人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝)    作:ミスター仙人

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9月の日記③(人類銀河帝国 コリント朝元年)《ルーシア大空洞》

 9月10日(後編)

 

 親衛隊長シュバルツ殿・ミツルギ殿、拳王ダルマ殿、剣王カイエン、中央情報局のカトウ、そして自分合計6人は、元ルーシア王国住民の偵察部隊の案内のもと、地下都市?に招き入れられた。

 其処はかなりの広さを持つ空間で、処々に魔石を使った灯りが有るので、地下で有るにも関わらず相当明るい。

 そして我等6人は、地下都市?の中心部にあるルーシア正教の教会に通された。

 結構な人数(60人程)が中に居て、その中心に50才くらいの女性がいた。

 女性は予め、偵察部隊の報告を受けていたらしく、我等に尋ねて来た。

 

 「初めまして、私はこの『ルーシア大空洞』で代表をしている『マリア』と申します。

 貴方方の事は、偵察部隊の報告によって知りました、その中で幾つかの疑問点がありますので確認させて頂きたいのですが、宜しいでしょうか?」

 

 と言われたので、

 

 「どうぞ、お気の済むまでお尋ね下さい、我々としても出来る限りの疑問にお答えしたいと思います」

 

 と自分は代表として応えたので、

 

 「ありがとうございます、それではお言葉に甘えて。

 貴方方は所属を、『人類銀河帝国』と言われましたが、寡聞にも『帝国』と云う名の付く国家は、ザイリンク帝国しか覚えが有りません。

 何時の間に国体として王国よりも上で有るはずの、『帝国』を名乗れる国家が出来上がり、然もかなり距離の有るルーシア王国までどうして来れたのか?

 そして、ここまで来れたという事は、スラブ連邦軍の目を盗んで来れたんですね、その方法は?

 更にルーシア王国の王女『アナスタシア姫』様が生きて居られ、貴方方『人類銀河帝国』に依頼し、ルーシア王国復活を委ねたとの事、其れはつまりあの強大極まりないスラブ連邦軍と戦い、それを退けるという事だと考えます、とても信じられないので、どうかその根拠をお示し下さい!

 そうで無ければ、とても貴方方に全てを委ねた脱出作戦に、私『マリア』が預かる3千人を任せるわけには参りません!」

 

 と『マリア』殿が、正論を告げて来たので、その懸念を晴らすべく、簡易立体プロジェクターを懐から取り出し、魔道具を起動させる事の許可を取り、ある程度の簡略化した『人類銀河帝国』の成立と、マジノ線防衛戦とガデッサの戦い等を動画で見せて上げると、『マリア』達は心底驚嘆した様子で空中に浮かぶ動画を穴の開くまで見続けていたが、やがて嘆息の息を吐き、

 

 「・・・ありがとうございました、ですが正直、先程見せて頂いた魔道具の内容は、あまりにも信じ難いものなので、少し考えさせて下さい」

 

 と返事された。

 

 「どうぞ好きなだけ考えて下さい、但し躊躇すればする程やって来るスラブ連邦軍の妨害は増えると思うので、なるべく早く決断して欲しい」

 

 と伝えて『マリア』殿は頷かれた。

 そして周囲にいる警備の方にこの『ルーシア大空洞』の案内と、状況を教えて欲しいと願った。

 

 「取り敢えず、この『ルーシア大空洞』の略図を御覧ください、この様にかなりの広さと・・・・」

 

 と喋っている途中に、

 

 「ゴオオンンーーーーー!!」

 

 と音がして、

 

 「チイッ、またか!」

 

 と警備員が叫び、近くにあった槍を持って教会から飛び出して行くのに、我々6人も一緒に向かう、何だか深刻そうな雰囲気と、我々ならば事態を納めれるという、奇妙な予感があったからだ。

 

 音のした現場に行ってみると、何と其処には例の『地虫(アースワーム)』が3匹暴れ回っていた!

 既に、この『ルーシア大空洞』の自警団100人程が、遠巻きに槍と剣を構え、魔法使い(10人)が後方から攻撃魔法を撃っている。

 だが実際の処かなり攻撃を『地虫(アースワーム)』に叩き込もうと、殆ど効いていない様だ。

 後で聞いたら、今までも度々来襲されていた様だが、精々追い返す事しか出来ずに被害もダルマ式に増えて行っていたそうだ。

 何時もは、1匹だけだから追い返せていたそだが、3匹同時な現在は大変なピンチな様だ。

 自分は他の5人に目配せして、遠巻きに槍や剣を構えている自警団100人の前に進み、『地虫(アースワーム)』の前に立った。

 『地虫(アースワーム)』3匹は狙いを我々6人に定め、襲い掛かって来た!

 

 シュバルツ殿は、自慢の双刀『右月・左月』を腰から抜き放ち、自身の魔力を高めると、

 

 「神剣流奥義《二連朱雀》!」

 

 と叫び炎を纏わせた右月・左月で十字に『地虫(アースワーム)』の一匹を切り裂き燃やす。

 続けてミツルギ殿が、ガントレットで有る『豪雷』を両手に装着し自身の魔力を高めると、

 

 「神拳流奥義《火産霊》!」

 

 と叫び炎を纏わせた拳の連打を浴びせ『地虫(アースワーム)』の一匹を殴打し燃やす。

 

 最後の『地虫(アースワーム)』は、他の4人が奥義を使用する必要も無く、連打と連撃で難無くボコボコにし、倒した。

 

 呆然とした面持ちで佇んでいる自警団100人が見てる中、『地虫(アースワーム)』の魔石を取ろうとしながら、

 

 「しかし、やはり兄弟子達の武具は羨ましいばかりだな、この戦争が終わったら名鍛冶師のガトル殿にお頼み、必ず某の専用武具を作って頂くぞ!」

 

 「全くだ、でないとこれ以上実力差を広げる訳には行かないぜ!」

 

 と拳王ダルマ殿と剣王カイエンが、兄弟子達の武具を悔しそうに見て、言葉を吐いている。

 

 《親父この戦争が終わったら大変そうだな》

 

 と、休めない状態の親父を気の毒に思った。

 

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