人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝)    作:ミスター仙人

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10月の日記②(人類銀河帝国 コリント朝元年)《決戦!スラブ連邦首都『エデン』攻防戦②》

 10月1日②

 

 アトラス殿とグローリア殿は、その輝かしい姿で仮称『超大型バックベアード』に正対すると、

 

 「『光翼竜(ケツアルコアトル)モード』、『リフレクション・ウイング』展開!」

 

 とアトラス殿が言い、100枚の羽根の内半分の50枚を身体の周りに展開し、同様にグローリア殿もそれに倣った。

 すると、『超大型バックベアード』はその100以上の黒い触手から光線を浴びせて来た。

 だが、その100以上の光線の殆どを、合計100枚の羽根は正確に弾き返し、黒い触手の先端は簡単に千切れ飛んだ。だが5秒程すると直ぐに黒い触手の先端は復活し、光線を吐き出す。

 そんな事を繰り返して、業を煮やしたのか、『超大型バックベアード』は全ての黒い触手の先端を集束させ、極太の光線をアトラス殿とグローリア殿に向けて放った!

 処が其れは、アトラス殿とグローリア殿にとって待っていた行動だったので、『リフレクション・ウイング』を漏斗状にしてその光線を2頭で吸収し、背中に装備しているバックパックに収納していた、2連装の砲塔から凝縮した光線のエネルギーを使用した、『プロミネンス・フレアー』を『超大型バックベアード』に向けて、アトラス殿は縦に薙ぎ、グローリア殿は横に薙ぐ形で切り裂いた!

 

 「ズドドドドーーーーーーン!」

 

 と云う轟音と共に『超大型バックベアード』は十字に切り裂かれ、大爆発を起こして4分割されてしまった。

 そして暫くブルブルと蠢動していたが、やがて無数の疑似魔獣や『テュポン』や『ハイドラ』等の巨大魔獣に分かれて、帝国軍全艦隊に襲い掛かって来た!

 

 当然此れに対し、帝国軍全艦隊は斉射3連で相手の進軍速度を殺し、空軍・高機動軍・重機動軍は、旗下のドラゴン部隊、ワイバーン部隊、戦闘バイク部隊、戦闘車両部隊を出撃させて、全戦力での総攻撃を開始した。

 

 主に艦隊は、『ヴァルキリー・ジャベリン』弾で、バリアー解除と敵を構成しているMMを破壊して行き、各部隊への支援攻撃を行う。

 アトラス殿とグローリア殿は、主に『テュポン』達を相手にし、『リフレクション・ウイング』で『テュポン』の光線攻撃を跳ね返し、それ程苦労しない様子で一体一体倒していく。

 ドラゴン部隊とワイバーン部隊は、『ハイドラ』達に先日から訓練していた超高性能ドローンとのフォーメーションの元、防御は超高性能ドローンに委ね軍団魔法を中心に、全力攻撃をして行く。

 戦闘バイク部隊と戦闘車両部隊は、セリーナ、シャロン両准将とカイン少佐が其々の愛機、『ディアブロ』号『ジャッジメント』号『ドリルバイク』に乗り、各々の軍団ごとに軍団魔法を展開し、ヒュドラやヒュドラもどきそして『地虫(アースワーム)』等の大型魔獣に突っ込んでいく。

 各部隊と軍団に、量産型ドローンは、情報提供と支援攻撃更に魔法力補填をして、支援する。

 

 4時間あまりの激戦を繰り返し、最後の『テュポン』を全軍の集中攻撃で葬り、MMも全て塵と化させた。

 漸く終わったかと、帝国軍全体が一息付いていると。

 地面が小刻みに揺れ始めた。

 何事か?と思っていると更に揺れは大きくなり、もしかして巨大地震なのかと疑っていると、スラブ連邦首都『エデン』の跡地に、巨大な穴が穿たれて行く。

 巨大な穴はやがて直径10キロメートルに及ぶクレーターと化し、揺れが小さくなると共に、そのクレーターの中から地響きを伴い、信じ難い程の大きさを持ったドーム型の物体がせり上がってきた。

 そのドーム型の物体は、大きすぎる所為か、どうやら先端部分を地表に出している状態だ。

 やがて揺れが収まり、ドーム型の物体もそれ以上地表に上がって来なくなると、その半球型の表面に無数の眼球が現れた。

 

 「・・・・・『システム・エキドナ』・・・・・!」

 

 そのアラン様の呟きを、ヘルメットのレシーバーが拾ってくれた。

 

 《こ、これが『システム・エキドナ』か?!》

 

 以前、賢聖『モーガン』殿が説明してくれた、此のセリース大陸に於ける龍脈(レイ・ライン)の膨大なエネルギーを利用して、無限に増殖するMM(マイクロ・マシーン)の能力を使い不毛の大地の土壌を実り豊かな物に改善する、本来人類の為に古の神々が残せし大いなる遺産なのだが、『ラスプーチン』が或るアーティファクトを悪用する事によって、人類の存在を脅かすとんでも無い存在に成り果ててしまっている。

 と超高性能ドローンが、『システム・エキドナ』を探査した資料を帝国軍全体に開示してくれたのだが、その中に違和感を感じる部分が有った。

 その違和感の元凶たる、『システム・エキドナ』の頭頂部に視線を移すと、何やら異質な光りを放つ円筒形の物体が見えて来た。

 

 《何だ?》

 

 と気になってその円筒形の物体をズームで観察すると、まるで息づくように光りを一定間隔で明滅している。

 暫く観察していると、円筒形の物体の一部に奇妙な突起物が見えた。

 更にズームすると、其れはどうやら人の上半身らしかった。

 その人間と覚しき物体をよく見ると、どうやらルーシア正教の司祭と思われる祭服を着ており、頭にも司祭帽を被っている。

 だが決定的に違う部分が見えた。

 そう服装の所為で人間に見えていたが、その顔と手は人間のそれとは全然違い、其れは『虫』それも蟻や蟷螂のそれと良く似ていた。

 

 「・・・・・バグス・・・・・!」

 

 アラン様の無限の憎しみを込めた言葉に戦慄しながら、我等はその無理矢理人間の真似をした悍ましき『虫』を嫌悪感も露わに見つめた。

 

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