人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝)    作:ミスター仙人

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9月の日記①(人類銀河帝国 コリント朝元年)《同盟と協定》

 9月1日

 

 ガデッサの戦いの後始末を帝国軍全軍で行う、下手に奴等のMMが残ってると、どんな悪影響があるか判らないからだ。

 幸いにもMMは残って居らず、我等帝国軍は全軍クリーミー半島に向かった。

 この地は、早々にスラブ連邦軍が電撃的に占拠していた為に、殆ど戦闘の後が無く、綺麗な街の風景が在りし日のクライナ公国の素晴らしさを物語っていた。

 

 《この風景を他のクライナ公国の都市で見られる様になれば良いな》

 

 と思いながら、予定通りにクリーミー半島の『赤海』に面している軍港に、帝国軍全艦隊が着艇して、軍港に備蓄されていた物資等を確認すると、食糧類は残っていたが穀物類や乾物類以外は、全て全滅だった。

 まあ、物資類にはそもそも期待していなかったので、問題無いのだが、軍港が全然問題無く使えそうなのは、今後の事を考えると非常に有り難かった。

 

 そんな中、クリーミー半島の地方行政府で、帝国とクライナ公国臨時政府が、正式な代表による政府間交渉を行っている。

 クライナ公国での戦闘は一先ず終わったが、我等帝国軍はこれからいよいよスラブ連邦の本国に攻め込み、ラスプーチンの居座るスラブ連邦首都『エデン』まで向かう為に、今後後背となるクライナ公国との取り決めは非常に重要だ。

 

 かなり短い交渉で、帝国とクライナ公国臨時政府との協定と同盟が、両者代表たるアラン様とゼレンスク殿との間で結ばれた。

 

 1、今後帝国とクライナ公国は同盟し、お互いの相互協力を誓い、軍事的に苦しい場合は直ちに援軍を送る。

 

 2、貿易を積極的に行い、壊滅してしまったクライナ公国の復興を帝国は全力支援する。

 

 3、財政については、当面帝国側が補填する形で、3兆ポイントと5千億ギニーを100年間の借款として都合する。

 

 4、帝国はクライナ公国の領土復興の為に、優先して重機を無償で貸与する。

 

 5、1から4の協定を締結する見返りとして、ガデッサに存在するレアアース鉱床を、優先的に掘り出せる権益を今後百年間帝国に渡す。(但し出て来た鉱物等は帝国が適正値段で買い取る)

 

 などの協定と同盟が、西方教会圏全ての国に放送され、最期にその両者の合意書をアラン様とゼレンスク殿は、両手に掲げ、握手がしっかりと結ばれた。

 

 9月2日

 

 昨日の協定と同盟の元で、対スラブ連邦国土への戦いにのぞみ、兵站基地で有るクライナ公国西部の『リビン』から、補給物資が軍用トレーラーで続々と届き始めた。

 先のガデッサの戦いで、かなり補給品が消耗されていて、スラブ連邦の首都までの道程を考えると、ここからの兵站線は、しっかりと確保して置かないと、遠からず帝国軍は攻勢限界点を迎えてしまうのだ。

 次々と空軍旗艦『グラーフ・ツェッペリン』に運び入れられる物資は、或る意味、我等帝国軍の生命線そのものだ。

 

 9月3日

 

 補給物資の第二陣が届くと、それに便乗する形で兵站基地『リビン』に留まっていた、親衛隊長シュバルツ殿、ミツルギ殿を中心に、新たに親衛隊に加わった世界武道大会参加者20名と拳王ダルマそして剣王カイエンを含む特別陸戦隊千人がやって来た。

 あれからかなりのクライナ公国住民をマジノ線に送り、彼等避難民は各国で保護されている事も明かしてくれた。

 

 「しかし、見せて貰ったけど、凄まじすぎるな神鎧『ジークフリート』を纏ったアラン陛下は!」

 

 興奮した様子でミツルギ殿が自分に、感想を述べると、親衛隊連中も頷き、

 

 「我々も、同感です!

 正に神の代理人と云って過言では無い!

 そしてその神々しさは、現人神そのものでしたよ!」

 

 と言い合っている。

 

 《嗚呼、そうかコイツらはあの承認の儀式を、見てないからなあの神鎧『ジークフリート』の神々しさを》

 

 確かに海中神殿では、放送器具全般が使用出来なくなり、一切放送出来なくなったのだ。

 一頻りアラン様と、神鎧『ジークフリート』の素晴らしさを褒めそやし、特別陸戦隊の連中は空軍旗艦『グラーフ・ツェッペリン』に用意して置いた各部屋に入室して貰い、ひと通り落ち着いたら夜は内輪で程々の酒を酌み交わし、壮絶な首都キエフ軍港でのダゴンとハイドラ、そしてガデッサでのバックベアードと云う強敵との、戦いを語ってやると、案の定食いついてきて、更に細かく聞きたがって、判る範囲で答えてやるととても喜んでくれた。

 

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