人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝)    作:ミスター仙人

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閑話51「ミーシャの思い出帳」⑦(旦那達の旅程と帰還)

 あれから数日後、旦那から『魔法大国マージナル』に着いて、私の騎竜で有るサバンナと久し振りに話せたの。

 

 「サバンナ、元気!

 ガイや他のドラゴン達も元気なの?」

 

 とモニター越しに勢い込んで聞いたら、弱々しそうに翻訳機越しに、

 

 「・・・・・実は、それ程私や他のドラゴン全員元気では無いですよ・・・・・」

 

 と答えて来てので詳細を聞いたら、何でも朝から晩まで賢聖『モーガン』殿と『魔法大国マージナル』の『守護竜アルゴス』殿に、あらゆる面で鍛えられて居て、かなりキツイそうだ。

 喋り方も流暢になってるから、身体面だけでなく頭脳の方も鍛えてるんじゃないかしら。

 

 「そう言えば、グローリア殿のお見合いはどうなったのかしら?

 それこそが、主題だったんだから結果を知りたいわ」

 

 とサバンナに聞いたら、サバンナは言い淀む様に、

 

 「・・・・・その事ですが、少し問題が有るんですよ・・・・・」

 

 と答えたから、まさか不調に終わったのかしら?と聞くと、

 

 「いいえ、それよりも手前の段階で、グローリア殿がアトラス殿と話し合う前に、人間と同等の接し方をするグローリア殿に対し、のっけからアトラス殿が、優れた種のドラゴンで有るグローリア殿が、劣った種で有る人間と協力関係にあるのを愉快に思われずに、度々人間の能力を侮る発言をされ、とうとうアラン陛下の能力を疑う発言をされたので、グローリア殿と言い争いに発展して終いには魔法での力比べをして、双方傷つくという事態になりましたの」

 

 と答えてくれたの。

 成る程、考えて見れば、この反応は想定して置くべきだったわ。

 古代竜(エンシェント・ドラゴン)であるアトラス殿にして見れば、そもそも普通の人間とドラゴンを比べるのは、そもそも比較対象として間違えているでしょうからね。

 

 結局、グローリア殿とアトラス殿は現在両者共に医療用『コクーン』で療養中なんだそう。

 それでは、アトラス殿の認識を変更させる荒療治が必要ね。

 

 そうこうしている内に、話は進みアラン様とアトラス殿の決闘の日になったわ。

 クレリア皇妃陛下の提案で、自分含む嫁さん仲間と皇妃宮でみんなで見たの。

 

 アラン様が負けると、これっぽっちも思わないけど、流石にアトラス殿は大きいわね、古代竜(エンシェント・ドラゴン)なだけあるわね、体長だけで現在のグローリア殿の25メートルを越える30メートルに達し、当然その手足と尾も応分に大きいわ。

 

 「・・・本当に良いのだな?小さきものよ、手加減は出来ないぞ!」

 

 とアトラス殿はアラン様に言われ、アラン様は、

 

 「全然問題ないぞ!

 

 むしろ何処まで手加減してやろうか、考えて居るところだよ」

 

 返答されたので、

 

 「良くぞ、ほざいた小さきものよ、 全力で引き裂いてくれるぞ!覚悟しろ!」

 

 と激昂してるわ。

 

 「其れでは始めよ!」

 

 と『守護竜アルゴス』殿が宣言されたわ。

 すると、スタスタとまるで友達に歩み寄る様に、何でもない様子でアラン様が正面からアトラス殿に近づく、流石に面食らったのか、暫く呆然とアトラス殿はしていたが、直ぐ目の前でアラン様が「掛かってこい」と言わんばかりに、にこやかに笑いながら手招きして挑発したの。

 それを見て、クレリア皇妃陛下は一つも動じずに苦笑されてるわ。

 

 《流石はクレリア皇妃陛下、アラン様を完全に信頼されてるわ!》

 

 と思い、大型モニターを見直すと、その凄まじい激闘は、以前行われた『裏の世界武道大会』を圧倒するものだったわ。

 

 《でもこの動画を見ないで、伝聞だけでは誰も信じてくれないでしょうね》

 

 と『クラン・シューティングスター』のメンバーで有る人以外の同席者は、口を開けたまま呆けているわ。

 そして最後に、アラン様がアトラス殿の『逆鱗』を斬り落とし、勝負を決めると、此の場に居る全ての人が大型モニターに向けて拍手していたわ。

 そして口々に、クレリア皇妃陛下に向かい祝辞を述べると、クレリア皇妃陛下は、

 

 「みんな、ありがとう。

 だけど、オウカさんやミーシャそしてエレナとサーシャは、アランがどれだけ手を抜いてたか判るでしょう?」

 

 と問われたので、名前を呼ばれた全員は苦笑いしちゃった。

 だって、アラン様は『循環魔法』以外殆ど魔法を使用しなかったのだから、恐らくは実力の20パーセントくらいしか出して無いんじゃないかしら?

 

 その後は、特に困難も無く帝国艦隊は、順調に旅程を進めて、訪れた国々と同盟や協力を取り付けて、対スラブ連邦の準備を整えて、ここ帝都コリントへ向けて帰ってくるの。

 

 私も随分長く旦那と会えて無かったから、楽しみなんだけど、やっぱり人類銀河帝国の国民としては、クレリア皇妃陛下とアラン様の再会が待ち遠しく思うわ。

 きっとその光景は、帝国国民全てが望む素晴らしい一服の絵の様な図じゃないかしら。

 

 漸く2ヶ月間の長期出張を終えて、帝都コリントに帝国軍艦隊は到着したわ。

 望み通りにクレリア皇妃陛下とアラン様の再会シーンは、夕方のニュースから始まって、何回も放送されたみたいだけど、私は旦那が帰って来てお腹の辺りに気を付けながら抱きしめてくれたのが、何よりも幸せ過ぎて怖いくらいだったの。

 義妹のカレンちゃん始め、家族全てが家に勢ぞろいして口々に旦那の帰還を喜んでるのを見て、更に全員私のお腹の赤ちゃんを愛でてくれたから、本当にこの家族と一緒に居られる幸せを噛み締める事が出来たわ。

 

 

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