人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝)    作:ミスター仙人

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閑話㉞「ミーシャの思い出帳」⑤(諸々の出来事と馴れ初め)

 全員の妊娠が判ってほぼ1ヶ月が経ち、帝国民全てにクレリア皇妃陛下のご懐妊の事実と、その性別と出産予定日が公表されたわ。

 皇帝一家の初の御子様は男の子で、出産予定日は今年11月11日を予定しているとの事。

 この発表を受けて、色々な方面から”皇太子殿下万歳”の祝辞が殺到して、一時期宮内庁はテンヤワンヤの大騒ぎになってしまったらしいわ。

 改めて帝国民向けにモニター越しの発表が行われ、皇帝ご夫妻御本人達は出演されなかったけど、放送局の特番報道で放送されたの。

 内容は、これまでの皇帝ご夫妻の歩み等が動画で流され、各界の有名人や宮内庁のロベルト長官、そしてヴェルナー国務大臣等の帝国の重鎮と呼ばれる方々の祝福コメントが紹介され、新たに『皇子宮』が造営されている事も紹介されたわ。

 合わせて、現在皇帝陛下は『ザイリンク帝国』で年1回行われる武術及び魔法技術大会である、『西方武術魔術競技大会』への来賓として参加される為に当地に来訪されていて、その『西方武術魔術競技大会』はこの放送局で、ポイントを支払えば生放送で中継され、帝国からの出場選手として親衛隊長の『剣王シュバルツ殿』、『拳王ミツルギ殿』が出る事も発表されたわ。

 『西方武術魔術競技大会』には、オブザーバーとして『賢聖モーガン様』、『剣聖ヒエン様』、『拳聖ダンテ様』も出席されるそうだから、『剣王シュバルツ殿』と『拳王ミツルギ殿』は、己の師匠の前で恥はかけないわね。

 

 『皇子宮』が出来上がり、新たに剣王オウカ殿とハーマイオニーさんそしてターニャさんを女子会メンバーに加えた、新生女子会を出来上がったばかりの『皇子宮』だ開催したの。

 妊婦の女性陣には、かなり酸っぱい『レモネード』と柑橘類のオレンジが供されて、他の女性陣は最近編入した南方の国家である『エジーバラ』から齎された、『マンゴー』と紅茶を頂いている。

 あれから、クレリア皇妃陛下以外の妊婦である私達4人の、赤ちゃんの性別と出産予定日が判明したんだけど、性別はともかく全員が、皇太子殿下と同じ出産予定日である今年11月11日だと判明して、全員でこんな偶然ってあるのかしら?

 因みに、私とターニャさんの赤ちゃんが男の子で、オウカ殿とハーマイオニーさんの赤ちゃんが女の子だと判明してるわ。

 出産予定日が全員同じ事に全員驚いたんだけど、クレリア皇妃陛下が大変喜ばれて、

 

 「まるで、運命の様だ!

 きっと私達の子供達は、仲の良い兄弟姉妹の様に育つだろう!」

 

 と大変畏れ多い事を仰られたので、妊婦4人組は、

 

 「「「「生まれてくる子供達には、終生、皇太子殿下に対しての忠誠を誓わせます!」」」」

 

 と頭を下げて返答したら、

 

 「・・・・・忠誠など、大人になったら子供達自身の判断で決めれば良い。

 そんな事よりも、私の子供と皆の子供達が仲良くしてくれればと、親としては思うだけだよ!」

 

 と苦笑されながら、クレリア皇妃陛下が願われたので、

 

 「・・・それは誓って!」

 

 と私達は返答した。

 

 するとヒルダ公妃殿下が羨ましそうに、

 

 「・・・・・皆さん良いわねえ・・・・・

 私も2月に挙式したから、そろそろ妊娠しても可笑しく無いんだけど、今日も診察して貰ったのにお医者様からは、まだ妊娠の兆候は有りません、と言われてしまったのよ・・・・」

 

 と言われたが、普通こんな風にみんな一斉に妊娠して、然も出産予定日が全員一緒と云うのが、あり得ないくらいの偶然だと思う。

 だがこうしてヒルダ公妃殿下が、クレリア皇妃陛下と仲睦まじく過ごされているのを見てると、どうしても過日の事を思い出してしまうわ。

 

 ・・・・・そう、かれこれ1年半前になるか、まだ彼女がヒルダ公妃殿下では無く、セシリオ王国『氷雪魔術師団』の第3席次の魔術師であり、半分戦争捕虜扱いでフェンリルとケットシー128世と共に、この地に着いた時の事を・・・・・

 

 その時のヒルダ嬢は、とてもアラン様の事が気になっていたらしいわ。

 何でも今まで自分より、魔術に於いて上回る若い男を見た事が無く、突然現れたアラン様は、自分どころか祖父である『氷雪魔術師団』第1席次のマーリン殿を、魔力・魔術の実力に於いて上回っており、更には武術や事務能力等のありとあらゆる分野で、天才としか云えない能力を示していたの。

 まあ、確かに過去の歴史を紐解いても、アラン様程の英雄は存在しないし、実際帝国民の中にはアラン様を現人神であると信じている人も居るくらいだから、ヒルダ嬢がアラン様の事が気になるのは当たり前の話しだわ。

 それから暫く私は、軍務でベルタ王国の王都での戦闘等に駆り出されて、詳しくは知らないんだけど、いつの間にかヒルダ嬢とクレリア姫様は、アラン様相手の恋のライバル関係になっていたわ。

 私達、元スターヴェーク王国国民としては、アラン様はクレリア姫様の将来の伴侶にして、事実上の婚約者であると認識しているから、ヒルダ嬢はある意味クレリア姫様にとっては、恋のお邪魔虫と感じてたらしく、この後暫くの間このお二人はアラン様を挟んで、恋の鞘当てを繰り返していたわ。

 そりゃあもう、傍で見ていても凄かったわ。

 ある時は、魔術の訓練時の目標に対してのスピード競争、またある時は、アラン様へのおやつとしてのスイーツ作り合戦、そんな競争に何故か途中からセリーナ殿とシャロン殿が参戦されて、アラン様では無く他の女子会メンバーが、4人での競争の判定役になっていって、なんだかいつの間にか恋の鞘当てというより、仲良くなる為の親睦会を競争形式でやっている様な感じに、なっていったの。

 その間も、アラン様始め私達にはあらゆる試練と戦場がやって来て、アラン様とクレリア姫様は共にそれに立ち向かって行ったのだけど、ヒルダ嬢は共に行けない事が多かったの。

 そんな時、ベルタ王国のアマド陛下が下半身不随の状態になり、お寂しい境遇をアラン様は憂いて、話し相手になって上げて欲しいとヒルダ嬢に願われたそうよ。

 そうしてヒルダ嬢がアマド陛下の車椅子を押して、ドーム内の色々な場所を巡ったり放送局での美術品鑑定や、音楽鑑賞を一緒にされている内に、アラン様とはまた別の魅力をヒルダ嬢はアマド陛下の中に見つけられた様なの。

 その心情をヒルダ嬢は、クレリア姫様に打ち明けられて、クレリア姫様もアラン様に熱烈に自分の恋心をこの時までに吐露されていたらしく、アラン様もクレリア姫様のその想いを受け止めて正式に婚約する事になったわ。

 こうして、今現在の形に落ち着いたんだけど、実はもう一つこの時、他の2名とのアラン様は約束事項を交わしているの、まあその話しは別のタイミングに書くとするわね。

 




 文中で出て来た、出産予定日が全員一緒なのは、或る理由が有ってイーリスが仕組んでいます。
 大体自分の、不自然極まりない仕込みには、必ず伏線が内在していて物凄いご都合主義が発生します(汗)
 さて、いよいよ見えてきました、帝国の2世代目の子供達が!
 この5人こそ、
 『皇太子殿下とその取巻き』、『2世代目の子供達(セカンド・ジェネレーションズ)』、『1並び(オールワンズ)』、『5人の操縦者(ファイブ・パイロット)』等の異名を周囲から与えられる、第三部の主人公達です!
 この子供達の成長も、本編と閑話で少しづつ触れて行きますので、お楽しみに。
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