黄金の暴君×永遠の二番手=星の皇帝(僕) 作:パンダコパンダ
新年度になった。
この学園の顔であったシンボリルドルフ先輩は卒業し、同学年のミスターシービー先輩やマルゼンスキー先輩も卒業した。
それに伴い生徒会は、ナーリアを新しいメンバーとして迎え、ブライアン会長を筆頭に、グルーヴ副会長。ツァーリ書記。ナーリア会計の四人で運営されていく。
そして、今年、テイオー先輩とメジロマックイーン先輩に懐いているウマ娘が入学する。
一人はキタサンブラック。謎にテイオー先輩に憧れているウマ娘で、僕はその日いなかったが、先輩の引退騒動の時彼女のおかげで復帰し、有馬記念で執念の勝利を見せた原因のウマ娘らしい。
もう一人はサトノダイヤモンド。こちらは謎にメジロマックイーン先輩の大ファンである。キタサンブラックとは幼馴染らしいが、体が仕上がってないことから、キタサンブラックと同年のデビューとはいかないだろう。
「んで? なんで僕は2回もこれを受けてるの?」
「こうでもしないとあんたが捕まらないからよ」
なぜかはわからないがズダ袋に入れられた僕は、チームルームに運ばれ、いつかと同じように椅子に括り付けられた。
「まあ、確かに? 去年ほとんど海外いたしね。んで? 用件は?」
「最近お前が悩んでるって聞いてよー。鍋しねぇ? キムチ鍋」
「ゴルシ。僕は辛いのが嫌いだ」
「大丈夫大丈夫! 比較的甘いの買ってきたから。キムチ鍋祭りだぜ?」
「え!? 祭りですか!!」
「準備万端ですね! 私、鍋パーティーなんて初めてです!」
両手に持ったビニール袋には、大量のキムチ。そして、祭りという言葉に反応したのはキタサンブラック。そして、若干ずれたことを言うサトノダイヤモンド。
「おいゴルシ。キムチに水ぶち込んで煮込んでもキムチ鍋にはなんねぇよ……。てかお前ら3人とも驚いてんじゃねぇよ。知っとけよ」
「や、やっぱり、おおおおかしいと思ったんですのよ」
うん。メジロマックイーン先輩はわかってなかったな。てかスペシャルウィーク先輩は? こういうの知って……。目ぇ逸らすなよてめぇ。ツァーリちゃんボンバーが火ィ吹くぜ!
「まあいいですけど……。それより、眠いよ。ふぁ……」
そういえば、この前授業サボって屋上で昼寝しようとしたら、セイウンスカイ先輩と会ったんだっけ。なんか気に入られた記憶が。
「とりあえずキタ、ダイヤ。二人はツァーリ挟んじゃいなさい」
ダイワスカーレット先輩の指示を受けた二人は、そのまま僕の両腕を掴む。
いや、可愛い子に引っ付かれるのは嬉しいけどね?
「キムチは嫌だなぁ」
ちなみにこのキムチ鍋パーティーはチームルームにて行われたため、その日から当分の間キムチの匂いが充満し、僕は日本を離れるその日までチームルームに寄り付かなかった。
周囲のチームルームにもキムチの匂いがついてしまったことで、沖野トレーナーは先輩たちにめちゃくちゃ怒られたらしい。
「ツァーリさんって、どんな人なんですか?」
ことの始まりは、チームスピカに入った一人、キタサンブラックの一言だった。
「怪物よ。かいぶつ!」
「怪物っつーより、バケモンじゃねぇか?」
「うーんと、魔王?」
「探究者。というべきでしょうか?」
「すっごい強くてカッコいいんだよー!」
「何言ってんだよお前ら。ツァーリはツァーリだろ」
そんなことを言うチームスピカの面々。
「そういえばツァーリについて知ってることって何かある?」
という話に変わる。
みんなが口々に言うのは、生涯無敗を誓っていると言うこと、食事量が多いこと。趣味が睡眠で、学業は基本中の下あたり。そして時々、変な名前の人物に対して謝ってる。
「ねえねえゴルシ? ゴルシはツァーリと仲良いけど、先生ってどんな人か聞いた?」
「ん? 知らねー。あいつのかーちゃんなら付き合いあるぜ? つってもすげー昔のことだから、ツァーリのかーちゃんがこっちのこと覚えてるかは知らねーけど」
情報として知ってることは沢山ある。
芝のコースが得意で、パワー型。追い込みが合っているタイプで、長距離が異常に強い。
「菊花賞とかバケモンだからな。あれ」
「わたくしたち菊花賞を経験している者から言わせていただくと、デタラメもいいところですわよ。3000メートル三分切りなんて、後にも先にもツァーリさん以外できませんもの」
海外で既に四勝。イギリスにフランス。香港とドバイで勝利を収め、マスコミからは世界皇帝。なんて呼ばれる存在。ドバイでは、ツァーリの出走が発表された時に4人出走を取り消してる。そんな、出れば勝つと思われてる存在が彼女。
けどな。と、ゴルシが止める。
「けど、ツァーリは寂しがりやだから、構って構って構い倒しちまえよ?」
「もちろんやりすぎはダメだよ? エルちゃんがそれでツァーリちゃんに殺されかけてるから」
殺されるってどう言うこと!? と、キタサトの二人がパニックに陥っていた時、チームルームの扉が勢いよく開かれた。
「沖野トレーナーは!?」
扉を開けてやってきたのは、チームリギルのサートゥルナーリア。
「おうおう、今いねーぞ」
「かしこまりましたわ。沖野トレーナーが戻ってこられたらBターフに来るようお伝えください」
「何があったんですか?」
「何って、リギルの新人二人が、ツァーリさんに喧嘩を売ったんですのよ。自分たちの方が強いって」
強い? ツァーリさんより?
スピカの面々は頭の上にクエスチョンマークが浮かんだ。
「その二人の名前は?」
「コントレイルと、エフフォーリアですわ」
「おい、何やってんだよお前ら! こんな面白そうなこと、全力でやりに行かねぇと!!」
一人だけ満面の笑顔を浮かべるゴールドシップ先輩に、みんなキョトンとした顔を見せる。が、次の一言でキタサンブラックがもって行かれた。
「何やってんだよキタサン! これは、トレセン学園名物、喧嘩祭りだぜ!!」
こんと? エフフォ? 死ぬ気か?
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