人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝)    作:ミスター仙人

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閑67「マゼラママの徒然日記」⑩(両親達の歓迎会&ケニーとミーシャさんの婚約会)

 11月3日(2年目)

 

 両親達がコリント領に着いて、ホテルに泊まって貰い歓迎会を開いたの。

 コリント領の先進性に驚いているみたいで、かなり興奮してるけど、私達も両親達の様子に驚いてしまったわ。

 どうやら『ナノム玉』のお陰で、かなり体調も良くなり若返った様になったみたい。

 その『ナノム玉』を両親達に勧めたのは、息子のケニーと同僚のミーシャさんらしいけど、二人は私と夫のガトルの前で神妙な面持ちで、畏まっているわ。

 娘のカレンに、予め話しを聞いていたから話題を察して、話しだすのを待ってると、遠慮会釈ない両親達が囃し立てて二人を促すから、可哀想にミーシャさんは顔を真っ赤にして黙り込んでしまったわ。

 しょうがないから、私とカレンがミーシャさんを別室に連れ出して上げて、夫と息子に後は任せてミーシャさんの気分を落ち着かせて上げたわ。

 ミーシャさんも女性だけになると、落ち着いてくれて、ポツポツと話し始めたわ。

 

 何でもご自身の本当の父母は、生まれて直ぐに村に出没したグレイハウンドの集団に殺されてしまい、叔父夫婦が大切に育ててくれたのだが、その叔父夫婦と一緒に住んで居たダヴィード伯爵領が、アロイス王国の侵攻で攻められ、その時にミーシャさんと叔父夫婦はバラバラに分かれ、敗残兵と共にルドヴィーク辺境伯領に逃れて、ルドヴィーク辺境伯の命令に従い、クレリア様を逃す為の陽動部隊になり、セシリオ王国の辺境都市で他の部隊と合流し、クレリア様との合流を果たしてからは、全力で息子のケニーと共に頑張ってきて、同じ空軍の上司と部下になると、ケニーの朴訥さと何事にも真面目に取り組む誠実性に惹かれ、今回私の両親達の後押しもあり、ケニーと一緒になりたいと望み、私と夫のガトルの了解を得たいと、時々つっかえながら話してくれたわ。

 元々私と夫のガトルは、常々ミーシャさんを気に入ってたし、独り立ちしている息子のケニーは、アラン様とクレリア様の信任も厚く、このコリント領でも無くてはならない人物となってるし、そのケニーの部下と云うより相棒の様なミーシャさんの存在は、私達家族にとってかけがいのない女性だわ。

 なので、私はミーシャさんを安心させる為にも、一も二も無く夫婦になる事に賛成し、ミーシャさんの手を取って息子の事を頼んだわ。

 するとミーシャさんは、大粒の涙を浮かべて私に抱きついて来たわ。

 まるで大きな赤ちゃんね。

 私は、その大きな赤ちゃんの背中を擦り、ゆっくりとあやして上げると、ミーシャさんは大きな声を上げて咽び泣いたわ。

 きっと、今までの色んな想いや辛かった事が、一遍に溢れてきたのね、娘のカレンも感極まったのか、一緒になって大泣きし始めたわ。

 二人を両腕で大きく抱え、暫くなすがままにしてやると、やがて落ち着いて来たので、元の部屋に戻ってみると、息子のケニーが直ぐにミーシャさんに寄り添うと、私達家族全員に向かい姿勢を正すと。

 

 「・・・みんな、俺はこのミーシャと一緒に生きたいと思う!

 どうか許可して貰いたい!」

 

 と相変わらず堅苦しく、愚直なまでの素直な言葉で宣言したわ。

 夫のガトルはこれまた堅苦しく、

 

 「・・・ミーシャさん、今までずっと貴方が隣で見ていたとおりに、俺の息子は堅物で真面目一辺倒の面白くねえ男だ!

 だが、だからこそ、アラン様とクレリア様、更には同僚から信頼されて今のポジションに着いた実績が有る。 

 きっと今後のコリント領に於いて、息子の所属する軍隊は、これまで通り最前線で戦う事になるだろうから、俺たちだけでは、そのフォローが出来ねえと思う!

 そこで、ミーシャさんが息子に寄り添ってくれるのは、本当にありがてえ!

 是非、この朴訥で堅物な俺の息子をお願いする!」

 

 と深々とお辞儀したので、私も同じ位に深々と頭を下げたわ。

 そして挨拶が終わったら、ホテルのレストランで、両親達の歓迎会&ケニーとミーシャさんの婚約会を同時に行ったわ。

 この日は、久々に家族全員+1の楽しいお祝いが出来て、本当に楽しかったわ。

 

 11月14日(2年目)

 

 大規模な女子会パーティーが開かれて、全員でクレリア様をお祝いする事になり、建築中のアスガルド城近くの広場で、娘のカレンと一緒に招待されたわ。

 先日から噂になっていた、アラン様とクレリア様が主導する形の新国家『人類銀河帝国』の事も語られたわ。

 一通りの儀式が終わり、アリシアさん達と私はクレリア様に呼ばれ、『人類銀河帝国』が正式に発足する、来年の1月1日に着る、アラン様とクレリア様の衣装のデザイン案と、当日用に注文される様々な役職の人々の衣装と魔導アクセサリー等のアイテム、そして『人類銀河帝国』での様々な部門での制服案の選定に入るように要請されたわ。

 アリシアさんは、既にその為の試作品案を用意していて、女子会パーティーに参加されている女性達も、様々な意見を出してくれて、大変盛り上がったけど、肝心のクレリア様のウエディングドレスの要望を聞かれた際に、ウエディングドレスのロングトレーン(引き裾)付きが気に入られた様なので、ロングトレーン(引き裾)を引く小姓をどうするのか、聞いてみたら、何と娘のカレンとエラちゃんに頼むみたい。

 なので、カレンとエラちゃんにも新しく衣服をデザインし直さなくちゃいけないわ。

 他にも色んな貴族や王族の方々の、正装依頼が引っ切り無しに来ているから、サイラス商会の高級ブランド部門は全然休む暇が無いわね。

 




 長い閑話も終わり、いよいよ新しい本編の話しに次回から移ります。
今まで一つもまともに触れなかった、『崑崙皇国』が舞台になりますが、当初は帝国の現状と、第三部の主人公達の誕生がメインとなります。
 お楽しみに。
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