人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝)    作:ミスター仙人

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2月の日記④(人類銀河帝国 コリント朝元年)《陸上戦艦『ビスマルク』》

 2月20日

 

 自分の騎竜であるガイに乗り、新しい軍団魔法やドラゴン部隊とワイバーン部隊の連携、そしてヘリコプター部隊が対地用空爆をする際の護衛等をどの様に熟すか?等の新しい戦術パターンを試して行く。

 一段落着いて、陸上空母で他のドラゴンの訓練の様子を見ていたら、先日の会議での後半のモーガン殿の話しが脳裏に浮かんだ。

 

 「・・・確認しますが、話しにあった例の農奴と『導師(グル)ラスプーチン』は、同一人物で間違い無いのですか?」

 

 とダルシム中将がモーガン殿に質問し、

 

 「・・・アナスタシア王女に確認した所、同郷の者の証言等を得た処、間違い無いそうよ。

 例の主人の話しと、現在確認されているスラブ連邦の兵士が酷似している事から、その通りでしょう。

 ただ、そうなって来ると色々な疑問点が湧いてくるわ。

 農奴は何故ルーシア正教の僧侶になり、宗教団体そのものを乗っ取って新しい経典とも云うべき『共産主義』と云う思想を広め始めたのか?

 記録が正しければ、ラスプーチンは既に150歳を越えている筈だけど、私の様に魔術的な手法を用いないで、長生きして行ける秘密は?

 ルーシア王国と戦い続けていたのに、場当たり的にノルデン諸国連合国境線を侵略しようとした意図は?

 そして最大の疑問は、ラスプーチンは一体何を目指しているの?・・・」

 

 モーガン殿は、自分自身でも疑問が多いらしく、そのまま考えに沈まれてしまった。

 アラン様が、

 

 「・・・何れにせよ、ノルデン諸国連合から正式に援軍要請が我が帝国に有り、此れに応じる事は同じ西方教会圏国家として、既定路線である。

 侵攻して来るのは春先であろうから、各軍はそれを想定した準備行動に入って貰いたい!」

 

 と命令されたので、

 

 「ハッ!

 了解しました!!」

 

 と全員起立して、命令を受諾した。

 

 という情景を思い出しながら、皆の訓練を観察した。

 

 2月25日

 

 トレーラーギルドのホシとジョナサンを中心とした重武装トレーラー500台が、様々な軍需物資を積載してマジノ線に向けて進発した。

 先ずは、マジノ線の強化が最優先事項であり、その為には物流の確保が一番で有る。

 既に帝都コリントから公都『セシリオ』そしてオスロ港まで、『帝国鉄道公社』の尽力で魔導列車は開通しており、オスロ港からノルデン諸国連合に対しての食料支援・生活必需品・魔道具による水資源調達と耐寒機材等の海路による支援は開始している。

 ただ、直接マジノ線に通ずる魔導鉄道は開通していないので、ビクトール(元セシリオ王国侯爵)中将の

北方の軍管区の帝国軍は、帝国鉄道公社と協力しあいマジノ線までの魔導鉄道の開通目指して、工事に着手している。

 高機動軍と重機動軍の陸上空母は其々の軍需物資を満載し、本日マジノ線付近に構築する予定の大規模駐屯地目指し出発した。

 其々には、空軍から100機ずつのヘリコプター部隊が随伴しており、偵察等に役立って貰う。

 

 2月28日

 

 此の日、皇帝座乗艦である陸上戦艦『ビスマルク』がその堂々たる姿を一般公開した。

 その威風は放送局が広く西方教会圏に放送する事で、ほぼ全ての国が知る事になった。

 全長凡そ300メートル、全高50メートル、全幅150メートルと云う大きさで、空軍・高機動軍・重機動軍の持つ陸上空母の凡そ倍の巨大さだ。

 因みに陸上戦艦と言う割に、この陸上戦艦と後述する陸上空母は浮いているのだ。

 その浮いている高さは、凡そ地面に対して2メートル程で固定されていて、それ以上の高さに浮ける訳では無い、何でもマナ原理に於ける対地反発係数に基づく理論で浮いているらしいが、自分は専門家では無いので詳しい事は判らない。

 ただ地面から浮いているが、まるで接地している様に安定しているので、そういう物かと理解するしか無い。

 陸上空母には其々1基搭載している『魔力凝縮炉』を、ビスマルクは4基搭載しており、陸上空母が周囲直径1キロメートルに張れるバリアー(アラム聖国が先の戦争で使用した魔法障壁発生装置を解析し、物理・魔法双方に対してより強力な障壁を発生させる)を、周囲直径5キロメートルに張れる。

 更にその圧倒的な魔力は、攻撃面でも活かされ4基ある46センチ主砲(従来の魔導砲を発展させ連続速射が可能になった)を始め、パルス魔導弾を発射するパルス魔導速射砲計50門が両側舷側に有り、船首にはドリルバイクのドリルをそのままスケールアップした物が存在し、丘であろうが山であろうが粉砕しながら直進する事が可能だ。

 此れ等、陸上戦艦と陸上空母は、昨年解放したオスロ港で長年住人達から変人扱いされていた、船大工『ドレイク』殿が総督府の置かれた現在の公都セシリオで、アラン様に口角泡を飛ばしながら熱弁を振るい、遂には許可を得られてから専門のボッド部隊を酷使する事で完成させた、或る意味狂気の産物である。

 そもそも当初は海上船の話しだった筈なのに、陸上船になったのは経緯を知らない自分には永遠の謎であるが、ドレイク殿は専用の工廠ドームで今もひたすらに新しい艦船を作り続けているそうだ。

 自分の親父も大概な人物だと思っているが、ドレイク殿に比べればまだ大人しいと言える。

 帝国がこのまま大陸を制覇する過程に於いて、此の手の天才肌の奇矯人がますます増えて行き、終いには艦船が空を飛ぶのだろうなと、モーガン殿の飛空船がより大型化した物を思い描いた。

 




 とうとう出ました陸上戦艦『ビスマルク』!
この戦闘艦はこれから当分の間、皇帝座乗艦として活躍します。
 モチーフは、ドリルで気付いた方も居られるかも知れないですが、特撮映画『海○軍艦』に出て来た『轟○号』です。
 まあ、正直その能力は物語が進むに連れて、『轟○号』よりOVAの新海底軍艦『○号』が近くなるかも知れないけど(笑)
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