初心者なのでお手柔らかにお願いします。
一人の少年が歩いていた。
ぼさぼさの髪に学ランを身に着けている、時間帯からして下校中の学生というところだろうか。
だが彼の様子はどこか危なげな雰囲気を纏っている。フラフラとした足取り、目には生気が無くその視線はただ一点、両手に抱えられたボロボロのノートに注がれていて、何やらブツブツと独り言を唱えている、
彼の名は『緑緑谷出』、彼は、時にクラスの生徒や昔馴染みからもひどい、いじめを受けている少年だ。
それでも前を向いていられたのは彼には幼い頃からのある[夢]があるからだ。
ー始まりは中国【発光する赤子が産まれた】というニュースだった!
世界の総人口約八割が何らかの【特異体質】であるという世の中で
かつて誰もが空想し憧れた一つの職業が脚光を浴びていた!!
そんな時代に産まれたれば、誰もが憧れる職業それこそが、《ヒーロー》
無論、緑谷出久もその職業に憧れた一人の少年である。
だか今の彼はその輝かしい夢を諦ようとしていた。
緑谷side
「はぁ」
無意識のうちに、ため息が零れる
今、自分は人生最大の挫折を味わっている。
幼い頃から掲げた夢、その夢を真っ向から否定された気持ち
更にはそれを諭したのが、あの『オールマイト』なのだから。
この超人社会を生きる者にとっては、誰もが知るビッグネーム
その名を知らしめるきっかけとなったのは、たった一本の古い動画だった、
辺りの建物は一つ残らず倒壊し所々から黒煙が上がっている。
その壮絶な状況を見れば生存者の救出など誰が見ても絶望的だった。
「HAHAHAHAHAHAHA」
「もう大丈夫!
なぜって!?
私が来た!!」
その場所には、余りにも不釣り合いな笑顔をした
何時しかそのヒーローは、『平和の象徴』と呼ばれた。
多くの人に愛され、誰もが尊敬する、そんな理想のヒーローそれこそが『オールマイト』である。
そして
憧れ、そしてヒーローという職業にのめり込んでいった。
そして数時間前そのオールマイトと自分は奇跡的にも出会った、出会いそして知った。
ヒーローはいつだって命懸けだ、力の無い…無個性の自分には入っていける世界ではない。
(プロヒーローのトップまで言うんだ、これが現実だ初めから分かっていたことじゃないか)
涙を堪えながら必死に自分に言い聞かせる。
本当は自分でも分かっていたことだ、それでも目をそらし続けた。
僕は現実から目を背けて此処まで来たんだ、無個性なんてどうしようもない誰のせいでもないんだ。
ふと、足を止める自分の歩いている道の反対の歩道に人だかりが出来ている、派手な爆発音と野次馬の反応からして恐らく、またヒーローが交戦しているんだろうと察しが付いた、すると自分の足が人混みに向かっている事に気付いた。
(おいおい、クセでつい来ちゃったってか、やめとけ今は虚しくなるだけだって)
人混みの隙間を縫ってヒーローに抵抗しているだろう
「....!?」
(あいつなんで!!?)
嫌でも思い出すその
(でもなぜ?)
(あの
考え一つの結論にたどり着いた。
「僕の…せい…」
(僕が余計な事をしなければ、それに今
「なんでヒーロ棒立ちなんだよ」
「中学生が捕まってんだと」
(捕まってるって…あの苦しいのを耐えているのか)
すごいと思う反面、更に罪悪感が吹き出してくるのを感じた。
(ごめんなさい、すぐに他のヒーローが来てくれるから…誰か…ヒーローがすぐ…)
煙の中から人質となった少年の顔が見える…それは今にも泣き出してしまいそうな…
瞬間、体が跳ねるように、前に出た!
ヒーロー達の制止も無視し我武者羅に走る、(なぜこんなことを?)自分に問いただすも分かる筈もない
今は考えるよりも体が先に動いてしまう。
「爆死だ」
右腕を構え
僕は、咄嗟に通学用のカバンの中身を
思わぬ行動に怯んだ一瞬の隙を狙い、爆豪の救出を試みる。
だが、自分の掌は流動的な
「かっちゃん!」
一心不乱に両腕を引っ掻き水をかき回す様な動作を続け、必死に爆豪を引っ張り出そうとするが空しくもその行動に効果は見られなかった。
「なんでッ!てめぇがッ」
不意に爆豪の怒号が響く、その声も形相も全てが怒りに染まっていた。
「ッざけんな! 無個性のカスが何やって「解ってんだよッ!」
爆豪の言葉を遮ったのは、他でもない
(解っているんだ、自分じゃ何もできないって事は、でも…それでも)
「君が 救けを求める顔してた」
今自分に出来る、精一杯で不格好な笑顔を作りながら答えた。
突然、体が引っ張られ後方へと投げ出され、気づけばある人物の後ろ姿を見ていた。
恐らくこの状況を危険と判断したヒーローに引き剥がされたのだ。
「かっちゃんは?」
すぐに、立ち上がりかっちゃんに視線を移す。
「なッ…」
思わず驚愕の声が漏れる。だがその声の持ち主とは、以外にも
「どーなってんだぁぁぁ!」
大声で喚く
「俺の隠れ蓑がああ」
何がともあれこれで最悪の事態は免れたのだ。
つい癖で目の前の人物は一体何者なのだろうかと、考え耽るところだった。
「ナイスだッ!少年よ」
聞き覚えのある声が辺りに響いた。
「Detroit smash!」
その衝撃の余波でさえ、巨大な自然災害を思わせるほどである。
暴風が辺りに吹き荒れる、僕は木の葉の如く吹き飛ばされそうになるがオールマイトが腕をがっしりと掴んでいたお陰で何とかその場に留まった。
体感からして…約20秒程、ようやく風が止み目を開けると…
「なんだ…あんたも居たのかオールマイト」
人間が軽々と吹き飛ぶそんな普通なら立っていることも出来ない状況下で男は平然と立っていた
男をよく観てみると、背丈こそ180近く大人びて見えるが学制服を着ている、黒く額が見える程度の短髪で
何よりも目を惹くのは男の顔だった。顔の右側には傷跡が残っている、まるで潰れた顔の皮膚を無理矢理つなぎ合わせた様な歪な傷跡、なまじ左側は整っているだけに余計酷く目立つ。
自分は目の前の男にどこか見覚えがあった。
すると辺りが騒めき始める「…雨?」「まさか今の風圧で…上昇気流が…」「腕一本で天気が変わっちまった」 「これが『オールマイト』」
気が付くと雨が降り始めている。
周りで起こるオールマイトへの称賛と喝采、突如として現れ圧倒的な力で
「ッそうだ かっちゃんは?」
畳み掛ける様な突然の連続で思考が散漫になっていたが、すぐにかっちゃんの安否を確認する。
「安心しろ」
男は短くそして簡潔に唱える、すると右目の周りから『ズズズ…』とまるで空間が捻じれ渦を巻く様に歪んでいく
数秒程で歪みの中から吐き出されるようにかっちゃんが出てきた。
一瞬何が起こったか理解できない様子だったが、持ち前の判断能力で自分の状況を理解したようだ。
「ッテメェッ」
かっちゃんは何時に無く余裕の無い表情で男に掴みかかった。
男はかっちゃんの突然の行動に眉をひそめている
「ちょ…かっちゃん」
何とか止めに入ろうとするがかっちゃんの一睨みで簡単に委縮してしまう。
今にでも殴り合いの喧嘩が起きそうな雰囲気が両者の間に漂っている。
「ストープッ」
二人の間に割り込む様に入ってきた、大きな影『オールマイト』その人だ。
「いやいや、なんで君らが険悪ムードなの?」
どうやら二人の不穏な空気を感じてきてくれたらしい
(助かったぁ~)
僕は心から安堵した。
「どけやッ オールマイトッこれは俺の箔の問題なんだよッ」
あのオールマイトが仲裁に入ったのに臆す事無く、寧ろ威勢よく突っかかって行くのは流石かっちゃんだとある意味、感心してしまった。
「口悪ゥッ」
「まあ兎も角こうして二人とも大事無い訳だから落ち着いて、それに公共の場での個性の使用なんて後が怖いぞ」
かっちゃんの態度には聊か驚いた様だが、流石オールマイトこれにはかっちゃんもタジタジだ。
かっちゃんには『雄英高校入学』という譲れない目的が有るここで問題でも起こせばいくら箔のためだといえ本末転倒だ。
「チィッ」
盛大な舌打ちを放ち、掌を収める。
どうやら新たな問題は大事にならずに済みそうだと胸をなでおろす。
オールマイトはやけにキレのある動きで傷の男に振り向くと
「ところで、まさかこんな場所で君に出会うとは『うちは』少年!」
「え...」
意図せず己の口から驚愕の声が漏れた、同時に目の前の傷の男に感じていた既視感の正体が解った。
『うちは』
とある男のヒーローネームであり本名、10年程前に引退したヒーロー『うちはマダラ』彼の実力は未知数でオールマイトにすら並ぶ物と噂される程の実力者、引退当時の彼はまだまだ現場で十分活躍できた。
今でも時々、現場復帰を希望する声が上がる程、だが逆に彼に対して非難の声を上げる者も少なくは無い
その『うちはマダラ』と『傷の男』がどう繋がるか、答えは『うちはマダラ』の引退理由にある、
マダラの個性は『須佐能乎』と呼ばれる発動系の個性、自分を中心に半透明な巨人とその武具を出現させるもの、一見、強個性だがオールマイトに並ぶと言われたら、どこか違和感がある、だがこの個性の神髄は単なる巨人化ではない。この個性の真の強みは巨体から繰り出す圧倒的な破壊規模と鉄壁すら超えた絶対防御まさに『矛』と『盾』そしてこの個性には幾つもの進化段階があるという事、『うちはマダラ』はインタビュー時に『己の生涯で一度も相手に本気をぶつけた事は無い』と断言するほど彼の強さは底が知れない異次元の物なのだ。そんな彼の黄金期とも呼ぶべきヒーロー活動はある凄惨な事故により終わりを告げた、
うちはマダラはその責任を負いヒーロー免許を剝奪、実質的な永久追放となった。
唯一の生き残りである少年を養子として迎える事を公表し、うちはマダラというヒーローは表舞台から姿を消した。
「オールマイト、悪いが俺はそうゆう風に呼ばれるのは嫌いだ、呼ぶなら下の名前にしてくれ」
少年が不機嫌そうに答えた、そして少年は『うちは』を否定しなかった、やはり目の前のこの少年が一家唯一の生き残りでありうちはマダラの養子なのはオールマイトとの会話から間違いないのであろう。
「HAHAHすまないな、しかし君とこうして会うのは何年振りかな?『オビト』少年」
やっぱりそうだ『うちは』の名前ではなく、『オビト』自身に感じた既視感それは、2年前に
強行手段を行う訳にもいかずヒーロー達は事態の悪化を防ぐ為にも傍観に徹するしかなかった。
事件解決まで誰もが長い時間を要すると考えていたその時だった、堅牢に閉ざされ、もはや開かずの扉となり果てた正面入口から突如、『顔に歪な傷跡が付いた学生服の少年』が出てきたのだ、だが扉を開けて出てきたのではない確かにそこにある筈の扉をまるで眼前の煙霧を通り抜ける様に、まるで扉から植物が生えてくるように扉を通過して外に出てきたのだ。素性の知らない少年の事を警戒しながらも保護するために駆け寄るヒーローだが少年の目の間に渦が発生したと思うと、7人程の男達が吐き出された全員、一般市民とはかけ離れていた、明らかな戦闘を想定した服装、所々に武器のホルスターが取り付けられている。全員気絶させられ縄で念入りに縛られている、ヒーロー達はこの捕縛された男達が
現場に居たヒーローのインタビューによると、『人質は無傷』、『少年自身にも目立った負傷は無い』
その事実は一時ネットを騒がせた『プロよりも動けるガキが居ると』、その後もヒーローが手を焼いていたり、対応が遅れている事件に度々首を突っ込んでは見事に解決していった。
程なくして少年の実名と通っている中学校がネット上に流れた出したのだ、少年と同じ学校に通う生徒が近くの動画配信者に小遣い稼ぎのつもりで情報を売り込んだのだ、いたずらに流された個人情報は瞬く間に広まった、熱心なあるいは暇と実力を持て余した悪質な者たちの手により直ぐに住所までもが特定された、だが誰もその先には踏み込もうとしなかった。出回った少年の少年の実名『うちは』オビト、一昔前の世代なら『うちは』と聞けば一人のヒーローを思い浮かべる『うちはマダラ』彼の強さは語るまでもないもの、故に誰も彼の住処に近寄ろうとはしなかった、触らぬ神に祟りなし、一時熱を放っていた『傷の少年』という話題は自然と風化していった。
そんな
睨まれている本人は露知らずとあのオールマイトと世間話をしている。
「ご協力ありがとうございます、オールマイト!」
「此処の後始末は我々に任せてください」
周りのヒーロー達が謝意の言葉と共に此方に駆け寄ってきている、その表情には若干の焦りが見え隠れしている。
「おぉ、では私はこれで さらばだッ」
そう言う残すとオールマイトは跳んで行ってしまった。
その様子を見上げると、いつの間にか雨が止み、薄く掛かった雲の中から光が差し込んでいた。
改めて実感する、オールマイトの覚悟の重さ、動けぬ体に鞭を打って見事に
この後、散った
僕はヒーロー達に物凄く怒られ、逆にかっちゃんはプロに勧誘される程の称賛を受けた。
騒がしい一日も夕日が差しもうすぐ終わりを告げるのだろうと、ヒーローのお叱りの最中に空を見上げながら思っていた。
NARUTOは読めば読むほどキャラクターの印象や魅力が解りますよね
僕は、三代目や鬼鮫、オビトやナルト、挙げれば切りがないです。
また次回お会いしましょう。