人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝)    作:ミスター仙人

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第二部『帝国拡大編』
1月の日記①(人類銀河帝国 コリント朝元年)《これ迄のあらすじ》


 1月1日(前編)

 

 本日『アスガルド城』にて『人類銀河帝国』誕生、そしてアラン様とクレリア姫様のご成婚式が執り行われる。

 早朝から西方教会圏全ての国のモニターを通し、ルミナス教の賛美歌が流れる中これ迄の経緯が放映された。

 その内容とは、

 

 

 西方教会圏のスターヴェーク王国が平和な暮らしを営む中、密かに東方教会圏の首魁たるアラム聖国に取り込まれたアロイス王国の貴族達によってクーデターが行われ、スターヴェーク王国はスターヴェーク王国第一王女『クレリア・スターヴァイン姫』以外の王族は尽く斬首された。

 辛うじて虎口を脱したクレリア姫は、遺臣と共に王家復活を目指して他国を頼ろうと旅立たれたが、過酷な運命はその遺臣達の命すら奪ってしまう。

 しかし、今正にクレリア姫の命が魔物の手により奪われようとする時、『女神ルミナス』は自ら選ばれた代理人たる『アラン・コリント』を地上に降臨させ、すんでのところでクレリア姫の命は救われる。

 当初は意思の疎通すら難しかったが、アランの才能と努力によりものの1週間で会話出来る様になり、クレリア姫の当初の目的地であるベルタ王国へ2人は赴く事にした。

 ベルタ王国にはクレリア姫の祖母エリカ様の妹君のイレナ様が正室として嫁いでいて、ベルタ王国の現国王アマド・ベルティー陛下は再従兄弟にあたり、その縁を頼る事にしたのだ。

 だが、この頃ベルタ王国では佞臣ヴィリス・バールケ宰相が専横を振るい、一切の情報を遮断してアマド・ベルティー陛下に助けを乞うスターヴェーク王国の遺臣を逆に捕らえてしまっていた。

 アランとクレリア姫の2人は、途中合流出来た遺臣の人々からその事実を知り、方針を転換し自らの運命は自らの力で切り拓くべく、身分を隠し一介の冒険者となり冒険者としての頂点になる事で地歩を築く事にした。

 その冒険者パーティーの名は、『シャイニングスター』と云う、スターヴェーク王国の復活を願うこの名は、遺臣が合流する事で規模が大きくなると、『クラン・シャイニングスター』になる。

 様々な出会いと運命を経て、人に対して牙を向いたドラゴンをアランが討つ事になり、ドラゴンスレイヤーとして『クラン・シャイニングスター』は不動の名声を得た。

 ドラゴンとの激闘の際に、味方となった良きドラゴンである『グローリア』は、後にアランの騎竜となり様々な戦場で、その凄まじい戦闘力を遺憾無く発揮する事になる。

 そしてその名声はベルタ王国王都でも噂になり、漸く国王アマド・ベルティー陛下の耳にも届き、アランの貴族への叙爵が決まる。

 無事男爵への叙爵が決まり、『魔の大樹海』に『コリント領』としての領土を賜り、その能力の高さから護国卿に取り立てられる。

 しかし、未だ佞臣ヴィリス・バールケ宰相が王宮に居ることを考え、クレリア姫の身分は隠したまま行動し、ベルタ王国に降りかかる様々な国難をアラン護国卿とクレリア姫は、遺臣達と共に乗り越えて行く。

 そうしてアランとクレリア姫が確かな地歩を築いて行く事を苦々しく思っていた、佞臣ヴィリス・バールケ宰相は様々な罠を仕掛けアラン護国卿を追い詰めようとする。

 だがそんな策謀はお見通しのアラン護国卿の手によって、逆に悪事の証拠として国王アマド・ベルティー陛下に提示され、佞臣ヴィリス・バールケは追い詰められた。

 それを逆恨みした佞臣ヴィリス・バールケは、遂にベルタ王国に牙を剥き国王アマド・ベルティー陛下に刺客を差し向けた。

 国王アマド・ベルティー陛下はアラン護国卿の手によって命こそ救われたが、毒の後遺症により下半身不随の憂き目に合う。

 国王アマド・ベルティー陛下をコリント領に匿い、ベルタ王国の未来を憂う貴族ファーン侯爵、ブリテン侯爵、フランシス伯爵達と連携し、佞臣ヴィリス・バールケに与する悪逆な貴族と対立する。

 佞臣ヴィリス・バールケは、ベルタ王国を売るべくセシリオ王国とアロイス王国と連携しアロイス王国の兵をベルタ王国に呼び込み、反乱の首謀者として悪逆な貴族達を糾合する。

 国王アマド・ベルティー陛下は、アランを護国卿から『総帥』と云う軍権全てを司る最高職に進ませ、佞臣ヴィリス・バールケとその与党、そしてセシリオ王国とアロイス王国への対処を命じた。

 アラン総帥は反乱軍を鎧袖一触に打倒し、反乱軍首魁ヴィリス・バールケとその仲間である悪逆な貴族達を捕らえて裁判で応分の処置を終え、対セシリオ王国へ向かう。

 この時セシリオ王国愚王ルージは、自分の意思に従わない大貴族を尽く殺して、アラム聖国から提供されたアーティファクトでゾンビに変え、のみならず王都の殆どの民までゾンビにして、自らの国民全てを意のままに動くゾンビにする為に行動し始めた。

 このまま状況が推移すれば、周辺各国の人々までゾンビにされてしまう。

 この人類にとっての危機に敢然と、アラン総帥とベルタ王国正規軍そしてそれに協力するセシリオ王国の義勇軍達は立ち向かう。

 その激闘に於いて愚王ルージは、事もあろうに自らの国民を贄として作り上げた、巨大なゾンビの集合体である巨人に乗り込んで攻めてきた。

 あわやという場面になり、これまでかと皆が諦めかけた瞬間、天を割り使徒『イザーク』様が、味方であるアラン総帥に助力する為降臨され、祝福の光をアラン総帥と騎竜たるグローリアに与えた。

 その助力により力を取り戻し、聖なる力を行使出来る様になったアラン総帥は、見事に愚王ルージと巨人を聖なる力で以って滅ぼした。

 その偉業を祝福するかの様に、『女神ルミナス』は天空にその御姿を顕現され、愚王ルージと戦った全ての民を称えて下さった。

 セシリオ王国の民を救う為にアラン総帥達が尽力する中、それに異を唱えセシリオ王国とベルタ王国を併呑するべく、アラム聖国の傀儡であるアロイス王国がベルタ王国に侵攻して来た。

 アラン総帥とベルタ王国正規軍そして元セシリオ王国の義勇軍改め『総帥府軍』は、この不当な侵攻に対し一歩も怯む事無く、堂々と国境線を一歩たりと踏み越えさせず、逆にアロイス王国領土までアロイス王国軍を押し返す。

 この時までに、ベルタ王国国王アマド・ベルティー陛下にクレリア姫は、自分の正体とアラン総帥との婚約を明かし、アマド・ベルティー陛下はクレリア姫が公式に自分の親族である事を認め、婚約者であるアラン総帥も将来の自分の親族である事を内外に発表している。

 そして敵国であるアロイス王国を、スターヴェーク王国を不法な手段で簒奪した国であり、その内実はアラム聖国の傀儡国家である事を西方教会圏全ての国に公表し、スターヴェーク王国を復活させるべくクレリア姫を押し立てて、アロイス王国から奪還戦を仕掛ける事を宣言した。

 大義名分であるスターヴェーク王国復活を謳い、元セシリオ王国国境とベルタ王国国境から2正面作戦をアロイス王国に仕掛け、撃破した後スターヴェーク王国の元貴族や義勇軍を募りながら、元ルドヴィーク辺境伯領に入った。

 半ば廃墟と化していた城邑を、戦う城である新生ルドヴィーク城に改修し、アロイス王国10万とアラム聖国の義勇軍30万の計40万の大軍勢を迎え撃った。

 敵軍は、新兵器である『銃』、『大砲』、『野砲』を大量に配備し、強力な火力で新生ルドヴィーク城を攻撃して来たが、新生ルドヴィーク城は強固に作られていて籠城戦を戦い抜き、『ヴァルキリー・ジャベリン』と戦術級魔法『コキュートス』によって戦局を一変させ、城から打って出て40万の大軍勢を無力化させる事に成功した。

 だが、そんな戦局をひっくり返すべく、アラム聖国はとんでもない切り札を切ってきた。

 それは、『双頭の暴虐竜ザッハーク』、その昔大陸の中央に有った大国を支配し、周辺各国を荒らし回り暴虐の限りを尽くした存在だ。

 そんな伝説上の怪物に対し、アラン総帥と空軍は戦いを挑み死力を尽くして滅ぼす事に成功した。

 その後王都にて、アロイス王国首脳陣を捕らえて、王都を奪還する事に成功した。

 この時を以って事実上アロイス王国は滅び、3年の時を経てスターヴェーク王国は復活した。

 そして諸々の戦後処理を行い、一連の三国を巡る戦乱を終息させたが、黒幕たるアラム聖国は未だ健在であり、更に北方の雄たる『スラブ連邦』は、隣国のノルデン諸国連合国境付近に30万の兵を駐屯させ、何時侵略してくるか判らない情勢だ。

 このセリース大陸を覆う戦雲に対し西方教会は、強力な指導者たりうる国家を誕生させ、更にこの国家を西方教会圏全ての国家が盟主と仰ぎ、その代表を王の上に立つ存在として『皇帝』として推戴する。

 

 その新しく誕生する国家の名称は、

 

 『人類銀河帝国』

 

 大陸全ての人類の規範となり、遥かな将来あの夜空に煌めく銀河を目指す、未来に夢を描ける帝国である。

 そして『人類銀河帝国』の『皇帝』は、アラン総帥にベルタ公国公王アマド殿下とスターヴェーク公国クレリア公女殿下が持つ全ての王権を禅譲して、

 

 『人類銀河帝国初代皇帝 アラン・コリント一世』

 

 となられた。

 

 

 この『人類銀河帝国』成立の経緯が、繰り返し放映されているのだが、途中に挿入された数々の戦闘シーンや使徒『イザーク』様と『女神ルミナス』の降臨、そして発展していく『帝都コリント』が映し出されて行く様子は、今までの苦難の道とそれを乗り越えた栄光を余すこと無く思い出させてくれた。

 




 いよいよ今回から、
 
 第二部『帝国拡大編』
 
 が始まります。

 暫くは、『人類銀河帝国』成立とアランとクレリアの結婚で、お祝いの様子が続きますが、既に本文でも触れてますが、北方の雄『スラブ連邦』が周辺各国に侵略の動きを見せています。
 『スラブ連邦』とはどのような国なのか?
 習俗や文化、そして思想や宗教は?
 これらも徐々に明らかになってきますので、読者様はどうぞお楽しみ下さい。
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