人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝)    作:ミスター仙人

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 さて、またまた過去に戻る閑話になります(汗)
まあこの『カレンちゃん日記』続けないと裏事情全く判らないまま、第三部に突入してしまいますので、何で最初から皇子宮にカレンちゃんとエラちゃんが居るのか?サッパリ判らなくなるんですよね(汗)
 という訳で、以前の続きから再開します。


閑話㉟『カレンちゃん日記」⑰(カレンちゃん、恋愛相談される)

 11月9日

 

 あれから1ヶ月経って、猫さん達もコリント領に出来た猫の保養所と、希望猫による人間との共存が進んで行って、親友達も可愛いペットが飼えて嬉しいと感謝されちゃった!

 ただ『ケッちゃん』は、アラン様と兄ちゃん達の軍と一緒に『魔の大樹海』を抜けてファーン侯爵領に向かっている最中なんだよ、みんな無事に帰ってきてくれるよね。

 

 11月30日

 

 『ケッちゃん』と兄ちゃんが、コリント領に帰って来たのは良いんだけど、カー君とバンちゃんへの報告に私んちに兄ちゃんと一緒に来たら『ケッちゃん』の様子が可笑しかったの。

 何だかフワフワした足取りで、家の家具に躓いたり頭をドアにぶつけたりしてるんだよ。

 

 「・・・『ケッちゃん』どうしたの?グローリア様があんまり早く飛ぶから、ドラゴン酔いでもしたの?・・・」

 

 と聞いたんだけど、私の声が聞こえて無いみたい。

 カー君とバンちゃんが額の宝石から、キラキラ光る光線を『ケッちゃん』に浴びせたら、ようやく正気に戻ったみたい。

 

 「・・・嗚呼、有難うカーバンクル夫妻、お陰で吾輩も目が覚めた・・・。

 この様な気分になったのは、この身体になって初めてであるから、些か驚きであるな」

 

 と何だか良くわからないけど、ようやく『ケッちゃん』と話しが出来るようになったよ。

 

 「ところで、『ケッちゃん』はどうしてフワフワした感じなの?」

 

 と尋ねたら、

 

 「うむ、実は吾輩は恋煩いを患っているのだよ!」

 

 と答えてくれたんだけど、よく判らないから聞いてみた。

 

 「恋煩い?!って、もしかして恋のことかな?

 『ケッちゃん』は誰かを好きになったのかな?」

 

 「その通りなのである。

 吾輩はカレン殿の言う通り、一目惚れしたのだよ!

 彼女は吾輩が、カレン殿の兄君が戦い終えたファーン侯爵領での懇親会に出席した際に、ファーン侯爵のご長男であるレオン殿の胸に抱かれながら現れた!

 その瞳はまるで黒曜石の様に漆黒に輝き、その白い毛並みは白銀の雪をたたえた霊峰を想わせ、その尻尾は豊かな綿毛を集めたかの様で有り、その細い足が歩まれた足跡は見事な模様を刻まれている!

 今まで無数の女性を見て来たが、この様に美しい女性は見た事が無かった!

 此の胸のときめきは、彼女を見た瞬間から今もずっと続いているのである!」

 

 と『ケッちゃん』は大演説してくれた。

 私は、今まで恋ってしたことが無くて、せいぜい昔飼ってた老犬やスターヴェーク王国王都に住んでいる、おじいちゃんとおばあちゃん達は大好きだったけど、これって恋じゃないし、身近な男の子といえばエラちゃんのお兄ちゃんのテオ君くらいだけど、別に特別な感情を持ってはいないから、恋についてはピンと来ないよ。

 

 すると、カー君とバンちゃんが額の宝石から、キレイな光線で空中に何だか判らない模様を描きだしたの。

 その模様は見てると、何だか暖かい気持ちが湧いて来て、スゴく満たされた気分になったの。

 

 「・・・流石は、カーバンクル夫妻で有る!

 やはり貴方方に相談に来た吾輩の判断は、間違っていなかった。

 其れでは、此の熱い想いを伝えるべく行動を起こそうと思うので、カレン殿にお頼みしたい!」

 

 と言われたから、

 

 「何をすれば良いのかな?」

 

 と尋ねたら、

 

 「うむ、吾輩達猫族は人の様に、手紙でのやり取りの様な手段を持たないので、遠方に居る彼女に想いを伝える術が無い。

 故に、吾輩が赴くか彼女が此方に来て直接会うしか無いのだが、吾輩は此処に避難している国民で有る猫達の面倒を見なければならない。

 よって吾輩はそれ程長くは、此処を離れる訳にはいかないのだが、聞けばファーン侯爵の領有する宿泊施設が、此のコリント領に有るそうで、彼女の直接の主であるレオン殿は、弟御のカイン殿と交代でコリント領に来るそうではないか。

 ならばレオン殿が来訪される際には、是非彼女を帯同して貰えぬか?と打診して欲しいのだ!」

 

 と頼まれたけど、私ファーン侯爵のご長男であるレオン様とは会った事が無いんだよね。

 弟である、カイン様は何度か会った事があるけど、あくまで父ちゃんと一緒に会っただけだし、どうしようと考えたら、帰ってきたばかりの兄ちゃんなら知ってるかも?と思い出し、兄ちゃんに応接間で『ケッちゃん』の恋について説明して、協力を頼んだの。

 

 兄ちゃんは、最初戸惑ったみたいだったけど、話しが進むに連れて乗り気になってくれて、明日一緒にクレリア姫様の元へ報告に行き許可を貰ってから、軍の連絡手段を使ってレオン様に頼んでくれることになったの。

 

 「・・・本当に感謝するのである。

 此の礼は何時か必ずするので、覚えていて貰いたい!」

 

 と兄ちゃんと私に『ケッちゃん』は頭を下げてきたけど、

 

 「友達が困ってたら助けてあげるのは、当たり前だよ。

 それより、私まだ『ケッちゃん』が好きになった猫ちゃんの名前知らないんだけど、教えてくれる?」

 

 「・・・此れは吾輩とした事が、何とも失礼な事であるな。

 彼女の名は、『マドンナ』・・・なんとも彼女に相応しい優雅な名前ではないか!」

 

 と教えてくれたの。

 『マドンナ』かあ、あまり馴染みの無い名前だけど響きが良いから、きっとその名前の通りキレイな猫さんなんだろうなあ。

 

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