人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝)    作:ミスター仙人

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6月の日記③(人類銀河帝国 コリント朝元年)《『世界武道大会』③》

 6月4日

 

 明後日から、第一回『世界武道大会』が開催される公都ザイリンクは空前の賑やかさを見せていた。

 この10年間まともな他国との交流をして居らず、インフラ整備は放置され、道路事情は悪化の一途を辿っていた。

 しかし、『人類銀河帝国』にザイリンク帝国が併合されると、全てが一変した。

 先ず今までのザイリンク帝国を簒奪していた、ゴラムとギロンの悪事が全て明かされ、その所為でザイリンク帝国が周辺諸国や従属国に取って、如何に愚かな行為をしていたり、ザイリンク帝国の貴族が殆どゴラムとギロンの手により殺されていた実態がバラされた。

 取り敢えず『人類銀河帝国』は、元ザイリンク帝国の地方の市区町村には、行政官を派遣して司法と行政を司らせて民心の安定に努めて徐々に人類銀河帝国民としての自覚を持つ様にする。

 そして本国から、大規模なインフラ整備部隊を派遣させて、先ずは公都ザイリンクから各大都市との幹線道路を大規模に改修させ、将来の魔導鉄道敷設の為に職にあぶれてスラムで生活していた者達を中心に雇い入れ、大規模な職業訓練を同時に行いつつ、魔導鉄道敷設を始めた。

 そしてザイリンク帝国軍約10万人は、最初に武装解除させた後、人類銀河帝国軍に入隊を希望した8万人には『ナノム玉1』を順々に与え、軍事訓練等や魔法教育を行い地方帝国軍としての自覚を持たせていった。

 残りの2万人は、各地方の警察官としての教育を行い、其々の郷里や大都市での盗賊や犯罪者の取締をさせ、徐々に遵法精神を培わせていく事になった。

 そんな中公都ザイリンクには、海洋大国デグリート王国とノルデン諸国連合から船に乗り海路やって来る商人達に混じり、『世界武道大会』に参加する腕自慢がやってき始め、悪路でも無視して障害物を破砕しながら爆走する『ホシ』と『ジョナサン』のトレーラーギルドが乗せてきた腕自慢がやって来た。

 その腕自慢達が宿泊出来る様に、簡易的に大規模な宿泊施設を”コロシアム”の横に設営した。

 当然血の気の多い連中なので、いざこざが耐えないので隣の”コロシアム”で拳により解決させ、それでも納得がいかない者には、帝国軍の猛者が鉄拳制裁を下していった。

 此れ等『世界武道大会』へ向けての広報やインフラ整備の模様は、公都ザイリンクを始め各地方都市と従属国の主要な場所に設置した大型モニターにより放送され、国が一新された事を全ての国民が実感した。

 

 6月5日

 

 朝から公都ザイリンクは、喧騒に包まれ主要な場所では超大型モニターで、これ迄の『人類銀河帝国』の歩みや帝国軍の様々な敵との戦闘の記録(当然子供も見る事を配慮してマイルドにしている)等を繰り返し流している。

 其れ等を見ながら食事等を行える様に、簡易的なテラスや座席が辻辻に設えられていて、その周辺には様々な屋台や物売りが通行の邪魔にならない程度に店を開いている。

 そんな中”コロシアム”では、明日の第一回『世界武道大会』に向けての予選会が行われていた。

 基本的に、武芸が拙劣で怪我をするだけと判断される者以外は参加出来るので、帝国軍人が武器や格闘での相手をして著しく劣る者以外は参加許可を認めて行った。

 そして参加者約500人が選出され、”コロシアム”に設営された前夜祭会場に各国代表の要人や、各ギルド長や有力商人が招かれ、全員に盃が回った事を確認してアラン様が壇上に立たれた。

 

 「皆様、明日の第一回『世界武道大会』に向けての前夜祭にご参加くださり、大変有難うございます!

 『世界武道大会』は今後毎年行われる事になり、現在はこの西方教会圏の範囲ですが、何れは『世界』と冠している通りに、参加される人員はこの世界全てから募りたいと考えています。

 そして今回は武術のみですが、別の機会には魔法や車両での運転技術を競う競技、更には文化面での競技も我が『人類銀河帝国』は推進して行くつもりです。

 我々人類はただの生物に有らず、生きとし生けるもの万物の霊長として、何れは戦争等で争うのでは無く、人を傷つける事無く、技能や技術を切磋琢磨してそれを競い、相手を励まし合って共に成長し高め合う事で、次への進化を為せる筈です。

 その為であるなら、『人類銀河帝国』は惜しみない支援を全ての国・個人・団体へと与えるつもりです。

 今回の『世界武道大会』がその大いなる端緒になる事を願います!」

 

 と『世界武道大会』前夜祭への祝辞を述べられ、

 

 「其れでは、『世界武道大会』の成功を祈り、乾杯!!」

 

 「「「「「「乾杯!!!」」」」」

 

 乾杯の音頭を取り、参加者全員も唱和してグラスに注がれた帝国産の各種酒類や、ノンアルコールのシャンパン等を一斉に飲まれた。

 飲まれた方々の中には、まだ帝国産の酒類を飲んだことの無い、元ザイリンク帝国関係者や従属国の方々も多く、そこかしこで初めて味わう酒類に対しての歓声が起こっている。

 そして会場での食事も、当然『人類銀河帝国』の誇るアラン様の薫陶が行き届いたシェフ達の手による料理の数々で、参加者達は満足そうに次々と食べて居られた。

 こんな風に、セリース大陸全ての国家が平和裏に戦争等を行わず、ただ人類の発展を喜び共に助け合い、競技する人々を称え合う、素晴らしい世界を現出しようと歩まれるアラン様とクレリア様の率いる『人類銀河帝国』に奉仕出来る自分の境遇に対して、改めて『ルミナス神』に感謝を捧げた。

 

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