人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝)    作:ミスター仙人

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閑話㉜「ミーシャの思い出帳」③(アラン皇帝陛下と旦那の緊急帰還)

 「ケニー貴方どうしてここに居るの?」

 

 皇妃宮のラウンジで女子会メンバーと、妊婦仲間で有る剣王のオウカ殿とターニャさんそしてハーマイオニーさんを交えて、様々な情報交換をしていたのだが、剣王のシュバルツ殿とミツルギ殿の親衛隊と共に旦那が姿を現して驚いた!

 

 「・・・実は今朝方、アラン様が帝都コリントに緊急で帰還する事になって、そのお供でガイに乗って先程辿り着いたんだよ!

 それよりも・・・・・!」

 

 と言ったかと思うと、ガバッと私は抱きすくめられてしまったの。

 

 《嗚呼、これはバレてるわね!》

 

 と判り、バラしたと思われる旦那の肩越しに見える、シュバルツ殿とミツルギ殿をジト目でみると、2人とも有らぬ方向を向いて誤魔化そうとしている。

 2人を問い詰めようかと、考えたが、

 

 「ミーシャ、怒らないでくれ。

 自分がアラン様のお供で、帝都コリントに帰還すると2人に連絡したら、てっきりミーシャの妊娠を知っていると思った様で、『奥方もおめでとう!』と言われて、自分が当惑してる事に気付いて2人は慌てて取り繕うとしたんで、問いただしてミーシャが妊娠した事実を把握出来たんだよ!」

 

 と旦那は説明してくれて、何とも複雑そうな顔をしたかと思うと、

 

 「でも、ミーシャも酷いぞ!

 夫で有る自分にいち早く知らせるべきなのに、他人の方が先に知っているなんて!」

 

 と私を嗜める様に小言を言った、

 

 「・・・・・だって貴方は、当分他国に出張する事になってたし、まだ妊娠の事実が判っただけで、赤ちゃんの性別判定や健康状態を確認してから、連絡しようと思ってたのよ、私自らの報告でね!」

 

 最後のセリフを言うタイミングに、シュバルツ殿とミツルギ殿を睨もうとしたら、何と大の大人である2人は、それぞれの奥さんを突き出して、その後ろに隠れている!

 それでも剣王とその相棒で有り、然も皇帝の親衛隊長達の身分に居る者なのだろうか?と呆れたら、

 

 「・・・まあ、許して上げてよミーシャ。

 この情けない旦那と後輩は、何れキッチリと締め上げてやるから。

 ・・・・・アンタ達良かったわね、私が妊娠してるお陰で直ぐにオシオキされなくて済んで!」

 

 と後半は、シュバルツ殿とミツルギ殿に振り返って脅していた。

 2人の親衛隊長達は直立不動の体勢になって、私とオウカ殿とターニャさんに対して平謝りして来たので、私達は許してあげる事にした。

 

 「・・・・・それよりもここに居る全員は、『例の件』を把握しているのかな?」

 

 と旦那が聞いて来たので、全員が頷き返し状況を説明し始めた。

 

 先日、クレリア皇妃陛下の女子会メンバーへの報告の後、全員で相談し、取り敢えず宮内庁長官のロベルト長官への報告と、お付きの女官長やメイド達に説明して妊婦となったクレリア皇妃陛下に、それに沿った対応をして貰う体勢にしようと決めた。

 クレリア皇妃陛下の妊娠の事実を聞いたロベルト長官が、突然狂喜乱舞し始めたので皆でドン引きしてたら、思い立ったかの様に走り始めようとしたので、皆で止めたら案の定『皇宮に居る全員にこの慶事を知らせようとした』と言われたので、先ずは落ち着かせる為に、”アラン皇帝陛下に報告する事と、クレリア皇妃陛下の健康配慮の為の医療体勢の構築、そして母体への安全面での警備強化”を考えて下さい。

 と諄々と説明したら正気に戻られて、その責任の重さに気付いて、とても自分だけでは出来ないと考えられた様で、ヴェルナー国務大臣とフランシス事務次官と相談し、今後の方針を決めたいとクレリア皇妃陛下に嘆願されて、了承を貰われた。

 そうした手続きや、専門の医療団が手配され、一通り安心出来る体勢が出来たので、昨日アラン皇帝陛下にクレリア皇妃陛下自らが妊娠報告したのだと、旦那に説明した。

 

 「・・・そうか、それでは此処に居る面々と帝国上層部、そして皇妃宮のスタッフと医療団しか、クレリア皇妃陛下の妊娠の事実は知らない訳か・・・・・」

 

 と旦那は呟いて、私は、

 

 「・・・そうよ、今頃は皇妃宮の私室で、部屋の前でカレンちゃんとエラちゃんに見張りをして貰って、アラン皇帝陛下とクレリア皇妃陛下は、余人を交えずお二人だけでお話されておられるわ」

 

 と現在の状況を話して上げた。

 

 それから暫く経ち、皇妃宮のラウンジで妊婦達をどうフォローするか?等の相談をし合っている私達の前に、カレンちゃんとエラちゃんを引き連れて、皇帝ご夫妻が現れた。

 私達一同、直立し深々と頭を下げると、

 

 「・・・皆、楽にしてくれ!

 特に妊婦の方々は、席に着いて楽な体勢でいて欲しい。

 其れに此処に居る全員は、特にクレリアにとっては家臣では無く友達で有り仲間だ。

 私にとっても同じで、特に此処に居る男性諸君は、共に戦塵をくぐり抜けて来た戦友で有り同士だ!

 更に云えば、人生経験の少ない新人の夫同士でも有る。

 だから此処は腹を割って、どうすればお互いの妻の妊娠に対して対処すれば良いか?等の相談をしたいと思う。

 今此処に居る全員は、この人生に於いての重要な局面で有る、子供を無事出産させるという一大イベントの仲間だと、認識して貰いたい!」

 

 と些か大げさな宣言をアラン皇帝陛下はされたが、それに対して旦那達男どもは、

 

 「ハッ、了解であります!」

 

 と至極真面目に返答したので、クレリア皇妃陛下始め女性陣は思わず吹き出してしまい、アラン皇帝陛下もやや大げさだったかな?と思われたのか笑い出し、釣られる様に全員で大笑いしたわ。

 でも考えて見ると、こんなに家臣と別け隔てなく接してくれる、皇帝ご夫妻なんて過去に居たのかしら?

 

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