人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝)    作:ミスター仙人

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1月の日記④(人類銀河帝国 コリント朝元年)《合同結婚式と伝説の魔法使い》

 1月15日

 

 自分とミーシャ、そして他の同僚や一般人等の合同結婚式が行われた。

 元々自分とミーシャは、家族と友人達だけの内輪で小ぢんまりとした結婚式とするつもりだったのだが、やはりアラン様とクレリア姫様の感動的な御成婚式に触発され、ヨハネ教皇猊下の居られる内に結婚式をすれば、「自分達も『女神ルミナス』様の覚えも目出度いに違いない」と考える人が出てくるのは、人の情を考えると必然であろう。

 そういう訳で、現在、帝都コリントでは『ルミナス教本部ドーム』に結婚式の申込みが、殺到していてとてもではないが裁ききれないと、ルミナス教側だけで無く役所も悲鳴を上げているので、合同結婚式と云う形を連日1回ずつ行う事に落ち着いた。

 なので本日行われた合同結婚式は、自分とミーシャ以外では、親友のハリーと同僚のハーマイオニーさん、剣王シュバルツ殿と行きつけの飲み屋のウエイトレスだったターニャさん、ミツルギ殿と剣王オウカ殿他、約30名が挙式した。

 些か大雑把過ぎる様な気もするが、ヨハネ教皇猊下とゲルトナー枢機卿が主催してくれる上に、アラン様とクレリア姫様始め帝国の上層部が、短時間とは云え臨席して下さるのだから大変有り難い事だ。

 ヨハネ教皇猊下が聖句を唱えてくれて、ゲルトナー枢機卿の牧師席の前に順番に並んで誓約を2人で誓い、それをゲルトナー枢機卿が承認して行き、最後にアラン様とクレリア姫様が祝辞を述べてくれて、一連の儀式は終わり、自分と親友達の合同披露宴を1フロアを借り切ったホテルで盛大に行い、家族や友人更には同僚達も参加してくれた。

 空軍の勤務時間を終えて、駆けつけてくれたベック、トール、キリコが次々にやって来てくれて、ミーシャの花嫁姿を褒めてくれたのは大変嬉しかったが、最後に新郎である自分、ハリー、シュバルツ殿、ミツルギ殿に向かって、親父と相棒のドップさんそして何故か居るホシとジョナサンが悪ノリして水(本当はビールかシャンパンの予定だったらしいが酒は飲む物だと云う事で急遽変更したらしい)を掛けまくったので、新郎全員が豪雨にあった様になり、其々のホテルの一室に新婦共々退場した。

 

 「ミーシャ有難う」

 

 とシャワーを浴びて漸くサッパリとした自分に、バスタオルを渡してくれて暖かい珈琲を入れてくれて、自分の席のテーブルに置いてくれた自分の女房に感謝すると、

 

 「どういたしまして」

 

 と微笑みながら自分用の珈琲を手に取り、向かい側の席にミーシャは座った。

 今日の合同結婚式の話しや合同披露宴での話し、2人で一緒に経験した様々な話しを取り留めもなく話しながら、非常に和んだ気持ちでミーシャと接している事に、自分は気付いた。

 これから2人で一緒に生活して行く上で、これは結構重要な事だと思いミーシャにその事を告げると、

 

 「・・・私も貴方と、こうやって向かい合っていると、とても安心な気持ちになれるわ

 私の家族を失ってからは感じなかった気持ちよ・・・

 ・・・貴方の存在は、私にとって前々からとても重要だったの・・・

 そんな貴方と結ばれる事が出来て、私は本当に幸せよ・・・・・」

 

 と涙ぐんでいる姿に居たたまれなくなり、ミーシャに歩み寄りそのまま抱きしめた。

 

 「・・・これからは夫婦として、永遠に一緒だ、

 何れ子供も産まれてミーシャの家族は、ドンドン増えて行くよ。

 その安心は幸せを伴い、大きな輪となって皆を繋ぐんだ、

 共に育くんで行こう・・・」

 

 と子供をあやすように背中をさすってやり、そのままベッドに寝かして一緒に眠った。

 

 1月20日

 

 大陸の西端に有る『魔法大国マージナル』から、空のお客がやって来た。

 西方教会圏に於いての魔法使いの権威で有り、伝説の大魔法使いにして賢聖である『モーガン』殿が、それ自体がアーティファクトである『飛空船』に乗って来訪されたからだ。

 帝国の魔法大臣としてマーリン(元セシリオ王国氷雪魔術師団代表)大臣が、魔法技術の発展と子供達への魔法教育を実践するに辺り意見を伺いたいのと、是非魔法大学を作るに辺り後見人として就任して貰いたいと云う願いを出された為だ。

 アラン様とクレリア姫様始め帝国上層部が列席されて、『空軍ドーム』に有る発着スペースで出迎えられた。

 我等空軍のワイバーン全120頭と魔導ヘリコプター全300機は、『魔の大樹海』に生息する空を飛べる魔物(ヒッポグリフやハーピー等)を『飛空船』に近付け無い為に、交代で周辺警戒体制に臨み、いざとなった時の備えとしてアラン様とクレリア姫様の後ろにはグローリア殿が控えている。

 『飛空船』は静々と発着スペースに降りられたが、その威容はやはり大したものだ。

 搭乗最大人数は300人を誇り、時速500キロメートルで進む事が出来る。

 ただ昔は作動したらしいが、武装の類は現在一切作動せず、専ら貴人の移動用として活躍しているそうだ。

 タラップ(搭乗口)が開き、関係者が降りられて行く中、タラップで無く甲板上の一部がスライドして、其処からグリフォンに乗られた老婆が現れた。

 そしてグリフォンは甲板上から飛び立ち、そのままタラップ付近の地面に降り立った。

 老婆はグリフォンに乗ったまま、アラン様とクレリア姫様に近付きペコリと頭を下げられた。

 

 「御免なさいね、私、寄る年波には勝てなくて、専ら移動する時には使い魔で有る、このグリちゃんで移動するの」

 

 と謝られ、

 

 「自己紹介がまだだったわね、私は『モーガン』其処(マーリン魔法大臣を指差し)に居るマーリンの師匠の魔女よ」

 

 と、かなりアッサリとした自己紹介をされた。

 

 「私は、アラン・コリント。

 賢聖と名高い魔法使いの権威『モーガン』殿を、こうやってお招き出来て大変光栄です」

 

 とアラン様は、頭を下げられて敬意を示された。

 

 「・・・そんな肩書きなんて、勝手に他の人達が付けたもので、私自身にはどうでも良いわ。

 それよりも『アラン皇帝』、貴方にお会いするのを私ずーっと待ってたのよ、星々の彼方から来られた異邦人(エトランゼ)に・・・」

 

 その返事にアラン様が、『モーガン』殿の顔を見つめられた。

 周りがざわつく中、『モーガン』殿は、本当に楽しそうに笑って居られた。

 これが、齢402歳を数える伝説の大魔法使いにして賢聖である『モーガン』殿と我々との出会いである。

 

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