人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝)    作:ミスター仙人

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6月の日記⑫(人類銀河帝国 コリント朝元年)《イリリカ王国到着と魔法剣大量発注》

 6月18日

 

 諸々の手続きを終えた後、帝国軍全艦隊は『魔法大国マージナル』を出国して、一路最後の目的地『イリリカ王国』に向かっている。

 その間も空中では、空軍のドラゴン達とアトラス殿の演習が行われていた。

 試合で、徹底的にアラン様との力の差を思い知らされたアトラス殿は、態度を改められて、アラン様の騎竜として特訓につぐ特訓を重ねている。

 来たるスラブ連邦との戦いは、現在想定されているだけで、

 

 ①大量の『海魔クラーケン』との海戦

 

 ②マジノ線で戦ったMMで構成された疑似兵士や疑似魔物軍との陸戦

 

 ③ヒュドラの様な大型疑似魔獣との合戦

 

 ④複数の『テュポン』との超大型魔獣との連戦

 

 ⑤『システム・エキドナ』での『導師(グル)ラスプーチン』との対戦

 

 といった戦いが考えられていて、早期のアトラス殿の戦闘経験によるレベルアップは、必須の状況だ。

 また、『守護竜アルゴス』殿と『賢聖モーガン』殿は、『魔法大国マージナル』に居て、『システム・エキドナ』の復旧を龍脈(レイライン)からサポートするそうだ。

 自分には判らないが、恐らくとても重要な事なのだろう。

 

 アトラス殿は、グングンと演習によってレベルアップしていった、今まで『守護竜アルゴス』殿以外のドラゴンが居らず(『守護竜アルゴス』殿によると、今では滅んだ『アトランティス大陸』での、大量の魔物との大戦で『守護竜アルゴス』殿と卵だったアトラス殿以外のドラゴンは、全滅したそうだ)、訓練する相手が居なかったのに、今では16頭のドラゴンが訓練相手に居るし、自分とほぼ同格のグローリア殿には、魔法訓練はともかく格闘戦では、『コリント流ドラゴン格闘術』を習得しているグローリア殿には、負けてばかりだ。

 故に、アトラス殿は徹底的に基礎訓練である、走り込み(ドラゴンは飛べる為に基本走らないから、以外と下半身は弱い)と徹底的なストレッチ(ドラゴンはその巨体故に身体の柔軟性は乏しい)をする事によって、基本の身体作りに着手し、身体をバランスの取れたものに改善していった。

 更にドラゴン用の『ナノム玉』を服用して、魔力と魔法行使の最適化を行い、ムービーによる新たな魔法教育を受ける事によって、帝国軍の軍団魔法やグローリア殿が習得している強敵用の極大魔法等の学習を行っている。

 

 実際にムービーで過去の帝国軍、特に我等空軍と数々の強敵(『ザッハーク』や『テュポン』等)との対戦の記録は、アトラス殿にとって大変ショックだった様だ。

 自身がドラゴンで有り、この世界でも強者で有ると思い込んで居たのに、実際は自分など歯牙にもかけない強者がそこら中に居るのだ。

 このままの状態では、単に蹂躙されるのみと理解したアトラス殿は、より一層特訓に勤しんでいった。

 

 6月23日

 

 最後の目的地『イリリカ王国』の首都に到着した。

 早速アラン様達上層部が王宮に向かっている間に、我等空軍全員も協力して大量のオリハルコンを艦から搬出した。

 此れ等は、西方教会圏に於いて有名なイリリカ王国の武器工房へ提供し、大量の魔法剣と魔法ナイフを発注する為に必要なのだ。

 ドラゴン達もオリハルコン他の物品の搬出を手伝っていたのだが、イリリカ王国の人々にとっては陸上戦艦と陸上空母に続いて信じ難い光景だった様で、ひたすら呆然とただ見ている。

 アラン様達上層部が王宮から帰って来て、王宮から来た商務官と共に国営の武器工房に向かう。

 国営の武器工房では、搬入された膨大なオリハルコンの資材とそれを加工する事の出来る、親父謹製のハンマーや旋盤、そして数々の器具を前に喧々諤々と議論を重ねている鍛冶職人達が居た。

 早速アラン様は、設えられた壇上に上がり、

 

 「イリリカ王国の誇る鍛冶職人の方々、こうしてお会い出来た事を大変嬉しく思う。

 私は、人類銀河帝国皇帝アラン・コリントという者だ。

 常々帝国軍と共に戦いながら思うのは、武器という物の他に対する優位性だ。

 当初、冒険者クランでスタートした我等は、数人しか魔法剣を所持せず、戦闘行動を取る際にはその戦力差を念頭に入れながら行動していた。

 だが、或る時偶然からイリリカ王国製の魔法剣を、大量に得ることが出来て、戦力の不均衡差を考えずに済む事が出来た。

 此の時のクランメンバーの感動と喜びは、私の脳裏に深く刻まれている。

 それ程我等にとって、此の時のイリリカ王国製の魔法剣は素晴らしい物だったのだ。

 そして今また、戦力の不均衡が生じている。

 何故か?と言うと、我等帝国は大量のオリハルコンを得られたが、極一部の者にしかオリハルコンの能力を引き出した武器を与えられず、大量の量産品しか殆どの兵士には渡せていない。

 此れではオリハルコンという素材自身が、泣いてしまうのではと思う程悲しい事態だ。

 其処で私はあの時と同じ様に、大量の魔法武器を我が帝国軍の兵士に与えるべく、こうしてイリリカ王国にやって来て、直に鍛冶職人の方々にお願いするのだ。

 人類銀河帝国皇帝としてお願いする!

 是非、貴方方優れた鍛冶職人の皆様にオリハルコン製の、優れた武器を作って貰いたい!

 帝国からは、資材と器材そして資金は上限を設けずに提供するので、貴方方の持てる最高の技術を使い、素晴らしい魔法武器を製作して頂きたい。

 また、希望者を募るのだが、我が帝国にはこのオリハルコンとアダマンタイトが膨大に有るのは勿論、此れ等を溶かし資材に出来る溶鉱炉とアダマンタイトを加工出来る、旋盤が存在する。

 是非帝国に赴いてくれて、より技術を磨きたいと希望するので有れば、帝国は高待遇での雇用をしたいと思う。

 奮っての参加を期待する!」

 

 とアラン様は演説した。

 其れを聞いて、明らかに目の色を変えている職人が、大勢いる事に自分は気づいたので、恐らく相当数の希望者が帝国にやって来るのだろう。

 

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