人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝) 作:ミスター仙人
7月20日
アトラス殿とグローリア殿の2大ドラゴンを主軸とした、空軍のフォーメーションや新たな軍団魔法の演習に励んでいたが、遂にマジノ線に有る『マジノ・ドーム』から、緊急事態の発令が帝都コリントに齎された。
どうやら、スラブ連邦に所属していたが、マジノ線の近郊に有る為に最近帝国軍側に寝返った、クライナ公国から救援依頼が、マジノ線に来たらしい。
早速、マジノ線に張り付いていた、帝国北方軍から先遣隊がクライナ公国に出動し、戦闘ヘリコプターを改良して、無人の偵察機となったドローン(無人の遠隔操縦機をこう呼ぶらしい)をクライナ公国の重要都市に、配備した様だ。
そのドローンを通して状況を把握すると、スラブ連邦はまたも首都の『エデン』から、大規模な軍団を進発したようだ。
ただ前回と違うのは、クライナ公国の北のキエフ軍港にも動きが有り、何かの攻撃により商船が次々と沈められている様だ。
やはり、想定にあった『海魔クラーケン』が出没しているのだろう、このままではクライナ公国への海の道が、閉ざされてしまう。
アラン様は決断し、帝国上層部全員出席の御前会議を招集して、第二次対スラブ連邦戦を正式に提案され、帝国上層部全員の賛同を得られた。
そして、『魔法大国マージナル』から連れて来た旧ルーシア王国の王女『アナスタシア姫』からの依頼を、本人の口から述べて貰った。
「・・・人類銀河帝国の皆様、私がルーシア王国王女アナスタシアです。
この度は、ルーシア王国の兄弟国であるクライナ公国への救援に向かって呉れるとの事、大変嬉しく思います。
何でも、既にクライナ公国公王一族は尽く『導師(グル)ラスプーチン』の手により族滅されているそうですね、私は親族であったクライナ公国公王一族の無念を晴らす為にも、立ち上がりたいと思うのですが、如何せん私には、戦力と呼べるものは一切無く、然も私自身は戦いの経験も無く、只祈る事しか出来ません。
真に不甲斐ないですが、人類銀河帝国皇帝アラン陛下と皇妃クレリア陛下にお願い致します。
どうぞ、大陸北方の人民を助ける為に、人民を苦しめ続けるスラブ連邦、そして其れを主導する『導師(グル)ラスプーチン』を倒し、大陸北方に安寧を齎して下さる事を切にお願いします!」
と深々と頭を下げ願われた。
そのルーシア王国王女アナスタシアの横にクレリア様は寄り添われ、泣き出したアナスタシア姫を慰めて居られる。
其れを見て、決意を改めて固めている我等帝国上層部に向かい、アラン様は、
「当然我等帝国は、此のアナスタシア姫の願い通り、大陸北方の人民を救うべく行動を起こす!
このままスラブ連邦を放置すれば、必ずその魔の手は我等の居る西方教会圏に襲いかかって来る!
そして、最後には大陸全土は『導師(グル)ラスプーチン』の説く、『共産主義』と云う悪魔の教えに染まってしまうだろう。
我等帝国は、此の様な人を人とも思わないスラブ連邦の行いを、断じて許すわけには行かない!
よって我等帝国は、己の持つ軍事力を最大限行使した上で、同盟を組んだ西方教会圏の国々の協力を得て、これよりクライナ公国の救援と、スラブ連邦の首都への進軍を開始する!」
と断固たる意志を示された。
当然我等帝国上層部全員否やは無く、全員がアラン様に頭を下げ、
「「「イエス、ユア・マジェスティ(皇帝陛下の御意の儘に)!」」」
と一斉に唱和した。
そして御前会議は、一気に軍事行動に伴う諸々の計画、そして実行期間・北方人民の保護等を立案し、スラブ連邦に面するアラム聖国と崑崙皇国への、外交折衝団を派遣し、我等帝国の行動はあくまでもスラブ連邦の暴虐を掣肘する為であり、アラム聖国と崑崙皇国へ敵対するものでは無い事を説明し、ただ両国が我等帝国の行動を阻害する様な措置を取った場合には、断固として両国の措置に対して応分の行動を取る事を宣言させる事とした。
7月21日
兼ねて約束していた通り、海洋大国デグリート王国の誇る二大艦隊の一艦隊がノルデン諸国連合の各港に向けて、出港した。
この艦隊は、敢えて旧来の木造船で構成されていて、然も殆どの武装は取り外されて、新造されている鋼板船に備え着け直している。
つまり、この艦隊は物資輸送を主の任務としており、場合によっては『海魔クラーケン』への囮の役目も引き受けて貰う事になる。
その為に、ノルデン諸国連合の港に着いたら、物資を積み込む事と、少人数で運用出来る様に若干の改装をして貰う事になっている。
7月24日
西方教会圏の全ての人々に向けて、アラン様が今回のスラブ連邦との大戦の決意表明をモニターで放送された。
「この度、我等『人類銀河帝国』にクライナ公国からの救援要請が有り、更に旧ルーシア王国の王女『アナスタシア姫』からの大陸北方の人民への救済依頼が有りました。
我等『人類銀河帝国』は、元々スラブ連邦の人を人とも思わない行い(此処でドローンで撮影した、現在行われているクライナ公国を襲っている疑似兵士や疑似魔物による虐殺シーンをマイルドにして放送した)を、断じて看過し得ない!
よって 我等『人類銀河帝国』は断固とした決意の元、クライナ公国を救援し、そのままスラブ連邦へ決戦を挑みます。
厳しい戦いになると考えますが、我等『人類銀河帝国』は一丸となって戦う所存です!
どうか西方教会圏の全ての人々にお願いしたい!
戦いには勝つが、恐らく国土が荒らされて住めなくなった北方の人民は、西方教会圏の国々に難民として移住するケースが考えられる。
その際には、どうか温かく迎えて上げて欲しい。
諸々の費用負担は、全額 我等『人類銀河帝国』が肩代わりします。
ただ貴方方には、異邦人で有るという理由だけで、隔意を持たずに、この世界に生きる同士なのだと考えて、受け入れて貰いたいのだ。
必ずその思いは難民として移住する人々にも届き、その相互理解と協力関係は、後の世に素晴らしい財産となる事だろう。
私アランには、その輝かしい未来が見えています。
きっと貴方方にも見えて来る筈です。
より良い未来へ向けて、皆で共に手を取り合い歩み始めましょう!」
と半ば未来への祈りの様な宣言がなされた。
此の時を以って、第二次スラブ戦争の幕は切って落とされたのである。
一旦此処で、本編は休止して閑話が入ります。
しかし、感想でも上がってますが、まさか現実がこの二次小説に近い展開になるとは思わなかった(呆然)
然も読者は、ご存知でしょうがかなり前から、『ラスプーチン』とし敵の首魁は設定してますし、此れから戦う主戦場はクライナ公国(ウクライナをもじってます)です。
閑話が終わり、本編が再開すると海戦・陸戦・空中戦のオンパレードになり、『首都キ○フ奪還戦』『オデ○サの戦い』『クリ○ア海戦』等の思いっきり、現実とリンクする戦いが有ります。
現実には起こって欲しくは無いですが、あくまでも娯楽作品として、お楽しみ下さい。