人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝) 作:ミスター仙人
3月10日(コリント朝元年)
陸上戦艦『ビスマルク』をダウンサイジングした巡洋艦2隻を建造中、アラン様から更に小回りが効く艦船の建造を指示されて、駆逐艦とフリゲート艦を建造する事になった。
俺たちの弟子や従業員たちは、これまでの艦船の建造の経験を積んだお陰で、独自に建造出来る程に技術が上がったので任せる事にして、俺達とドレイク殿は例の『飛空船』から得られた技術や、思いついたアイデアの開発を進めることにしたぜ。
3月20日(コリント朝元年)
新しい技術の開発と、『飛空船』の眠っていた武装技術の再現に成功した。
しかし、このグラビトン(重力子)という技術と、龍脈(レイ・ライン)ダイレクト・リンクと云う技術はとんでもねえ代物だ。
今までの魔導技術を根底から覆し兼ねねえぜ。
この技術を活かした新たな艦船を今後建造する為に、新たなドッグを建設する許可をマジノ線に向かい行軍中の、アラン様に力説しようとしたら、アラン様は予定していた以上のドッグを2倍以上の規模で建設する様に命令された。
アラン様は、何かの予感が有るのか、かなり深刻な様子で仰られておられる。
アラン様が此れほど険しい顔をされているのは、モニターで見せて貰った例の『ザッハーク』以来だぜ。
今回戦うスラブ連邦とやらは、最初から不気味だとは思っていたが、どうやら想定以上のヤバい敵なようだな。
俺は、アラン様の言われた通りに2倍以上の規模のドッグ建設を、港湾施設管理の奴等に指示し、早速取り掛からせた。
4月1日(コリント朝元年)
俺とドップそしてドレイク殿とハインツ達は、8ちゃんが特別に見せてくれる、軍用の戦況放送を見せて貰った。
《こっ、これは?!》
思わずゴクリとツバを飲み込んで、その放送を固唾を呑んで見てると、悪夢を見ている様な化け物が画面一杯に映っている!
8ちゃんがワザワザ、神話に記述の有る化け物の概要を示してくれた。
『テュポン』・・・・・古神『エキドナ』より生まれし、肩に100の蛇の頭を持つ邪神、小神や従属神では勝てず、俗説では『女神ルミナス神』の夫にして最強の戦神である、『武神アラミス』が滅ぼしたとされる。
この情報が真実なら、とてもではねえが人が対抗出来る相手じゃねえ!
その思いを肯定する様に、『テュポン』の肩に生えてる100の蛇の頭の口から光線が、とんでもねえ距離から放たれた!
次の瞬間、俺たちの労作で有る、ヘリコプターの大半が爆散し、ワイバーン達も多くが傷付いちまった!
「・・・う、嘘だろ・・・」
とドップの奴はうめき声を上げ、ドレイク殿は目を血走らせ、ハインツ達は歯をカチカチと鳴らせてやがる。
俺は、この時は気づかなかったが、後で顔を洗って見たら、どうやらあまりにも強く握り拳を作ったらしく、血の跡がくっきりと手の平に残ってやがった。(傷は『ナノム玉』のお陰で治ってたらしいが)
ヘリコプターとワイバーン達には、そのサイズに見合うだけの、防衛手段を講じてたが、まるでその処置は無駄であると言わんばかりに、容易に壊しちまった!
俺たち技術者の努力を嘲笑う様な攻撃は、ショックだったぜ。
その直後の極太の光線も、アラン様の適切な指示で、息子の騎竜ガイ達ドラゴン部隊が全力で防衛してくれたから、何とかなったがそんなに保つか判らねえ。
そうしたら、賢聖『モーガン』殿が魔法技術を注ぎ込んで作り上げた、『機龍(ドラグーン)』モードに武装したグローリア殿がビスマルクの後部飛行甲板にせり上がってきた。
すると、8ちゃんが見せてくれているモニターに有る端のテキスト画面に、
「・・・龍脈(レイ・ライン)へのリンクを確立・・・龍脈遠隔操縦(レイ・ラインダイレクトリンク)プログラム始動・・・対《邪神》迎撃プログラムの限定解除を"武神アラミス"へ要請・・・・・認証中・・・認可成功・・・武装タイプ選択・・・標準(スタンダード)モデル・・・名称『機龍(ドラグーン)』モード・・・対象『グローリア』への武装換装開始・・・換装中・・・・・・換装終了・・・グローリア後部甲板にて出撃準備・・・」
と云う文字列が並んでいる。
おお、これから龍脈(レイ・ライン)ダイレクト・リンクの技術を使った戦闘が見れるのか!
と感動しながら見てると、その戦闘力の凄まじいレベルは、想定しているレベルを優に越えてやがる。
特に、『ゼウス(雷神)の裁き』、『ウラヌス(天空神)の怒り』は今までの魔力量では、とても無理な魔法構成だ。
これは、龍脈(レイ・ライン)からの常時魔力供給が為せる技だろうな。
この技術は必ず今後の艦船に役立てる事が出来るだろう。
そんな事を考えていると、『テュポン』を見事にグローリア殿とガイ達ドラゴンが滅ぼしてくれてた。
全く凄い技術だぜ!
つまり如何に《邪神》であっても、技術力で克服出来る事が実証出来た訳だ。
よーし、俺達技術者の面目躍如だ。
最新の技術を活かした艦船を建造して見せるぜ!