人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝)    作:ミスター仙人

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閑話㉘「ガトル親父の雑記」⑦(親父、武器・武具の制作準備を始めるの巻)

 10月11日

 

 昨日は、会議の途中からよく覚えてねえんだが、とにかく愛車の『バイソン』で工場に帰り着き、工場にある工場長の部屋のソファーベッドで眠った様だ。

 隣りにある作業デスクには、思いついた武器や武具のラフデッサンと仕様書、そして鉱石から鉱物のみを抽出するアイデア等が書きなぐられた紙が、散乱している。

 多分興奮したまま書いたんだろうな、と我ながら呆れる思いで眺めながら、備え付けの冷蔵庫から瓶に入った珈琲をカップに入れ、熱魔道具の上に置いてホットを選択し5秒後温まった珈琲を飲んで、眠気を吹き飛ばした。

 さあて、今日からまた忙しくなるぞ!

 という覚悟とは別の鍛冶職人としての高揚感に包まれながら、散乱した紙束を整理しながら頭の中身も整理してやった。

 取り敢えずは、専用の反射炉と溶鉱炉の確保、そして鉱板の成型とその保管場所の確保、更に武器及び武具にする為の鍛錬と研ぎを行う鍛冶職人と器具の製造、此れ等を整えなくちゃいけねえ。

 出勤時間になり、自分も工場前広場で『帝国式体操』っていう軍隊から広まった柔軟体操を、毎朝の決まった時間に音楽に会わせて行う。

 柔軟体操を終えてから、幹部連中を会議室に集めて今後の方針の転換を宣言した。

 先ず各工場ラインに配置している鍛冶職人経験者を集め、抜けた穴を別の人員で埋めラインは問題なく稼働する様に手当し、トラクターやフォークリフト等の6車種は納期までに作り上げれる様にして、アラン様から頂いたアイデアの車両の開発は一旦棚上げし、新しい武器と武具の作成に注力する事になった、と説明した。

 ドップ始め幹部連中は、昨日までの方針が変更した事に戸惑ってるが、今までの付き合いで何かが有った事に気が付き、阿吽の呼吸で会議室の鍵を掛けて誰も入って来れない様にして、俺の詳細な説明を求めた。

 頼もしい奴らだぜ、と思いながら幹部達に『オリハルコン』と『アダマンタイト』の鉱脈の発見と、その膨大な量、そして其れ等を使用した新しい武器と武具の開発の許可を頂いた事を説明してやった。

 幹部連中の中でも鍛冶職人出身の奴らは、最初はまさか?といった顔をしてやがったが、俺の腹案を聞いていく内に、これが嘘でも冗談でも無く本気である事だけは理解してくれた。

 早速鍛冶職人出身以外の奴らの中で人事担当部署は、『放送局』に行き鍛冶職人の大募集の広告宣伝を頼みに行き、施設管理部は工場ラインの見直しと、新たに作る武器・武具用の開発拠点の設置の計画に入った。

 そして鋼材調達部は連携している、『魔道列車組』と『トレーラー組』の鋼材調達部と連絡を取り、専用の反射炉と溶鉱炉の立地と構築の計画を相互に相談している。

 皆、目の色を変えながら活動している中、俺や鍛冶職人出身の連中は、作る武器・武具の種類・強度・魔法付与の実験等の重要項目の策定と器具の調達を、8ちゃんと相談しながら決めていった。

 

 10月16日

 

 最初の『オリハルコン』鋼材が、元々有った溶鉱炉で出来上がり実験の為に、『魔道列車組』と『トレーラー組』そして俺達様に運び込まれた。

 いよいよ色々と試して、俺達の思い描く武器・武具を作る前段階まで進めるぜ!

 先ずは強度の確認だ、以前の工房の時から愛用しているアラン様から貰ったハンマーやペンチ等の機材が、果たして伝説の『オリハルコン』鋼材に通用するかが一つの実験なんだが、なんとほぼ同等の強度だったぜ。

 未だにこのハンマーの素材については謎なんだが、負けてないのならこちらとしても問題無いぜ。

 俺は他の鍛冶職人出身の連中の為に、オリハルコン製のハンマーやペンチ等の機材の成型用の型を、時間は掛かったが作り上げた。

 これで溶鉱炉から出て来た、熱々のオリハルコンを成型用の型の内側に別の素材(粘土等)で型枠し、流し込んで冷却すれば、立派なオリハルコン製のハンマーやペンチ等の機材の完成だ、これを『魔道列車組』と『トレーラー組』にも用意してやれば、作業効率が上がるって寸法よ!

 

 10月18日

 

 当初予定していた数、のオリハルコン製のハンマーやペンチ等の機材が出来上がった。

 取り敢えず、オリハルコン製のナイフを作ってみる事にして、適当な量の鋼材からナイフの形を作り、ハンマーで鍛えて行く。

 良い感じに出来て、刃の部分を研ごうと砥石でグラインドしてみたら、なんてこった?!

 砥石が磨り減るばかりで、肝心のオリハルコン製のナイフの刃先は少しも研げて無いときたもんだ。

 コイツは想定外だ、如何に硬かろうが切れないナイフなんて意味が無いぜ。

 途方に暮れて、周りの鍛冶職人出身の連中と一緒に悩んでたら、8ちゃんが、

 

 「アランサマカラノオクリモノデス」

 

 と台車に乗せた魔道具を持ってきた。

 

 「コイツは何でえ?」

 

 と聞くと、

 

 「コウミャクカラコウセキヲトリダストキニデル『アダマンタイト』ノカケラヲ、ヒョウメンニツカッタ『グラインド・カッター』デス、コレナラバオリハルコンデモトゲマス」

 

 と凄え事を言ってきたから、モノは試しだとナイフの刃先を研いでみたら、嘘のように刃先が研げてキラキラと輝いていやがる。

 

 「流石アラン様だ、こういった事で俺達が困るだろうと、想定してたんだな、本当に有り難え話しだ!」

 

 と王都に居るアラン様に向けて拝んじまった。

 きっと、アラン様や家臣の方々に相応しい武器を納めさせて貰うぜ!

 

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