黄金の暴君×永遠の二番手=星の皇帝(僕) 作:パンダコパンダ
あと、書き溜めないから明日落とすかも。
メルボルンカップの日程勘違いしてました。
でも、メルボルンカップを外すと、海外の長距離レースができなくなるので、目をつぶってくれると幸いです。
なんかうん。日程早まったと思ってください。
ほんとごめんなさい。
俺、コントレイルには倒さなければならない相手がいる。
ズヴィズダツァーリ。星の皇帝だのなんだの呼ばれてる奴。
走れば絶対に勝ち、どんな相手にも負けない奴。そんなやつに勝てと、両親は口を酸っぱくして言っていた。
しょーじき気に入らない。
俺は地元じゃ最強だった。
他のどんなウマ娘と戦っても負けたことどころか、影をふませたこともない。そんな俺に、両親はあいつに勝てだなんて言う。
凱旋門賞の走りを見て、ミスターシービーのようなバカ見てぇだなんて笑ってたら、あいつはそのまま勝ちやがった。日本のウマ娘が不利って言われてるロンシャンで。
「おいお前。強いの?」
目の前であくびかましたやつが、俺のことを見てニヤリと笑いやがった。
「うん。強いよ? お前より強いね」
ムカつく。本気でムカつく。
「俺と勝負しろ。ダービーとおんなじ距離で」
「良いよ? 泣かしてやるから楽しめよ。コントレイル」
なんで俺の名前知ってんだよ。とは言えなかった。その前に、同じクラスのスカシ野郎が口を挟んだから。
「なら。私も交ぜてくださいよ」
もう一人のこいつはエフフォーリア。双子の姉にデアリングタクトとか言う優等生がいて、その姉に勝つために必死になってるやつ。
口を開けばダービーダービーうるせぇやつだ。なんか知らんが、ダービーに勝って無念を晴らすとか言ってた。
「あなたに勝てば、私が世界一でしょ?」
「そんな簡単に決まれば面白いけどね。良いよ? 二人ともまとめて潰してあげる」
俺の目には、目の前にいる存在が悪魔にしか感じられなかった。
それほどまでに強い圧を浴びせられていた。こんな奴に勝つって? やってやんよ。
「あ、ナーリア。15分後くらいに模擬戦するからさ、ゲート出すの手伝ってよ」
「は? え? なんですのいきなり」
「だから、そこのクソガキ二人ボコボコにして泣かすからゲート出すの手伝って?」
クソガキ? 誰がクソガキだって?
「誰がクソガキですか!!」
「世界ランク1位の僕にただの新入生が喧嘩売ってる。礼儀がなってない。そんなクソガキを躾ける。別に悪いことじゃないでしょ? それに、僕に真正面から向かってくる後輩って一人もいないから、可愛がってあげるよ」
「と、とりあえず東条トレーナーと沖野トレーナーを呼んできますから、絶対何もしないでくださいよ! 絶対ですわよ!!」
「え? なんで13人もいるの?」
僕は、集まった面々を見てそう言う他なかった。
僕、コントレイル、エフフォーリアは分かるとして、なんで?
ダービーウマ娘のウオッカ先輩。ウイニングチケット先輩。
それに海外遠征じゃお世話になったエル先輩。ビワハヤヒデ先輩なんかもいる。
ついでにツインターボ先輩とイクノディクタス先輩も。
同期以下でいえば、クロノとロジャー。
キタサンブラックとサトノダイヤモンドなんかもいる。
あ、ウオッカ先輩が出るならとダイワスカーレット先輩もやってきた。あの人2400走れるの?
ちげーわ。あの人有馬記念で勝ってんだ。
ほかにもちらほらと見たことのある顔が集まっている。
「いや、なんで?」
「さあさあさあ! みんな集まれ!! 新進気鋭の新入生が、世界最強のズヴィズダツァーリに喧嘩を売ったぞ!! それに合わせて、各学年の最強ウマ娘たちがこぞって参戦!! トレセン学園名物の、喧嘩祭りだぜ!!」
いや、ゴルシ、何やってんの? 何しれっと長机とマイク準備してんの?
「特別出走、枠抽選というか、奪い合いです!」
まあいい。枠は抽選ではなく適当ということで、僕は迷わずに二枠二番を選ぶ。ツァーリは追い込みだから大外で良くない? なんて言うロジャーは無視だ。13人立ての2ー2は絶対譲らない。
僕の隣である一枠一番は、喧嘩の末にコントレイルがとった。
ちなみに、このレースで走るのは僕たち三人だけ。だと思う。ロジャーは割とやる気っぽいけどね。
「さあ、解説のマックイーンさん。このレースどう見ますか?」
「え!? わたくしが解説いたしますの!? そ、そうですわね」
「ありがとうございます解説のマックイーンさん」
「まだ何も言っておりませんわよ!!」
このレースで使われるターフは練習用Bターフ。コースは基本的な楕円形であり、ポケットは2箇所。香港の沙田レース場に似た形。ただ、平坦な沙田レース場とは異なり、左回り。そして、向こう正面中盤から坂が始まり、第3コーナーで6メートル登る。中山レース場を逆走してるような感覚のコース。
最終直線は420メートル。4コーナーの下りから平坦な直線に移り、ゴール盤までの1ハロンで3メートル登るバカみたいにスタミナを使うコース。
「ふぁー。眠っ」
だらけ切った僕の周りで、他のウマ娘が準備運動を始める。
体を動かして温めたり、ストレッチをしたり。いくら中継で見慣れてるとは言え、実際にこの僕の立ち振る舞いを見て驚いてる。
いつのまにか指示出しする人も現れて、僕達はゲートに入った。
「よーし、出走じゃーい!」
ゲートがバコンっ!と開いて、僕達は飛び出す。
「さあゲートが開いて、飛び出したのはツインターボ! ツインターボがめちゃくちゃに逃げる! 続くのはチームスピカの新人キタサンブラック。そしてダイワスカーレット。ジャパンカップを勝った今代の日本総大将ロジャーバローズが横並びですが4番手です」
「意外と普通に実況するんですの?」
「あたりめーだろマックちゃん!
さあビワハヤヒデはロジャーから半バ身。そこからさらに1バ身離れてクロノジェネシス、サトノダイヤモンド、エフフォーリア、コントレイルと4人が固まってその後ろにエルコンドルパサーが続き先行グループを形成しています。
イクノディクタススタート出遅れの加減で後ろからのレース。しっかりと対応ができるか! ウオッカも後方。そして新時代の旗手ウイニングチケットは後ろから2番。いつも通りの戦い方でダービーウマ娘の意地を見せられるか!」
1コーナーに入り、位置取り争いも落ち着いた。まあ、そもそも僕は一人旅だから位置取り争いとか関係ないんだけどねぇ。
「さあ最後方のんびりと一人旅状態のズヴィズダツァーリですが、どう見ますかマックイーン」
「そうですわね。Bターフの特徴である2箇所の坂。そこでペースが落ちることを考えると、ウイニングチケット先輩に」
「ありがとうございます」
「せめて言い切らせなさい!!」
スピーカーから流れる芦毛二人の絡みにクスリと笑うが、メジロマックイーン先輩の言ってる事は当たってる。
僕とウイニングチケット先輩には3馬身くらいの間がある。これは前に近くない方が中団とか前の位置が見やすいとか色々あるんだけど、まあそこは良い。
2コーナーを抜けたことでピッチ走行から徐々に歩幅を広げていく。
「さあ向正面に入ってズヴィズダツァーリ仕掛けてきた。ウイニングチケットにジリジリと詰め寄り?そのまま交わす!」
ウイニングチケット先輩とウオッカ先輩の。そして、ペースが乱されていたイクノディクタス先輩を交わした僕は、そのまま第3コーナーの坂で一気に詰める。
「そんなとこいたら2人とも最下位だね」
コントとエフフォの横を抜ける時に一言だけ呟く。嘲笑い、見下し、盛大に舐めた態度をとって呟く。
「舐めんな!」
「クソがっ!」
坂にやられたツインターボとキタサンブラックがズルズルと落ちていく。入れ替わるようにダイワスカーレット先輩とロジャーが前へと進出し、ビワハヤヒデ先輩とクロノも3〜4番で前を伺う。僕はその二人の外側5番で坂を登り切る。
「坂ある分早く入る」
「なんだ?」
頭は小さいが毛量が多いビワハヤヒデ先輩の横で呟いた僕は、そのまま飛び出す。
ダイワスカーレット先輩が落ちてきたこともあって、第4コーナー手前で僕は2番手。前にいるのはロジャーだけ。
「あがるな」
「ズヴィズダツァーリがもう2番手! 下り坂を利用して一気にスピードを上げていきますズヴィズダツァーリ! 先頭は抜け出したロジャーバローズだがその差は僅か1バ身ほど! 逃げ切れるか海賊王!!」
「問題のコントレイルさんとエフフォーリアさんは6〜7番手あたりでしょうか? 少しキツそうですわ。シニア期に入ってる皆さん相手に新人ウマ娘は厳しかったでしょうか?」
4コーナーを回り切った僕は末脚を爆発させロジャーを交わす。彼女も負けじと伸びてくるが、残り1ハロンの坂で勝負がついた。
「強い! 強い! 強すぎるズヴィズダツァーリ!!2番手からは4バ身差で楽々の圧勝!! コレが世界王者の力だー!」
2番手は、最後の直線でロジャーを差し切ったビワハヤヒデ先輩。その次がロジャー。ウイニングチケット先輩、エルコンドルパサー先輩がクロノの前でゴールしている。
ウオッカ先輩とダイワスカーレット先輩はハナ差でウオッカ先輩が前。
イクノディクタス先輩を間に挟んで新入生四人が固まってツインターボ先輩がビリッケツ。
「コントレイル、キタサンブラック 、サトノダイヤモンド、エフフォーリアの順ですが、四人固まった原因はなんでしょうマックイーンさん。……ありがとうございます」
いやいやゴルシ? 一言くらいは言わせてやりなよ。
よし。とりあえず、クソガキ二人に話しかけるか。
「お疲れコント。エフフォ。見事な惨敗っぷりだね」
「う、うるさい」
「おうおうキレてるキレてる。二人とも、負けることは悪いことじゃないよ。恥ずべきことでもない。ただ、許せない負け方以外はどんな負け方をしても良い」
ゴール番の奥で地面に倒れている二人。そんな二人の頭をわしゃわしゃと乱暴に撫でる。
「僕は君たちみたいに真正面から来てくれるような相手が少なかったから嬉しかったよ。一緒に走ってくれてありがとう」
二人とも良い素質がある。しっかりと体を作って東条トレーナーや先輩方に色々教えて貰えば光る。
「僕はどんな相手にも負けるつもりはないけど、成長した君たちが、いつか僕の喉元に噛み付けるくらい強くなるのを期待してるよ」
起き上がったコントレイルは、僕の目をしっかりと見て、ハイ! と元気のいい返事を返し、エフフォーリアは涙目で顔を逸らした。
この反応も懐かしいや。
レース後。僕はエアグルーヴ先輩と沖野トレーナーにしっかり怒られた。そしてコンエフコンビはエアグルーヴ先輩と東条トレーナーに。
まあその後東条トレーナーには二人の走りがどうだったか尋ねられたりしたけどね。
「コント、エフフォ。お前ら僕に負けたから今日僕に付き合って」
「え?」
「はぁ?」
「ご飯食べいくよー。やっぱ日本にいるなら蕎麦だろ蕎麦。蕎麦食うぞー」
瞳をキラキラさせたコントレイルと、ぶつくさと文句を言いながらもついてくるエフフォーリア。二人ともそのうち僕の舎弟と呼ばれるのだが、そこはまぁ一旦後でもいいだろう。
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