人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝)    作:ミスター仙人

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10月の日記①(人類銀河帝国 コリント朝元年)《決戦!スラブ連邦首都『エデン』攻防戦①》

 10月1日①

 

 払暁の朝靄の中、スラブ連邦首都『エデン』へ至る最後の難所である山脈を越え、平原に出た。

 そしてスラブ連邦首都『エデン』を帝国軍全軍が確認する。

 この時帝国軍全艦隊は、完全隠匿と完全遮音を同時に魔法展開しており、スラブ連邦軍は気づいていない様で、此方に対しての対応が一切行われていない。

 スラブ連邦首都『エデン』の上空には、事前に確認していた通り何やら巨大な黒い穴が空間に開いていた。

 やはり事前にドローンで観測していた通り、次元の穴を開けようとしているのだ!

 

 「帝国軍全艦隊、アンカー射出!

 艦挺の固定を行い、全魔法力を所定の空間座標に向けて集束させよ!」

 

 とアラン様の命令が飛び、所定の空間座標に向けて其々の艦艇の主砲から、全魔法力を放出させ始めた。

 その次の瞬間に、完全隠匿と完全遮音魔法は同時に切れたので、姿が露わになった為に相当な遠距離であったが、スラブ連邦軍が気づき疑似魔獣が押し寄せてきた。

 だが疑似魔獣が我々との距離を詰める前に、準備は整っていく。

 

 「『カイザー砲』エネルギー充填90パーセント、セーフティーロック解除、圧力、発射点へ上昇中。

 エネルギー充填100パーセント、敵目標へ軸線合わせ、ターゲットスコープオープン、電影クロスゲージ明度20。

 最終安全ロック解除、エネルギー充填120パーセント、対ショック、対閃光防御。

 『カイザー砲オーバーブラスト』発射!」

 

 次の瞬間、十分なエネルギー充填を終えて、総旗艦『ビスマルク』の先端に有る、超巨大なアダマンタイト製のドリルから凄まじいエネルギーが、所定の空間座標に溜まっていた魔力溜りに発射された!

 

 「ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!」

 

 発射された凄まじいエネルギーは、魔力溜りに突っ込むと、その威力を格段に増し、今にも開こうとしていた次元の穴に向かって行く!

 

 「キシューーーーーーーーン!」

 

 と空間が爆砕されて、次元の穴が閉じて行くと共に、その余剰エネルギーがスラブ連邦首都『エデン』の地表部分を激震させ、崩壊させて行く。

 その余剰エネルギー波は、我等帝国軍目掛けやって来ていた疑似魔獣共を、尽く薙ぎ払い一瞬の内に元のMMとなり、塵と化した。

 

 そのまま余剰エネルギー波は、帝国軍全艦隊に襲いかかったが、各艦艇の全力のバリアーの展開で防御しきる事が出来た。

 

 暫くの間、大量の魔石を消費しエネルギー補填を行い、ドローンによる偵察で、その後のスラブ連邦首都『エデン』の様子を観測していたら、例のシステム『エキドナ』の使用端末と思われる17の巨大なMMの塊が蠢動している事が観測された。

 

 やがて、17の巨大なMMの塊は一つの塊に集束され、一つの巨大な砲門を持つ塊と化した。

 あらゆる、攻撃に対処するフォーメーションを組みながらゆっくりと、スラブ連邦首都『エデン』の跡地に向かい帝国軍全艦隊が進み始めると、その巨大な砲門を我等に向けて照準に捉えた様だ。

 

 「ドン!」

 

 と思ったより大人しい音で砲弾が飛んで来たが、陸上重巡洋艦『バーミンガム』の4連装主砲が、迎撃すると。

 

 「キュン!」

 

 と何やら大きな物が小さく集束する様な音が響くと、敵との中間地点辺りで大爆発を起こし、キノコ雲が立ち昇り、爆発地点では巨大なクレーターが出来上がっている。

 

 《なんて威力だ!》

 

 戦慄を伴った震えを身体に感じたが、続けざまにその巨大な砲門から砲弾が放たれ、当然それに対して迎撃を重ねると、キノコ雲が連続で立ち昇る。

 

 一頻りの撃ち合いが終わると、敵はまたも身体を蠢動させ以前ガデッサで戦った、『バックベアード』を何十倍にしたくらいに巨大化し、その100以上の黒い触手から光線を浴びせてくる。

 帝国軍艦隊も艦砲で対抗していたが、中々『バックベアード』の方も強力なバリアーで対抗して来るので、決定だが出せないでいたので、いよいよ此方の切り札の一つを切る事になった。

 

 「此れより『アトラス』『グローリア』を新武装である、『光翼竜(ケツアルコアトル)モード』で出撃させる、全軍支援攻撃に移行せよ!」

 

 とアラン様が命令され、

 

 「「「了解!」」」

 

 と返事し、引き続き艦砲による牽制攻撃を行い、空軍旗艦『グラーフ・ツェッペリン』にてアトラス殿とグローリア殿の新武装である、『光翼竜(ケツアルコアトル)モード』への出撃準備に入る。

 

 予め新武装への武器換装はしていたので、空軍旗艦『グラーフ・ツェッペリン』の左右に有る巨大飛行甲板から、其々がせり上がる。

 

 『光翼竜(ケツアルコアトル)モード』・・・・・標準モードである『機竜(ドラグーン)モード』の上位モードで両翼に100枚の羽根を装着していて、基本はその羽根の推進力補助機能で、『機竜(ドラグーン)モード』の1.5倍にまで速度が増すが、戦闘の場合は羽根を切り離して展開し、攻防一体の武装となる。

 

 アトラス殿とグローリア殿は、戦場が戦塵により暗くなっているなか、オリハルコンで出来た100枚の羽根を装着して、その光り輝く姿を露わにした。

 

 「・・・・・アトラス、『光翼竜(ケツアルコアトル)モード』、出る!」

 

 「グローリア、『光翼竜(ケツアルコアトル)モード』、行きまーーす!」

 

 と双方はその翼を光り輝かせ、戦場に躍り出た。

 

 いよいよ、スラブ連邦首都『エデン』攻防戦は、第二幕に突入したのだった。

 

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