人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝) 作:ミスター仙人
10月1日④
アラン様と『ラスプーチン』は、互いの武器での攻撃の掛け合いとなっている。
アラン様の持つ神器『レーヴァテイン』、『ラスプーチン』の持つアーティファクト『ティルフィング』のぶつかり合いで有る。
驚愕スべき神々の戦いなのだが、此方の方も相手が相手だけに、余裕が無いので必死の戦いで有る。
アトラス殿とグローリア殿は、『光翼竜(ケツアルコアトル)モード』の『リフレクション・ウイング』100枚ずつ全てを展開し、『システム・エキドナ』の攻撃を出来る限り反射し跳ね返す事にしている。
龍脈(レイ・ライン)を使った通信手段で賢聖『モーガン』殿が我等に指示を与えてくれる。
「みんな聞いて!
『システム・エキドナ』は、あくまでも人類を支援するシステムだから、自律的に人類を攻撃する事は無いの。
だけど『ラスプーチン』は、事前にある程度の定形行動をプログラムしているだろうから、先ずは自動防御(オート・プロテクション)行動以外の行動を探りましょう!」
と言われ、幾つかの指示をくれた。
最初は、飽和攻撃を仕掛ける為に、総旗艦『ビスマルク』から一番小さい駆逐艦までの全艦隊で主砲・副砲・機銃等のありとあらゆる攻撃手段を『システム・エキドナ』に浴びせていく。
『ヴァルキリー・ジャベリン』弾含む魔法弾と、複合魔法を徹底的に撃ち込む。
『ヴァルキリー・ジャベリン』弾によって『システム・エキドナ』のバリアーは、一時的に解除されその間は攻撃を与えられるのだが、その都度バリアーを張り直すので、再度『ヴァルキリー・ジャベリン』弾でバリアーを解除するしか無い。
賢聖『モーガン』殿はこの『システム・エキドナ』の様子を観察し、
「とにかく『システム・エキドナ』を、アラン様と『ラスプーチン』の一騎討ちに介入させない為に、注意を常に帝国軍艦隊に引きつけて、その間アトラス殿とグローリア殿は、『光翼竜(ケツアルコアトル)モード』の『リフレクション・ウイング』で常に『システム・エキドナ』の攻撃を反射して!
自動防御(オート・プロテクション)行動以外の行動をどうやら『ラスプーチン』は指示して無いみたいね。
このままの状態を維持しましょう!」
と判断された。
なので賢聖『モーガン』殿の指示通りに継続攻撃を反復しながら、アラン様と『ラスプーチン』の戦いを確認した。
その戦いは、凡そ人の範疇に収まるものでは無く、正に神と邪神がこの世の覇権を争う様な、神々の黄昏であった。
大空を白金に輝くアラン様が飛び周り、『ラスプーチン』が漆黒の闇を残像に残しながらアラン様と交差する。
「うrglぃdktb!」
妙な言葉を吐いた『ラスプーチン』は、何やら禍々しい巨大で悍ましく脈動する物体を、何も無かった空間から召喚した。
アラン様は、
「次元断層!」
と叫ばれると、我々(『システム・エキドナ』をも含む)と『ラスプーチン』の間に、空間を断つ様な壁を生み出された。
次の瞬間、『ラスプーチン』がその禍々しい巨大で悍ましく脈動する物体を、アラン様に投げつけて来たが、、空間を断つ様な壁の前で、一気に凝縮して弾けた!
一瞬、世界の全てが白く染まり、アラン様が展開された空間を断つ様な壁のお陰か、音の絶えた静寂(この時点で『システム・エキドナ』は沈黙している)のなか、周りを見回すと、アラン様が展開した壁より前の地面は存在しなかった!
信じられない思いで、ずっと先の方を見ると辛うじて山脈の一部が見えて来た。
つまり端が判らない程のクレーターが、『ラスプーチン』の攻撃により現出したのだ。
此の場にいる殆どの者が、恐怖の念に襲われる中、アラン様は、
「此れより、俺の現時点での最強の技を放つ!
全軍、対ショック、対閃光防御!」
と指示されたので、帝国軍全艦隊はアンカーを射出して艦艇を固定し、バリアーを最大出力で展開し、バイザー等を下ろして対閃光防御を整えた。
「征くぞ、『ラスプーチン』!
”武神アラミス”認可奥義『ドラゴン・ファング(竜牙)』!」
と叫ばれると、アラン様の背後から黄金色のドラゴンの頭が八つ出現し、凄まじい勢いで『ラスプーチン』に襲い掛かった!
『ラスプーチン』は逃れようと、飛ぼうとするが、呆気なく四肢を八つのドラゴンの顎に喰らいつかれ、拘束された。
「kし柄rh云うgs@jmェhb!」
『ラスプーチン』はその虫の頭を振り回そうと呻くが、当然ドラゴンの顎はそれを一切許さない。
「トドメだ!
”武神アラミス”認可秘奥義『ディストーション・クライシス』!」
とアラン様は叫ばれ、『ラスプーチン』目掛け真一文字に突っ込まれ、『ティルフィング』を持つ『ラスプーチン』に左手を切断し、返す刀で左肩から袈裟斬りに斬りつけ、股間に到達すると『レーヴァテイン』を握り返して逆に右肩まで斬り上げた!
丁度、Vの字に斬られた『ラスプーチン』は、
「セウbyゴア!!!」
と絶叫したが、技はこれで終わらない!
アラン様は、そのまま上段に『レーヴァテイン』を構え直し、唐竹割りに『ラスプーチン』を両断する!
すると『ラスプーチン』の背後に虚ろなる穴が空間に出現し、そのまま『ラスプーチン』は虚無の穴に吸い込まれる様に、落ちて行った。
虚無の穴は、『ラスプーチン』を吸い込むと、まるでその様な者は初めから存在しなかったかの如く、静かに消えて行った。
暫くは、その場に居た全ての者がひたすら呆然としていたが、やがてゆっくりと総旗艦『ビスマルク』の甲板にアラン様が降りられると、全帝国軍人は怒号の様な歓声を上げた。
「「「「「ウオオオオオオオオオオオオオオオーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!」」」」」
そう、この時、長きスラブ連邦との戦争が、一つの決着を見たのである。