人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝)    作:ミスター仙人

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閑話㊲『カレンちゃん日記」⑲(カレンちゃん、猫の『マドンナ』さんに出会う)

 1月7日

 

 兄ちゃんとミーシャさんが、みんなよりひと足早く帰って来たかと思ったら、『ガイ君』と『サナちゃん』(ミーシャさんのサバンナちゃんのあだ名だよ)の巣を用意し始めたの。

 何でももうすぐ『サナちゃん』が卵を産むから、緊急で厩舎を改造して2頭で交互に卵を温め合う様にするんだって。

 うわあ~、ワイバーンの赤ちゃんってどんななのかな?

 

 1月15日

 

 ファーン侯爵の長男レオン様がコリント領に到着されたの。

 私は、『ケッちゃん』の付添で迎賓館に向かい、控え室で噂の『マドンナ』さんに会えたんだよ。

 

 《こんなにキレイな猫さん初めて見たよ!『ケッちゃん』が一目惚れしたの良く判っちゃった!》

 

 『ケッちゃん』が言う通り、その真っ白な毛並みはまるで輝いているみたいだし、黒い瞳は吸い込まれそうな気がする。

 『ケッちゃん』は、何時もはあんなに饒舌(学校で習ったの)なのに、『マドンナ』さんの前ではギクシャクした動きで、手足が片側ずつ同時に出てるから変な動きに見えるよ。

 

 『マドンナ』さんの主人であるレオン様が、

 

 「いやあー、貴方がケニー殿の妹さんですか、今後永住する予定のレオンと言います。

 以後宜しく!」

 

 と手を差し出してきたの。

 とても貴族とは思えない気さくな喋りで、自己紹介されたから戸惑っちゃったけど、手を握って挨拶を返し『ケッちゃん』を紹介しようとしたら、

 

 「ああカレン殿、以前ファーン侯爵領でケットシー128世殿の事はアラン総帥から紹介されているんだよ。

 我々ファーン侯爵領の者は、ケットシー128世殿が遣わされた『ベヒモス』のお陰で大変助かっているんだよ。

 だから、我々はケットシー128世殿にとても感謝していて、今回はその感謝の意味合いでも、ケットシー128世殿の要望には出来る限り答えるつもりだよ。

 但し、私の愛猫である『マドンナ』を娶りたいとの事ならば、正々堂々正面から挑んで貰いたいとは思うがね」

 

 と私に答え、『ケッちゃん』には釘を差してきたみたい。

 『ケッちゃん』は、その忠告が聞こえているのかいないのか、判らない位緊張してるみたいだけど、『マドンナ』さんは、猫なのにシルクハットを頭に被り燕尾服を着ている『ケッちゃん』が気になったのか、『ケッちゃん』の隣に来てじっと『ケッちゃん』を見つめている。

 

 『ケッちゃん』は緊張し過ぎて身体がカチコチになっていて、ピクリとも動かない。

 『マドンナ』さんは、そんな『ケッちゃん』の緊張をほぐそうと思ったのか、『ケッちゃん』の頬をなめてくれたの。

 そうしたら『ケッちゃん』は、身体がカチコチのまま倒れてしまったの。

 その姿を見て、レオン様は笑いだして、

 

 「これは驚いた!

 ケットシー128世殿より、うちの『マドンナ』の方が余程積極的じゃないか!

 『マドンナ』は猫なのに、ファーン侯爵家の誰よりも気位が高くて気品があるのだが、ケットシー128世殿に興味津々な様子。

 是非、カレン殿にはこれからもケットシー128世殿を連れて、『マドンナ』に会いに来て貰いたい!」

 

 と言ってくれたので、

 

 「判りました、これからも宜しくお願いします!」

 

 と返事して、これから忙しくなるだろう迎賓館から出て、家に帰りながらバスの中で『ケッちゃん』を介抱してたら、ようやく『ケッちゃん』が元に戻ったので、良かったねこれからも会えるよ!と言ってあげたら、

 

 「・・・・・カレン殿大変感謝する!

 吾輩は今、天にも上る気持ちであり、これからも『マドンナ』さんに会いに行ける様に取り計らってくれたカレン殿には、無限の感謝を贈る!」

 

 と礼儀正しくシルクハットを頭から取り、華麗なポーズで感謝されたの。

 何でこのかっこいい姿を『マドンナ』さんの前で出来ないのか、不思議に思いながら、

 

 「感謝してくれてありがとう!

 でもね、友達なんだから当然だよ!」

 

 と返事したら、

 

 「・・・そうであるな、友達なのだ・・・・・

 かつての人類が、この博愛の心を持てる程の、器の大きさを持てればあの様な結末にならなかったのに・・・」

 

 とため息をついてバスの窓越しにドームの空を見上げてる。

 きっと『ケッちゃん』にも、色々な過去があったんだろうなと考えて、物思いにふける『ケッちゃん』の邪魔をしない様にしてバスの座席の背もたれに体重を掛けて座り直したの。

 

 2月10日

 

 今日、クレリア姫様の本当のご身分がコリント領で公開されたの!

 ようやくスターヴェーク王国出身者以外の人の前でも、クレリア姫様と呼べる様になったけど。

 学校のスターヴェーク王国出身者以外のみんなは、前々からクレリア姫様はただ者では無いと判ってたみたいで、そんなに驚いて無いみたい。

 まあ、アラン様とあんなに親しそうで、気品と美しさを兼ね備えるクレリア姫様は、誰が見てもスゴイ出自なんだろうなと判っちゃうよね。

 だけど、実はこのベルタ王国の王様であるアマド陛下と再従兄弟の関係で、正式に親族であると公開されたのには驚いちゃった。

 んっ?!そうすると、クレリア姫様と将来結婚されるアラン様も、王族になるって事だよね。

 この1年間でも、アラン様は男爵から辺境伯になり、役職称号も護国卿から総帥になってるから、今後はどこまで出世するのかな?

 でも、元々スターヴェーク王国出身者達にしてみれば、クレリア姫様のお相手であるので最初から私達の王様みたいなものだから、どう身分が変わろうと私達には関係無いよね。

 

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