人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝)    作:ミスター仙人

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閑話㉝「ミーシャの思い出帳」④(カー君とバンちゃんに感謝)

 アラン皇帝陛下と旦那が緊急帰還した翌日から、俄に事態は進展し始めたわ。

 先ず皇妃宮裏に有る、広大な敷地に皇子宮と其れに付随する諸々の施設が建設される事になり、其処で働く職員の募集と教育が行われる事になり、剣王オウカ殿がハーマイオニーさんにと推薦した、身寄りが無いが世話好きのオバちゃん3人衆と共に、剣王オウカ殿とハーマイオニーさんそしてターニャさんがテスト的に、その職員の教習過程の実地研修相手になる為の妊婦として、皇子宮別邸に滞在する事になったの。

 何故かというと、3人の夫であるミツルギ殿とハリー放送局長、そして剣王シュバルツ殿は、『ザイリンク帝国』で年1回行われる武術及び魔法技術大会である、『西方武術魔術競技大会』への参加と、その大会が行われる”コロシアム”を、西方教会圏全てで中継出来る様にする為のスタッフの長として出向する事になった為だそうよ。

 私は他の人達と違い、皇子宮別邸には時々伺う事にしたわ。

 実は、現在旦那の両祖父母が帝都コリントに来て居て、私の妊娠を知ると帝都コリントでの家を購入したの。

 この両祖父母の行動力たるや、中々なものなのよ!

 以前スターヴェーク王国王都を解放して、両祖父母が王都に帰還したのだが、その際壊された自宅の代わりに貴族の邸宅を提供された時に、宮内庁長官のロベルト長官と懇意になって、今では私達の女子会とよく似ている、『シルバー華族のサロン会』のメンバーになっているの。

 

 私と旦那の家に両祖父母が尋ねて来て、家を購入したというので場所の説明を受けたら、華族しか入れない『ルンテンブルク館』群の一角の邸宅を指し示してくれたんだけど、疑問に思ったから聞いてみたの。

 

 「・・・どうして華族では無いのに、華族しか入れない『ルンテンブルク館』群の一角の邸宅が購入出来たんですか?」

 

 と質問したら、

 

 「何を言ってるんだい!我々は、立派な華族だよ!」

 

 と返答されたので首をかしげていたら、両祖父母はクスクス笑いだして、皇室典範に有る華族規定法を見せてくれて、その軍人身分特例法の項目を指し示して私にみせてくれたわ。

 

 《・・・・・帝国に於ける将官以上もしくは軍団長以上の者は、帝国に於いて華族に列する者として此れを遇し、その家族もその一族と認め華族として此れを遇する・・・・・》

 

 初めて知ったけど、旦那が空軍団長である以上私も華族になってたのね!

 

 「それで、ロベルト長官に確認したら、今の処ケニー坊は”名誉男爵”に該当するんじゃと、今後昇進すればもっと上がるらしいんじゃが、取り敢えず私らは男爵相当の華族待遇になるんじゃよ」

 

 と説明してくれたわ。

 まあ、それは判ったけど『ルンテンブルク館』は何処も華族が入居したがっていて、競争率が何十倍にもなっているから、仕方なく華族の中には平民用のドームの高級住宅地を購入する人が多いと聞いているのに、どうやって簡単に購入出来たのかしら?

 その辺を聞いてみようとしたら家のチャイムが鳴り、カレンちゃんがバスケットを持って尋ねて来てくれたので、家に上がって貰ったらバスケットからカー君とバンちゃんが出て来たの。

 

 「丁度良かった、この(カー君とバンちゃんを指差し)2匹のお陰で、邸宅が購入出来たんじゃよ」

 

 との両祖父母の説明に、意味が判らなくて困惑してたら、カレンちゃんが笑いながら謎解きをしてくれたの。

 

 「あのねミーシャ義姉さん、この間『ケッちゃん』が家にやって来たの。

 何でもカー君とバンちゃんに相談事があったんだけど、私もその場に同席したんだよ。

 『アスガルド城』近くの一等地に邸宅を貰ったのは良いんだけど、『ケッちゃん』はもう少ししたら、『モーガン』さんの飛行船に乗って『魔法大国マージナル』に向かうんだって。

 『魔法大国マージナル』には、守護竜『アルゴス』さんて云うドラゴンさんが居て、そのお孫さんの『アトラス』さんていうドラゴンさんと、私達のドラゴンのグローリア様と今度お見合いをするんだって!

 他にも所要が有るから大体2ヶ月位邸宅を留守にする事になって、是非カー君とバンちゃんにこの際邸宅を譲りたいと、お願いして来たの。

 するとカー君とバンちゃんが、私を見て「クゥーッ」と鳴いたから『ケッちゃん』に訳して貰ったら、「カレン殿とそのご家族と同居出来るなら良い」と教えてくれたの。

 『ケッちゃん』に良いの?と聞いたら、何でも『ケッちゃん』の奥さん(ファーン侯爵家の飼い猫だった)は生まれた子猫達と一緒にお里帰り(『ルンテンブルク館』のファーン侯爵邸宅)していて、そこが気に入っているから動こうとしないので、実際の処『ケッちゃん』自身もそこで寝泊まりしてるから、正直使用した事の無い邸宅だったんだって。

 だから気にしないで貰って欲しいと言われたんだけど、名義変更とかでややこしくなるから、一応邸宅は一旦売りに出されて購入したという形で譲って貰ったんだ」

 

 と説明してくれたの。

 

 「ンッ?!」

 

 今の説明によると、形式はともかく本当の家主はカー君とバンちゃんとなり、私達家族は間借り人と云うのが真実であるという事になるのかしら?

 そんな風に困惑してたら、

 

 「・・・・・形式なんて、大した事無いんじゃよ。

 そんな事より、家族全員で暮らせる良い邸宅に住める事が重要じゃよ!

 そうじゃよな、カー君にバンちゃん!」

 

 と両祖母が言い、両祖父も頷いて、カー君とバンちゃんも、

 

 「クゥーーーー!」

 

 と鳴いて両祖母に駆け寄り、両祖母が抱き上げたら頬にキスをしている。

 まあ、良いかという気分になり、私も感謝を込めてカー君とバンちゃんの頭を撫でて上げたら、気持ち良さそうにしてくれたので、これで良かったと心から思えたわ。

 

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