言う!!
「それで条件は何でしょう? 流石にタダでこんな提案はしないでしょう?」
僕の問いかけの答えは、生徒会に入れ。
「君も知っているだろうが、この学園の生徒会には権力がある。だからこそ、ただの生徒を生徒会に入れるわけにはいかない。セントライト先々代やシンザン先代の様に、千代続く様な名声を持つ生徒でなければ、生徒会長の座になれない。なんて言ったって、生徒会長は学園の顔だからだ。有智高才で冠前絶後の存在でなければならない」
あれ? 会長の後ろにいるエアグルーヴ先輩のテンションというか、やる気が下がっている様な気がせんでもないけど、何だ? なんか会長の言葉に変なものでもあったか?
「私が卒業すれば、次に生徒会長になるのはナリタブライアンだ。彼女も私と同じく三冠ウマ娘。実力も、全体の上から数えた方が早い」
「それで? ナリタブライアン先輩の次は僕ですか?」
「構想。ではあるがな」
君と同じで。と笑う生徒会長。
「もし生徒会に入ってくれるのであれば、役職は一応書記という名の庶務になるだろう。実際、書記に関してはエアグルーヴが今はやってくれているから色々教えてもらうといい。とりあえず、君が本格的にシニア期を過ごす前に伝えたかったのだ」
1、海外遠征の援助とアドバイス
2、生徒会への勧誘
「あれ? テイエムオペラオー先輩は年間無敗なのに選ばれないのですか?」
「たわけ。アイツが何か引っ張れる様なタイプだと思うか」
「ドトウは引っ張ってる」
いや、ナリタブライアン先輩? ノータイムで返すのやめて? 飲み物飲んでたら吹き出してたよ。少し前に会ったしね。
とりあえず一度咳払いをして、話を戻す。
「海外遠征に関してはまだ本格的な話をトレーナーにも出来ていないので、持ち帰らせていただきます。ただ、生徒会入りに関しては……。このソファーで寝転がってても良いなら?」
「おい」
「いや、それで構わない。クラシック期を終えたんだ、海外挑戦のためにも息を抜ける場所が必要だろう。ルームメイトは?」
「菊花賞の後から僕にビビって辞めました」
まあ、同じ空間で仲良しこよししてた人が、三冠だけじゃなくてウマ娘でも考えられない様なタイムで勝ったんだから、化け物を見る様な目で見られた。私はあなたみたいになれないとかなんとか。
名前も覚えていないが、少なくともあの子達は必死で食らい付いてきた。努力という人事を尽くしていないのに、勝利という天命を待つなど烏滸がましい。
「不甲斐ない……」
どうやらナリタブライアン先輩も同じ意見らしい。
「一人部屋で辛くはないだろうが、ここに居ればある程度人の出入りはある。チームルームに入ればトレーナーがメンタルケアをしてくれるだろうが、同性同士、近い年齢同士話しやすいこともあるだろう。まあ、細かい話はトレーナーと話してくると良い」
「という話がありまして」
と、チームスピカの面々に話をすると、みんながみんなして驚きの声を上げていた。
「つ、ツァーリさん海外に?」
「リギルって、移籍!? スズカさんの逆!?」
「凱旋門賞……」
「世界一……」
「よし、一緒に世界を獲るかツァーリ!」
「えー! カイチョーと一緒にお仕事するのー!」
と、上から順番にメジロマックイーン先輩。スペシャルウィーク先輩。ウオッカ先輩とダイワスカーレット先輩。そしてゴルシとテイオー先輩。
肝心な沖野トレーナーはというと、頭を抱えて蹲り、呪詛の様な何かを吐き続けていた。
「チーム予算チーム予算チーム予算チーム予算チーム予算……」
あっはっはー。呪詛じゃないならまあいいや。あと、テイオー先輩だけ生徒会の話をしているのは、会長への愛ということにしておこう。
「はい。これが今考えてるローテーションです」
そう言って、蹲って動かなくなっていた沖野トレーナーを起き上がらせると、一枚の紙を渡す。
大阪杯、春の天皇賞、宝塚記念からなる春シニア三戦。
そして英国のキングジョージⅥ世&クイーンエリザベスステークス。
フランスの凱旋門賞。同年の有馬記念には出走せず、香港の香港ヴァーズ。
ここまでがシニア期1年目の希望ローテーション。
2年目はドバイターフから始動し、国内の宝塚記念で久しぶりに日本を走る。
オーストラリアのメルボルンカップと秋の天皇賞は日にちが近いが、フランスからよりオーストラリアからの移動の方が楽なはず。
そして最後は秋シニア三冠。秋の天皇賞、ジャパンカップ、有馬記念を制して引退。
「アメリカに行くタイミングがないんですよね。できればアメリカも行ってみたかったんですけど」
「行ってみたいで行けるものでもないと思いますわよ。ツァーリさん……」
「でもまあ、リギルの方々が手伝ってくれるなら、割とできそう? なんじゃないの?」
自由が売りのスピカだが、本当に自由な感想を述べている。まあ、こっちとしては変に反応される方が嫌なので、ありがたいっちゃありがたい。
「あー。わかった。とりあえず1つ! 海外遠征の件はおハナさんに聞いておいてやる。それとたづなさん通して理事長とも。それで、2つ目! 生徒会入りは別に好きにしろ。練習と学業をおろそかにしないなら問題ないからな」
げ、たづなさん苦手なのに……。会う度会う度口元笑ってるけど目が殺す気なんだよね。おねーさん。
「はい。あ、凱旋門賞の前にカドラン賞って出られます? 4000のレースとかあっちじゃないとないじゃないですか」
いや、みんなそんな死んだ魚みたいな目するのやめてください。本当に。うん。やめて?
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