人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝)    作:ミスター仙人

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閑64「マゼラママの徒然日記」⑦(『マダムの会』と『ホシ』の恋愛協奏曲)

 4月10日(2年目)

 

 『デパート』の就業時間を終えた後の広場で、成功を祝う祝賀会が内々で行われたの。

 タルスさんとサイラスさんが、従業員達に向かい謝意を述べた後は、宴会に移行して色んなお酒を振る舞われたわ。

 従業員は出来るだけ参加したみたいで、就業している7割の人が参加していて分野を越えてみんなで祝いあったわ。

 そんな中、私達高級ブランドチームのグループに、タルスさんの奥さんのラナさんとバースさんの奥さんのサラさんが合流して来て、全員で盛り上がって来て、その会話中にラナさんの提案で、クレリア様の『女子会』と似た『マダムの会』を母親達で作る事を言われたので、皆で賛成しそのまま会を起ち上げる事になったわ。

 

 4月18日(2年目)

 

 『マダムの会』が起ち上がってそれ程日が経って無いのに、凄い事に会員数が300人に達してしまい、正式な任意団体として、生活ブロックの一つのビルが『マダムの会』の本拠になったの、何とタダで!

 然も隣は、サイラス商会の巨大オフィスビルが有って、専門の事務員や送迎用の運転手までサイラス商会がタダで手配してくれてるわ。

 そしてその従業員達を統括するのは、アリスタさんの片腕であるナタリーさん。

 敏腕過ぎる程の人材なのに、何でたかが一つの任意団体の為に厚遇するのかしら?

 不思議に思ってその疑問をぶつけてみたら、可笑しそうに笑われて、

 

 「皆さん、自己評価が低すぎですよ。

 参加してるメンバーは、現在コリント領での女性団体の集まりとしては、クレリア様の女子会の次に重要な人物が会員に名を連ねてますし、規模としては今後貴族を初め多くの上流階級の奥様の参加が見込まれますし、その様な方々の購買力と、コネクションは我がサイラス商会にとって途轍もない利益を生み出します。

 このくらいの投資は、当然ですね!」

 

 とのたまうの。

 確かに私や友達の平民以外の会員は、大店の奥方や大貴族(ファーン侯爵の奥方等)の親族だったり、元スターヴェーク王国の貴族の方々等、錚々たるメンバーだから納得したわ。

 

 4月25日(2年目)

 

 『マダムの会』の本拠ビルの前で、何だか人だかりが出来ていて、私と親友のマミも物見高く人だかりに近づくと、私の旦那の飲み友達の『ホシ』さんが、やたら大きな花束を持ってナタリーさんに向かって何か言ってるわ。

 聞き耳を立てて会話を聴いてみると、

 

 「・・・・・これで12回目だが、俺は本気だ!

 ナタリーさん!貴方は、俺にとっての一番星だ!

 貴方に会ってから、俺の・・・・・」

 

 と聞こえた所で、ナタリーさんが顔を真っ赤にしてホシさんの腕を掴んで、ビルに入って行ったわ。

 その後をビルの警備員達が慌てて追って行ったから、多分修羅場にはならないだろうけど、騒ぎにはなりそうね。

 すっかり毒気が抜けちゃったから、用である5月1日の『水着大会』の参加者目録を貰い、マミと一緒に家路に着いたわ。

 

 4月28日(2年目)

 

 『水着大会』の最終確認の為に、『マダムの会』の本拠ビルに向かい、応接室でナタリーさんと打ち合わせをして、全ての書類手続きとモデルに選出された女性への水着を提出したわ。

 全部終わって休憩時間になり、ナタリーさんと雑談していたのだけど、先日のホシさんとの出来事をそれとなく聴いてみたの、ただあくまでも言える範囲で良いとは予め言っておいたわ。

 暫くナタリーさんは逡巡した後に、

 

 「・・・・・そうですね、ホシさんの友人のガトル殿を夫に持たれる、マゼラさんには状況を知ってもらい、場合によっては協力して貰おうと思いますので、初めから説明します」

 

 と言われたから、拝聴する事にしたわ。

 

 そもそもの出会いは、ホシとジョナサンがまだトレーラーに乗っていなくて、馬車でスターヴェーク王国の脱出民をガンツに送り届けた頃に遡るの。

 脱出民をコリント領に連れて行く為の、諸手続きと食料品の配給と水の確保等をガンツの商業ギルドに依頼する為に、ホシがやって来て担当に着いたのがナタリーさんなんだって。

 その際に、ホシの愛馬の『一番星』が、アロイス王国の追っ手からの弓矢と魔法攻撃で深手を負っていて、その葬儀をして上げて(普通は馬の葬儀などしない)、粛々と脱出民をコリント領に無事送り届ける為の便宜を図ったり、心のケアを含む怪我や疲労を取り除く為に医者を派遣したそうだ。

 その時は、お互いに名前を教えあった程度だったそうだが、いざコリント領で再会し、ホシとジョナサンがトレーラーを開発し、物流関係の取引やトレーラーの大口の購入等で、折衝する事が増えて行き、度々食事や飲みに誘われたので、失礼の無い範囲で応じていたんだけど、3回めの食事の時に告白されたんだって。

 何でも、最初から容姿がホシにとってど真ん中のストライクで、話し振りやキビキビと仕事をこなす姿に、感動して、俺の終世のマドンナだと確信したそうで、ホシが地方にデコトレで向かい仕事を終えて、その途上などで珍しいお土産を見つけて来る度に、花束とお土産を持ってプロポーズに来るんだそうだ。

 

 何とも微笑ましい話しだが、これが子供や青年なら誰も問題と思わないだろうけど、肝心の求婚者が40を越えたオジサンで、然も個室や自宅ならともかく、往来での大声を上げたプロポーズが度々有り、先日はそのプロポーズを真っ昼間の仕事場前でやられてしまったので、恥ずかしいので止めて貰いたいと釘を指したんだけど、あまり効き目がなさそうな雰囲気だったんで、是非私の夫のガトルに、注意して貰いたいんだって。

 

 うーん、それにどれ程効き目があるか判らないけど、と告げて家に帰ったわ。

 夫に夕飯後、経緯を説明して上げたんだけど、夫も考え込んでしまって良案が無いみたい。

 ホント、恋愛事は難しいわ。

 正解なんて、当事者同士にしか無いから、あくまでも他人は手助けしか出来ないもの。

 

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