人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝)    作:ミスター仙人

172 / 352
9月の日記②(人類銀河帝国 コリント朝元年)《ルーシア王国到着》

 9月5日

 

 補給作業も完了し、帝国軍艦隊は『緑海』を渡りスラブ連邦本土に上陸した。

 昔、グルジア侯国という国が有ったらしいが、既に50年前に滅んでおり、今では既に廃墟と化している。

 

 《・・・・・予めドローンによる偵察情報で、大体の状況は判っていたが、たった50年で此処まで荒廃するのか・・・・・》

 

 クライナ公国での惨状を見ていただけに、大凡の想像をしていたが、此処までしてラスプーチンは何がしたいのだろうか?

 これから向かう、元ルーシア王国の国土、そしてスラブ連邦の首都『エデン』はどの様な状況なのだろう?

 

 やはり『共産主義』と云う物の正体を考えると、嫌な予想しか浮かばない。

 

 9月8日

 

 元ルーシア王国の国土に向かっている途中でチーチンと云う小国で、『地虫(アースワーム)』の集団が帝国軍艦隊に向かって襲い掛かって来た。

 かなり大きめの魔獣なのだが、帝国軍艦隊の艦船は全て地上から3メートル程の高さで浮いていて、『地虫(アースワーム)』が地中から飛び上がって襲い掛かって来ても、正直大して脅威にはならず。

 其々の艦船からの艦砲で全て、殲滅して行く。

 なんとコイツらは、MMで構成されていない純粋の魔獣で、死体からかなり大きい魔石を回収出来た。

 どうも、この辺りの場所では、最近まで人間が居た痕跡が有るので、恐らくスラブ連邦に占拠された後、その住民を虐殺し、その死体はそのまま野晒しにしていた為に『地虫(アースワーム)』が集まり、死体は食べられてしまったのだろう。

 

 9月10日(前編)

 

 時折、襲い掛かって来る『地虫(アースワーム)』を倒しながら、元ルーシア王国の国土に到達した。

 凡そ3年前まで戦っていた国だけに、場所によってはクライナ公国での生々しい惨状と同じ光景が有った。

 正直度重なる惨状に、帝国軍全体が気分を滅入らせていましたが、或る情報が有ったお陰で、一気に帝国軍全体のやる気は回復した。

 なんと、まだ生きている元ルーシア王国住民が結構な数で地下に潜伏していた事が判明したのだ!

 どうやら、かなりの深度の地下都市?にいる上に、相当な岩盤が天井になっていて、スラブ連邦の目を掻い潜る事が出来ていた様だ。

 帝国軍の最新式超高性能ドローンでも、総旗艦『ビスマルク』の超高性能探知魔法レーダーとの連携探査で、漸く見つけられたのだ。

 ただ問題は、出入り口等は判明して居るのだが、かなりの深度の地下都市?に居る元ルーシア王国住民との接触する術が無いという事だ。

 此れはやはり、探索及び交渉する人員を向かわせるしか無いという事になった。

 そして選ばれたのは、、親衛隊長シュバルツ殿・ミツルギ殿、拳王ダルマ殿、剣王カイエン、中央情報局のカトウ、そして自分合計6人で有る。

 自分が参加した理由は、アラン様を探査に向かわせる訳にはいかないし、ガイならばこの人数を乗せても問題無い、そして比較的地位の高い人物が行く事で、交渉の際に帝国は交渉を真剣に望んでいる事を示す為だ。

 そしてその出入り口も、かなり強度のある扉が備え付けている上に、付近には魔物の徘徊も確認されたので、ドラゴンが行く事で、する必要の無い戦闘を予め避ける必要があったからだ。

 夜にその出入り口の有る近くに静かにガイが滑空し、静かに降り立った。

 カトウが自身の武具の能力を使い、6人全員を透明化の魔法により、消えた様になった。

 同時にガイにも透明化の魔法を掛けて、全員で出入り口に向かった。

 かなり判り辛い様に、カモフラージュした扉が結構深い場所にあったので、ガイが入れる様なトンネルでは無いから、トンネル入口で警戒させつつ待機させた。

 地下30メートル程の場所にトンネルを進み、出入り口に到達した。

 すると、丁度ばったりと出て来る元ルーシア王国住民の偵察部隊と会えた。

 直ぐに透明化の魔法を解いて接触を図ったが、元ルーシア王国住民の偵察部隊は、相当驚愕したらしく、我等帝国軍に剣を向けてきた。

 

 「待ってくれ!

 我々に敵意は無い!ただ話し合いをしたい!」

 

 と見える形で、6人全員其々の武器を地面に置いて両手を上げた。

 元ルーシア王国住民の偵察部隊は、直ぐに自分達が我々に剣を向けてしまっているのに気づいて、苦笑しながら剣を降ろし、

 

 「失礼致しました!

 武器は持ったままで構いません。

 こんなに普通の対応をスラブ連邦の兵士はしませんしから、貴方方がスラブ連邦の関係者で無い事は判っています。

 ただ確認させて下さい、貴方方は我々を救援に来てくださった、外国の方でしょうか?」

 

 と尋ねて来たので、自分が、

 

 「その通りです。

 我々人類銀河帝国は、貴方方ルーシア王国の王女から、ルーシア王国住民を救援する依頼を受けて、此処に来て居ます!」

 

 と答えると、

 

 「本当ですか!『アナスタシア姫』様が無事で居られるのですね!」

 

 と聞いてきたので、

 

 「本当ですよ、今現在我々人類銀河帝国で保護してますので、ルーシア王国が復興次第、貴方方の指導者として返り咲いてくれる事になっています」

 

 と答えると、あまり騒ぐと不味いのが判っているので声を上げずに、身体をブルブルと震わせながら、涙を流している。

 余程、嬉しいのだろうな、気持ちは良く判るのでとても共感した。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。