人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝)    作:ミスター仙人

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 さて今回から始まりますは、以前から予告していたケニー君一家に新加入したミーシャさんです。
 彼女は、今までのケニー君一家の日記とはまた違う形式での閑話シリーズになります。
 それではお楽しみ下さい。


閑話㉚「ミーシャの思い出帳」①(妊娠と妊娠仲間)

 私はミーシャ、結婚3ヶ月の新妻なのよ。

 旦那はケニーと云って、私の上司に当たる空軍の団長なの。

 だから、最近巷で流行りの職場結婚という奴ね。

 実は私、諸事情で『国営帝国総合病院』に入院したんだけど、その時に詳しく診察して貰ったら妊娠が判明したの!

 最初ビックリしちゃったけど、落ち着いてきたらスゴく幸せな気分に成れたわ。

 女医さん始め、看護婦さんからも、

 

 「「おめでとうございます!」」

 

 と祝福されて、思わず泣いてしまったわ!

 だけど問題なのは、知らせるべき旦那が未だ遠いマジノ線で、仕事に励んでいて直接会えないという点なのよ。

 こんな大事な話しは、やっぱり直接伝えたいじゃない。

 でも、流石に一人で抱え込む訳にも行かないし、どうしようと悩んでたら、看護婦さんが、

 

 「・・・義妹のカレンちゃんに、相談されると良いと思いますよ。

 あの娘は、病院で手伝ってくれている時から、面倒見も良いですし頼りになりますから!」

 

 とアドバイスしてくれた。

 成程、カレンちゃんなら頼りになるし、義父と義母にも円滑に伝えてくれるわ。

 と考えて、看護婦さんにカレンちゃんとの連絡を依頼したら、快く応じてくれた、やはりプロは手慣れた感じで仕事を熟してくれるので、信頼出来るわ。

 

 1時間半後、カレンちゃんと義母であるマゼラさんが、病室に駆けつけてくれた。

 2人共看護婦さんに、妊娠の事実を伝えて貰っていたらしく、入室するなり祝ってくれたの。

 カレンちゃんが、

 

 「ねえ、ねえ、ミーシャ義姉さん、私に出来るのは甥なのー?姪なのー?」

 

 と眼を輝かせて聞いて来て、マゼラ義母さんが、

 

 「そんなの、生まれて来るまで判らないわよ」

 

 と笑いながら答えられたら、カレンちゃんが得意げな様子で、

 

 「母ちゃん、遅れてるーー!

 今はね、アラン様が主導してる魔法開発局で制作されている、医療用スキャナーという魔道具で、身体の外側から身体の内側の様子が見れて、的確な医療が出来る様になっているから、きっと早い段階で赤ちゃんの性別が判る筈だよ!」

 

 とマゼラ義母さんと私に教えてくれた。

 

 「・・・カレンちゃんは、物知りねーー!」

 

 と感嘆して見せたら、

 

 「・・・でしょう!

 私ってば、看護師職業訓練を学校に通う前に受講しているから、今すぐにでも看護婦さんに成れるんだよ!

 家族や友達に病気や怪我になっても、的確な対処が出来るんだから!」

 

 と鼻高々に自慢するので、

 

 「その時は、宜しくね!」

 

 と頼むと、

 

 「任せてよ!」

 

 と胸を叩いて、自信満々に言ってくれた。

 カレンちゃんの言に従えば、それ程掛からずに赤ちゃんの性別や様子が判るみたい。

 カレンちゃんとマゼラ義母さんは、色々な手続きをしてくれたので、私は安心して病室のベッドで眠りに着いた。

 

 翌朝、処方して貰った薬のお陰でよく眠れたので、気分が久しぶりに良くなった。

 お昼前に退院し、軍事ブロックに有る自宅へ帰ろうと、ドームの中を循環する『乗り合いバス』という車両に乗る為のバスターミナルに向かうと、合同結婚式で一緒に式を上げた剣王のオウカ殿とターニャさんが居た。

 オウカ殿が私に気付き話しかけて来たので、妊娠の件を話したらなんと2人も私と同じく、昨日から『国営帝国総合病院』に入院していて、今から帰宅するんだそうだ。

 

 「へーー、奇遇って有るんだねえーー!」

 

 と3人でワイワイ騒いでたら、『乗り合いバス』がやって来て乗り込んだら先客が居たの。

 その人は、私達と同じく合同結婚式で一緒に式を上げた、旦那の親友のハリーさんの奥さんのハーマイオニーさんだったんだけど、今にも吐きそうな様子なので私達3人はバスに乗らずに急遽ハーマイオニーさんを連れて、病院にとんぼ返りしてハーマイオニーさんを入院させたの。

 何でもハーマイオニーさんは、ここ数日気分が優れなかったんだけど、ハリーさんは放送局の仕事で旦那の居るマジノドームに出張していて、暫く帰る予定が無く、放送局の仕事はずっと激務なので休む訳には行かなくて、漸く本日休暇を取って病院に向かう事にしたんだけど、バスの僅かな揺れでより気分が悪くなったんだって。

 

 「私達3人とハーマイオニーさんは、同じ合同結婚式で一緒に式を上げた仲なんだから、頼ってくれて良いのよ!」

 

 と告げたら、見る見る涙を浮かべて嗚咽し始めたんで、3人で慰めてたら、ハーマイオニーさんも私とターニャさんと同じく旧スターヴェーク王国出身者で、アロイス王国のクーデターの際に家族を全員殺されていて、天涯孤独の身の上だと判った。

 剣王のオウカ殿が、

 

 「判ったわ!

 私の旦那と後輩のシュバルツの道場には、夫を亡くして子供も居ないけど世話好きのオバさん3人衆が居て、この人達に給金を払ってさえくれれば、ハーマイオニーさんが仕事で出来ない家事や、相談相手になってくれるから、頼んでみるわ!」

 

 と解決策を提案してくれた。

 ハーマイオニーさんも今のままでは、家事どころか寝るのも辛いと思ってたそうで、渡りに船とオウカ殿の案に飛びつかれた。

 因みに、ハーマイオニーさんの気分が悪かったのも、私達と同じく妊娠の初期症状でよくある、体調の悪化だったので、1日入院して貰ったらかなり改善したので良かったわ。

 




 暫くこのミーシャさんの閑話シリーズは続きまして、その後カレンちゃんとガトル親父の閑話が来て、本文に戻りますが、実はミーシャさんの閑話シリーズは本文より若干未来の帝国の話しも含みますので、本文が其処に触れたら、裏ではこういう事情が有ったんだよなあと、思い返してくれると幸いです。
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